一般知識 / 情報通信


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電子政府・電子自治体・電子申請

電子政府の取り組み

電子による公的手続(電子申請)

 電子申請(オンライン申請)とは、窓口に足を運ばずして、会社や家庭のパソコンから、健康保険の資格取得や婚姻届など、国、地方自治体への各種申請、届出をすることをいう。総務省は、オンライン申請に関する「行政手続の電子情報処理組織の使用法」を2002年1月の通常国会に提出し、政府のIT戦略本部は、原則としてすべての申請、届出の手続を2003年度までにインターネットで行えるよう目指し、オンライン申請の実現をめざした。そして、住民が窓口に出向く手間が省けるようになる。なお、オンライン申請により、現在の95%以上の手続がオンライン化される見通しであるが、旅券の交付や計量器の検査など、対面による本人確認や現物検査が必要でオンライン化になじまない手続は適用除外項目となる。

電子による公的手続

  • 電子投票
     2002年2月に施行された電子投票法(電磁記録投票法)により、コンピュータタウ待つを使って投票することが認められた。この制度は、地方選挙に限られ、各市町村(政令指定都市の行政区を含む)が条例で制定した場合、および都道府県の条例で制定した場合、それぞれの首長・議員選挙での電子投票が可能となる。ただし、不在者投票についてはこれまで通りの自筆式となっている。この電子投票法によっても、各投票所から開票所へ投票データをオンラインで送ることはセキュリティの面から認められなかった。電子投票最大のメリットは開票作業の迅速化・省力化にあり、また高齢者や障害者でも簡単に投票ができるシステムとなっている。2002年6月に実施された、岡山県新見市の電子投票では、集計要員は2人、開票作業はわずか25分で終了と、その威力を証明した。
  • 住基ネットとその問題
     平成11年8月に成立した、改正住民基本台帳法に基づき整備された、市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務の処理や国の行政機関等に対する本人確認情報の提供を行うための全国規模のネットワークシステムをいう。
     2002年7月22日に福島県矢祭町が不参加を表明、そして東京都国立市、同杉並区、三重県小俣町、同二見町がこれに続いて不参加を表明した。続いて、2002年8月2日、神奈川県横浜市が市民選択制をとることを表明。
     この結果、8月5日の稼働スタート時点で、400万人を超える国民が住基ネットに参加しないという事態が生じた。

電子政府を支える法整備(行政手続オンライン化3法)

 電子政府・電子自治体の推進のための行政手続オンライン化関係3法が第155回国会(平成14年12月6日)に成立し、同月13日に公布された。^  これらの法令は平成15年2月3日に施行され、現在各手続において情報システムの整備が進められており、数多くの申請・届出等の手続がインターネットにて可能となっている。


行政手続オンライン化3法

行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律(行政手続オンライン化法)

 行政機関への申請等の行政手続(約52000種)について、書面によることに加えてオンラインでも可能とするための通則法となっている。これによって、手続をオンラインで行うために、各個別に法令を改正する必要が無くなる。但し、対面や現物が必要な手続は除外されている。

行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(整備法)

 上記の行政手続オンライン化法を補完し、例外を定める。主な整備事項としては以下の4つがある。

  1. 既にオンライン化している法律との整合性
  2. 手数料納付の電子化
  3. オンライン化に伴う手続の簡素化
  4. 歳入・歳出の電子化、国税・地方税の電子納税

電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律(公的個人認証法)

 行政手続のオンライン化のために、第三者による電子情報の改ざん防止・相手方確認のために、高度な個人認証サービスを全国どこでも安価な費用で提供する制度を整備する法律。

  1. 希望者に対する電子証明書の発行
  2. 電子証明書の失効情報の提供
  3. 個人情報の保護
  4. 指定認証機関

不正な電子申請党を防止する技術および法整備


盗聴、改ざんに対する対策

  • 公開鍵暗号方式
  • 電子証明書
     公開鍵の持ち主を証明するものとして「電子証明書」があり、これを発行する機関を「認証局」という。公開鍵(証明書の中に公開鍵が含まれる形になっている)を受け取った場合、証明書の内容に不備がないか、そしてその証明書を発行した認証局が信頼できる認証局かどうかで確認をするということになる。この認証局の整備が、民間認証局基盤整備も視野に入れた政府認証基盤(GPKI)となる。

なりすまし、否認に対する対策

  • 電子署名の意義
     公開鍵暗号方式を使用して電子署名も可能になる。つまり、ある文書を送ろうとする場合、この文書(平文)とともに、同じ文書を自分の秘密鍵で暗号化したもの(電子署名)を送る。この2つを受け取った相手方は、まず暗号化された文書を送り主の公開鍵で復号化し、これを平文と比較する。これが一致すると、なりすましや改ざんがないということとなり、結果として否認のリスクも回避することができることになる。
  • 電子署名法
    • 正式名称「電子署名および認証業務に関する法律」 2001年4月1日施行。
    • この法律は、電磁的記録の情報に本人ニョ留一定の電子署名が行われているときは、真正に成立したものと推定するもので、対象を私文書に限定している。電子署名とは電磁的に記録できる情報について行われる措置で、以下の要件に該当するものをいう。
      1. 当該情報が電子署名を行った者の本人性を確認することができるものである
      2. 当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものである
    • また、認証機関の安全・信頼性にかんする必要最小限の要件を充たすものを「特定認証業務」と定義して、認証機関の運営主体を民間に任せることも規定されている。主務大臣の認定を受けた認証機関は、認証業務の安全・信頼性の維持、利用者保護などの観点から、ゞ般海亡悗垢訥∧蹐虜鄒・保存義務、⇒用者の真偽の確認に関する情報の目的外使用の禁止、主務大臣による報告徴収および立入検査などを受ける義務を負う。

情報通信

u-japan政策

 u-japanとは、ユビキタスネットワーク社会が実現された日本という構想のことをいい、そのような社会の実現を目指して総務省が2006年から2010年にかけて実施する、情報通信技術を推進する政策の名称でもある。

目的

  • ネットワークの整備
     総務省のまとめたu-japanの政策によると、まず、第一は、「ユビキタスネットワーク整備」である。シームレスなユビキタスネットワークの整備を進め、サイバー空間の拡大と実物空間への浸透を促進するとしている。
     具体的には、「有線・無線のシームレスなアクセス環境の整備」、「ブロードバンド基盤の全国的整備」、「実物系ネットワークの確立」、「ネットワーク・コレボレーションの基盤整備」の4つの重点戦略を推進する、としている。
  • ICT(情報通信技術)の高度利用
     本格的な少子高齢化社会を迎え将来課題が山積する中、社会的課題の解決にICTを役立てるよう利活用の視点を転換するとしている。
     具体的には、「ICTによる先行的社会システム改革」、「コンテンツの創造・流通・利用促進」、「ユニバーサルデザインの導入促進」、「ICT人材活用」の4つの重点戦略を推進する。
  • 利用環境整備
     「いつでも、どこで、何でも、誰でも」ネットワークに繋がるユビキタスネット社会に向けての不安や障害を速やかに解消するために、ICTの利用環境整備を抜本的に強化する必要があるため、具体的には、想起される様々な「影」の課題を整理し、具体的なイメージを明確化すると共に、「ICT安心・安全21戦略」、「ユビキタスネット社会憲章」の二点を推進する。
  • 国際戦略と技術戦略
     前記に共通する横断的戦略として、国際戦略と技術戦略が挙げられる。
     すなわち、ユビキタスネット社会は本質的にグローバルであるため、国際的なネットワークや市場の視点が不可欠となるところ、u-japan政策のコンセプトは国際的に見てもほとんど例がないため、二国間・多国間の協議や国際機関における会議等、さまざまな国際舞台を通じて、わが国から積極的に照会し、情報発信していくことが望ましいとされている。個別的な施策については、アジア・ブロードバンド計画等の国際戦略を通じて、アジア地域等における国際協力態勢の構築を推進することが必要であるとも指摘されている。
     また、ユビキタスネット社会は技術革新が原動力となっており、ICT分野の研究開発や標準化が重要となる。
     具体的には、産業界だけでは取り組めないようなリスクの高い基礎研究の実施、市場原理の働きにくい地域におけるNPO等の協力を得たインフラ整備、市民参画による実情に即したソリューションの創出等々、創意工夫に基づく新しいモデルの創出が望まれるとまとめられている。

ネット犯罪

 2000年1月の官公庁のホームページへの不正侵入を機に、政府はサイバーセキュリティの強化に乗り出し、警察にはハイテク犯罪対策室などが設置された。また、1999年には不正アクセス禁止法が成立、2002年には迷惑メールを規制する法律が施行されるなど、セキュリティ対策が始動した。

法整備

  • 不正アクセス禁止法
     2000年2月に施行。コンピュータネットワークへの不正アクセスを禁じ、その違反に対して罰則を設けた法律。
     ここで、不正アクセスとは、他人の識別符号を無断で使用する行為や、サーバのセキュリティホールなどを攻撃してコンピュータに侵入する行為をいう。他人の識別符号を第三者に教えるなどの行為も不正アクセスを助長するとして処罰される。また、アクセス管理者に対しても不正アクセスを防御するための防御措置を講ずる責務を課している。
  • 改正古物営業法
     2003年から施行。古物営業法は骨董品や中古品を売買する古物商を対象とした法律だが、改正古物営業法はこれまで対象外であった仲介業者のオークション業者にも公安委員会への届出や、盗品の疑いがある物品の警察への通報などを義務付けるもので、ネットオークションでの盗品取引を取り締まる目的。
  • 迷惑メール防止法
     迷惑メールを規制する法律は、「改正特定商取引法」と「特定電子メール送信適正化法(迷惑メール防止法、2002年7月施行)」の2つがある。
     改正特定商取引法は、消費者保護を目的とした広告規制で、消費者がメールを受け取りたくない旨を業者に通知したにも関わらず送り続けた業者に改善命令・業務停止命令、最終的には罰金と懲役刑を科すことができる。
     迷惑メール防止法は実際にメールを送信する送信事業者が対象で、架空のメールアドレスでの送信を禁止し、NTTドコモなどの通信事業者は一時に大量の仮想アドレスでのメールの送信を拒否できる。
  • 公的個人認証法
     電子署名に係る地方公共団体の認証業務に関する法律(公的個人認証法)が平成14年12月成立、同月13日公布された。この法律は、申請・届出をオンライン化するために個人認証サービスを提供する制度を整備するための法律となっている。この法律では、インターネット上で申請者本人を確認するための電子証明書を発行するための仕組みや国、都道府県・市町村等の役割分担を定めている。
     また、個人情報を扱うことから、法律をより実効的なものとするために、秘密保持の義務、罰則も規定している。

ファイル交換・共有ソフト問題

  • Napsterなど
     利用者が、アメリカのナップスター社のサーバ上で、データの交換相手を探し、直接個人間でファイル交換する仕組みのものであるが、全米レコード工業会から著作権侵害に基づく訴訟を起こされ、敗訴した結果、業務を停止するに至った。
     このNapster互換のファイル共有ソフトとしてWinMXがあり、これも音楽などの著作物の違法コピーが問題とされ、警察の監視下にあるといわれている。
  • Winny
     2001年11月にWinMXの利用者2人が著作権法違反容疑で逮捕された。
     Winnyはデータを暗号化し、第三者経由で転送するなどして匿名性を上げており、こうした危険を回避出来るといわれている。これにより違法的に著作物が無限に拡散する可能性が有ることから問題とされている。2006年12月には、winnyを開発・公開した技術者に対して、著作権法違反幇助の罪で、罰金刑が言い渡されている(京都地裁判決)。