- ナムコ/ namco
- プレイステーション
- 1997.8-1998.3
- 楽曲制作
#amazon(B000064O1P)
- 業務用を完全燃焼で終えたところに、リミックス製作でとどめを刺され、モチベーションを上げるのに大変苦労した。
- 楽曲の方向性も全く思いつかなかった。いわゆるデジタルロックは業務用でやり尽くした感じがあった。が、かといって別のジャンルも思いつかず悶々としていた。考えてばかりいても進まないので、まずは業務用時に突破口となったポール曲からやってみようととにかく作り始めてみたが全くピンとこない。
- このスランプ感を打破したきっかけは技術的なアプローチで、以下の通りである。
- ディストーション、オーバードライブ等歪み系のシンセへの多用。妙な空気感を加える。
- ベロシティもランダム化されたアルペジオに極めて強めにL1をかけ音量をそろえる事で、音色が変化しているように聴こえさせる。
- Rycycle!でチョップしたサンプルを徹底的に組み替えて新しいブレイクビートを作る。
- Kawai K5000Rの多用。適当にパラメーターを動かしているとClavia Nordlead以上にアナログには決して見られない凄まじい音色変化をする事があり、その点が非常に気に入っていた。また、前述の歪み系エフェクトノリが良かった。
- 担当楽曲別インプレッション
- Lei
- 2分ぐらいで入ってくる、コードサンプリングのフレーズの最後の下りが特に良い。
- King
- 業務用では及第点、といった感じだったが、ここでやっと昇華できた印象。
- Paul
- 最初に作った曲でもあり、若干力み過ぎな印象。1分30秒以降で出る、prodigyも多用したU110のストリングスが良い。
- Law
- 全体的に汚れた感じが気に入っている。前述のU110のストリングスのフレーズの狂い方が最高。
- Yoshimitsu
- サントラアレンジのトラウマを乗り越えいい感じに出来た。徹底的に組み替えたブレイクビートが良い。途中のメインコードを鳴らすパッドはE-mu Vintage Keys。
- Xiaoyu
- 業務用が楽屋落ち気味だったので曲を変えた。1分30秒ぐらいからのBパート、アナログのザリザリなパッドとランダム系アルペジオ、が大変気に入っている。
- Julia
- すんなりと作り過ぎたのかあまり印象が無い。2分ぐらいで出てくるフィルインは岡部氏、三宅氏の3人で武蔵溝ノ口の練習スタジオのドラムセットを叩いて録音したサンプル。
- Mokujin
- 木人の仕様通り、全キャラのフレーズが入っているという曲だが、この仕掛けも業務用版のシャオ曲のワンダーエッグフレーズ同様空振り気味だった。このブレイクビートも組み替えまくって作ったものだが大変秀逸。1分30秒以降にでてくるストリングスのコードがいい。
- Anna
- Ogre
- 業務用版と同じぐらい気に入っている。特に形態変化後のTB系のベースフレーズが良い。SE風ギターはひげ中村氏のもので、ニアフィールドのツィーターを飛ばしたという噂。
- キャラクターセレクト
- シーケンスの要所要所にマーカーを打ち、リアルタイムでロケーションを飛ばしADATに一気に流し込んで作った曲。努力空しく、業務用版には及ばなかった。
- 業務用版に比べ、エンディングムービーも含め楽曲数が飛躍的に増えたため、ヘルプでスタッフを複数おさえた。この全体のマネージメントは慣れない事もあり大変神経を使った。
- 某有名アーチストがタイアップするという話が舞い込み、楽曲全体での統一化を狙っていた自分は必死で阻止した。グラフィッカーさんも協力してくれたため事無きを得た。
- TDは新宿のバズーカスタジオにて行った。とにかく余裕のある作業を行いたかったので1日2曲に限定した。よってTDは12月始めにスタート、完了したのが確かクリスマスイブである。
- この時から立ち会いの仕方を変えた。エンジニア作業中はコントロールルームから出てロビーで待機し、ある程度完成したら声をかけてもらいチェックする、というスタイル。特にこのプロジェクトは曲数も多かったので、この方法は非常に効果的だった。
- とはいえロビーでやる事も無く、ゲームと本を山ほど買ってダラダラと過ごしていた。罰が当たったのか月中頃にかなりきつい風邪をひきロビーで寝ていた。
- 毎日新宿に、しかも1時出勤ということで、ストレスを買い物で解消するOL並みに買い物をしまくってからスタジオ入りという流れだった。特に良く行ったのは伊勢丹にあったアニエスで、普段着る事も無いスーツをこの12月の間に3着も買った。タカノフルーツパーラーのメロンジュースもよく飲んだ。確か最終日は伊勢丹の地下でシャンパンを買ってスタジオで飲んだ。
- ビクタースタジオ(現フレア)川崎氏のマスタリング後、いくつかのムービー用のサウンドのダイナミックレンジが大きすぎてテレビモニターからはほとんど聞こえなくなってしまう事が判明、2MIXをPEAKで開け、ちょっとでもレベルが落ちている部分にガンガンマーカーを打ち、かなり強引にゲインを上げていった。
- プロジェクト完了時は達成感よりも、やっと終わってくれたとひたすらホッとした。
佐野電磁業務履歴
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