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- Grip
- 死ぬ前に思い出す自作曲ベストテンノミネート曲。
- REZ/UnderworldやCrystal Clear/GRIDなどで聴かれる、アナログシンセのシーケンスループをメインに、よりグッとくるコード展開を絡め、通常の楽曲構成に寄らせた曲を作ってみようと思ったのが始まり。
- ちなみにREZはThe Prodigyでお馴染みだったXLレコーディングスのコンピ、Vol4あたりの1曲め。このコンピのファンだったのでこの曲と出会う事となる。今考えるとちょっと信じられない。このアルバムには今や2stepperとなってしまったjonny Lのoh I like itという美しくも哀しいボコーダーが泣ける超名曲が入っている。
- 曲名のGripはこのアーチスト名Gridから来ている、というと身もふたも無いが、シンプルかつ車絡みと単にモジったにしては出来の良い曲名。ただしどちらが自分の曲の名前だったかよく忘れる。今もググった。
- で、イントロが出来て、いやイントロしか出来ていないのに自慢げに人に聴かせたのはこの曲ぐらい。
- 当時楽曲で使用できた同時発音数、多分20音か22音、を全て使用して、たった一つの楽音のモノラルフレーズを疑似ディレイ、ディレイがない場合に打ち込みによりディレイがかかっているように聴こえさせる、をしまくった。結果、強烈な浮遊感のある最高な音場が出来た。
- そして、この自分で作ったイントロの感動も覚めやらぬうちにメインパートが完成していった。この部分が完成した時は深夜という時間も手伝ってあ−俺って天才だったんだと本気で思った。
- それまで自分の作る曲のコードに多かったのはセブンスの分数系を全て発音、つまり5音構成だった。が、この曲からオミットする事を覚え始めた。このメインパートの澄んだ、透明感の強さはこれによるものだと思う。
- 一番苦労したのはアシッド風なベースが入るサビ後の部分。
- これは当時流行していたTB303をシミュレートしようと試行錯誤した結果、失敗に終わっているもの。ベースを数音色用意しクロスフェードしてフィルタリングの雰囲気を出そうとしたのだが....。
- このパートのフレーズ重ねやメインメロ作りも難航した。結局メロらしいメロは無くなり、申し訳程度にクラッシュが加えられているが、今聴くとこれはこれでいい力の抜け具合かと思う
- このパートの終盤、元のメインパートに返すコード展開も迷いに迷った。
- そして、最終的にはメインパートに曲冒頭部のシーケンスが重なる辺りは今でも涙腺が緩む。
- 「僕、Grip好きだったんですよ」というコメントには「奇遇ですね僕もです」と本気で返す。
- あー本当に良い曲だ。
- Rarehero2
- この最高な曲名を思いついた勢いで完成まで突っ走って作った。
- ラリーXのフレーズを入れようと思ったのは曲を作っている途中で。ポリゴンバリバリの(当時)最先端のゲームに古き良きゲームのフレーズが入ったら笑える、というそのまんまな発想だったが、実際にゲームプレイ中に出てくると予想以上に笑いも大きかった。このラリーXフレーズは当時グラフィック担当のふじい氏に誉められて大変嬉しかったのを覚えている。
- この楽曲で一番苦労したのは、途中のピアノの細かいコード刻み。この部分がどうにも思い浮かばず、スケジュールも切迫していたがホッポリ投げて未来研から15万のサニーに乗ってふてくされて家に帰った。すると当時毎週欠かさず見ていたBeatUKでかかっていた曲に「絶対手で弾けないピアノフレーズ」があり、これは面白いなと思ったのがきっかけ。これ以降もテレビから楽曲製作においてブレイクスルーするヒントを掴むことは多かった。受身でリラックスしている状態が逆に良いのかも知れない。
- 仕事に自信が出てきた感じが如実につかめる楽曲。このバウンシー加減や突っ走り感は、今どう頑張っても真似出来ない。その歳にしか、その時代にしか書けない曲があるのが良く分かる曲。
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