鉄拳タッグトーナメント / Tekken Tag Tournament


  • ナムコ/namco
  • 業務用ビデオゲーム
  • 1999.4-1999.6
  • 楽曲制作

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  • 鉄拳3時はメインで担当していたが、ここではヘルプで4曲という関わり方だった事と、当時、大変気に入っていたブンブンサテライツのブレイクビーツの刻み方を元に、ボコーダーを絡めた上でのデジタルロックではない楽曲の落としどころが見えていたので、極めて気が楽でかつ順調に作業が進んだ。
  • その順調な作業の中で悩みどころだったのは楽音作成だった。容量的に余裕が出てきたため、ブレイクビーツを44.1Khzにしてみた。これは以前からの夢でもあったのだが、実際に試してみると、筐体のスピーカーから出した際全く迫力に欠けてしまい、結局通常のレートに戻す事にした。
    • 業務用の際はとにかく音圧重視になるので徹底的に潰すのだが、その際、通常レートの方がブレイクビーツ的に気持ちの良い帯域が荒れてくれる、という理由が大きい。
    • 余談になるが、ブレイクビーツが普及し始めた頃は、当然容量的に44.1Khzで載せる事など不可能だった。そこで、高レートを出すためにいわゆる金物と呼ばれるワンヒットの楽音のみハイレートでサンプリングし、ブレイクビートに絡まるようにパターンを打ち込んでリズム全体のレート感を高めていった。
      • 特に有効だったのがキックと同時にハットをそれと分からないくらいの音量で同時に鳴らす方法で、これによりキックの存在感が強まったように聴こえさせる事が出来たので多用した。通常のTDでベースやキックの音量を上げずに前へ出したい時に、EQで10k(場合によってはもっと上)辺りを持ち上げるやり方に似ている。
  • Jin
    • ブレイクビートの刻み方とパニングの使い方が特に良く出来ていると思う。
    • 曲後半部でドラムを強烈に細かく鳴らし発信風な音にしている部分に、予想通りディレクターの原田氏が「なんか音が変なんですけど....」と引っかかってくれたのが嬉しかった。
  • School
    • 佳作、と言った感じか。鐘のFMっぽさがもっと出て欲しかった。ループ前のボイスのエディットがちょっとは良い。
  • Yoshimitsu
    • ブンブンを参考にブレイクビーツのエディットを考えていたはずなのだが、全く違ったものになっている。
    • ベースの基本波形な音色とそれに合ったフレージングが心地良い。ゼビウス3D/G+ テクノマニアックスから始まった基本波形ブームの流れ。
    • ボイスは非常にベタだが般若心経から。
    • どこかオリエンタルな感じ、という距離感を含め、楽曲的にも気に入っている
  • Middle Boss
    • ベースのフレーズとブレイクビートの刻みがよく絡んでいる。メロは悪くないが楽曲構成上若干逃げている感じも

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