鉄拳 / Tekken


  • ナムコ / namco
  • プレイステーション
  • 1994.12-1995.1
  • アレンジ制作

  • 鉄拳 サウンドトラックの流れで、プレイステーション版鉄拳のアレンジをやる事になる。曲もサウンドトラック同様、野球場。
  • オケものならぬオケヒットもの、というコンセプトだった。オケヒットを何の躊躇も無く使い続ける人に対する皮肉だったが、それ以上の何ものでも無く、きつい言い方をすれば単なる悪ふざけに終わっている。
    • とはいえ、そのオケヒット自体の音に対するこだわりは強く、製作で一番苦労したのが、自分の頭の中で鳴っているいつかどこかで聴いたオケヒットの音を見つける事だった。
    • オケヒットという性質上、エディットしてどうにかなるものでは無く、まさにそのものの音を見つけなくてはならない。入手できるあらゆるサンプリングCDを漁ったが見つからない。
    • というのも、サンプリングCDが普及し始めた時期と、オケヒットの流行した時期が全くずれているので、ネタとして認識されていなかった理由による。つまりお遊び程度にオケヒットが入ってはいるが、選ぶほどは無い、という状態だった。
    • 最終的にはまさに自分のイメージしていたオケヒットを探り当てる事になる。出所は私物で学生時代に入手していたRoland S-330のライブラリー、もちろんフロッピーディスク、であった。
  • この時のTDも、まだ実際に音源モジュール等の機材を外部スタジオに持ち込んで、48に流し込む、という形で進められた
    • とにかく機材の搬入出だけで一仕事である上、その機材を正常に鳴らすまでがまた大変だった。
    • ある意味お約束でもあるが、データを入れたハードディスクが現場で全く動かなくなる、というトラブルも発生した。確か細江さんのデータだったと思うが、本人の全く動じない、それ以上に楽しんでいるかのような雰囲気に驚愕し、見習おうと思ったが、いまだにあそこまで度胸が据わるには至らない。
    • このTDの二日目に、あの阪神大震災が起こった。前日の搬入による疲労で朦朧とベットから起きて、つけたテレビの映像がよく理解できず、あれは何だったんだろうと思いながら三宿のスタジオに向かったのを覚えている。

佐野電磁業務履歴