レイヴレーサー / Rave Racer


  • ナムコ/namco
  • 業務用ビデオゲーム
  • 1995.4-1995.12
  • 楽曲制作

#amazon(B00005GX6Y)
  • それまで、リッジシリーズにおいてはヘルプとして作業を行っていたが、この製品からメインで楽曲製作を担当した。
    • 楽曲製作自体より、楽音製作が辛かった。担当者専用楽音は各自に任せれば良いだけなので何の心配も無いが、共有領域用の楽音は、他の担当者、全て先輩、も使用する重要なものなので、製作には大変プレッシャーがかかった。特に音圧が出ない事に苦労した。結果的にソフトクリップにより音圧感を高めていく事を身に付けられた。
  • EXH*NOTES
    • 曲名は当時傾倒していたD*NOTEから。「エグゾーストノーツ」と読む。
    • この曲の製作期間の8割ぐらいは、ドラム部分の製作に費やされている。とにかくイメージするあのドラムンベース(当時ジャングルに代わりこの言葉が出てきた)の感じが出ない。結果的に細かく打ち込んだドラムパターンに、別のブレイクビートを重ねる事で、イメージする質感に辿り着く事が出来た。その時の嬉しさは今でも覚えている。
    • この曲を作る事で、ドラムンベースというものが、ドラムのパターンと同様、ベースのフレージングが非常に重要である事に再認識した。
    • ループ終了手前のホワイトノイズのフェイドインによる「オカズ」は我ながら凄いアイデア。
    • 完成した時は、前述の楽音製作のプレッシャーも消えたこともあり、大変嬉しかった。その次の日、ビクタースタジオでの仕事の帰り、買ったばかりのユーノスロードスターに細江さんを乗せて、この曲を大音量で嫌と言うほど聴かせまくった。「細江さん!!佐野はついに天才になりました!!!!!」みたいな。迷惑にもほどがあるが、その時菩薩のような微笑みを絶やさなかった細江さんにはこのエピソードだけ切り取っても頭が上がらない。
    • しかし、今聴いても本当に良い曲だと思う。
  • JAZZ MISION
    • これもリッジレーサーLD同様、US3やUFO系のジャズグルーヴ曲を作りたくて作った曲。そういう意味ではLDの曲よりも熟れてきている。
    • メインメロをとるピアノフレーズを、古いレコードからサンプリングした感じを出したくてホワイトノイズを足すなどという小癪な技にでている。ちなみにフレーズサンプリングは容量的な制約で出来なかった。
    • ループの最終部から、曲頭に戻るためのコード進行が思いつかず苦労した。が、上手い事繋げられたと思う。
  • TEKNOPERA
    • Don't laugh / Josh Wink のような、徹底的にバカっぽい曲にしたくて作った。
    • 声ネタはハレルヤかクラシッククワイヤーから。この頃サンプリングCDが充実してきたので楽しい反面、ネタ探しというかなり根気と勘が必要な作業に耐える日々が始まる。
    • ループエンドからスタートへのつながり〜クワイヤーだけが残りイントロに繋がっていく〜の美しさでは、今まで作ったどのゲーム用BGMにも勝る。通常の音楽製作においては何てことのないギミックだが、内蔵音源で発音数も限定された環境においては、実は非常に手間がかかる。
  • RAREHERO3 PACIFIC MIX
    • 次は「3」があるだろうというムードに負け、というかそう思われたからにはやらないわけにはいかず、という負のプレッシャーに反して製作中はノリノリだった。理由の一つに既にこの時点で3曲完成していたので気分が軽かったという事があげられる。
    • この頃好きだったアトランティックオーシャン(曲名の「パシフィックミックス」もココから来ている)等の明るくてハッピーな今で言うトランス系楽曲にしようと作っていった。結果としてバウンシーでとても楽しげな感じになり大変気に入っている。
    • 前作、Rarehero2でのラリ−Xを考えると、今回もやらないわけにはいかない、と、ポールポジションのBGMを取り上げた。この部分の製作当初は音色を似せる事も含めかなり難航するかと思ったが、意外にも順調に製作できた。このフレーズの最終部に、エントリージングル(コイン投入ジングルだったか?)を入れて聴いてみた時は、そのハマり具合にとても感動した。
  • RALLY-JUNGLE-X
    • ネームエントリー時か何かのバックで、車を操ってパイロンを倒せるモードの際にかかる曲。
    • いままで作った中で一番(ラガ系という意味での)ジャングル感が高い。メロの音色もオリジナルのそれに似て、短い曲ではあるが大変気に入っている。
    • ファミ通でこの曲が誉められ、大変嬉しかったのを覚えている。が、そのおよそ7年後、同じ雑誌から聴くに耐えない曲(ドラッグオンドラグーン)と評される事になろうとは....。

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