鉄拳2 ストライクアレンジズ


  • ナムコ / namco
  • ビクターエンターテインメント
  • 音楽CD
  • 1996.7
  • アレンジ製作

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  • 鉄拳2プレイステーション版のアレンジ(リミックス)アルバム。PS版で自分がアレンジし、一番好きだった吉光の曲をリミックスした(#6)。ミックスも含め、出来には大変満足している。
    • ブレイクビートを同時に3つ使い、それぞれをレフト、ライト、センターに定位させた。普通これだけ重ねると単に鳴り数が多くなり重くなるだけだが、それぞれが大変上手く絡み良いグルーヴをつくり出せている。これはミックスに因るところが大きい。
      • TDは大川正義氏。失礼かもしれないが、「ちょっと有名みたいだけどこんなジジイにこの手の曲のミックスできるのか?」と作業前は大変不安だった。例えば何も考えずにキックにリバーヴをかけるような事をしないでくれと懇願し結果モメまくるような事(実話)になるのではないかと危惧した。
      • だが結果的に大変満足できる見事なミックスになった。特に先の3つのブレイクビートのEQ、ボリュームのバランスが素晴らしかった。
      • また、シーケンスフレーズをパニングさせ、その動きに合わせてリバーヴの深さを変化させる、というギミックが良かった。パニング中L→C→Rと動いてる際のセンター時にリバーブ量を最小、R→C→Lと動く際のセンター時にリバーブ量を最大にするというもの。これによりパニングされたサウンドが立体的な動きをしている(自分が、円運動している音源の軌跡上にいる)ように聞こえる。この技はその後何度も使用させてもらった。
      • ミックス中、人さし指をのばした右手を軽く上げ「コンピューター」とアシスタントにオーダーするのが、時代を感じて良かった。オートミックスが珍しい頃の名残りなんだろうか。
    • 当時大変気に入っていたトリニティのプリセットのギターに、その頃流行り始めたフィルターをかけた。フィルターはトリニティのパラメーターで実現させたか、またはMS10のエクストラシグナルに入力してフィルターをかけたかどちらかのはずだが、失念した。
  • TD時に、別のリミックス曲を担当していた飯野賢治氏と飯田和敏氏に会った。いろいろと言われていた飯野氏だったが、少なくともトークは抜群に面白かったし、人を動かす人独特の雰囲気を持っていた。ただ手掛けたリミックス曲は全く理解出来なかったが。
  • 後日、今回のリミキサーが一同に介し取材を受けた。その際、リミキサーの一人に30代の人がいて、「これからはテクノですよテクノ」と声高に話していたのを、30代のジジイが何を言ってるんだよ、つーか今更テクノとか言っちゃうあたりがジジイだよなとヒキまくったのを覚えている。テクノ云々以前に、この人のリミックスが本当にパッとしなかったという事もあるが。
    • とは言えそんな自分も30代半ば、この記憶は極めて骨身にしみる。

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