- プロダクションアイジー Production IG / ソニーコンピューターエンターテインメント Sony Computer Entertainment / キャビア cavia
- プレイステーション2
- 2003.5-2004.1
- サウンドディレクション、楽曲製作
- 効果音、ボイス
- ボイス収録とそれに関連するマネージメント、及びゲーム中効果音自体の製作とムービー部のMAは、スタジオジブリのサウンドメイクも手掛けている株式会社キキ。ゲームサウンド仕様作成と各効果音の音量バランス・ピッチ等、パラメータレベルでの音作りをキャビア側で担当した。
- この作業分け区分が予想以上に効率が良かった。元の効果音がテレビ的で非常にタチの良い音だったので作業上大変助かった。
- 効果音に関してはゲームのメインディレクターでもある岳氏が極めて明確なイメージを持っていたためスムーズに作業が進んだ。
- アニメ業界の職人芸的なMA、と言うものを目の当たりにし大変勉強になった。
- 特に驚いたのがボリュームコントロール。環境的な理由もあるだろうが、映像を見ながらまさにライブ感覚で4ペア以上のフェーダーを上げ下げ、そしてそれがばっちり絵と合う、合わせる技術には驚いた。例えばPro Toolにてマウスでボリュームを書き込んでいくよりもはるかに理想的なサウンドを出してくる、しかも当然だが早い。
- モーションへのサウンド付けに関しては、プログラマの小林氏がオリジナルツールを作成、モションデザイナーが荒く行えるような環境が導入された。
- もともとはサウンド担当者が作業を行う前段階用の、いわばタタキの製作のためのツールだった。ところが、ツール自体の性能も高く、また、実際に作業を行ったデザイナーの鈴木氏がサウンドに対するセンスを兼ね備えていた事で、結果的に佐野はこの作業においては確認に終始した。正直な話申し訳ないぐらい作業時間が短縮された。
- 楽曲
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- 劇伴、背景音に徹しようと考えた。よって楽曲、楽音の構成は極めてシンプル、かつ、ゲーム中べったりと曲を流さず、必要最小限に曲を鳴らすようにしようと、プロデューサーであるProduction IG藤咲氏と意見が合致していた。
- ただし、ジャンル設定には非常に試行錯誤をした。様々な楽曲を試したがゲームの雰囲気に溶け込んでいかない。ゲーム自体の持つスピード感とクールさ、近未来感をより高めるジャンルと言う事で最終的に行き着いたのが、一時期の流行からかなり形を変化させていたドラムンベースだった。
- 楽曲製作上一番苦労したのはやはりベースである。
- サブベース風な、サイン波そのままなベースを使っても、例えばテレビに付属している劣悪なモニターからは全く聴こえない。これを回避するためにかなり強めにデチューンさせ輪郭を強めた。その後徹底的に潰して音圧を高めた。
- フレージングにも苦労した。コードを追いかけすぎるとドラムンベース風に聴こえなくなる点を特に注意した。
- 今回はテーマ曲、というかテーマコード展開を持たせた。タイトル画面、ブリーフィング、エンディング〜スタッフロールで聴ける。大変気に入っている。
- これをドラムンベースとしてリミックスしたものがサントラCDに収録されている「stacomPS2.DnB sanodg mix」。この曲もいい形に仕上げる事が出来た。
- トレーラーでも聴ける民謡、「陸羽田植歌」の歌唱は知り合いに紹介してもらった元劇団四季の加藤佳美さん。作詞は前述の藤咲氏、作曲は佐野。
- 当然民謡の作曲経験は無く、まさに見よう見まねでメロディーを作ったのだが、加藤さんの強烈に説得力のある歌唱のおかげで素晴らしい曲としてリリースする事が出来た。
- 収録後、いかにも古いレコードからのサウンドの様なエフェクトを加えた。Cubase純正エフェクトであるVinyl、Overdrive、またwavesのルネッサンスコンプ、同EQも使用し、理想とするサウンドに仕上げる事が出来た。
- 極めてスムーズに作業が行え、かつ外部スタッフとのやり取りの中で非常に刺激を受けたプロジェクトだった。
佐野電磁業務履歴
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