コンデンサーとは電場のエネルギーを積極的にためる素子です。
下図の回路でスイッチを入れると、回路に電流が流れコンデンサーが充電されます。
エネルギーは大抵瞬時に輸送することはできません。
図ではおおよそ2RCの時間で輸送が完了します。
RCはこの回路の時定数です。
この時、コンデンサーの正側の電極にある電子が負側に移動します。
これを真電流といい、図では i に相当します。
コンデンサーの内部には真電流がないので電流は連続していないと思うかも知れません。
実は電流にはもう一つあってそれが δD/δt で表される変位電流密度と呼ばれています。
コンデンサーの内部は充電中電束密度 D が変化しています。
電束密度が変化するのは電荷の移動によるものです。
よって、真電流と変位電流は同じ値で、電流は連続しています。
変位電流は電流を連続に保つための便宜的な量ではありません。
この電流の周りには磁場が存在しています。
閉回路の中には磁場が表から裏へ向かって発生しています。
電流は変位電流を加えると連続している。
電磁場の輸送エネルギーはポインティングベクトルで表されます。
図を見ると充電中はコンデンサーへ向かってポインティングベクトルが回路に形成されエネルギーが輸送されていることが分るでしょう。
運ばれたエネルギーは静電エネルギーとしてコンデンサーに蓄積されます。
充電が終わると電場はあっても電流がながれないので磁場がなく、ポインティングベクトルが形成されません。
このようにエネルギーは導線で囲まれた場を通って輸送されます。 導線は電磁波をガイドしています。
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