同軸線の特性インピーダンス


同軸線とエネルギー輸送


同軸線の特性インピーダンス

同軸線内ではTEM波しか存在しないので電場はr方向のみ磁場はθ方向のみです。 同軸の電場は電磁気演習書などに書かれているように

Co06_1.png

磁場は

Co006_2.png

です。電場と磁場の比は上記の式の比をとればわかるように場所に依存しません。どこでも、電場と磁場が運ぶエネルギーは等しくなっています。これが同軸線を使う理由です。
1/2ED=1/2HB に代入すると

Co06_3.png

特性インピーダンスが導出できます。

特性インピーダンスとは電場が運ぶエネルギーと磁場が運ぶエネルギーが等しくあるためには電圧と電流の比がどうあるべきかの答えなのです。

同軸線内のすべての電磁波の電圧、電流の比は特性インピーダンスである。

もちろん同軸線につながれた負荷が特性インピーダンスに合っていない時には十分な時間が経てば、I=V/R の電流が流れ、電圧、電流の比が特性インピーダンスとは違うではないかと思うかもしれません。 しかし、電磁波は波であり、波は変化を知らせるものです。変化を知らせる電磁波はつねに、特性インピーダンスで決まる電圧、電流値で伝わっていて何回も往復して定常な状態を作っていることに注意する必要があります。これについては後に見ることとにします。

ちなみに電場と磁場の比は

Co06_08.png

です。

電磁波によって運ばれる単位時間あたりのエネルギーはポインティングベクトルを積分して、

Co06_4.png

とおなじみの式になります。 電圧と電流は電場と磁場の 別の顔 です。

ちなみに一般の同軸線は絶縁にポリエステル(比誘電率2.2)を使っていて半径比が 3.44 で 50オームになります。 このとき単位長さ当たりの容量は

Co06_5.png

より、100pF/m で、単位長さ当たりのインダクタンスは

Co06_6.png

より、2.5nH/m です。

また、ポリエステル同軸線では電磁波は

Co06_7.png

より、1mを5nsec かかって伝搬します。

また、特性インピーダンスは L と C を使って

Co06_09.png

と表されます。

そろそろ反射にいきましょうか


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