CANALAZZO 30号


CANALAZZO 30号

2006/08/13(日)発行

━━━(1面)【国内】臨時集会、イスパニア側との交渉継続を模索━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8月12日、ヴェネツィアで開催された市民大集会の臨時集会は、投資先の選定との当初目的とは裏腹にサンジョルジュ問題でゆれる、イスパニア側との融和が図れるか否かをめぐり、大きく紛糾した。

はじめに、イスパニア側の使節が議長団と接触、交渉はイスパニア人のサンジョルジュ奪取と時同じくしたため、議長団が、サンジョルジュなくして交渉なしと表明する一方、相手方は、旗幟を鮮明にせよと主張し、双方の意見を持ち帰るのみであったと、報告された。

集会の議論は、果たして、旗幟鮮明にすることが賢明なのかという意見もあがる中、サンジョルジュの返還を前提としつつ、友好関係の維持を目的として、交渉を継続するという意見を取りまとめる形となった。

しかし、大海戦に伴う投票では、個人の自由意思を尊重するとの見解も確認され、交渉団は、ほぼ裁量権のない状況で送り出されることになる。

一方、集会終了後になって、リアルト界隈では、イスパニア側がサンジョルジュ確保にむけて結束を図っているとの風説もとびかっており、交渉は最初から暗礁に乗り上げていくとの見方が濃厚だ。

━━━(2面)【海外】サントメ、同盟港化なる━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

8月6日、ギニア湾のサントメ港に金獅子旗が舞っていることが確認された。
当初、同時期に、サンジョルジュ港がイスパニア側の手に帰したことから、様々な憶測を呼んだ。だが、どうやら、アドリア海に覇を唱える大富豪たちが遊興の果てに蕩尽した結果であるという見方が現在有力だ。

これにより「真珠がアドリア海のご婦人方に流行する」と語る商人がいるが、黒海あたりまで運んで、スラブ諸侯の代理人に売り渡した方が、遥かに利益が上がると主張する商人もいる。

また、イングランド側は、現在東アフリカからカルカッタと手広い投資活動を行っているため、相対的にサントメ奪還の動きが鈍っている状況だ。
しかし、着々と進みつつあり、西アフリカに金獅子旗が残るのか、微妙な状況にさしかかっている。

━━━(3面)【社会】幽霊船の怪━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

近頃、アフリカ航路を行きかう船乗りの間で、一つの噂が飛び交っている。
曰く、「ケープからナタールにかけての航路に不気味な船団がいる」とのことだ。
怪しい光を放ち、しかも、マストに“幽霊船”と堂々と掲げているという。

交戦すると極めて手強いことから、伝説の「さまよえるネーデルランド人」ではないかともいわれているが、付近の警備艦隊では、「幽霊船が幽霊船と名乗るはずがなく、海賊の新手の戦法に過ぎない」との公式見解を崩していない。
しかし、目撃情報と被害が頻発しているため、近く大規模な掃討作戦を予定しているとのことである。

━━━(4面)【特集】大海戦投票を考える━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回のサンジョルジュ騒動に関し、一部「ヴェネツィアがイスパニアと連盟をしなかったため」との理由を挙げる言説がある。
また、イスパニアとの連盟について、投票に拘束をかけよとの主張がある。
果たしてそのようなことが可能だろうか、多少の検討をしてみたいと思う。

以下にあげる表は、順に、月、西:英:静観の投票比率、連盟状況、目的港、ヴェネツィア(威)の行動と成果をしめしている。

10月_28:62:10_西__対葡仏蘭_カサブランカ__結果的中立
11月_14:81:05_英威蘭対葡仏__カーボヴェルデ_英に連盟…引分
12月_35:58:07_葡仏蘭対西___サッサリ____結果的中立
01月_53:40:07_西威_対英蘭__ベルゲン____西に連盟…敗北
02月_16:82:03_英威_対葡蘭仏_シエラレオネ__英に連盟…引分
03月_15:79:06_葡蘭仏対英威__アテネ_____英に連盟…惜敗
04月_62:33:05_西威仏対葡蘭__カサブランカ__西に連盟…引分
05月_24:71:05_英威蘭対西仏__ジャマイカ___英に連盟…勝利
06月_58:39:02_葡仏蘭対西威__ジェノヴァ___西に連盟…惜敗
07月_45:53:01_西__対葡仏__ドゥアラ____結果的中立

数値は、海戦公報による(100に合わない場合もある)

ヴェネツィアの連盟・出兵に関しては、現在、元首公邸で官房長官が行う事前調査が重視されている。
これに関しては秘密投票であり、市民各自の自由意志に基くものである。
個々の投票理由は、出口調査でも行わなければわからないが、大まかな傾向として、分析可能なことがある。

イングランドについては、ある程度の支持基盤があるのに対し、イスパニアについては、その基盤が比較的脆弱であることだ。
その連盟支持にはかろうじて6割を越えた事が一度あるに過ぎない。

その端的な例のひとつがサッサリである。
ここを分岐点に、イスパニア側から共同金交易などを始めとしたアプローチがあり、ヴェネツィア側でも「海軍の錬度育成、貴族への昇格」などを理由として投票行動への呼びかけ、大海戦前会議・模擬演習の開催などが始まった。

いずれの行為が効果的であったかもまた不明であるが以後、ヴェネツィアは時にイスパニアにも組みし、先だってはジェノヴァ防衛戦にも参加し、海軍力の強化を図ってきた。

しかしながら、今回目立った意見調整の機会もなく、結果的に中立を選択するに至った。
様々憶測をすることは可能であるが、一つの要因に、イスパニアへの支持基盤の脆弱さにあることを繰り返し指摘したい。
何かの弾みで天秤が思わぬ方向に傾く可能性は常にあったのだ。

ここにあげたのは一つの数値の読み取り方に過ぎない。
だが、この様な傾向の形成には、果たしてヴェネツィア側だけに責があることなのであろうか。