CANALAZZO 63号


CANALAZZO 63号

2007/03/20(火)発行

━━━(1面)【総合】政府、東南アジアとの直接交易推進へ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、政府は、東方市場開発検討小委員会の答申を受けて、東南アジアとの直接交易を推進する方針を固めた。

この方針に関しては、東地中海における油断ならざる隣人を介した紅海ルートの香辛料交易が、近年の武力衝突、ポルトガルの紅海封鎖、海賊・盗賊の跳梁による流入量の低下、スルタンが香辛料に課す莫大な関税、といった諸条件によって、もはや一部の胡椒交易を除き成りたたなくなっている現状に対応するものであるとされている。

加えて、シリアの商人ですら、アフリカ航路を経て運ばれてきた香辛料を仕入れたほうが安価であると認めており、地中海の東西を問わず、さらには、北海方面でも需要の高まる香辛料の確保のため、東南アジアとの交易拡大は至上命題となりつつある。

政府としては、リアルト市場による公定取引価格を引き上げてでも香辛料交易を後押しする方針だ。 また、その裏には、直接交易を促進することで東南アジアに確固たる基盤を築き、将来の東アジアとの交易の布石としたいという思惑も見え隠れしている。

すでに派遣された使節団は、新たに欧州商人にむかって開かれた港を巡り、一時は、アユタヤ王国の古都ロッブリーや、かのアンボイナの入植地に金獅子旗を打ち立てることに成功している。
一方で、スラバヤ港がイングランドの手に帰すなど、ヴェネツィア退潮の気配もあり、この乾坤一擲の方針がみのるかどうか、今後の成り行きが注目される。

━━━(2面上段)【新大陸】カラカスに溢れ出る宝石━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

カラカスでは、ここ最近急速な商業的発展がみられ、このほど、オパールとエメラルドが相次いで一般市場にお目見えした。

口さがない人間は「納品されたジュエルターバンからくりぬいているだけだろう」と言うが、「紛れもなく、付近の鉱脈から掘り出された一級品」と交易所店主はその品質に太鼓判を押している。

一方、工房では、家具の製作も始まり「これからはヴェネツィアに家具輸出するだぁ」という機運が高まっている。とはいえ、猫車や石貨を模したラックなど、リアルト界隈では、「デザイン性に欠ける」との評で、カラカス産家具がすぐさまヴェネツィアを席捲するとはいかないようだ。

街役人氏のコメント
「ヴェネツィアより赴任して幾歳月、入植地もここまで大きくなりました。ご協力いただいた皆様に多大なる感謝を。それにしても、あの海の都が恋しい限り。今週はぜひ“ヴェネツィア”の話を皆様から伺いたいものです」

━━━(2面下段)【新大陸】貿易商組合、リオデジャネイロを視察━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3月18日、貿易商組合はリオデジャネイロ港に4船団を派遣。ゴールドラッシュと謝肉祭の準備に沸く当地を視察し、新大陸での金交易の可能性について検討を行った。
その成果については、「非常に得るところがあった」とのことであり、今後は、新大陸交易に関しても多くの交易者に呼びかけ、拡大を狙っていきたいとの見解を示している。~

━━━(3面)【国内】選挙不成立━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3月17日、開かれた市民大集会は、議長選挙を予定していたが、定足数にみたず、やむなく議長改選を見送ることとなった。

次回開催については、来る3月24日(土)を予定し、あわせて、投資先選定や情報交換などの議題についても取り上げることを提起。また、伝言や掲示板の活用、サンマルコ広場での宣伝に努めるなど広報活動に各自注力することを確認し、散会となった。

━━━(4面)【国際】ヴェネツィア市、フェリアに参加━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このほど、ヴェネツィア市は、セビリア市の招請に応じて フェリアにヴェネツィアブースを出展することを発表した。
テーマは「ダ・カーポ」。謝肉祭の興奮をもう一度と、カルネヴァレアービトを着込んだ広報官がセビリア市に現れた。

期間中は、バザールを中心に盛り上げていくため、市民有志の出展を募っている模様だが、官主導でリスボンを向こうに回しての市場大変動が起きるわけがないとの懸念の声が早くも聞かれている。