CANALAZZO 24号


CANALAZZO 24号

2006/07/12(水)発行

━━━(1面)【国内】審議会答申、西方新大陸進出を提言━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ヴェネツィア経済構造改革審議会(シャイロック会長)はこの度、西方新大陸進出の提言を柱とした答申
「ヴェネツィア経済の今後のあり方について」をまとめ、
通商六人委員会に提出した。
委員会は、この答申を受け、新大陸進出推進法案の元老院への提出などを通じて、官民一体となった西方進出をリードする方針だ。

答申は、現状での経済の安定性を肯定しつつ、急速に大西洋へと軸足を移す欧州経済の状況を踏まえ、
「過去の歴史や栄光にとらわれることのない」大胆な方針転換が必要と論じ、
新大陸市場へと積極的に参入し、ヴェネツィアが環大西洋経済の一角を担う役割を果たすべきと提言している。

また、提言の目玉として、新大陸に交易拠点「ネオヴェネツィア(仮称)」の建設を提案。
さらに、クレタ・多島海・キプロスなどへの入植経験を踏まえ、新大陸の中枢都市としての機能確立、新旧2都市間での交易による振興をも視野に入れた提言を行っている。

━━━(2面)【国際】ついに“ゲバルト”も逮捕。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

恐怖の3人組として、指名手配されていた最後の1人、ヨアヒム・メルクレ(25)がアマゾン川流域に潜伏中のところを7月9日逮捕された。

マルセイユを出航した追捕隊は、途中マディラ・カーボヴェルデに寄港し、シオラレオネへ。
海賊艦隊と交戦をしながら、情報を集め、ギニア湾から赤道直下を西進、アマゾン川を遡上し、ついにメルクレを追い詰めた。

こうして、めでたく脱獄犯3名が再逮捕されたわけではあるが、牢獄に入れられ、彼らが同じ海賊仲間から「折角かばったのにあっさり捕まりやがって」と非難を浴びる姿はなんとも哀れである。

━━━(3面上段)【政治】市民大集会の開催告知━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

市民大集会事務局はこのたび、7月定例会の開催を、7月16日とする旨の告知を行った。
今回、定例の議題に加えて、議長交代制度と夏の課題図書の推薦決議案が参加予定者から提案されている。

━━━(3面下段)【防犯】金交易短信━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このところ、西アフリカの金交易が活発となってきた。
それと同時に、海賊の襲撃も活発化。
帰路、カナリア沖で交易船団が襲撃を受けるという被害が頻発している。
ヴェネツィア当局は、海賊行為を卑劣なものと断じながらも、自分たちだけは襲われないだろうという安易な思い込みが被害を助長していることを指摘。
やはり襲われるかもしれないということを念頭に置きながらの航海と、

対策として、
護衛艦の同行をもとめる
リスクの少ない航路の選定
撤収の鐘などの非常用品の携行
などを奨励している。

━━━(4面)【特集】本紙大胆予想。入植地はここだ!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

さて、新大陸入植計画がこのヴェネツィアでも取りざたされるようになった。
政府は答申を受けたばかりで未だ検討中と入植地を明らかにしていないが、ここで、いくつかの手がかりをもとに、入植地を検討してみたいと思う。

一般的な見解では、ヴェネツィアは新大陸進出には乗り気ではないとされているが、 さりとて、まったく興味がないというわけでもない。
情報収集・分析は積極的に行われており、また、検討も重ねられてきたのも確かだ。

そのような状況を踏まえ、まず本命となるのは、新大陸の北方、ニューファンドランドだ。
この地を発見したのは、ジョヴァンニ・カボート。
彼はイングランド王の後援をうけての探検行の最中、この島を発見した男である。
同時にこの人物、ヴェネツィア市民権を有しており、当該の地にイングランド国旗と教皇庁旗、ヴェネツィア共和国国旗をならべて立てたという逸話がある。
これを元に、ヴェネツィアが領有権を主張することも可能である。

しかし、この地の気候が寒冷で、漁業以外に目立った産業を興せる可能性が低いことを考えるとこの地に入植する可能性も低いといわざるを得ない。

では、対抗はどこか。
折角の新天地である。
加えて、新大陸には豊かな金鉱があることが過去の冒険者たちの記録から実証されている。
できることであれば、金の産地に近いことが望ましい。
となれば、ペルナンブコといいたいところであるが、ここをポルトガルが手放す(もしくは、ポルトガルと切り離す)とは考えにくい。
そこで、ブエノスアイレスと予想する。
これにもいくつかの理由がある。
まず、ラプラタ川を先述のカボートの息子、セバスティアーノが探検していること この者もヴェネツィア市民権を有し、過去西方進出を働きかけたことがあることまた、当地への最初のイスパニア人による入植は失敗していることさらに、後世マルコ・ロッシ少年が母を訪ねてジェノヴァから来るほどにイタリア人の移民が盛んであったことその上、過去の調査から、金を産出する可能性が高いという好条件も揃っている。

とはいえ、本国との距離、また、他国の入植候補地との距離を考えると本命同様、中枢都市たりえるのかがマイナス要因となるであろう。
さらにつけくわえるなら、この入植地の周辺海域が、船乗りの迷信を打破できるほど調査が進むのかという疑念も晴れたわけではない。

では、最後に大穴として、ピエトロ・コンティー氏がカリブ海でアクア島を「発見」して、新都市建設を宣言してしまうことこれを挙げておこう。
この予想については、数々の大人の事情を克服できるか否か、ただそれだけが問題なのであって意外と一番合理的なのかもしれない。

と、3つの候補地を勝手に挙げたわけではあるが、これが外れたからといって責任を取るつもりはないのであしからず。