CANALAZZO 17号


CANALAZZO 17号

2006/05/29(月)発行

━━━(1面)【国際】ロードス島にオスマントルコ軍襲来━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

5月24日、かねてより噂のあった、オスマントルコの大艦隊がロードス島攻略を目的として東地中海に進出。
ロードスのみならず、東地中海一帯を埋め尽くし、キリスト教連合軍と死闘を繰り広げた。
(関連記事→2面)

ロードスという名の島がある。アナトリア半島の南西に位置する小さな島だ。
半島の民は半ば恐れを込めてこう呼ぶ。「キリスト教の蛇の巣」ロードスと。

ギリシア・ローマ時代からの歴史を誇る、この聖ヨハネ騎士団の本拠地ロードス島攻略を目的としたオスマントルコ軍は、イスタンブールとアレクサンドリアより襲来。

一方、聖ヨハネ騎士団はカンディア港を拠点に列国の志願船団を統合。
キリスト教連合軍を編成し、シラクサからアレキサンドリアの間を広く散開しながら迎撃に当たった。
一時、狭い海域に多くの艦艇が殺到し、舵を切るのも難しいほどの混戦状態にも陥ったが、キリスト教連合軍は何とか撃退に成功した。

しかしながら、リラダン騎士団長は、さらに複数回の襲来があるとの情報をつかんでいる模様で、騎士団員とその協力者に対し、警戒を怠らず、英気を養うよう命じている。

━━━(2面上段)【海外】東地中海の治安悪化、私掠船の活動活発化━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロードス攻略戦と前後して、東地中海の治安が悪化。
特に義勇軍として参加しようと、カンディアに向かう艦艇が襲われるという被害が続出している。
なかには、欧州某国の旗を掲げた私掠船もおり、義勇軍の徴募に悪影響が出ている。

しかし、聖ヨハネ騎士団から抗議を受けた列国首脳は、一様に反論している。
ある国の首脳は、
「我が国は、聖ヨハネ騎士団に多数の団員を送り込む名誉を重んじる国である。そのような不名誉な行いをする輩がいるわけがない」と声を荒げ、
また別の国の首脳は、
「キリスト教側の結束を乱そうとする、イス…いや、オスマントルコの工作ではないか?」と疑問を呈した。
尚、他国同様ヴェネツィア特使も抗議を受けたが、「そのような事実は把握しておりません」という弁明に終始したとのことである。

━━━(2面下段)【政治】元老院で高まる十人委員会への非難の声━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ロードス島攻防戦に関連し、ヴェネツィア元老院内では、十人委員会の諜報能力の低下を非難する声があふれている。

「常日頃欧州随一の諜報能力を自慢する十人委員会の諜報網が、なぜ今回に限って機能しないのか」
とグラデニーゴ委員長に詰め寄った議員もいる。
委員長は、「核となる在イスタンブール大使が軟禁状態に置かれ、トルコ国内の協力者をまとめられない」と答弁し、
これがまた、委員長の不甲斐なさを明らかにするものとして、議場はさらに紛糾。

結局、トルコの襲撃に関し、教皇庁より早く把握し市民に公表することを、十人委員会に求める決議を採択したが、委員長の体たらくから「実効性は無いに等しい」とみられている。

━━━(3面上段)【経済】ヴェネツィア、中長期開発計画が終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

この度、モチェニーゴ官房長官は、ヴェネツィア本島の再開発計画が終了したことを宣言した。

宣言のなかで、この9ヶ月あまり、今までの東西をつなぐ中継貿易一辺倒の経済構造から脱却を図り、絹織物をはじめ工芸品・美術品の生産ならびに輸出が本格化したこと、また、リアルト市場には多数の航海用品や書物があふれるようになり、アルセナーレでは巨大艦艇の建造が可能となったことに触れ、また、その事業に対し市民多数の協力があったことに感謝の意を表明した。

また、一時期、コショウの独占販売体制の崩壊から、経済的転落を余儀なくされたヴェネツィアは、今や、アドリア内海のみならず東地中海経済の牽引役として、見事に復活を遂げたと高らかに謳い、今後は、この旺盛な投資意欲が、ラグーザ・アンコナなどのアドリア沿岸諸都市に向かうことを期待しているという形で宣言を締めくくった。

━━━(3面下段)【経済】国立造幣局、声明発表━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

国立造幣局の担当官はこの度、声明を発表。
近来の急激な経済的成長が続けば、ドゥカート金貨の供給に支障をきたす可能性があることを明らかにした。

現時点で、すぐ供給が滞るわけではなく、危機的状況ではないことを強調しながらも、原料となる金塊調達にヴェネツィア本島だけでは限りがあり、アドリア沿岸諸都市のみならず、ナポリまで買い付けに行っている現状を報告。
より一層の安定した金塊供給を交易商組合に要請した。

もし、ドゥカート金貨の供給が滞った場合、国際基軸通貨からの転落、また、大きな経済的混乱は避けられないことから、交易商組合では安定供給に協力するため、西アフリカ方面への商船隊派遣を増強する計画を表明した。
実行については随時、マルチャーナ図書館の掲示板などを使い告知を行う予定だという。