AT RANDOM


来生たかお大百科自作曲

※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。

概要

1980年にリリースされた5枚目のオリジナルアルバムである。

歌詞的にも曲的にも音楽性の幅を広げる事を主眼とし、来生はアレンジャーとしても「矢倉銀」の名義で初めて参加している*1。このペンネームは将棋の戦法(囲い)の1つである「矢倉囲い」と銀将を掛け合わせて作ったものである。また、自分の世界観が音楽業界やファンに或る程度、浸透しつつある時期だった為、きちんと作りたいという意識からデモテープをバンド編成でちゃんと録った一方で、この先の展開に迷ったとも回顧している*2。来生曰く、アルバムタイトルにもその迷いが表れており、最後まで良い案が浮かばず、姉も苦肉の策で名付けたのではないかと述べている*3

来生えつこは、弟のイメージが固まって来た頃で、その路線の歌詞を意識し始めつつも、ポップで優しいだけではなく、ハードでシビアな「男のコだぞ」という世界や、自分自身の本音の部分等、単にエンタテインメントに徹するだけではない事に意識的になり、苦労したという*4。『面白半分』3月号臨時増刊『とにかく、吉行淳之介。』(面白半分/1972.04.10)等の雑誌がヒントになり、タイトルに読点が使用されている楽曲が5作品、収録されている*5

来生曰く、前2作のオリジナルアルバムBy My Side』『Natural Menu』から本作に掛け、歌詞カードやジャケットに参加ミュージシャンの記載がないのは、そのネームヴァリューでレコードを売りたいとは思わないからだという*6。ただ、来生自身が明かした所によると、ミュージシャンの顔触れは固定せず、楽曲毎に代えており、キーボード類は中西康晴、難波弘之、羽田健太郎が演奏をしている*7。また、レコーディングではピアノを弾かない理由について、僅か3週間という短期間で録音をしなければならなかった事と、まだまだ修行中という思いがあるからだと述べている*8

これまでは22歳から25歳くらいまでのOLがファン層だったが、本アルバムの支持層は何故か年齢が下がったという*9

LP、CDのジャケットにはアルバムタイトルが記されておらず、裏ジャケットにアルファベットオブジェによって「AT RANDAM」と形作られた写真が使用されているが、CTのジャケットは、LP、CDで「takao kisugi」と記されている位置にタイトルが配されている。

LPの帯には、ファンクラブの発足及び会員を募集する旨が記載されている。

収録曲

※各曲の収録時間はLP版の記載に準拠

トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間
LP・CTCDLP・CTCD
SideA-11いつか、むかし来生えつこ来生たかお若草恵4:04SideB-16車窓来生えつこ来生たかお星勝3:05
SideA-22もうすぐ、たそがれ来生えつこ来生たかお松井忠重4:43SideB-27真昼のくらやみ来生えつこ来生たかお星勝5:31
SideA-33らぶ・れたあ来生えつこ来生たかお椎名和夫2:47SideB-38ちょっと、ドギマギ来生えつこ来生たかお椎名和夫3:18
SideA-44夜の底へ来生えつこ来生たかお矢倉銀4:37SideB-49遅い夏来生えつこ来生たかお若草恵3:48
SideA-55つまり、愛してる来生えつこ来生たかお松井忠重4:39SideB-510ほんの、ノスタルジー来生えつこ来生たかお星勝3:56

参加ミュージシャン

※記載なし(Keyboards:中西康晴、難波弘之、羽田健太郎*10

参加スタッフ

  • All Songs Written by 来生たかお & 来生えつこ
  • Produced by 多賀英典
  • Directed by 本間一泰
  • Recording Engineered by 高城賢(KRS)
  • Assistant Engineered by 平良正弘(KRS)、Y.KOYAMA(POLYDOR)
  • Cutting Engineered by 富田忠男(POLYDOR)
  • Artists Management:KITTY ARTISTS INC.
  • Recorded & Re-mixed at Polydor Studio, Tokyo & KRS Studio, Tokyo, May. 12〜31, 1980
  • AD & Design:千木幸一
  • Photographer:佐藤ヒデキ
  • Stylist:YOHKO MORITA
  • Special Thanks to Tom Tom、Niimura & Tomoko “Serow” Tsuji
  • © 1980 KITTY MUSIC CORP. TOKYO

録音

  • 1980.05.12-05.31/ポリドールスタジオ、KRSスタジオ(リミックス)

初出 & 復刻

発売年月日メディア:規格品番発売元/レーベル備考
1980.07.01LP:28MK-0002
CT:28CK-0002
ポリドール/キティレコード○LPの帯は2種類(初出時と『夢の途中』発売時)
1983CT:38CS-9023キティレコード○『DOUBLE PACK SERIES By My Side アトランダム』のB面に収録
1986.07.25CD:H33K-20047キティレコード○歌手デビュー10周年に際し、CD化
○ジャケットデザインはLP版をアレンジ
○シール仕様の帯に「CDオリジナル・セレクション」「10th anniversary -since 1976-」の記載
1991.04.25CD:KTCR-1048キティレコード○ジャケットは1986年版CDと同様
1995.07.21CD:KTCR-1560キティエンタープライズ/キティレコード○歌手デビュー20周年に際し、高城賢によるデジタルリマスター
○帯に「20th anniversary」の記載
○Q盤CD選書シリーズの1枚
2007.03.21CD:UPCY-6359ユニバーサルミュージック○21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に1995年版を収録
○帯なし
2018.12.19CD:UPCY-9874ユニバーサルミュージック○限定
○ボーナストラックに「グリーン・グラス」を収録
○紙ジャケット仕様
○デジタルリマスター
○SHM-CD

アルバムタイトルの表記

ジャケットケースの側面部
LPアト・ランダム AT RANDOMAT RANDOMAT RANDOM
CT※帯がないので該当なしAT RANDOMAT RANDOM アットランダム
CD1986年版アト・ランダム AT RANDOMAT RANDOMAT RANDOM
1991年版アト・ランダムAT RANDOMAT RANDOM
1995年版AT RANDOMAT RANDOMAT RANDOM
2007年版※帯がないので該当なしAT RANDOMAT RANDOM
2018年版アト・ランダム AT RANDOM(復刻LP版)
AT RANDOM +1(新版)
AT RANDOMAT RANDOM

パッケージの体裁

  • 1986年版CD:ジュエルケースにブックレットを挿入
  • 1991年版CD:ジュエルケースに1986年版CDのものを基調としたブックレットを挿入
  • 1995年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード・既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー)を挿入
  • 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード)を挿入(及び厚紙製ケース付き)
  • 2018年版CD:紙製ケースにLP版のものを基調とした歌詞カード(及び、ボーナストラック分の別紙歌詞カード)を挿入

帯のコピー

  • LP:僕の世界に 街はかかせない… 来生たかお待望のニューディスク。
  • LP:来生たかおフェア 確かな音楽活動と優しさに裏打ちされた来生たかおの世界を、今あなたのライブラリーに! アレンジャー来生初登場、シティ・ポップの主役へ!
  • 1986年版CD:※記載なし
  • 1991年版CD:※記載なし
  • 1995年版CD:メロディー・メーカー来生たかお、ヴォーカリストとしても新境地を開く!「もうすぐ、たそがれ」、「ほんの、ノスタルジー」を含む、5thアルバム。
  • 2018年版CD(復刻LP版コピー/新版コピー):僕の世界に 街はかかせない… 来生たかお待望のニューディスク。来生たかおオリジナルアルバム18タイトル 紙ジャケット・コレクション 僕の世界に街はかかせない… 来生たかお待望のニューディスク。 ボーナス・トラック「グリーン・グラス」収録


*1 来生たかお 20th Anniversary Concert Tour '95〜'96 夢より遠くへ』のツアーパンフレット
*2 来生たかお Concert Tour '86 I Will…』のツアーパンフレット
*3 来生たかお Concert Tour '86 I Will…』のツアーパンフレット
*4 来生たかお Concert Tour '83 ミディアム気分で…』のツアーパンフレット
*5 キティサークル公認ファンクラブ「TAKAO CLUB OSAKA」の会報『I Will...』No.46(1994.08)
*6 『キーボード・マガジン』1980年9月号“Keyboard Scene CLOSE UP/来生たかお シティ・ミュージックがいちジャンルを築いた今 早過ぎた存在にピリオドを打ちたい”(リットーミュージック/1980.09.01)
*7 『キーボード・マガジン』1980年9月号“Keyboard Scene CLOSE UP/来生たかお シティ・ミュージックがいちジャンルを築いた今 早過ぎた存在にピリオドを打ちたい”(リットーミュージック/1980.09.01)
*8 『キーボード・マガジン』1980年9月号“Keyboard Scene CLOSE UP/来生たかお シティ・ミュージックがいちジャンルを築いた今 早過ぎた存在にピリオドを打ちたい”(リットーミュージック/1980.09.01)
*9 『JJ』1980年10月号“JJ VOICE 南佳孝、高中正義に似ているといわれずに、自分の歌を歌っていきます”(光文社/1980)
*10 『キーボード・マガジン』1980年9月号“Keyboard Scene CLOSE UP/来生たかお シティ・ミュージックがいちジャンルを築いた今 早過ぎた存在にピリオドを打ちたい”(リットーミュージック/1980.09.01)