心身医学 / 代謝系・ストレスと免疫・アレルギー・呼吸器系


【4】代謝系の心身症
(1)正しい組み合わせを選べ。
a.家族内の葛藤は、患者が糖尿病の治療方針を守れなくなるひとつの原因である。
b.糖尿病を持って生きることは、多くの場合大変ストレスに満ちたものである。
c.1型糖尿病の場合、インスリン注射をする以外に、食事療法や運動療法も2型糖尿病以上にしっかりやらなければならない。
d.患者が常に100%の力を出して自己管理するように、励ますべきである。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>1
<解説>(10)まで6/25授業プリント参照 c: 1型は遺伝的にインスリン産生がうまくいかない状態なので、インスリン注射さえ怠らなければ健常人とかわらない

(2)正しい組み合わせを選べ。
a.1型糖尿病は、生活習慣病の悪化がその発症の引き金となる。
b.1型糖尿病と2型糖尿病は成因が異なるので、治療法法も変える必要がある。
c.糖尿病であることで、患者はしばしば大きな引け目を感じるものである。
d.患者に糖尿病教育を行うことで、ほとんどの患者の血糖コントロールは改善する。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>2

(3)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病治療において、家族、友人、医療スタッフは重要な支援者である。
b.2型糖尿病は成人病であり、小児の2型糖尿病は1型糖尿病に比べて少ない。
c.糖尿病合併症が出現した場合の患者の反応には、いろいろな種類がある。
d.1方糖尿病も2型糖尿病も、食べ過ぎや運動不足が発症の原因である。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>5?
<解説> bも正しいような?c: 治療に対し無気力になったり、逆に意欲的になったり、死を恐れて脅迫的になったりする。

(4)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病という病気を受け入れることは、簡単なことではない。
b.インスリン注射の導入は内因性インスリンの分泌低下につながるので、やむおえない場合に限るべきである。
c.1型糖尿病に合併した摂食障害で最も多いのは、神経性食欲不振症である。
d.糖尿病患者はうつ病を合併することが多い。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>4
<解説> c:過食症のほうが多い

(5)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病患者は、人生のほかの仕事よりも、常に糖尿病治療を優先させるべきである。
b.過食を繰り返す糖尿病患者には、指示カロリーを少なくして食事制限の大切さを協調する必要がある。
c.糖尿病の若い女性では、体重を減らそうとしてインスリン注射を省略したり減量したりするものが少なくない。
d.身体面だけでなく,心理社会的要因をも評価する医師にかかれば、患者は糖尿病にうまく適応しやすくなり、より良い医学的結果が生まれる傾向がある。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>3

(6)正しい組み合わせを選べ。
a.1型糖尿病はインスリン注射さえ適切に行っていれば、特別の食事制限・運動療法をしなくても比較的良好な血糖コントロールが得られる。
b.患者が糖尿病のセルフケアがうまくできないでいるときには、もっと苦しんでいる人は世の中にいくらでもいることに、気づかせることが重要である。
c.糖尿病患者が自己管理できないのは,合併症の怖さを知らないからであり、それを協調して知らせることが、糖尿病教育の主な目的である。
d.患者と治療者の間で、同意できる治療目標を確立することが、糖尿病治療において重要である 。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>3?

(7)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病治療では、医師が治療目標を決定し、治療結果に責任を持つことが何よりも重要である。
b.糖尿病に合併したうつ病は、遷延したり再発を繰り返すことが多い。
c.糖尿病患者は人生のほかの仕事よりも、常に糖尿病治療を優先させるべきである。
d.糖尿病の診断に対して、患者は様々な情緒反応を示す。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>6
<解説> a:患者が治療方針を遵守することが大切でそれができていない場合に察知して改善しようとすることが大切

(8)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病燃え尽き状態とは、糖尿病によって圧倒されてどうしようもない感じや、挫折感、絶望感によって特徴付けられる。
b.糖尿病のコントロール不良と、摂食障害の存在が互いに悪循環をなし、1型糖尿病に合併した摂食障害の治療は、非常に難しいといわれている。
c.糖尿病患者は、やせていなければいけない。
d.若い1型糖尿病の場合、血糖コントロールを大切と思っているので、過食をする人は普通人に比べて少ない。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>1

(9)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病の食事療法がうまくいくためには、発症後間もない時期に徹底した食事制限をして、少ないカロリーに慣れてもらうことが重要である。
b.1型糖尿病も2型糖尿病も糖尿病であることに変わりはなく、ほとんどの面で治療方法は変わりない。
c.若い女性の糖尿病患者においては、太るのを防ぐために、インスリン注射を指示されただけで打たず、血糖コントロールを悪くさせる患者が少なくない。
d.患者の関心ごとや感情について耳を傾けることが、医師と患者の信頼関係を良好なものにする。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>3

(10)正しい組み合わせを選べ。
a.現在では、糖尿病に対する、就職や結婚の差別ない。
b.糖尿病に合併したうつ病の治療は、患者の気分・血糖コントロール・QOLに望ましい効果をもたらす。
c.患者さんの心と体の両面捉え治療する心療内科は、糖尿病治療をしていく上で、有利な綿を持っている。
d.糖尿病教育は、発症時にしっかり行っておけば、そのあとは必要のないものである。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>2
<解説>a: 社会的な無知、偏見、差別が依然として存在する。 

5-7)
a.糖尿病の若い女性患者において、血糖コントロール不良の最も大きな要因の一つは摂食障害の合併である。
b.糖尿病合併症が出現した場合の患者の反応には、いろいろな種類がある。
c.糖尿病のコントロールの善し悪しと、患者の心理面とは関係がない。
d.糖尿病患者はやせていなければならない。
1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd
解答:1

5-8)正しい組み合わせを選べ
a.糖尿病はストレスの多い病気だ。
b.治療がうまくいくためには患者が医師の指導に従順であるべきだ。
c.糖尿病という病気を受け入れるのは簡単なことではない。
d.糖尿病教育は発症時にしっかり行われれば、その後は必要無い。
1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd
解答:5

5-9)正しい組み合わせを選べ
a.若い1型糖尿病の場合、血糖コントロールを大切に思っているので、過食をする人は普通人に比べてすくない。
b.糖尿病の治療結果に個々の患者の性格が強く影響する。
c.1型糖尿病においても、食事療法は血糖コントロールのために最も重要なポイントである。
d.中年の男性の糖尿病治療を行う場合、患者の人生の社会的側面に対し特に配慮して、治療の仕方を考える必要がある。
1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd
解答:6

5-10)
a.糖尿病に摂食障害を合併すると、血糖値のコントロールが著しく悪化することがある。
b.膵臓移植や膵島移植によりインスリン注射が必要なくなると、患者の糖尿病や心理社会的な問題はほとんど解決する。
c.I型糖尿病もII型糖尿病も治療においてほとんどかわりない。
d.I型糖尿病の若い女性患者の中には、体重を減らそうとしてインスリン注射を省略したり減量したりすることがある。
1.ab 2.bc 3.cd 4.ad 5.ac 6.bd
解答: 4

【5】ストレスと免疫
(1)ストレスと神経ー免疫ー内分泌系に関する次の記述のうち正しいものを挙げよ
1.種種の心理社会的ストレスで免疫機能が影響される。
2.インターロイキン1には視床下部ー下垂体ー副腎軸を活性化させる作用がある。
3.免疫系組織に分布している自律神経は副交感神経のみである。
4.脳の特定部位の刺激や破壊によって免疫機能は必ず亢進する。
5.インターロイキン3は発熱に深く関与している。
a(1,2) b(2,3) c(3,4) d(4,5) e(1,5)
<解答>a
<解説>(5)まで6/10授業プリント参照 2: 発熱、摂食抑制にも関与している。 5: 発熱に関与するのはIL−1、TNF、IFN−αなど

(2)ストレスと神経ー免疫ー内分泌に関する次の記述のうち正しいものを挙げよ
1.ストレス刺激は、主として副交感神経及び視床下部ー下垂体ー副腎系を活性化させる。
2.ベルナールによって提唱されたホメオスタシス【生体向上維持】の概念は、セリエによってさらに発展し、汎適応症候群として集大成された。
3.身体的ストレスの方が心理的ストレスよりも免疫系に強く影響を与える。
4.過労もストレスの原因になりうる。
5.神経系と免疫系は共通の情報伝達物質及び受容体機構を持っている。
(1,2) b(2,3) c(3,4) d(4,5) e(1,5)
<解答>d
<解説>1:副交感神経ではなく交感神経。 2:ベルナールの内部環境の概念を発展させ、キャノンがホメオスタシスを提唱。
3:選択肢より×。 5:サイトカインと総称。

(3)次ぎのうち正しいものの組み合わせをあげよ
1.配偶者との死別________リンパ球幼若化反応の亢進
2.自然災害___________NK細胞活性の亢進
3.交感神経___________グルココルチコイド
4.疲労_____________口唇ヘルペス再発
5.インターフェロン_________食欲低下
(1,2) b(2,3) c(3,4) d(4,5) e(1,5)
<解答>d
<解説>1:低下する 2:活性は低下する。 3:交感神経はカテコラミンを伝達物質とする。

(4)次ぎのうち正しいものの組み合わせをあげよ
1.内部環境___________W.B.キャノン
2.火傷_____________物理・化学的ストレッサー
3,うつ病________NK細胞活性低下
4,インターロイキン5____視床下部−下垂体−副腎系の活性化
5,軸索反射______マクロファージ
a,(1,2)b,(2,3)c,(3,4)d,(4,5)e,(1,5)
<解答>b
<解説>1:ベルナール。キャノンは緊急反応とホメオスタシス。 2:他に寒冷、騒音なども物理・化学的ストレッサー。
4:5ではなくIL−1。 5:よくわかりません。選択肢より×。

(5)ストレスと神経−免疫−内分泌系に関する次の記述のうち正しいものを選べ。
1,下垂体にはサイトカイン受容体は存在しない。
2,Tリンパ球はホルモン産生能を有している。
3,成長ホルモンはT細胞増殖反応を増殖する。
4,脾臓には交感神経系の繊維は分布していない。
5,内分泌ホルモンの免疫系への作用はリンパ球に限られている。
a(1,2)b(2,3)c(3,4)d(4,5)e(1,5)
<解答>?

2-1)ストレスと神経−免疫−内分泌系に関する次の記述のうち正しいものをあげよ。
1.インターロイキン5は発熱に深く関与している。
2.免疫系組織に分布している自律神経は交感神経のみである。
3.脳の特定部位の刺激や破壊によって免疫機能は必ず低下する。
4.種々の心理社会的ストレスで免疫機能が影響される。
5.インターロイキン1には視床下部−下垂体−副腎軸を活性化させる作用がある。
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5)
解答:d
解説:1…IL5→IL1・TNF・IFN-α、2…副交感神経も、3…亢進、低下いずれもありうる

2-2)正しいものをえらべ。
1.ストレス刺激は、主として副交感神経および視床下部-下垂体-副腎系を活性化させる。
2.ベルナールによって提唱された「内部環境」の概念は、キャノンによってさらに発展し「ホメオスタシス」として集大成された。
3.神経系と免疫系は共通の情報伝達物質および受容体機構を持っている。
4.過労とストレッサーは無関係である。
5.身体的ストレスのほうが心理的ストレスよりも免疫系に強く影響を与える。
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5)
解答:b
解説:1副交感神経と交感神経も。2○ 3○ 4過労は生理的ストレッサーの一つ。5どちらが強いと言うのは無いと思います

2-4)
1.コーピング -- キャノン  2.火傷 -- 物理化学的ストレッサー  3.うつ病 -- NK細胞活性低下
4.IL5 -- 視床下部下垂体副腎系活性化  5.軸策反射 -- マクロファージ
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5)
解答:b
解説:1? 2○ 3○ 4IL5→IL1 5肥満細胞

2-5)正しい
1.液性免疫 -- NK細胞活性低下  2.肥満細胞 -- 高親和性IgGR  3.カテコラミン -- Th2石灰増強
4.グルココルチコイド -- Th2石灰増強  5.インターロイキン10 -- 視床下部-下垂体-副腎の活性化
a.(1,2) b.(2,3) c.(3,4) d.(4,5) e.(1,5)
解答:c(?)
解説:1NK細胞は細胞性免疫 2肥満細胞はIgEレセプター 5IL10→IL-1、IL-6、TNF
3.4は石灰増強の意味が分かりません。とりあえず、カテコラミンもグルココルチコイドもTh1反応は低下させるようです。

【6】アレルギー・呼吸器系心身症
(1)過喚起症候群で正しいのはどれか。下記の()から1つ選べ。
a,過喚起症候群を診断する時はパニック障害との鑑別が必要である。
 b,過喚起発作の時はPaO2に著名な低下とアシドーシスが認められる。
 c,過喚起症候群は中年男性に多い。
 d,過喚起症候群の重症例は痙攣や意識障害を伴うものである。
1(a,b)2(b,c)3(c,d)4(d,a)
<解答>d
<解説>(5)まで6/25授業プリント参照 b:PaO2に著明な変化は見られず、むしろPaCO2の低下が顕著。これによりpHは上昇する。
c:女性が1.6〜2倍多い。

(2)次の中で正しいのはどれか。1つ選べ。 
 a,過喚起症候群の治療ではまず酸素を投与することが大事である。
 b,過喚起症候群の治療として最近ではpaper bag rebreathing法はあまり行われなくなってきた。
 c,過喚起症候群では発作時に脳血管が拡張し、拍動性の頭痛を伴うことが普通である。
 d,神経性咳嗽ではcough variant asthmaとの鑑別が重要となる。
<解答>d
<解説>b:安心感を与えることと共に重要。c:収縮して血流は低下する。これにより意識を失うことも。
d:他にはてんかん、脳腫瘍、副甲状腺機能低下症など。

(3)気管支喘息の治療の中で正しいものはどれか
a,気管支炎症論に基づき気管支拡張剤の使用が多くなった。
 b,l吸入ステロイド剤は発作時に用いるのが普通である。
 c,治療では家族からの影響など患者背景も調べる必要がある。
 d,喘息があることによって、二次的におこる障害も心身医学的治療の対象となる。
1(a,b)2(b,c)3(c,d)4(a,d)
<解答>3
<解説>a 気管支拡張剤→吸入ステロイド剤 b 長期管理においても吸入ステロイド剤を用いる。

(4)アレルギー疾患の心身医学的観点について誤っているものを1つ選べ。
 a,思春期喘息患者の治療に関しては、親子関係に配慮することが大切である。
 b,高齢者喘息患者では最近一人暮らしが多くなっているので、ほっさじにどのように対応するかが問題になっている。
 d,アトピー性皮膚炎ではストレスがitch-scratch cycleに影響を及ぼすことがある。
e,アレルギー因子の強い人は、治療において心理的社会的背景は考えなくて良い。
<解答>e

(5)気管支喘息の心身医学的病態の中で正しいものはどれか。下記の()の中から選べ
 a,発作のきっかけとしては風邪や気象の変化、精神的ストレスなどが多い。
 b,ストレスから喘息発作にいたるpathwayは自律神経系、内分泌・免疫系および患者の行動を通して起こることと考えられる。
 c,喘息患者では他人や家族に気兼ねして発作を放置してしまい、喘息状態が悪化してしまうことがある。
 d,小児喘息時では小児期から思春期に移行するにつれて、薬の飲み忘れが増加してくることが知られている。
1(a,b)2(b,c)3(c,d)4(d,a)5全て
<解答>5

6-1)過換気症候群について正しいものを選べ。
a.過換気症候群を診断する時は過呼吸テストが大事である。
b.発作の時はPaCO2の著名な低下と呼吸性アルカローシスがみとめられる。
c.過換気症候群はまれな疾患で、日常臨床で遭遇することはほとんどない。
d.発作の時に意識障害があることはない。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(d,a)
解答:1
解説:a○ b○ c× d× 意識障害も認められる

6-5)アレルギー疾患の心身医学的観念について正しいものを選べ。
a.喘息治療とはパートナーシップよりも治療的な支持を与えることが大事である。
b.心身医学的治療には薬物療法などの身体面からのアプローチは含まない。
c.喘息があることによって二次的に起こる障害も心身医学の対象である。
d.Psychodermatologyの代表的な疾患はアトピー性皮膚炎である。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d)
解答:4
解説:a× どちらが大切ということは無いと思います。もし問題文の支持→指示なら明らかに×です
b含まれる c○ d○

(1)過換気症候群で正しいのはどれか。一つ選べ。
a.過換気症候群を診断するときには過呼吸テストが大事である。
b.過換気発作の時はPaO2の著明な上昇とpHの低下が認められる。
c.過換気症候群は女性より男性の方が多い。
d.発作の時は空気飢餓感や四肢の硬直が認められることが多い。
1.ab 2.bc 3.cd 4.da
<解答>4
過換気症候群では、PaCO2の低下が顕著であり、呼吸性アルカローシス(pH上昇)になる。PaO2の著名な変化は見られない。 性差については、男:女=1:1.6〜2

(2)過換気症候群で正しいのはどれか。一つ選べ。
1治療はまず酸素を投与することが大事である。
2治療として最近ではpaperbag rebreathing法はあまり行われなくなってきた。
3過換気症候群では発作時に脳血管が拡張し、拍動性の頭痛を伴うことが普通である。
4鑑別疾患としては低血糖、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫などがある。
<解答>4
過換気症候群の治療においては、安心感を与えることとペーパーバッグ法が重要である。
PaCO2が低下するため、脳血管は収縮し血流は低下する。これにより意識を失うことも。
鑑別疾患には、他にてんかん、脳腫瘍、副甲状腺機能低下症などがある。

(3)神経性咳嗽について正しいのはどれか。一つ選べ。
1神経性咳嗽の特徴は湿性咳嗽である。  2神経性咳嗽の治療では鎮咳剤が非常に有効である。
3神経性咳嗽の鑑別ではcough variant asthmaは考えなくて良い。
4神経性咳嗽では心理社会的因子の負荷で症状が再現される。
<解答>4
神経性咳嗽は乾性咳嗽である。鎮咳剤は無効であることが多く、心理療法などが効果を  発揮する。鑑別診断では、cough variant asthma(咳喘息)が非常に重要。

(4)気管支喘息を診断する上で重要な項目はどれか。
a.胸部レントゲン撮影  b.気道炎症の存在  c.発作性の呼吸困難、喘鳴、咳
d.気道過敏性の存在  e.動脈血ガス分析の結果
1.abc 2.bcd 3.cde 4.ace 5.ade
<解答>2  c:これが気管支喘息の三大症状。

(5)気管支喘息の治療のなかで正しいものはどれか。
a.喘息薬物を大きく分けると気管支拡張剤と抗炎症剤に分かれる。
b.吸入ステロイド剤は副作用が強くあまり用いられていない。
c.最近の気道炎症論に基づき気管支拡張剤の使用が多くなった。
d.ピークフローメーターは持ち運びが大変なので、最近あまり用いられなくなった。
e.ピークフローメーターは自分の喘息状態の良い指標となるので、規則正しく測定することが望ましい。
1.ab 2.bc 3.cd 4.de 5.ea
<解答>5
喘息の治療では、気道収縮に対して気管支拡張剤(β2刺激剤)、気道炎症に対し抗炎症剤(吸入ステロイド)を用いる。吸入ステロイドは治療の主役であり、吸入では   問題となる副作用は少ない。

(6)ストレスと神経−免疫−内分泌系に関する次の記述のうち正しいものをあげよ。
1.種々の心理社会的ストレスで免疫機能が影響される。
2.免疫系組織に分布している自律神経は副交感神経のみである。
3.脳の特定部位の刺激や破壊によって免疫機能は必ず亢進する。 4.IL-3は発熱に深く関与している。
5.IL-1には視床下部−下垂体−副腎軸を活性化させる作用がある。
a.12 b.23 c.34 d.45 e.51
<参照>(10)まで「免疫系の心身医学」(須藤先生)授業プリント
<解答>e
脳の特定部位の刺激や破壊によって免疫機能が変化することはあるが、必ず亢進するとは限らない、と思われる。IL-1、IL-2、TNF、IFN-αなどが発熱に関与する。

(7)ストレスと神経−免疫−内分泌系に関する次の記述のうち正しいものをあげよ。
1.ストレス刺激は、主として副交感神経および視床下部−下垂体−副腎系を活性化させる。
2.ベルナールによって提唱されたホメオスタシス(生体恒常性維持)の概念は、セリエによってさらに発展し、汎適応症候群として集大成された。3.身体的ストレスの方が心理的ストレスよりも免疫系に強く影響を与える
4.過労もストレスの原因になりうる。
5.神経系と免疫系は共通の情報伝達物質および受容体機構を持っている。
a.12 b.23 c.34 d.45 e.51
<解答>d
1:ストレス刺激は交感神経を活性化する。
2:ベルナールの内部環境の概念を発展させ、キャノンがホメオスタシスを提唱。

(8)次のうち正しいものの組み合わせをあげよ。
1.配偶者との死別−リンパ球幼若化反応の低下  2.喪失体験−口唇ヘルペス再発の増加
3.自然災害−NK細胞活性上昇 4.交感神経−グルココルチコイド 5.インターフェロン−食欲亢進
a.12 b.23 c.34 d.45 e.51
<解答>a
1〜3:ストレスによって免疫機能は低下する。
4:交感神経の伝達物質ははカテコラミン。   5:逆に摂食抑制作用を持つ。

(9)次のうち正しいものの組み合わせをあげよ。
1.内部環境−W.B.キャノン  2.火傷−物理・化学的ストレッサー  3.うつ病−NK細胞活性低下
4.インターロイキン5−視床下部−下垂体−副腎系の活性化  5.軸索反射−マクロファージ
a.12 b.23 c.34 d.45 e.51
<解答>b
1:内部環境はベルナール。緊急反応とホメオスタシスがキャノン。
2:他に寒冷、騒音なども物理・化学的ストレッサー。  4:IL-5ではなくIL-1。
5:軸索反射に関与するのは、サブスタンスPやカルシトニン遺伝子関連ペプチド。

(10)次のうち正しいものの組み合わせをあげよ。
1.細胞性免疫−NK細胞  2.肥満細胞−IgEレセプター  3.カテコラミン−Th1反応の増強
4.グルココルチコイド−Th1反応の増強 5.インターロイキン4−視床下部−下垂体−副腎系の活性化

a.12 b.23 c.34 d.45 e.51~

<解答>a
3:交感神経優位になるとリンパ球が減少し、顆粒球が増加する。
4:グルココルチコイドによって、IL-1,2,3、TNF、IFNγ産生が減少するため、Th1反応は低下する。
5:IL-4でなくIL-1。