医療情報 / H17小テスト


医療情報

■社会の医療ニーズに応えた医療情報学の活躍事例を挙げなさい。
■未解決の社会の医療ニーズを3 つ挙げ、医療情報学の解決手法をそれぞれ50 文字以内で述べよ。
あなたはある地域の保健所長です。見たこともない奇妙な感冒症状( 顔面浮腫と食思不振) 患者が続発しているという通報を受けました。
■ 1) 実態を把握するために行う調査をあげなさい
■ 2) 病気の原因探索のために何を行いますか
■ 3) 原因発見前の大流行予防策は


■問1. 次の中から正しいものには○、誤っているものには×を付けなさい。
1. 試験の順位は分類尺度、点数は間隔尺度である
2. 皮膚の発赤の有無は順序尺度である
3. 学籍番号は分類尺度である
4. マラソンの順位は間隔尺度、タイムは比尺度である
5. メジアンは、飛び離れた値をとるデータを解釈する場合に平均値より威力を発揮する
6. 中央値と平均値が一致すれぱ、正規分布であるといえる
7. 正規分布しているかどうかは、ヒストグラムを描いて確認する
8. 正規分布N( μ , σ 2) からn 個の標本を取り出したときに得られる標本平均Xの95% 信頼区間とは、その中に母平均μが含まれる確率が95% という意味である
9. 標本平均X を標本標準偏差S を使って標準化すると、その値はt 分布に従う
10. 症例数が多ければ、95% 信頼区間は狭くなる
解答
順に××○×○×○×○○
・1. 試験の順位は順序尺度、点数は比尺度
・2. 皮膚の発赤の有無は分類尺度
・4. マラソンの順位は順序尺度
昨年と似た問題です。
■問2. 腎機能障害の患者5 名の血清クレアチニン濃度(mg/dl) を測定したところ4.0 3.8 3.7 3.8 4.2というデータが得られた。
この疾患の、血清クレアチニン濃度の母平均μの95% 信頼区間を求めよ。
(5 つのデータのバラツキをみると、だいたい正規分布すると考えられる)
解答
3.6517 ≦μ≦ 4.1483
標本平均X=3.9, 標本標準偏差S=0.2 と計算され、
自由度4 のt- 分布の上側2.5% 点はt4(0.025)=2.776 である。
よって、μの95% 信頼区間は
3.9 - 2.776 *(0.2 / √ 5) ≦μ≦ 3.9 + 2.776 * (0.5 / √ 5)
すなわち、√ 5 = 2.236 より3.6517 ≦μ≦ 4.1483 となる.
■問3. 9 月11 日は衆議院総選挙がある。
世論調査として、有権者名簿から無作為に有権者を選びだし、昼間に電話をして調査を行うことにした。この調査方法について統計的にどのように考えるか? 標本と母集団に注意して述べよ。
解答例
有権者名簿から無作為に調査の対象( 標本) を選び出したとしても、昼間に電話をして調査するという方法では、無作為抽出にならない。昼間家に居る人( たとえば専業主婦や老人、自営業者など) に偏った標本からは、有権者全体( 母集団)の世論を適切に推測することは出来ない。

■ 1. カルシウム拮抗薬A を投与する前後の血中物質B の値を40 歳代の男性15 人について測定し、変化の有無を検討したい。
そのためにはどのような手順で検定すればよいか? 括弧の中の正しい方の語句を選び、○で囲みなさい。
これは( 対応のある・独立した) データなので、次に2 群の分布の差が( 二項分布・正規分布) に近いか否かを調べる。そのためには、( ヒストグラム・度数分布表) を作成し、視覚的に分布の様子を捉える。すると一つ山の左右( 対称・非対称) な分布を示した ので、このデータの検定には(Wilcoxon's signed-rank test・Student's t-test) を用いる。
解答
対応のある、正規分布、ヒストグラム、非対称、Wilcoxon's signed-rank test
Student's t-test はデータに対応のない場合に用いる。
■ 2. C 型肝炎患者の治療前における血中ALT のヒストグラムを、肝炎ウイルスが消失した群(CR 群) と、消失しなかった弾(NR 群) とに分けて描いた( 下図)。
2 群の分布の差を検定するために、図の右側にある2 つの検定が行われた。2 群の分布に差があるのかないのか、正しい方の検定方法を選んで述べよ。
( 用いるべき用語: 検 定方法、有意水準、有意差)
解答
2 群の分布ともに正規分布に近くないので、検定方法はMann-Whitney のU 検定を選択する。したがって、有意水準5% でCR 群とNR 群の血中ALT 値には、有意差が認められる。 ( 有意水準5% でCR 群の血中ALT 値の方がNR 群に比べて有意に高い。
昨年と同じ問題のようです

■以下に示す疫学研究の研究方法の型を示しなさい。
問題1. 規則的な運動と心筋梗塞の関係を調べるために、現在、週3 回以上走っている人と、そうでない人を将来にわたって10 年間追跡し、心筋梗塞の罹患率を比較する研究を行った。
問題2. コークス炉作業と肺癌との関連を調べるために、肺癌患者と肺癌患者でない者の2 群間で、過去のコークス炉作業歴を持つ者の割合を比較する研究を行った。
問題3. 新しく開発された抗ガン剤の効果を見るために、肺癌患者を2 群に分け、その一方に新しい抗ガン剤を投与し、ほかの群には従来の薬剤を投与し、その後における2 群の生存率を比較する研究を行った。
問題4. 地域住民の平均的は食塩摂取量を得るために住民の抽出標本を用いて一人一人の尿中ナトリウム量を測定し、平均的食塩摂取量を測定する研究を行った。
問題5. 日本で木工家具製造と副鼻腔ガン発生との関連を見るために、大学病院に入院した副鼻腔ガンの症例を患者群とし、患者と同一病院に良性疾患で外来受診した症例から、性、年齢、を合わせて対照群として研究を行った。
解答
コホート研究、ケースコントロール研究、無作為化臨床試験(RCT)、横断研究、ケースコントロール研究

問題. 労働者の粉塵吸入の効果についての疫学的調査を行うにあたって、500 名の呼吸器疾患患者と200 名のコントロール( 呼吸器疾患にかかっていない者) を対象とした。そこで、それらの対象が粉塵を吸入したことがあるかどうかを調べたところ、呼吸器疾 患患者の250 名とコントロールのうち50 名が粉塵を吸入したことがあることが判明した。
■ 1. 2 × 2 表を作りなさい。
呼吸器疾患の発生あり呼吸器疾患の発生なし計
粉塵吸入あり250 50 300
粉塵吸入なし250 150 400
計500 200 700
これも昨年と同じです
■ 2. オッズ比を求めなさい。
解答3.0
オッズ比=(2501250)/(50/150)=3.0

■ 1. 個人診療情報が入ったコンピュータを廃棄する場合に個人情報を完全に消去する方法のうち間違いはどれか。
1. 上書きによる消去
2. ディスクを物理的に破壊
3. デスクトップ上で「ごみ箱を空にする」
4. ディスクを磁力により破壊
解答3
■ 2. 将来のゲノム医療に関して、期待するところ、危惧するところを300 字以内で述べよ。