救急 / 04


救急医学・災害医学概論・心肺蘇生法(BLS,ACLS)~

■問1. トリアージについての下記の記載のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
a トリアージは、限られた人的・物資資源のなかで、多数の傷病者に最善の医療を施行するために行う。
b トリアージ分類で、最優先に治療を要する群を示す色は赤である。
c CPR を必要とする患者の搬送・治療が最優先される。
d トリアージは一回行えばよい。
e トリアージを行う者は治療にも積極的に参加すべきである。
1)a,b 2)a,b,c 3)b,c,d 4)a,d,e 5)e
解答
1)
・a. ○
・b. ○
・c. ×気道を確保しても自発呼吸がなければ、CPR で人手がかかるし、意識がもどる可能性も低いので非常時においてはあきらめ
る。
・d. ×状況は刻々と変化するので何度も行う。
・e. ×別にするのが良い。
■問2. 病院前救護に関連する下記の記載のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
a 病院前救護の質保証のために、メディカルコントロール体制が構築されつつある。
b 高エネルギー外傷患者は、脊柱固定( ネックカラー、ボード) が行われた状態で搬送時間短縮のため直近の病院に搬送されるべ
きである。
c 救急救命士が行える医行為の中に自動体外式除細動器による除細動は含まれていない。
d 救急患者の大部分は外来診療のみで帰宅可能である。
1)a,b 2)a,b,c 3)b,c,d 4)a,d 5)d
解答
4)
・a. ○
・b. ×少なくとも入院が必要だろうから2 次以上の病院に運ぶべき。
・c. ×医師の包括的指示下で自動体外式除細動器による除細動、医師の具体的指示下でラリンゲルマスク・コンビチューブを用い
た気道確保、乳酸リンゲル液・生理食塩水を用いた静脈路確保が可能。所定の研修を受けた救急救命士には気管挿管も認可。
・d. ○ 90% は外来診療のみでよい。
■問3. 以下の記載のうち、PDFJ::Text=HASH(0x152de30) を一つ選べ
a 災害現場の医療における3T とは、triage, treatment, transportation である。
b 自然災害対策における一般的原則は、予防、準備、被害の軽減化である。
c 大量の傷病者が発生した場合、災害弱者( 小児、女性、老人、貧困層) の治療が最も重要である。
解答
c
・保留群( 緑) でも小児・老人・外国人は待機的治療群( 黄) であるが、最優先治療群( 赤) ではない。
■問4. 心肺停止、心肺脳蘇生に関連する下記の記載のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
a 意識のない傷病者の気道閉塞の最多の原因は気道異物である。
b SIDS( 乳児突然死症候群) 発生のピークは1 歳前後である。
c 一般市民が心肺蘇生法を学ぶ機会は、最近10 年間の間に著明に増加している。
d 現在目本でも、一般市民がAED を使用することは許されている。
e 心停止後、脳の不可逆性変化が始まるのは8 〜 10 分後である。
1)a,b 2)a,b,d 3)c,d 4)a,d,e 5)c,d,e
解答
・a. ○
・b.
・c. ○義務教育の一部、運転免許取得の際、市民公開講座など。
・d. ○
・e. × 4 〜 6 分後である。
■問5. 心肺停止、心肺脳蘇生に関連する下記の記載のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
a 心肺停止者の社会復帰率について、無脈性電気活動(PEA) は心室細動(VF) より高い。
b VF により心停止に陥った傷病者が5 分後に除細動された場合、その生存退院率は90% 程度である。
c AED による除細動では二次災害発生に注意する必要性はほとんどない。
d AED の「心尖部」電極パッドを貼付する位置は、左鎖骨中線上の乳頭下である。
e 救命の連鎖(The chain of survival) とは、迅速な通報、迅速なCPR 開始、迅速な除細動、迅速な二次救命処置である。
1)a,b 2)a,b,c 3)b,c,d 4)d,e 5)e
解答
・a. × VF のほうが高い。
・b. ○
・c. ×患者に誰も接していない状態で放電しないと周りの人が感電死する可能性がある。
・d. ×鎖骨中線よりもさらに左。
・e. ○

救急患者診療試験問題~

■問6. 救急患者を診察する際に最も重視しなければならないことを一つ選びなさい。
(ア) 患者の訴え
(イ) 見た目
(ウ) 呼吸、循環
(エ) 来院した順番
解答
(ウ)
・見た目や訴える大声にごまかされてはいけません。
■問7. あなたは救急部医師です。外傷患者が運ばれてきました。救急車から救急外来ベッドまでの移動中、すべき
ことを選びなさい。
(オ) 救急隊に話を聞く
(カ) 家族に話を聞く
(キ) 患者に声をかけ、A( 気道)、B( 呼吸)、C( 循環) を確認する
(ク) 心拍数、血圧、呼吸数を測定する
(ケ) 救急外来で待機する
解答
( キ)

病院前救護体制試験問題~

■問8. メディカルコントロール(MC) 体制について正しいものはどれか。
a 我が国においてMC 体制の確立は, 法的に義務付けられている。
b MC 協議会は, 管轄区域の医師会の下部組織である。
c 救急隊員に対する指導・助言体制の確立が含まれている。
d 救急救命士の再教育体制の確立が含まれている。
e 医師による救急活動の事後検証体制の確立が含まれている。
1a,b,c 2a,b,e 3a,d,e 4b,c,d 5c,d,e
解答
5
・a. ×
・b. ×
・c. ○
・d. ○
・e. ○
2
■問9. 救急救命士の処置範囲に含まれないものはどれか。
a 気管挿管
b 静脈路確保
c 除細動
d 緊急気管切開
e 血糖値測定
1a,b 2a,e 3b,c 4c,d 5d,e
解答
5
■問10. 一般市民による応急手当について正しいものはどれか。
a 病院外心肺停止傷病者の救命率と市民による応急手当の実施率に相関はない。
b 我が国における応急手当の普及啓発は, 消防機関と日本赤十字社が中心となって実施している。
c 消防機関が実施する救命講習にはAED の取扱い要領が含まれている。
d 一般市民による応急手当の実施に伴う法的な責任は法律によって免責されている。
e 医療従事者が行う心肺蘇生法と一般市民が行う心肺蘇生法の内容は一部異なっている。
1a,b 2a,e 3b,c 4c,d 5d,e
解答
・a. × by stander による応急手当実施率が高くなれば病院外心肺停止傷病者の救命率は上がる。そのために応急手当の普及啓発が
おこなわれている。
・b. ×学校教育や自動車免許講習にも取り入れられている。

外傷初期治療問題~

■問11. 外傷患者初期診療に関する文章のうち、正しいものには○、問違っているものには×をつけなさい。
1. 救急隊からの第一報時に損傷部位、損傷の程度を詳細に訪ねる。()
2. 頸椎カラー装着より気道の開放を優先する。()
3.primary survey でA に問題があり、気管挿管が困難であれば、輪状甲状間膜穿刺あるいは切開を選択する。()
4. 外傷性ショックの90% 以上は出血性ショックである。()
5. 静脈路確保では、中心静脈路が第一選択である。()
6. 切迫するD があっても初期輸液療法に反応せず、かつFAST で腹腔内に液体貯留増加あれば、緊急開腹止血術を優先する。()
7. 外傷性大動脈損傷は左鎖骨下動脈直下が好発部位である。()
8.primary survey の循環の異常時撮影するのは、胸部と骨盤のX-P である。
9. 不安定骨盤骨折では背部観察のためにlog-roll は行わない。()
10.GCS10 以下であれば切迫するD である。()
解答
1. × 2. ○ 3. ○ 4. ○ 5. × 6. × 7. × 8. ○ 9. 10. ×
・1. どういう事故なのか、何人搬送されるのかしか聞かない。それらの情報から受け入れの準備する。
・5. 末梢から取っていく。失敗して血管をつぶしたら中枢側にかえる。
・6. 切迫するD では脳外科医をコールすべき。
・7. 腹大動脈が骨に守られてないので、損傷を受けやすい。
・10.GCS8 以下(JCS30 以上) が切迫するD である。

重症患者の栄養管理試験問題~

■問12
1) 以下のメニューで、輸液、栄養投与されている患者の1 日の投与カロリー、非窒素熱量/ 窒素(NPC/N) を求めよ。アミノ酸6.25
g= 窒素1g で計算せよ。
a.50% ブドウ糖400ml+10% アミノ酸液400m1+20% 脂肪乳剤200ml+ 生理食塩水400m1+KCL40m1(40mEq) を薬局で1 パックに無菌
調剤したものに、使用直前、1 日必要量の微量元素、ビタミンを点混し、中心静脈から、24 時間かけて、持続注入した場合。(脂肪乳剤は、脂肪のみの組成とする)
    Kcal
NPC/N=  
b. 経鼻胃管から、経腸栄養剤が1 日4 回、1 回200ml を2 時間かけて注入、末梢からはブドウ糖10% 含有維持液が40ml/ 時で持続投与されている。栄養剤の濃度は1.5Kcal/ml、組成は蛋白質20%、脂肪30%、炭水化物50% である。胃管からの逆流、嘔吐はない。
    Kcal
NPC/N=  
2) 高度侵襲下の患者( 多発外傷、重症熱傷等) で、初期からの栄養管理が奏功しなかった場合起こりえるものを以下から選べ。
a. 高コレステロール血症
b. 敗血症
c. 代謝充進期の持続
d. 免疫能の低下
e. 入院期間の延長
解答
1)a.1320kcal
・糖質・たんぱく質は4kcal/1g、脂肪は9kcal/1g で計算する。
急性呼吸不全・多臓器不全・脳死
■問13. 急性呼吸不全の定義を述べよ
肺におけるO2の取り込みが不十分なため全身の細胞がO2不足で好気代謝が営めずエネルギー不足で生命の危機的状況にあるもの。
■問14. 多臓器不全の定義を述べよ
解答
心、腎、肺、肝、中枢神経系、凝固系、消化管( 出血) の臓器やシステムのうち、2 つ以上の臓器やシステムが、同時に、または短時間のうちに連続して機能不全に陥った重篤な病態。
■問15.SIRS について述べよ
解答
外傷や感染症に対する正常な生理的な反応であるが、侵襲が強すぎたり、持続したり、過剰反応したりすると多臓器不全を起こす。
体温<36℃、>38℃ ■問16. 死について述べよ