来生たかお大百科 ＞『With Time』←自作曲→『永遠の瞬間』
※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。
概要 †
1989年にリリースされた15枚目のオリジナルアルバムである。
プロデューサーとして初めて来生姉弟の名が併記され、また、オリジナルシングルが収録されていない初めてのアルバムでもある。
来生は、文明社会の中で「それ以外の何かもっと温かいもの」を求めて制作したと語っている*1。折りしも昭和が終った年のリリースとなり、美空ひばりの訃報も相俟って、自身の年齢や時の流れを意識した、喜怒哀楽を直接的に表現した楽曲が収録される事になったという*2。
また、同じリフを繰り返すような楽曲は退屈で、これまでは作って来なかったが、その事が却ってアルバム全体を「平ら」にしていたかも知れないと感じ、作曲の段階から「凹凸」を付けようと考えたと述べている*3 。
来生えつこによれば、タイトルはオフィシャルファンクラブ「TAKAO CLUB」の会報『égalité』vol.9（キティ・ミュージック・コーポレーション／1989.08）に掲載されたスタッフ（竹脇隆）のエッセイからヒントを得たもので、「いつもと違う事、新しい何か、現代人が忘れている何か」という意味合いを意図したという*4。帯のコピーとは別に、リリース当時の雑誌広告*5では、「このアルバムは、人々が忘れかけていた“SOMETHING ELSE”を思い出させてくれます。」と記されている。
来生えつこは、メロディーが出来た段階で打ち合わせをし、1曲ずつ了解済みで歌詞を付けて行った為、やり易かったという*6。また、歌詞はフィクションの度合いが低く、ストレートに感情を形に出来*7、制約や売れ線等を意識せず、久々に満足したと語っている*8。なお、収録曲の多くを吉本ばななの小説を参考にした事も明かしている*9。
編曲及び演奏は、バックバンドの「スタートル」がメインで務めている。来生は前々からステージのメンバーでレコーディングをしたいと考えており、前コンサートツアー『来生たかお Concert Tour '88〜'89 With Time』では皆でアレンジをした事から、実現に結び付いたという*10。結果、期間は短かったものの編曲やリハーサルにもたっぷり時間を取り、切磋琢磨して良いものが出来たと語っており*11、来生えつこも、自分達が手掛けたという充実感の下、ツアー等での結束も深まって良いと述べている*12。また、来生は、気に入らなければ全部やり直せるのは、スタジオミュージシャンでのレコーディングとは異なる利点として挙げている*13 。なお、来生自身もペンネームの矢倉銀で編曲に参加している。
ジャケット及びブックレットには、ハンチング帽に、胸に大きく苗字のイニシャル“K”を記したセーター姿の来生自身が写っており、これは初期のギルバート・オサリヴァンのコスチュームを細部までイメージしたという*14。また、オリジナルCDの盤面にも同じ画像がプリントされている。
同タイトルのビデオ『TAKAO KISUGI THE VIDEO Something Else』も作られ、『来生たかお Concert Tour '89〜'90 Something Else』の会場で販売された他、ファンクラブ会員向けの通信販売も行われた。また、ジャケット写真を用いてデザインされたテレフォンカードも存在する（上記コンサートツアーのテレフォンカードも作られている）。
収録曲 †
※各曲の収録時間はCT版、CD版に記載がないので通販サイト等に準拠
参加ミュージシャン †
STARTLE
- Piano：松田真人
- Keyboards：松田真人、加藤実
- Electric Guitar：荒木博司
- Acoustic Guitar：荒木博司
- Bass：多田文信
- Drums：松本照夫
- Chorus：多田文信（3,9）
GUEST MUSICIAN
- Guitar：土屋清（4,9）、作山功二（5,7）
- Drums：江口信夫（6）
- Chorus：楠瀬誠志郎（4）、比山清（8）、木戸康弘（8）
- Strings：金子飛鳥グループ（1,2,5）
- Percussion：菅原由紀（1,10）、Francis Silva（6）
- Soprano, Alto, Tenner Sax：渕野繁雄（3,4）
- Bariton Sax：石兼武美（4）
参加スタッフ †
- All Songs Composed And Written By 来生たかお、来生えつこ
- Producers：来生たかお、来生えつこ
- Director：高橋良一
- Recording Engineers：諸鍛冶辰也、渡辺省二郎、井川彰夫
- Assistant Engineers：松藤暢彦（Mix）、赤波江敦夫（Sound Sky）、藤島浩人（Sound Sky）
- Recorded Studio：Key Stone Studio, Sound Sky Studio, Aobadai Studio
- Mixing Studio：Sound Sky Studio
- Art Direction & Design：辻森茂和
- Design：Noriko Hasegawa
- Photographs：Masaki Tsuruta
- Hair & Make Up：本田正太郎
- Coutume：Noriko Sawa
録音 †
- 日付記載なし／キーストーンスタジオ、サウンドスカイスタジオ、青葉台スタジオ、サウンドスカイスタジオ（リミックス）
初出 & 復刻 †
| 発売年月日 | メディア：規格品番 | 発売元／レーベル | 備考 |
|---|
| 1989.11.25 | CT:00CS-0215 | キティレコード |
○CT：オリコン最高88位（売上累計1,340枚）／CD：オリコン最高74位（売上累計3,310枚） |
| CD:H00K-20165 |
| 1991.04.25 | CD:KTCR-1064 | キティレコード | |
| 1995.07.21 | CD:KTCR-1570 | キティエンタープライズ／キティレコード | ○歌手デビュー20周年に際し、高城賢によるデジタルリマスター
○帯に「20th anniversary」の記載
○Q盤CD選書シリーズの1枚 |
| 2007.03.21 | CD:UPCY-6369 | ユニバーサルミュージック | ○21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に1995年版を収録
○帯なし |
アルバムタイトルの表記 †
| 帯 | ジャケット | ケースの側面部 |
|---|
| CT | ※帯がないので該当なし | SOMETHING ELSE | SOMETHING ELSE |
|---|
| CD | オリジナル版 | SOMETHING ELSE
サムシングエルス（※帯の側面部） | SOMETHING ELSE | SOMETHING ELSE |
|---|
| 1991年版 | サムシング・エルス | SOMETHING ELSE | SOMETHING ELSE |
|---|
| 1995年版 | SOMETHING ELSE | SOMETHING ELSE | SOMETHING ELSE |
|---|
| 2007年版 | ※帯がないので該当なし | SOMETHING ELSE | SOMETHING ELSE |
|---|
パッケージの体裁 †
- オリジナル版CD：ジュエルケースにブックレットを挿入
- 1991年版CD：ジュエルケースにオリジナル版CDのものを基調としたブックレットを挿入
- 1995年版CD：ジュエルケースにオリジナル版CDのものを基調としたブックレット（及び、既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー）を挿入
- 2007年版CD：ジュエルケースにオリジナル版CDのものを基調としたブックレットを挿入
帯のコピー †
- オリジナル版CD：遠い昔 愛の歌はシンプルで心地よくて……
- 1991年版CD：※記載なし
- 1995年版CD：遠い昔 愛の歌はシンプルで心地よくて…… ��STARTLE�瓩閥Δ冒呂蠑紊欧拭⇒萓犬燭�お15thアルバム。
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