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創元推理文庫の一冊で、日本でもっともよく読まれているコリン・ウィルソンの小説。彼のSF小説の代表作でもある。前半は主人公が世界的な学者となり、ニューマン合金を自分の脳に埋め込んで覚醒するまでの教養小説。後半は世界の背後に眠っていた宇宙人の存在を知り、ヴォイニッチ手稿を手掛かりにその謎を理解するようになり、彼らと格闘することになる。……というSF小説となっている。マスロー心理学を取り入れて以降のCWの思想が盛り込まれている。創元推理文庫のアンケートでは、笠井潔がこの作品を1位としている。
名句集
- 「5%少数者の大半は、社会的な支配を通じて自己表現を行う。つまり、他人を支配したり、頭角を現したりする必要があるのだ。それに対し、0.00025%超少数者は、根本的には価値体験というものにとり憑かれている。価値体験こそ、これらの人の自己表現形態なのだ。彼らにとっては、他の如何なる業績も支配も味気ないものに見える。」
シェイクスピア論議
主人公はシェイクスピアが誰なのかという謎を解こうとして、ベーコン説に賛同している。シェイクスピア嫌いを宣言するCWは、格好の標的として批判的な分析を繰り返している。
主要登場人物
- ハワード・レスター:主人公。(イギリスの初版のカバーでは間違ってハワード・ニューマンと書かれている。)
- アラステア・ライエル卿:ハワードを学問的に育てた学者。
- ヘンリー・リトルウェイ:ハワードの共同研究者。
- マークス:エイブラハム・マスローがモデルとなる人物。「価値体験」の研究者。
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