TS-440S入手方法ガイド


TS-440は、中古としては「比較的安くて、手堅い」使えるリグである。
オークションやハムの集まりなどでTS-440はしばしば出品されている。団塊世代のリタイアに符合して一時高騰したが、(最近は収まってきているものの)中古の人気はなお高い。オートアンテナチューナー内蔵で、まずまず使えるのがいいのかもしれない。

相場

  • 比較的台数が出た機種なので、ヤフーオークションなどでも検索すればしばしば出品されている。オプション無しであれば、10W機TS-440Vであれば15k〜20k、100W機TS-440Sであれば20k〜30k辺り(25kがおとしどころ?)が相場だろう。オークションにバカ高い即決価格を掲げている業者もいるらしいが、よほどの美品かオプションの充実でもない限りは、今更40k以上出す価値はない無線機ではある。
  • 本格的にCW運用に使うのであれば最低限500HzのCWフィルター(YK-88C)ぐらいはないと話にならないので、もし手に入るなら内蔵品を求めたいところ。なお筆者は、SSB運用には受信時にあまり帯域を狭めず近接混信をカット可能なSSBフィルターYK-88Sを推奨する。
    • フィルターの方は入手性に難があるためか高騰気味で、中古で売られていても5kぐらいするようだ。どうしても適価でフィルターが手に入らなければ、International Radio (INRAD)の新品のフィルターを輸入して使用すると言う手もある。

中古の状態

オークションなどに出品される440は、他のリグに比べると割と状態が良いものが多い気がする。屋内で使われていた個体が多いからかもしれない。
ダイオードカットでAM送信改造・ゼネカバ送信が可能。但し、幸か不幸かAMの送信音質がとても悪かったらしくCBerに嫌われたため、トラックで11m AM用に荒っぽく使われた個体は少ないと言う話だ。反面、実戦的にCWフィルターを挿して実戦的に使われていたものが多いのか、中古でもCWフィルター入りが比較的多い。

ただし既出のとおり、PLLがアンロックを起こすことが多い。ジャンクとして出品されている440の多くが「周波数を表示しない」「*MHz以上で動作しない」などと書かれており、VCOの動作不良によるアンロックをにおわせる。 少し手先が器用で代替部品の知識がある人なら修理可能な場合が多いので、ジャンクにチャレンジしてみるのも面白いかもしれない。 アンテナチューナー・ヘビーデューティ仕様・万全な保護回路のおかげでファイナルを飛ばすことも滅多に無かったのか、ジャンク品でファイナルが飛んだものをあまり見かけたことがない。*1

前出の通り、TS-440V(10W機)は相当安いので、高機能な固定QRP機代わりに使うのもいいかもしれない。


*1 ファイナルが飛んでいる・さびが多い・再塗装の場合、その個体がCBで荒く扱われてた可能性が高い。