TS-440Sの改造 / 音質の向上


TS-440はIFフィルターが狭めである問題もあって、送信・受信音質ともに高級機よりも余裕がない音で、特に低域が薄いので高域寄りのカリカリした感じの音になりがちである。それをある程度軽減するtipを書く。


送信音質

AF段の改善

IF UNITのマイク入力にあるC135(0.1uF)を0.47〜1uFと交換してみる。
フィルムコンデンサや電解コンデンサで、種類をアレコレ替えてみると音の変化がよく分かる。筆者のオススメは、BlackGate?というオーディオ用電解コンデンサである。

受信音質

AF段の改善

まずは、コンデンサの交換で対応する。
IF UNITのAF増幅段にあるC60, C66, C67, C69, C170, C175を4〜10倍程度の値にすると、穏かで柔らかな音に変わる。この辺も、オーディオ用を使用するなど、工夫する余地はある。
電解コンデンサを大きくしすぎると特に顕著であるが、Cの交換後はコンデンサの充電に時間を要するようになるため、電源を入れた直後はセットノイズが遅めに立ち上がるようになってしまう。

IF段の改善


AMモードの改善

AM用のフィルター(CF2)は見直す余地がある。455kHz用で、シェープファクターや通過帯域の異なる種々のセラミックフィルターを集めてきて取っ替え引っ替えしてみて、自分の聴取対象に適したフィルターを選択すると良い*1
455kHzにIFをもつBCLラジオ・通信型受信機・無線機のジャンクをお持ちならば、移植してみるのも良いだろう。
小型セラフィル・中型セラフィル両方に対応できるように、基板にはどちらも挿さる穴があけてあるため、交換は容易である。


*1 BC帯DX用やSWL用なら帯域を5〜10kHzにして狭帯域・シェープファクター重視、BC帯音楽用なら15kHzぐらいにして高音質を目指す、など。