来生たかお大百科 ＞『AT RANDOM』←自作曲→『夢の途中』
※原則的に、来生たかおは“来生”に省略、来生えつこは“来生えつこ”と表記。
概要 †
1981年にリリースされた6枚目のオリジナルアルバムである。
セルフプロデュースによる初めてのアルバムで、レコーディングの現場で譜面や歌詞にOKサインを出す等、何もかもを来生がリーダーシップを取り*1、矢倉銀のペンネームで多くの編曲も手掛けている。また、本アルバムを引っ提げ、初めての全国的なコンサートツアーが行われた*2。
これまでは生真面目にアルバム制作をして来たが、冒頭や末尾に「Much more...」を収録する等、遊びの部分を取り入れたという*3。以前からやりたかったものの中々勇気が出なかった編曲に関しても、思い切って挑戦し*4、全体的にリズム主体で、余りごちゃごちゃさせないシンプルさを念頭に置き、コーラスの多用や、鈴木茂、林立夫、田中清司、後藤次利等、好みのミュージシャンで固めた事もあり*5、ジメジメしたものが取れ去られ、過去のアルバムよりもホットになったと語っている*6。特に「たそがれの苺」「メモリー・メロディー」が気に入っているという*7。
それまでは余りレコーディングに立ち会わなかった来生えつこだったが、本作では、現場で歌詞を書き足したり、歌って貰ったものをその場で聴いて駄目出しをしたりしたという*8。また、歌詞は事前に大体決まっていた為、まだ遊び半分みたいな感覚があったと回顧している*9。
ジャケット写真は、レコーディングを行った伊豆スタジオ近隣の浜辺で撮影されたもので*10、LPとCTとではよく似た別の写真が使われている。LPの帯では、既出のオリジナルアルバムやベストアルバムが写真入りで宣伝されている。
音楽ソフト販売店「テイトムセン」の各支店で本アルバムの購入予約をすると、直筆サイン色紙と共に、コンサートツアー『Concert Tour '81 来生たかお』の告知用ポスターが進呈された。
1995年版CDの帯に「Goodbye Day」（Original Version）との記載があるが、最初にリリースされたのは企画アルバム『来生たかお』に収録されたヴァージョンである。
音楽ライターの久保田泰平は、「Goodbye Day」が突出したメロウネスを放っているが、リゾート感に溢れるライトなものやファンク、変拍子を使った楽曲等、来生のポップセンスがより深く分かりやすく露呈したアルバムとし、「世紀末に滑り込んだウエストコースト風の名曲」とも賞している*11。
音楽評論家の臼井孝は、「Goodbye Day」が「シルエット・ロマンス」「セカンド・ラブ」等のヒットソングライターとしてのイメージに合致する一方で、他の収録曲はヒット路線とは程遠いものの、通して聴くと自由な作りで味わい深く、その引き出しの多さからアーティストとしての大器を強く感じると評している*12。
収録曲 †
参加ミュージシャン †
- Electric Piano：松任谷正隆（SideA-4／SideB-6）、富樫春夫（SideB-5）
- Acoustic Piano：渋井博（SideA-1／SideB-7）、難波弘之（SideA-5）、富樫春夫（SideA-2,5／SideB-4,5）、石川清澄（SideA-3,6／SideB-2）、松任谷正隆（SideA-4／SideB-1,3）
- Melotron：来生たかお（SideA-1／SideB-7）
- Electric Guitar：土方隆行（SideA-3／SideB-2）、鈴木茂（SideA-2,5／SideB-4,5）、椎名和夫（SideA-4／SideB-6）、青山徹（SideA-5）、松原正樹（SideA-5／SideB-1,6）、今剛（SideA-6）
- Acoustic Guitar：吉川忠英（SideA-5,6／SideB-1,4,6）、谷康一（SideB-5）
- 12 Strings Guitar：吉川忠英（SideA-4）
- Gut Guitar：吉川忠英（SideB-4,5）
- Electric Bass：松下英二（SideA-1,5,6／SideB-5,7）、杉本和弥（SideA-2,5／SideB-4）、宮下恵補（SideA-3／SideB-2）、高水健司（SideA-4）、後藤次利（SideB-1,6）
- Drums：田中清司（SideA-1,3,5／SideB-2,7）、市原康（SideA-2,5／SideB-4,5）、渡嘉敷裕一（SideA-4）、野口明彦（SideA-6）、林立夫（SideB-1,6）
- Percussions：中村御（SideA-2,3,5／SideB-2,4）浜口茂外也（SideA-4）、菅原由紀（SideA-6）、斉藤ノブ（SideB-1,6）
- Chorus：山川恵津子（SideA-2,5）、鳴海寛（SideA-2,5）、カヨコ（SideB-1,2）、ミト（SideB-1,2）、ミチル（SideB-1,2）、杉真理（SideA-6／SideB-4）
- Strings：トマト（SideA-4／SideB-3,5）
- Synthesizer：小林泉美（SideA-2,3,6）、難波弘之（SideA-2）、松任谷正隆（SideB-1,6）
- Synthesizer Program：松武英樹（SideB-1,6）
- Vocorder：小林泉美（SideA-6）
- Valve Trombone：新井英治 （SideA-4）
- Saxphone：ジェイク・コンセプション（SideB-1,2）
- Trombone：新井英治（SideB-2）
- Trumpet：羽鳥幸次（SideB-2）
- Vibraphone：金山功（SideB-4）
- Harmonica：八木信夫（SideB-5）
参加スタッフ †
- Exective Producer：多賀英典
- Producer：来生たかお
- Director：角野禎
- Recording Engineer：高城賢（KRS）
- Assistant Engineer：諸鍛冶辰也（KRS）、脇田貞二（KRS）、清水高志（KRS）
- Cutting Engineer：富田忠男（KRS）
- Recorded on Feb. 28th〜Jun. 8th, 1981
- Recorded at KRS Studo & Izu Studio
- Source of Advertising：Akira “Grizzly” Inoue（井上彬）（Kitty Music Corp.）、Masahiro “Poncho” Ikeda（Kitty Artist Inc.）
- Management：Kitty Aritist Inc.
- Production Assistant：新村直美
- Photographer：近藤信治（PCC）、Big Bear Watanabe（PCC）
- Design：千木幸一（Studio Champ.）
- Special Thanks for 松任谷正隆、Yoshihiro Kurita（KIRARASHA）、Kei Yamagishi（CATS）
録音 †
- 1981.02.28〜06.08／KRSスタジオ、伊豆スタジオ
初出 & 復刻 †
| リリース | メディア：規格品番 | レコード会社／レーベル | 備考 |
|---|
| 1981.07.21 | LP:28MK-0017 | ポリドール／キティレコード | ○LPの帯は2種類（初出時と『夢の途中』発売時）
○CTのジャケットは別写真を使用
○LP：オリコン最高54位（売上累計16,840枚） |
| CT:28CK-0020 |
| 1983 | CT:38CS-9022 | キティレコード | ○『DOUBLE PACK SERIES ジグザグ Sparkle』のB面に収録 |
| 1986.07.25 | CD:H33K-20048 | キティレコード | ○歌手デビュー10周年に際し、CD化
○ジャケットデザインはLP版をアレンジ
○シール仕様の帯に「CDオリジナル・セレクション」「10th anniversary -since 1976-」の記載 |
| 1991.04.25 | CD:KTCR-1049 | キティレコード | ○ジャケットは1986年版CDと同様 |
| 1995.07.21 | CD:KTCR-1561 | キティエンタープライズ／キティレコード | ○歌手デビュー20周年に際し、高城賢によるデジタルリマスター
○帯に「20th anniversary」の記載
○Q盤CD選書シリーズの1枚 |
| 2007.03.21 | CD:UPCY-6360 | ユニバーサルミュージック | ○21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に1995年版を収録
○帯なし |
| 2013.06.19 | CD:PROT-1066 | Tower To The People | ○タワーレコード限定
○新たにデジタルリマスター
○制作：ユニバーサルミュージック |
| 2018.12.19 | CD:UPCY-9875 | ユニバーサルミュージック | ○限定
○ボーナストラックに「とにかく、あした」「やさしさ、ひととき」「美しい女」（オリジナル・ヴァージョン）「Goodbye Day」（シングル・ヴァージョン）を収録
○紙ジャケット仕様
○デジタルリマスター
○SHM-CD |
アルバムタイトルの表記 †
| 帯 | ジャケット | ケースの側面部 |
|---|
| LP | スパークル Sparkle | Sparkle | SPARKLE |
|---|
| CT | ※帯がないので該当なし | Sparkle | Sparkle |
|---|
| CD | 1986年版 | スパークル SPARKLE | SPARKLE | SPARKLE |
|---|
| 1991年版 | スパークル | SPARKLE | SPARKLE |
|---|
| 1995年版 | SPARKLE | Sparkle | SPARKLE |
|---|
| 2007年版 | ※帯がないので該当なし | Sparkle | SPARKLE |
|---|
| 2013年版 | Sparkle | Sparkle | Sparkle |
|---|
| 2018年版 | スパークル Sparkle（復刻LP版）
Sparkle +4（新版） | Sparkle | SPARKLE |
|---|
パッケージの体裁 †
- 1986年版CD：ジュエルケースにブックレットを挿入
- 1991年版CD：ジュエルケースに1986年版CDのものを基調としたブックレットを挿入
- 1995年版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、LP版のものを基調とした歌詞カード・既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー）を挿入
- 2007年版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、LP版のものを基調とした歌詞カード）を挿入（及び厚紙製ケース付き）
- 2013年版CD：ジュエルケースに2つ折りのカード（及び、LP版のものを基調とした歌詞カード）を挿入
- 2018年版CD：紙製ケースにLP版のものを基調とした歌詞カード（及び、ボーナストラック分の別紙歌詞カード）を挿入
帯のコピー †
- LP：大人じゃなければ本当のやさしさは唄えない。今、瞬間が彼を求めている。 フジTV系「愛のホットライン」主題歌��Goodbye Day�畭樵�13曲
- LP：来生たかおフェア 確かな音楽活動と優しさに裏打ちされた来生たかおの世界を、今あなたのライブラリーに！ スマッシュ・ヒット「Goodbye Day」をフューチャー、来生サウンドが確立したロング・セラー・アルバム！
- 1986年版CD：※記載なし
- 1991年版CD：※記載なし
- 1995年版CD：来生たかお、セルフ・プロデュースによる、6thアルバム。 「Goodbye Day」（Original Version）収録。
- 2013年版CD：シンガーソングライター、来生たかおの6枚目のオリジナル・アルバム。 代表曲「Goodbye Day」の他、「夢の肌」など夏をイメージさせる爽やかな楽曲を多く収録。
- 2018年版CD（復刻LP版コピー／新版コピー）：大人じゃなければ本当のやさしさは唄えない。今、瞬間が彼を求めている。 フジTV系「愛のホットライン」主題歌��Goodbye Day�畭樵�13曲／来生たかおオリジナルアルバム18タイトル 紙ジャケット・コレクション 大人じゃなければ本当のやさしさは唄えない。今、瞬間が彼を求めている。 ��Goodbye Day�畭樵�13曲 ボーナス・トラック「とにかく、あした」「やさしさ、ひととき」「美しい女（オリジナル・ヴァージョン）」「Good bye Day（シングル・ヴァージョン）」収録
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