人物紹介 / 劉禅


劉禅

劉備の跡を継いだ蜀の二代目皇帝。「後主」とも呼ばれる(対して劉備のことは「先帝」「先主」と呼ぶ。)
甘夫人が懐妊中に北斗七星を呑むという夢を見たことから「阿斗」という幼名を与えられた。
基本的に国政には携わらず、即位当初は諸葛亮に、諸葛亮の死後は蒋琬、費禕に全てを一任していた。
鄧艾が諸葛瞻を討ち成都に迫ると降伏し、司馬昭から安楽公に封じられる。

演義では「劉備や孔明たちの労苦を水泡に帰さしめた暗君」として描かれており、
・黄皓の讒言を容れ、北伐中の姜維を成都に召還し足を引っ張る
・キレた姜維が黄皓を除こうとすると泣きついて黄皓の命乞い
とその凡愚ぶりを強調されている。

「蜀を滅ぼした暗君」として中国では徹底的に嫌われているようで、
蜀将たちが眠る墓所では劉禅の像が何度も壊された末に再建されなくなってしまったという。
1920年代に中国で描かれた架空戦記『反三国志演義』は、劉備が天下統一を成し遂げる筋書きだが、途中で暗殺されてしまっている。
(同じく嫌われ者とされる魏延にさえ見せ場があるにも関わらず、である)
さらに幼名の「阿斗」は暗愚無能の代名詞として知られるようになり、
毛沢東が「人民よ、阿斗になるなかれ」と演説したという。
「阿斗」が「阿呆」という言葉の語源とも言われているが、信憑性は乏しいとされている。

正史の筆者・陳寿は「白糸は染められるままに何色にも変ずる」と評している。
黄皓の専横を許したり、姜維の北伐を諫められなかったりと、配下の暴走を許してしまう一面はあったが
諸葛亮などの配下に恵まれている間は安定した国政を維持している。
また、劉備の遺言を守り諸葛亮を父のように慕っていたようで、彼の死後、臣下の李邈が
「彼が死んで皇室は安泰になったのだから国中で祝賀すべき(意訳)」と、
暴言を吐いた際には、陳寿の評のように主体性のない劉禅がブチ切れて即刻処刑したと言う。

染められるままという評の通り、現在では蜀滅亡というマイナスイメージ一色で染められてしまった。

日本では暗君イメージから派生したネタキャラとして扱われる事の多い人物で、
コーエーの三國志シリーズでは能力値が「3」「5」「9」「4」の語呂合わせになってたりするものが有名。
能力がぶっちぎりで最低なことを逆手に取り、彼を中心にしたリプレイ動画が複数投稿されている。
本作のカード性能もネタキャラの流れを汲んでいると言える。

一方でコーエーのアクションゲーム三國無双シリーズ(6から参戦)では、周囲からは暗君と思われているものの
隠れた観察力と見識の持ち主であり、「蜀が恋しくないか?」という司馬昭の問いかけに対して
三国志演義の返答を踏襲しつつもプレイヤーをあっと言わせる斬新な解釈を加えてエンディングで存在感を示した。