人物紹介 / 陶謙


陶謙

後漢末期の徐州刺史。
演義では善良で病弱な好々爺として描かれるが、正史の彼は乱世の群雄に相応しい狡猾な野心家であり、
下邳で闕宣という者が勢力を興すと結託して略奪を行い、
後に対立すると闕宣を殺害し、その勢力と軍を乗っ取ってしまっている。
政治・謀略面でも王朗を会稽太守に推挙して影響を及ぼしたり、
長安の実権を握る李傕・郭汜に間道を使って貢物を送るなどなかなかに抜け目がない。
こういった点から陳寿には
「あるべき規範を守らず、感情に任せて行動したので、司法と行政の連携が取れず、
多くの善良な人々が害を被り、これらによって生じた乱れは時を追うごとに大きくなった」
と酷評されており、演義で描かれる彼の人物像と非常に大きな差異が生じている。

後に領内で曹操の父・曹嵩が殺害されたため曹操の仇敵とされ、その勢力を弱めてしまう彼だが、
正史に記述される限りではこのような人物なので陶謙黒幕説が出るのも仕方がないように思える。
苛烈を極める曹操の攻撃に対し、陶謙は当時公孫瓚配下として援軍に来ていた劉備を引き留め、
豫州刺史に推挙し小沛に駐屯させて備えとしている。

彼には陶商・陶応という二人の息子がいたが、共に一州を任せられる器ではなく、
それが劉備に徐州を譲ろうとした最大の理由であると言われる。