【質問】 グラウゼウ゛ィッツ,モルトケ,孫子以外の,有名な兵法書って,何があるのですか?


 【質問】
 グラウゼウ゛ィッツとかモルトケとか孫子とか,戦術書(?)はいろいろありますけど,他に有名なものって何があるのですか?

 【回答】  書評スレッド,過去ログより:

マハン「海上権力史論」

 セオドア・ルーズベルトが読んで感激したといわれる本.&br;
 それ以降,マハン流のシーパワー確立が,アメリカの国家戦略となった.&br;
 そして,セオドアの甥のフランクリン・ルーズベルトが,海軍のことを「MyNavy」というくらい,ルーズベルト家は海軍に肩入れすることになる.&br;
 米国の国策に関して絶大な影響があった本.

マキャベリ「君主論」

 外交・国家戦略についての古典.&br;
 国家指導者はどうあるべきか,どう行動すべきかについて指針となる知恵がつまっている.&br;
 現代においても正しいかどうかはともかくとして,国家理性が求める正解の一つを示す本.&br;

ハート「戦略論」

 著者はジャーナリスト.&br;
 間接的アプローチという手法を,この本で主張した.&br;
 たいした内容はないと批判する人も多い.&br;
 しかし,戦間期において軍事に関し,最大級の影響を持った著者の著作であるから,一読の価値はあるだろう.&br;
 本人は英国人であるが,敵となったドイツ人も,注意深くその言論を読みとっていたといわれる.

モーゲンソー「国際政治」

 著者はキッシンジャーの師匠といわれ,パワーポリティクスの提唱者.&br;
 パワーポリティクスは,冷戦期における米国外交の指針となった外交アプローチ.&br;
 ブッシュ新政権で国家安全保障担当補佐官となったライス氏の主張も,このパワーポリティクス路線そのもの.&br;
 米国の行動を理解するうえで必読といえよう.

カエサル「ガリア戦記」

 著者は人類史上最高の英雄の一人.軍人として政治家として,かつまた文人として,あげくにナンパ師として最高の資質を持っていたといわれる.&br;
 古代世界最強軍団ともいわれるローマ軍のことを知るには,必読の書.&br;
 ちなみに本書は近代以前のヨーロッパにおいて,ラテン語の必須の教材として扱われ,アホ学生たちの怨嗟の的となっていた(笑

宮本武蔵「五輪書」

 著者は剣豪として有名だが,本人は一介の剣達者ではなく,兵法家を自認していた.&br;
 書画家としても一流であったことは,知る人ぞ知る事実である.&br;
 文人としても一流であった著者の真髄をあじわおう.

陸奥宗光「蹇々録(けんけんろく)」

 著者は日清戦争時の外務大臣.&br;
 坂本竜馬の仲間の一人でもある.&br;
「1941年,ハル・ノートをつきつけられた日本には,もはや開戦の道しか残されていなかった」&br;
 そう安易に語られることが多いが,それは半分以上いいわけに過ぎないということを気付かせてくれる書.&br;
 本書を読んでいると,松岡があんなにアホじゃなければ,とか近衛がもうちょっとしっかりしていれば,とか色々と考えさせられる.&br;
 日本の近代史を考える上で,必読の書.
軍事板,2002/08/07

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