【回答】
戦車=突破不能の塹壕突破専用兵器だったのは,第一次世界大戦では・・・
それも心理効果が主で,イギリス軍が投入した菱形戦車は,始めこそドイツ兵を恐慌に落としいれ,戦線を大きく推し進めたが,すぐにドイツ軍は持ち込んだ野砲の直接射撃や,小銃,後に対戦車ライフル用徹甲弾により,容易な撃破を可能にした.※
塹壕専用兵器であったのは,初めての戦車としてよく紹介される菱形戦車であり,後の騎兵戦車や主力戦車とは,まったく性質が違う.
そもそも,専用の歩兵戦車や突撃砲で無い限り,戦車は機動力を持って戦術となす性質のもので,単純に戦車=強いは間違い.
陣地を制圧するのは歩兵で,戦車は火力支援をするだけ.
ちなみに,対戦車能力が極端に低い日本軍といえども,上陸部隊の持つ戦車ぐらいなら,周到な陣地からの,側面射撃や肉薄攻撃で抵抗できた.
また,硫黄島の戦いはいわゆる塹壕戦ではなかったんですよ.
硫黄島で「穴を掘りまくった」というのは,塹壕(みぞ)ではなくて,洞窟などを利用した横穴と考えてください.
それらの横穴は,入り口直後で方向を変えているので,戦車は全く無力です.
戦史を読み直すことをお勧めします.
※
カンブレー戦ですね.
歩兵なしで前進して来た英戦車隊を,塹壕線の奥まで引込んで,野砲で個別撃破.
この戦いで,戦車には随伴可能な歩兵が不可欠という戦訓を得たのは,むしろ勝った独軍の方で,後に装甲擲弾兵として実現する事となります.