WIDTHセンター不安定


家主の901で見られた症状

家主の手元にあるFT-901Dの受信における一番の問題は、電源投入初期に受信音声のトーンがきゅるきゅるーと連続的に変わっていくことだ。WIDTHを補正すればそれなりに戻るのだが、その後落ち着くならまだしも、タチが悪いことに経時的に変化し、上下を繰り返す。USB/LSBの音のバランスもおかしい。

帯域がずるずるとズレて行くのは、フィルタ自体の経年劣化の可能性も無きにしも非ずだが、PBTは2個のフィルタの重ねあわせで実現している訳で、クリスタルフィルタの帯域が盛大にズレているとは考えにくい。

1970年後半当時、八重洲の付属回路のウリだったのが間違いなくWIDTH(PBT)である。

2個のクリスタルフィルターの重ねあわせによって帯域を上方・下方側にせばめて行くことができるが、クリスタルフィルターが余計に必要なので、高級機で初採用された贅沢な回路構成ともいえる。

余談だが、901の受信部は「シングルコンバージョンのスーパーヘテロダイン」ということになっているが、WIDTHが付加されて2個のフィルターを通っているため、厳密に言うとTS-820の様にシンプルなシングルコンバージョンではない。

修理を試みる。

アプローチ CARRIER UNITを見直す

これはCARRIER UNITの問題なのだろうか。まずはCARRIER UNITのセラミックトリマー(TC701〜704)をいじってみる。 FT-901DM & FT-902DM Survival GuideのP20を参考に、VR701の真ん中の足に周波数カウンタを当てながらTC701-TC704でそう受信時のキャリア発振周波数を調整する。*1 キャリア発振は案の定、経年変化で盛大にズレていた。さすがに40年物である。

更にWIDTH VRをセンタークリックに合わせ、USB/LSBの受信音がバランスするようVR2301を調整した所、一度はセンターに合った。 しかし、電源を投入し直すと、再びセンターからズレる。ああだめか。

アプローチ IF UNITを見直す

となると次は、IF UNITのWIDTHヘテロダイン用VXOまわりが怪しい。

IMG_2521.PNG

WIDTHのセンターを司るのはバリキャップを用いた無調整なVXOであり、電源投入初期に発振周波数が大ズレしてそれが徐々に回復しているのだろう。

WS000003.JPG

VXO水晶自体か、バリキャップ1S2209か、そこにかかる(WIDTHツマミのVRを介した)電圧が不安定と観た。とはいえ電圧が盛大に不安定になんて、早々ならない。

  • 実際VR2301(3番ピンに3端子レギュレータからのほぼ正確な8Vがかかってます)およびWIDTH VRでの電圧を確認したが、いたって安定。
  • 水晶も外して別の発振回路に挿して発振周波数を確認したが、正常。
  • となるとバリキャップか。

アプローチ続き:バリキャップ交換。

WS000001.JPG

バリキャップってそんなに経年劣化するものだろうかと訝しみつつも、D410(1S2209)交換を試みる。1S2209はFT-901に多用されているようだが、バリキャップの中ではまだまだ入手性に問題ない。

WS000002.JPG
WS000000.JPG

1S2209を新品と交換し、VR2301を再調整したら、WIDTHセンタークリック位置でのUSB/LSBの音のバランスはもうおかしくはならなくなった。おそらく修理完了である。

ひとまず受信部はそれなりに動作するようになった。

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*1 p20記載のTC703と704の記載はあべこべですので注意。