Ordinary


来生たかお大百科自作曲

概要

1983年にリリースされた9枚目のオリジナルアルバムである。

来生曰く、本作はアダルト志向で、常に質の高いものを作って浸透させたい思いがあるが、難しくはなくポピュラーで、すんなり耳に入る楽曲ばかりであり*1、リリース時期に合わせて夏を意識した楽曲が多いものの、ポップな楽曲から切ない楽曲まで、6名のアレンジャー(大村雅郎、倉田信雄、椎名和夫、新川博、星勝、矢倉銀)によるサウンドも色々なパターンでバラエティーに富んでいる為、聴き易く飽きの来ないアルバムと述べている*2

制作の前段階で来生は、約20曲の中から12、13曲をレコーディングし、そこから9、10曲を収録したいと語っている*3。また、サウンド面をビシッとさせ、リズムがドシッとしたものを中心にするべく、来生の事をよく知らない若い新鮮なアレンジャー(新川博、倉田信雄)にも編曲を依頼し*4、来生自身も「矢倉銀」名義で「涼しい影」の編曲に携わっており、時間があれば全曲をじっくりと手掛けたいとも語っている*5。また、プロモーションの一言として、定価の2800円を支払った人を絶対に裏切らないと述べている*6

アルバム作り、コンサートツアー、ライターというローテーションをきちんと決めた時期に制作した作品で*7、もう『夢の途中』のヒット以降のプレッシャーはなくなっていたという*8

当初、レコーディングは同年の3月からの予定だったが、楽曲の依頼や体調不良、コンサートツアー『来生たかお Concert Tour '83 ミディアム気分で…』のリハーサル等の影響で4月からになったという*9。また、リリースは6月や*10、7月1日が予定されていた*11

前作『遊歩道』は、ザ・ビートルズのアルバムで言えば『Strawberry Fields Forever/ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』のようなイメージだったが、本作はポール・マッカートニーの『Tug of War/タッグ・オブ・ウォー』をイメージとしている*12

アルバムタイトルの「オーディナリー=(普通)」には、音楽面ではなく生き方について、前年は坂本龍一と組んだ『遊歩道』をリリースする等、とても華やかだったが、以前のように「普通」の姿勢を大事にしたいという思いがあり、結婚し、子供が出来、家庭を築き、仕事をしながら生きて行く、という真面目な生活をイメージするという*13

来生えつこは、『遊歩道』よりもポップで、アレンジがシンプルなものが多く、全体のコンセプトよりも1曲ずつの完成度を目指し、切ないもの、ほのぼのとしたもの等、色んな世界を楽しんで貰えると語っている*14

ジャケットには、白く大きなピアノに向かう来生自身と思われる人物が描かれているが、LP版及びCT版は、その服飾及びピアノの上に座った猫が灰色のものとピンク色のものが存在する(以降の復刻版は灰色のもので統一されている)。

LP版の帯では、既出のオリジナルアルバムベストアルバムが宣伝されている。

本アルバムの購入予約特典として、レターセットが作られている。

なお、本アルバム名を冠したコンサートツアーは行われていないが、同年、リリースに先駆けて開催された『来生たかお Concert Tour '83 ミディアム気分で…』において、収録曲が披露されている。

収録曲

トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間トラックタイトル作詞作曲編曲収録時間
LP/CTCDLPCTCDLP/CTCDLPCTCD
SideA-11あなたのように来生えつこ来生たかお新川博3:2019:383:21SideB-16Day Light Girl来生えつこ来生たかお星勝3:5821:283:58
SideA-22水の中のグラス来生えつこ来生たかお新川博3:463:48SideB-27まどろみミステリー来生えつこ来生たかお椎名和夫4:264:26
SideA-33吐息の日々来生えつこ来生たかお星勝3:503:51SideB-38無口な夜来生えつこ来生たかお星勝3:533:54
SideA-44ふたり一緒に来生えつこ来生たかお倉田信雄4:104:12SideB-49City Noise来生えつこ来生たかお大村雅朗3:473:47
SideA-55ニュアンス来生えつこ来生たかお大村雅朗4:254:25SideB-510涼しい影来生えつこ来生たかお矢倉銀/松田真人*155:205:20

参加ミュージシャン

  • Electric Piano:新川博(SideA-1)、松田真人(SideA-3)、倉田信雄(SideA-3,4)、石川清澄(SideA-3)、山田秀俊(SideA-5)、中西康晴(SideB-2,3)
  • Acoustic Piano:新川博(SideA-1,2)、松田真人(SideA-3/SideB-1,5)、倉田信雄(SideA-3,4)、石川清澄(SideA-3)、中西康晴(SideB-2,3)、山田秀俊(SideB-4)
  • Cembalo:石川清澄(SideA-3)
  • Accordion:鳥居勉(SideB-2)
  • Electric Guitar:椎名和夫(SideA-1/SideB-2,3,5)、鈴木茂(SideA-2,5/SideB-4)、武沢豊(SideA-3/SideB-1)、青山徹(SideA-3/SideB-1)、安川ひろし(SideA-4)、松原正樹(SideA-5/SideB-4)
  • Acoustic Guitar:谷康一(SideA-1)、安川ひろし(SideA-4)、吉川忠英(SideB-3)、鳴海寛(SideB-5)
  • Gut Guitar:安川ひろし(SideA-4)
  • Electric Bass:美久月千晴(SideA-1,2)、富倉安生(SideA-3/SideB-1)、松本茂(SideA-4)、高水健司(SideA-5/SideB-4)、長岡道夫(SideB-2,3)、伊藤広規(SideB-5)
  • Drums:渡嘉敷裕一(SideA-1)、菊池丈夫(SideA-2/SideB-2,3)、林立夫(SideA-3/SideB-1)、今泉正義(SideA-4)、島村英治(SideA-5/SideB-4)、青山純(SideB-5)
  • Synthesizer Drums:菊池丈夫(SideB-1)
  • Linn LM-1 Drum Computer:松田真人(SideA-2/SideB-5)
  • Latin Percussions:川瀬正人(SideA-1)、浜口茂外也(SideA-2) 、ペッカー(SideA-3/SideB-1)、ラリー寿永(SideA-4)、菅原由紀(SideB-2,3,5)
  • Chorus:平塚文子(SideA-1)、桐毛谷仁(SideA-1)、椎名和夫(SideA-1,2)、星勝(SideA-3/SideB-1)、BAZZ(SideA-2)、浜田良美(SideA-3/SideB-1)、松田真人(SideA-4/SideB-5)、杉征夫(SideA-4)、柿崎洋一郎(SideA-4)、伊集加代子(SideB-3)、和田かよ子(SideB-3)、鈴木ひろ子(SideB-3)、山川恵津子(SideB-5)、鳴海寛(SideB-5)
  • Strings:トマトグループ(SideA-1,2)、加藤グループ(SideA-3,4/SideB-3,4)、多グループ(SideA-3/SideB-2,5)
  • Synthesizer:新川博(SideA-1,2)、川島裕二(SideA-3/SideB-1,3)、倉田信雄(SideA-4)、山田秀俊(SideA-5/SideB-4)、中西康晴(SideB-2)、松田真人(SideB-5)
  • Synthesizer Program:松武秀樹(SideA-5/SideB-4)
  • Alto Saxophone:J.H.コンセプション(SideA-1)
  • Flügel Horn:兼崎順一(SideA-1)、武田和三(SideA-1)、数原晋(SideA-5)
  • Glocken:新川博(SideA-1)
  • Trumpet:数原晋(SideB-1)
  • Trombone:粉川忠範(SideB-1)
  • Saxophone:土岐英夫(SideB-1)、包国充(SideB-1)
  • Vocoder:来生たかお(SideB-5)、松田真人(SideB-5)
  • Foot Step:来生たかお(SideB-5)

参加スタッフ

  • PRODUCER……多賀英典
  • Director……本間一泰
  • Recording & Remix Engineer……諸鍛冶辰也、高城賢(KRS)
  • Assistant Engineer……丸山光晴、平良正弘、山崎進、脇田貞二(KRS)
  • Recorded & Remixed at……KRSレコーディング・スタジオ(東京)、ポリドール伊豆スタジオ(静岡)1983年4月15日〜6月6日
  • All Songs Written by……来生たかお、来生えつこ
  • Art Direction……森本常美(工作舎)
  • Design……祖父江慎
  • Illustration……寺田敬(PRISM)
  • Photography……大西成明、佐々木渉
  • Cordination……加藤庸一(工作舎)
  • A & R……井上彬
  • Production Management……キティアーチスト
  • Special Thanks……石谷仁、中野薫
  • Digital Mastering Engineer……前田欣一郎
  • ©1983 by KITTY MUSIC CORP., TOKYO

録音

  • 1983.04.15-06.06/KRSレコーディングスタジオ、ポリドールスタジオ(リミックス)

初出 & 復刻

リリースメディア:規格品番レコード会社/レーベル備考
1983.07.25LP:28MS-0038
CT:28CS-0038
キティレコード○LPのジャケットは2種類(イラストの人物の服装・猫が色違い)
○LP:オリコン最高12位(売上累計47,610枚)/CT:オリコン最高23位(売上累計25,180枚)
1983.09.01CD:3133-5 (35KT)キティレコード
1991.04.25CD:KTCR-1052キティレコード
1995.07.21CD:KTCR-1564キティエンタープライズ/キティレコード○歌手デビュー20周年に際し、高城賢によるデジタルリマスター
○帯に「20th anniversary」の記載
○Q盤CD選書シリーズの1枚
2007.03.21CD:UPCY-6363ユニバーサルミュージック○21枚組CD-BOX『来生たかお大全集』に1995年版を収録
○帯なし
2013.06.19CD:PROT-1067Tower To The People○タワーレコード限定
○新たにデジタルリマスター○制作:ユニバーサルミュージック
2019.01.30CD:UPCY-9886ユニバーサルミュージック○限定
○ボーナストラックに「無口な夜」(シングル・ヴァージョン)を収録
○紙ジャケット仕様
○デジタルリマスター
○SHM-CD

アルバムタイトルの表記

ジャケットケースの側面部
LPオーディナリィOrdinaryOrdinary
CT※帯がないので該当なしOrdinaryオーディナリー
Ordinary
CDオリジナル版OrdinaryOrdinaryOrdinary
1991年版オーディナリーOrdinaryOrdinary
1995年版OrdinaryOrdinaryOrdinary
2007年版※帯がないので該当なしOrdinaryOrdinary
2013年版OrdinaryOrdinaryOrdinary
2019年版Ordinary(復刻LP版)
Ordinary +1(新版)
OrdinaryOrdinary

パッケージの体裁

  • オリジナル版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、歌詞カード〈ジャケットの内側にも歌詞の記載あり〉)を挿入
  • 1991年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、オリジナル版CDのものを基調とした歌詞カード〈ジャケットの内側にも歌詞の記載あり〉)を挿入
  • 1995年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード・既出オリジナルアルバムのディスコグラフィー)を挿入
  • 2007年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード)を挿入(厚紙製収納ケース付き)
  • 2013年版CD:ジュエルケースに2つ折りのカード(及び、LP版のものを基調とした歌詞カード)を挿入
  • 2019年版CD:紙製ケースにLP版のものを基調とした歌詞カード(及び、ボーナストラック分の別紙歌詞カード)を挿入

帯のコピー

  • LP:夏風に追いかけられて、気分は限りなくヘルシー 洗練されたサウンドづくり、いよいよ完成度を極めた来生たかお最新オリジナル・アルバム。 最新シングル「吐息の日々」収録
  • オリジナル版CD:?
  • 1991年版CD:※記載なし
  • 1995年版CD:PopでよりSimpleに洗練された傑作9thアルバム。 「無口な夜」、「吐息の日々」、「涼しい影」他、珠玉の作品集。
  • 2013年版CD:シンガーソングライター、来生たかおの9枚目のオリジナル・アルバム。 代表曲「吐息の日々」を収録。
  • 2019年版CD(復刻LP版コピー/新版コピー):夏風に追いかけられて、気分は限りなくヘルシー 洗練されたサウンドづくり、いよいよ完成度を極めた来生たかお最新オリジナル・アルバム。 最新シングル「吐息の日々」収録来生たかおオリジナルアルバム18タイトル 紙ジャケット・コレクション 夏風に追いかけられて、気分は限りなくヘルシー ▼―洗練されたサウンドづくり、いよいよ完成度を極めた来生たかお最新オリジナル・アルバム。最新シングル『吐息の日々』収録 あなたのように 水の中のグラス 吐息の日々 ふたり一緒に ニュアンス Day Light Girl まどろみミステリー 無口な夜 City Noise 涼しい影 ボーナス・トラック「無口な夜(シングル・ヴァージョン)」収録


*1 『月刊Big Musi』1983年8月号"アダルト志向の新作LP「オーディナリー」をリリース ちょっぴりセンチになった夜更けに聞くと、きっとググッとくるよ。"(講談社/1983.06.2)
*2 『KEYBOARD LAND』1983年9月号“September's Face 巻頭インタビュー”(リットーミュージック/1983)
*3 『月刊Big Music』1983年7月号“CITY TALK 来生たかおVS沢田聖子”(講談社/1983)
*4 『平凡』1983年9月号“NEW MUSIC TIMES 来生たかお 何事も、ふつうの気分で動いて行きたいな……。”(マガジンハウス/1983)
*5 『平凡』1983年9月号“NEW MUSIC TIMES 来生たかお 何事も、ふつうの気分で動いて行きたいな……。”(マガジンハウス/1983)
*6 来生たかお Concert Tour '83 ミディアム気分で…』のツアーパンフレット
*7 来生たかお 20th Anniversary Concert Tour '95〜'96 夢より遠くへ』のツアーパンフレット
*8 『ARENA37℃』1983年5月号“HOT-TIME 「音楽やってる人間は、音楽だけやってなきゃダメ」 他人の仕事が多かった来生たかおが、今年は自分の活動に力がはいってる!”(音楽専科社/1983.05.10)
*9 『月刊Big Music』1983年7月号“CITY TALK 来生たかおVS沢田聖子”(講談社/1983)|『平凡』1983年9月号“NEW MUSIC TIMES 来生たかお 何事も、ふつうの気分で動いて行きたいな……。”(マガジンハウス/1983)
*10 『オリコンWEEKLY 2月4日号』1983年2月4日号“PERSON 親子でもない。師弟でもない…。さて、美空ひばりと来生たかおの関係は!?”(オリジナルコンフィデンス/1983.02.04)
*11 『平凡』1983年9月号“NEW MUSIC TIMES 来生たかお 何事も、ふつうの気分で動いて行きたいな……。”(マガジンハウス/1983)
*12 『ARENA37℃』1983年5月号“HOT-TIME 「音楽やってる人間は、音楽だけやってなきゃダメ」 他人の仕事が多かった来生たかおが、今年は自分の活動に力がはいってる!”(音楽専科社/1983.05.10)
*13 『KEYBOARD LAND』1983年9月号“September's Face 巻頭インタビュー”(リットーミュージック/1983)
*14 来生たかお Concert Tour '83 ミディアム気分で…』のツアーパンフレット
*15 ストリングアレンジ