さまざまな種類の楽器がエレキ楽器化され、その活用シーンの拡大に成功してきた。タップダンスもその流れにのるべく、タップの音を電気信号化し、そこで生まれる新たな可能性を楽しもうというわけである。
楽器の音を電気信号化する場合、普通二つのアプローチがとられる。
エレキギターなどは前者の方法を使った代表例であり、その方法も古くから知られている。技術的にはマイクもこの方法であると言えよう。逆に後者は最近になり可能になった方法で、エレクトーン、エレキドラム、エレキトランペット、エレキバイオリンなど数多くの種類がある。
音を出す方式が上の二つのどちらであれ、音(もしくはそれに相当する情報)を得て電気信号に変換しなけれスピーカーば音を出す事はできない。
次の二つの方法が現在候補に挙がっている。
エレキタップも上で上げた二つの方法のどちらかをとらなければいけない。
上で挙げた方法を考えあわせながら、考えられるいろいろな方式についてその長所/短所を考察していく。また、選択のためには色々な実験をする必要がありそうである。
まず、電磁石式のピックアップ方式を考えるなら発音方法はMIDI方式しかない。なぜかというと、電磁石で得られる電気信号は振動ではない、ピークがひとつしかない単純な波形だからである。この波形からは、足で踏んだ"強さ"と"いつ"というデータしか得られない。だからこれをアンプに直接つないでもスピーカーは振動しない。しかし、この二つのデータをある種の変換機を通す事でMIDI信号に変換すれば、MIDIシーケンサを通す事により、音声信号に変える事ができる。
ピエゾ式のピックアップ方式ならば、アンプに直接つなぐ事ができる。これはマイクが空気の振動を拾うのと同様、ピエゾがタップ台の振動を拾うからである。つまり、タップ台の振動を直接音に変換するわけだ。また、途中でエフェクター?などを挟むことにより、音色を変化させる事ができる。
また、この方式だとMIDIを使った発音も可能だと思われる。つまり、タップ台をあまり振動しないような作りにしておき、ダンサーが踏んだ瞬間の短い振動だけを電気信号に変えられるようにする。そうすることで電磁石方式と同じようにしてMIDI信号に変換する事ができる。
ただし、この方式だとプリアンプ?を使う必要があるので、チャンネル数を多く増やして音色に変化を付けたい場合には大変だと思われる。
コイル方式のピックアップを使うことも出来る。ピエゾ方式とほとんど変わらない。ピエゾ方式に要るプリアンプ?を使う必要が無い。ただしピエゾピックアップと違い汎用のコイルピックアップは売っていないと思われるので、自分たちで作るか、マイクなどを改造する必要があると思われる。