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fighting dreamers-高みへ-

ここに、戦略的には、まったく重要ではない基地がある。 ここの基地の主力は、ディバイソンである。むしろ、ディバイソンが3機しかいない。 しかも、パイロットは凄腕のエリート。 なのになぜ、こんなところにいるかと言うと、まあいろいろあるわけで・・・。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「第5補給師団、ルネア方面担当、コウ・イ上等兵であります。今月の補給物資お届けにあがりました。」 「ん?おうおう、きたか。そんじゃ、かくにんすっから・・・って言っても毎月同じもんだし、面倒だしいいか。」 「こ、こ、こ、こ、こ、困ります!万が一って事があります。お願いします。」 「はいはい。んじゃ〜、伝票読むから個数読み上げて。」 「わかりました。お願いします。」 「17連突撃砲用弾薬。」 「30コンテナ。」 「はい、ごくろうさん。」 「はい。確かにお届けしました。・・・でも、なんで弾薬だけを頼むんですか?食料とかも持ってこれますよ。」 「ん〜?いや、いいんだ。食料積むと、弾薬積む量減るから。それに俺ら、自給自足の生活してるから食料に困らないんだ。」 「そうですか・・・。」 グスタフは、荒野を走っていった。基地の入り口近くで、ウロウロしてるやつがいた。 「おい、お前。もしかして、置いてかれちまったのか?」 「あ・・・いえ、自分は・・・」 「待ってな。いま無線で呼び戻してやっから。」 「ピ・・・ザザ・・ザはい、第5補給師団、ルネア方面担当、コウ・イ上等兵でありますザザ・・ザ。」 「ピ・・・おう、俺だ。おまえ、なんか忘れてねーか?」 「ピ、いえ、補給物資だけですが。」 「ピ・・・ザ・・じゃあ、こいつは?この兄ちゃんは?」 「ピ・え?その人は、本日から配属になる、『ヤクモ少尉』じゃないですか。」 「は?聞いてねーぞ。そんな事。」 「しりませんょ。ザザ・・・確かにザ・・ザぉとザ・ザ・・たよザ・・ザザ・・」 「おい!・・・切れやがった。・・・配属通知来てたか?」 そう言うと走り出して、いってしまった。 「あ・・あの・・・行ってしまった・・・。」 仕方なく基地内を歩いていくと、格納庫が見えてきた。 中を覗くと、きれいに整備されたディバイソンが並んでいた。 ディバイソンの肩には、かっこいいマークのステッカーが張ってあった。 「あれって・・・、ゾイド競技の優勝ステッカー。しかも[]って、9年連続?しかも、何でこんな場所に。」 「おい!坊主!!ウロウロしてる暇あったら、仕事しろ!」 ディバイソンのコクピットから怒鳴り声がした。おれは慌てて、つい物陰に隠れてしまった。

「ん?・・・ってここには、俺らしかいないか・・・。疲れてんのか、ハハ・・俺ももう年だな。」 そういうと、演歌調の鼻歌が聞こえてきた。 「なにやってんだ、おれ。別に悪いことしてないんだから隠れなくていんだよ。そうだよ!」 「すみませーん・・・。ごめんくださーい・・・。おばんでーす・・・。おーい・・・。  もしもーし・・・。いい天気ですねー・・・。」 何度叫んでも、鼻歌に声はかき消されてしまって届かない。 「たのもー・・・。わんわん・・・。がぉ〜・・・。おい!おっさん!!!」 その瞬間、鼻歌がピタッと止まり、顔をだした。 「あぁ?誰がおっさんだ!誰が!」 「やっと気づいたよ、あのおっさん。」 次の瞬間、スパナが顔めがけて飛んできた。おれは、紙一重で何とか、かわした。 「ああああああぶないじゃないか!なななななになげてんだよ!」 「ハハハハハ。よくかわしたな。ところでなんか用か?こんなとこに。」 コクピットから降りてきたおっさんは、そういって近づいてきた。 おれは、立ち上がって、よけた時に汚れてしまったケツをはたいた。 「フゥ〜、ホントあぶなかった。あ、本日から配属になります、『ヤクモ少尉』であります。」 「は?配属?なんかの間違いじゃねーのか?何にも聞いてないぞ。」 「いえ、そんなはずはないです。ちゃんとここに転属証明書が・・・。あれ?・・・ない。・・・ないぞ!」 体の隅々まで一生懸命探したが、転属証明書は、見つからなかった。 「まあいい。とにかく服を着ろ。ミーティングルームで隊長に聞いてやるから。」 「よろしくお願いします。」 急いで服を着て、おっさんに言われるままついていく。 「隊長、こいつの転属通知来てないか?」 「まったく、あんたもなの?さっきも、誰かさんがそんな事言ってたわよ。郵便物は全部あっちよ。」 そういって指差した先の部屋には、山済みになったダンボールがあった。 「ええ!これですか?この中って・・・。」 「仕方あるまい、地道に探そうや。」 山済みの郵便物に手をつけようとしたとき、郵便物の中から人が飛び出してきた。 「プハァ〜。死ぬかと思った〜。ん?お〜、おまえ、ウロウロしてたやつじゃねーか。どうしたんだいったい。」 「なんだ、知り合いか?おまえたち。」 「いや、ぜんぜん知らない。入り口のとこでウロウロしてたんだよ。そしたら、今日、配属になるやつがいるって言うから  配属通知がついてるはずだろうと思って探しに来たんだが無理だな。この量じゃ。」 「そ、そ、そんなぁ〜。(泣)」 「泣くな、泣くな、暑苦しい。」 「男じゃろうが。男が泣くんじゃない。」 「あ、あの〜、配属通知って、これじゃないですか?」

突然後ろから、声がした。振り返ってみると、そこには封筒を持った女の人が立っていた。 「あの〜、もしかして、配属通知って、これじゃないですか?」 封筒を受け取って、中を確かめると、確かに配属通知が入っていた。 「これをどこで?」 「3日前の郵便物に入ってました。重要って書いてあったので取って置いたのですが。」 「そうか、サンキュ・・・えーっと。あ、ホントだ。今日から配属ってのはホントだったんだな。じゃあ、自己紹介しろよ。」 「は、はい!『本日付で、ルネア・西基地配属になります。ヤクモ少尉であります。』」 「おう!よろしく。おれは、イ・ミニョン中尉だ。そして、おまえを、ここまで連れてきてくれたそこの、おっちゃんは・・・」 「おっちゃんじゃない!私は、アン・ジョン・ウ大尉だ。ジョンと呼べ、よろしくな。」 「はい、こちらこそ。さっきはありがとうございました。」 「んで、とっても大事な封筒をきちんと、保管して置いてくれたあの人は・・・」 「はじめまして。わたし、テンマ少尉といいます。テンマちゃんって呼んでね。」 「そして、最後にあそこの椅子で何にもしてないのがここの隊長・・・」 「あ・・・よろしく〜。」 「おいおい!ちゃんと自己紹介しろよ。最初なんだから。」 「やだ。めんどくさい。あんた、代わりに言っといて。」 「ったく、しょうがねーな。彼女は、アズサ小佐。ここの隊長。基本的に自分の興味あることしかやんないから」 「よろしくお願いします。隊長、ところで、私はパイロットとしてここへ来たのですが私のゾイドは、どこにあるんでしょうか?」 「・・・ない。」 「・・・うん、まあ。パイロットとして来たのに、残念だがここにはディバイソン3機しかない。  おまえの仕事は当分は雑用かな?わかんないことあったら俺に聞けよ。わかる範囲で教えてやる。」 「はい。あの〜さっき、話してたの聞いてたんですが、食料は自給自足してるって聞いたんですが、  ここの基地に畑なんて、無いですし、キッチンらしいところもありませんでしたが・・・。」 「あぁ、無いよ。ここには、そんなもの無いよ。あるのは、ゾイドとベットのみ。」 「じゃあ、自給自足は・・・」 「ちゃんとしてるぜ、ここに来る途中に小さな町があっただろう。その町に、どういうわけか野性ゾイドが  襲ってくるんだ。その町を野性ゾイドから守るかわりに御飯をご馳走してもらってる。それが俺ら流の自給自足だ。わかったか。」 「はい。あと一つ、なぜ、ディバイソンだけ3機、しかもゾイド競技優勝ステッカーがはってあるんです?」 「それはだって。おれら、そのためにいるようなわけだし、新型をくれるようなスポンサーもいない。  だから、支給されたディバイソン3機しかいないわけで、アーデモナイ、コーデモナイ・・・・」 話は、昼から夜まで続き、僕の歓迎会が終わる頃にようやく終わった。

ミニョンさんの説明だと、数時間かかるので、簡単に説明します。*

(ここの人たちは、軍内部で行われてるゾイド競技のために作られた、集団です。  ほとんどのチームは部隊に所属している兵士の中から選ばれて出場するが、  ここの人たちは、エリートで腕はイイけど、軍という集団行動に馴染めず、ほかの地方では  邪魔者扱いされてきた人たちだが、ルネア方面担当のえらい人が、腕を見込んで採用した。  集団で仕事もできるはずも無く、前々からはずれの町に野性ゾイドが襲ってくるという報告があった為、  これ幸いと、町の護衛の任務に就かされた。  ゾイド競技は個人競技の為、成績は常にトップだったが、  去年、軍のトップエリート達を集めた軍精鋭チームに敗れ、V10を逃した。  相手は、最新鋭のバリバリ競技用ゾイド。こちらは旧型のノーマルなディバイソン。腕では勝っていても  性能で負けたと騒いでいたような・・・。(ここら辺は、睡魔と酔いではっきりとはおぼえてない)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「こんちは〜。第5補給師団、ルネア方面担当、コウ・イ上等兵であります。荷物お届けにあがりました。」 「ごくろうさま。あれ?でも、まだ補給物資が来るには、早すぎませんか?」 「ええそうですね。でもこれ、補給物資じゃないんですよ。ゾイドです。」 「へえ〜、新しく配備されるんですか?」 「いえ、何でも不良品らしくて、部品取りか、何かに使って。だそうです。」 「そうですか。じゃあ確かに受け取りました。」 「まいどあり〜。」 荷物を置いてグスタフは、荒野を帰っていった。 「不良品か、まあいいや。とにかく、格納庫に運ぼう。」 でかいコンテナを格納庫に運んでいき、あけてみると、ほぼ、新品同然のLZが入っていた。 「これって、LZ?じゃあ、もう一個の方は・・・。」 もうひとつのコンテナを開けてみると、三種類のCASが入っていたが、こっちのほうは中古品のようだ。 と、いうか、ジャンク品に近かった。 「うわっ、これって、ほとんど使い物にならないんじゃない?でも、PAは大して壊れてない。」 コンテナをあさっていると、封筒が入っていた。開けて中の手紙を読んでみると、LZとこのCASのことが書かれていた。 『このLZは、CAS/PA装着時、システムダウンの後、再起動不可により廃棄。  CAS/JA:左バルカンポッド破損=修理不可  左前足アーマー:大破:修理不可 その他:傷多数。  CAS/SC:5ブレード:右上、左上折損  Eシールドジェネレータ:短絡=展開範囲減少 その他:傷多数。  CAS/PA:その他:傷少数。                                    』 「なるほど、再起動不可か、それじゃ、しかたないな。」 「おいおい!なんだよこれ。」 「あぁ、ミニョンさん。これ、送られてきたんですけど、動かないそうなんで、部品取りにしてくれって。」 「部品取りね〜。取る部品なんてないと思うんだけど。そうだ!これおまえにやるよ。ゾイドほしがってたろ。  なおせば、動くんじゃねーの?よかったな〜。」 「そ、そんなぁ〜。なおせったって、どこをどうすればいいんだか・・・。」 とりあえずコクピットのメカの部分を見てみるが、壊れてるようには見えない。 もう少し奥を覗こうと工具で奥を探ってたとき誤って工具を落としてしまった。 奥のほうで「バチッ」っという音がした。慌てて工具を取り出すと、LZが起動した。 「うお!動いた!動きましたよ!すげ〜、おれって、すげ〜。」 「うぇ!マジかよ!動くんだったら、やらなきゃよかった。」 「ミニョンさん!!これ、俺のゾイドですよね!!」 「ん〜。まぁ〜、そうなるな・・。そうだ!動いたんなら、試しに走ってこいよ。」 「はい!わかりました!!」 興奮する気持ちを抑えて、ゆっくりとレバーを動かした。LZは、ゆっくりと足を上げ、前へ歩き出した。 「うほ〜、すっげ〜、歩いてる、歩いてる。んじゃあ、そろそろいきますか?」 レバーを一番奥まで一気に動かした。LZは、体を低くして全身を使って一気に走り出した。 と思ったら、2、3歩で止まってしまった。画面に『システムダウン:ジェネレータO/H』の文字が浮かんでいた。 「ハハハハッハハハハ 、とまっちまった。ハッハハハハハッハハッハ 」

「そんなに笑わないでくださいよ。傷つくなぁ・・・。」 「ハハハハ。ごめんごめん。それで?何で止まったんだ?」 「しりませんよ〜。じぇねれーたぁ?オーエイチって、出てるんですけど。」 「オーバーヒート?・・・。よし、LZの腹の下、開けてみろ。」 「え?えーっと・・・・これか?・・・・」パシュゥゥゥ〜 LZの腹の下のハッチが開くと中から白い煙がモクモクと出てきた。慌てて降りていくと ミニョンは、ポケットから小型のライトを取り出して、中を照らした。 すると、ジェネレーターらしきものが真っ赤になって変形していた。 「あー。こりゃ、だめだな。完璧に逝っちまった・・・。」 「そ、そんなぁ〜」 「・・・。こいつを治したいか?」 「治るんですか?治せるんですか?」 「単にジェネレーターを交換してやればいいだけだ。」 「それで治るんですか?それで・・・。」 「それで、治ると思うが・・・。問題がある。」 「問題って・・・。」 「LZの交換用ジェネレーターは無い。LZは、野生ベースだ。出回るはずも無い。  でも、治るかどうかは、わかんねーけど・・・方法はある。」 「どんな方法ですか?」 「別のゾイドのジェネレーターと交換する。基本的につくりは同じはずだ。」 「でも、ジェネレーターなんて、そこらに落ちてるはず無いじゃないですか・・・。」 「それが、あるんだなぁ〜ここに。ディバイソン用のジェネレーターならある。」 「それで、ホントに治るんですか?」 「だめもとでやってみればいい。もともと、動かなかったやつだ。これもなんかの縁だろ。最後まで面倒見てやれよ。」 「はい、わかりました。やってみます。」 おれは、寝るのも忘れてLZを修理した。LZの修理は空が明るくなってきたころに終わった。 「ふう、何とかおわった。コレデ・・・アトハ・・・グゥ・・グゥ・・」 コクピットの中で、どれくらい寝たのだろうか・・・。外のほうで雷のような激しい咆哮がなり響いていた。 その音で俺は目を覚ました。 「緊急事態!!緊急事態!!パイロットは直ちに発進して下さい!!」 「うぇ!何なんだいったい!」 そこへ、ミニョンが走ってきたのが見えた。 「ミニョンさん!!いったいどうしたんですか?」 「なんでも、村のほうにすごい数の野性ゾイドが向かってるらしい。それで、そいつ治ったのか?」 「はい。何とか、終わりました。でも、動くかどうかわかりません。」 「まぁ、いい。俺らは、先に行く。じゃあ、あと頼んだぞ。」 ヤクモは、LZの起動スイッチを入れたが、LZからの反応は無かった。 「敵、いまだに増えつづけています。!!敵!2手に割れました!こちらに向かって来てます。  隊長機は、基地の護衛に・・・!」 ガックリ、コクピットにうなだれていたところに、『ガン!』という衝撃が走った。 「ねてんじゃないわよ!この新入り。」 その隊長の蹴りなのか、気合の一言が効いたのかわからないが、LZが動き出した。

「おい!新入り。ここまで来ないと思うけど、万が一ってこともあるから、一応換装しとけ。」 「はい!各部正常!パワージェネレータ・・・250%!!すげー!何てパワーだ!しかし、  換装っていっても、まともに使えるのって、PAしか・・・。黙って突っ立ってるよりましか。」 ヤクモは、メンテナンスデッキにLZを動かし、PAへ換装した。病み上がりのLZにとって、無理は承知だった。 しかし、そんな不安は、すぐに吹き飛んでしまった。CAS/PAの重みによる各所の発熱や、エネルギー損失などの あるはずの、異常現象がまったくでなかった。それどころか、何もつけない状態となんら変わりは無かった。 「すごい!こいつ、まったくよろけたりしない。走っても問題ない。」 「新入り!こっちはあらかた済んだ。走れるんなら、村まであいつらの様子を見てきてくれ。走れるんなら行きたいけど  ちょっと被弾しっちまって、無理そうだから。頼んだよ。」 隊長のディバイソンは、左足に被弾していた。基地の前にさっきまでいた野性ゾイドは、足早に去っていった。 去っていく野性ゾイドは、隊長の見事な射撃技術によって武装のみ破壊されていた。

「おい!ジョン!このままじゃ、やべーんじゃねーのか?弾数も残り少なくなってきてるし  町をかばいながらじゃ、こっちがもたねーよ。」 「確かに。ちと、きついな。このままじゃ・・・!!!」 コクピットにアラート音が鳴り響き、無数のミサイルが2機に向かって飛んできた。 その時、ミサイル郡に2本の光が飛んできて、ミサイルが上空で花火のように弾けた。 「たまや〜ってか?」 「ふん、全然風流でも何とも無いわい。」 光の飛んできた方にPAが立っていた。PAが吼え、ミサイルポッドが開き、背中の砲門が光り始めた。 PAのコクピットには、無数のロックサイトが現れ、次々とロックオンしていく。 すべてのゾイドをロックすると、ロックサイトが一つだけウロウロと画面の中を上下左右に動いていた。 『ガ、ガゥ』PAが困ったように鳴くと、ロックサイトはミニョンのディバイソンをロックオンした。 「え?」 無数のミサイルが野性ゾイドに飛んでいく中、1発のミサイルがミニョン目掛けて飛んできた。 必死でかわそうとするが、被弾していて、思うように動けない。 撃ち落そうにも、弾が詰まって撃てない。必死にジョンに助けを求めるも、ジョンのディバイソンは弾切れで撃てなかった。 そうしてる間にもミサイルは、ディバイソンに向かって来ている。 ミニョンは、覚悟を決めたその時、目の前で爆発した。 「ミニョン、何やってるの?私が撃ち落したわよ!バカ?死ぬ覚悟でもしてたの?」 「た、隊長〜。!!!おい!ヤクモ!!!てめーこら!何してんだよ!殺す気か!」 「す、すみませ〜ん。でもこれは、ライガーが・・・」 『ガゥ?ガゥガゥ!』 「はっはっは。ライガーはおまえさんじゃといっとるぞい。はっはっは。」       「そ、そんなぁ〜」 ふと、何かの視線を感じ、丘の上を見ると、そこには満月に照らされたゾイドがいた。 「ライガー?でもなんでこんなとこに・・・。」 「おい!何やってんだ。帰るぞ!」

「よし、トイレ掃除も終わった。次は、郵便物の仕分けか。」 自分のゾイドは手に入ったものの、今まで通り町の護衛はミニョンとジョンが行っていた。 何でもLZは、まともに使えるPAが弾薬費がかかり過ぎるため、お留守番だそうだ。 「えっと、これは、ミニョンさんの。そしてこれは、ジョンさんの。そして、これは隊長の・・・。  よし、これで今日の仕事は終わり。隊長、これからLZのメンテナンスに行ってきます。」 「いってらー。」 格納庫から勢いよくLZが飛び出していく。LZは無限に広がる荒野を気持ちよさそうに走り抜けていく。 「関節部、各所異常なし。外装損傷なし。スタビライザー左、0.5度ダウン。」 ここのあたり一面を見渡せる丘にLZを止めて、スタビライザーを調整しなおす。 ふと、あたりを見渡すと、町が見えた。ジョンとミニョンのディバイソンが町の周りで待機しているのがみえた。 「ここからじゃ、町も、ディバイソンも丸見えだな。」 町を眺めていると、先日あった、襲撃を思い出した。 「すごい数のゾイドだったな。一体何の為に、町を襲うんだ。」 町を観察してて、ふと、ある事に気付いた。 「町の中に、被弾している後がない。むしろ、ミニョンさんたちのところにばかり被弾している。  それに、あのゾイドは一体・・・。」 丘の上で、ゾイドの足跡を解析するが、解析はできなかった。町の方へ降りてゾイドの残骸を探すが、 綺麗に回収されていた。辛うじて、ブラックボックス一個を回収した。 「『UNKNOWN』か。でも、鬣があるって事は、おそらくライガー系・・・新型か?  それに、このブラックボックスを解析すれば何かわかるかも。」 基地へ戻ると、基地内のパソコンで、この基地の過去の戦闘データーを調べた。 「10年前、野性ゾイドは確認できなかったが、9年前から野生ゾイドが出現するが、数は少数。  8年前から、今年まで、徐々に戦闘時間が長くなってきている。ゾイドの数も増えている。  そして、回収してきたブラックボックスからは、今回の戦闘データーしか、記録されてない。  ・・・9年前っていったら、ここの基地が大会で、優勝した翌年・・・。  隊長、野生ゾイドの残骸は誰が回収するんですか?」 「軍が、次の日に回収に来るわよ。それが、どうしたの?」 「いえ。なんでもありません。」 自分の中で、ある仮説が浮かび上がった。 その日の夜、ゾイド競技大会の案内が、送られてきた。 『ゾイド競技運営委員会より、今年の大会について、日時:7月25日午前10時〜、場所:国立ゾイド競技場。  ルールなど、変更はなし。』 「ということだが、今年の大会、私のディバイソンは出れそうにない。この間の、戦闘の修理が、  長くかかっていて。それで、今回はジョンとミニョン、そして、ヤクモの三人で行く。」 「え!ちょっと待ってください。僕なんかが出たら、負けちゃいます。隊長がLZに乗ってください。」 「馬鹿言うんじゃない!人のゾイドになんか乗って大会に出られるか!それに、被弾したのは自分の責任だ!」 「隊長・・・。自分!精一杯がんばります!!」

「しっかりやって、優勝してこいよ!」 ・・・・・・・・・・大会当日・・・・・・

『バトル、オールオーバ。バトルオールオーバー。WINNER ルネア西!!』 「よし!勝った!これでいよいよ、残るは、決勝だけだ!気合入れていくぞ。」 「はい・・・。いきましょう・・・。」 大会が始まってから、自分のたてた仮説が、頭の中をぐるぐる回っていた。 「集中しろ。やられるぞ。」 決勝戦の相手が、ステージに現れた。 「ムラサメ・・・ライガー?あの時のゾイド!それが、奴の名か。」 「なに?たったの一機だけかよ。」 「わしらも、なめられたもんじゃ。」 決勝戦開始の合図がなった。それと同時にジョンがムラサメライガーに走っていった。 ムラサメライガーはゆっくりと走り出す。 ディバイソンとムラサメライガーがすれ違う。 2機の動きが止まり、ディバイソンの17連突撃砲が切れて、倒れた。 「ジョンさん!!くっそー。」 「おい!待て。うかつに近づくな!」 ミニョンの言葉も聞かず、ハイブリットキャノンとミサイルを撃ちながら突っ込んでいく。 「へぇー、すごいパワーだ。パンツァーでそこまで走れるとはたいしたもんだよ。」 「ムラサメのパイロット!!」 「でも、こいつの敵じゃない。」 ムラサメライガーは、攻撃をかわしながらパンツァーへと向かってくる。 パンツァーはハイブリットキャノンの接射、格闘と攻撃するが、パンツァーの左方向へ向きを変え ハイブリットキャノンをかわし、パンツァーの格闘と同時に左足のパイルバンカーを打ち込んだ。 パンツァーの牙は空を切った。ムラサメライガーはブレードを展開し、左足を軸に回るように切りつけた。 パンツァーは、ハイブリットキャノンを強制排除し、体勢を低くした。 ムラサメライガーは、ハイブリットキャノンをまっ二つにし、止まった。 「辛うじてかわしたな。だが、これで終わりだ!」 体勢を低くしているパンツァーへ、ムラサメライガーが爪を振り下ろす。 「俺を忘れんじゃねー。」 ミニョンのディバイソンからメガロマックスがムラサメライガー目掛けて放たれる。 ムラサメライガーはバックステップをして、かわす。 「くっ!命拾いしたな。」 「お互い様だろ。ミニョンさん、助かりました。」 「礼なんていい。ヤクモ、早く換装して来い。5分だけ待ってやる。」 「はい。行ってきます。」 「5分?不可能だ!このムラサメライガー相手にたった1機で。3分がやっとだ。」 パンツァーをカスタマイズデッキへ走らせる。 「CASシステムコール:シュナイダー」 無数のアームが、LZのCASを換装していく。 『CAS。コンプリーテッド。』 「GO!!シュナイダー」

カスタマイズデッキから出てくるとディバイソンがムラサメライガーと向きあって立っていた。 「5,4,3,2、1、0。5分。な、言ったろ。俺は不可能を可能に・・・。」 カウントと同時にディバイソンが倒れた。 「やっと、1対1になったね。ヤクモくん。」 「やっぱりその声、どっかで聞いたことがあると思った・・・。アラン、君だね。」 「覚えていてくれたんだ。ヤクモ、うれしいよ。」 「僕もだよ。アラン。なぜ君が、そんなものに乗っている。満月の夜にあそこにいたのは君だね?」 「やっぱり気付いていたんだね。その後も、いろいろ調べてたみたいだけど。勘のいいきみなら  きっと気付いてるんだろう。」 「あぁ、あくまでも仮説だったが、今日の戦いを見てて、確信したよ。  戦争が休戦状態になって、50年余り。2国間では、戦争なんてもう起きまいと政治家達も思っていた。  しかし、何処からか出てくる、うわさに踊らされて、いたずらに戦力だけが膨らみ、  もう一度、戦争が起きればこの国どころか、この惑星までもが消滅しかねないほどにまで達している。  そんな使えもしない兵器に、金を使うのはバカらしいと、かんがえる。しかし、うわさが流れれば、  国を守る為に、作るしかない。そう言う悪循環に、入ってしまっている今日。  うわさを真実にして発表し、これ以上の戦力拡大をなくそうとしたが、それはますます、火に油をそそいだ。  町を襲っていたゾイドは、野生ゾイドではなく、軍から送られていた、ゾイドだ。  そして、そのゾイドを相手に全力で戦ってくれる彼ら。  残骸を回収して、そのデータをもとに、新型を開発。  そして、また戦わせる。それを何度も繰り返し、出来上がった新型を大会と銘打ったお披露目会で  大々的に発表。しかし、毎年彼らに、敗北していた。そして去年、出来上がった新型のLZシリーズ。  彼らを見事に、敗北させた。それを聞いた、相手国は、また新型を発表。  そして、また、新しく新型のムラサメライガーを作った・・・。」 「さすがだね。軍に入隊したとき、隣にいた君とは思えない。上官の話の最中に、寝ていたきみとは・・・。  こんな裏の世界なんて、知らずにゾイド競技で優勝しようって言ってた頃が、懐かしいよ。」 「まったくだ。その、新型を破壊する。・・・君とは戦いたくない。今すぐその新型から降りるんだ。」 「何を言い出すかと、思えば。まだ、そんな甘い考えを捨ててなかったのか。  あれは、忘れもしない、入隊して1年後の試験だった。君は、僕とは模擬戦で戦った。  圧倒的に君のほうが有利に進んでいた。あと1撃で勝負はついているはずだった。  だが、君は止めを刺さずに負けを見とめた。屈辱だった。僕は、君に勝とうと、人の何倍も努力した。  しかし、君は、すぐにいなくなってしまった。だが、今、目の前に君がいる。  あの時の、決着をつけようじゃないか。」 ムラサメライガーは、ブレードを展開させ、まっすぐシュナイダーへ、走ってくる。 「っく!やるしかないか。」 シュナイダーもブレードを展開させ走っていった。 2機が交差して止まった。シュナイダーのブレードが切れて、破片が地面に突き刺さった。 「これが、力だよ。これがこの僕の力だ。」 2機は方向転換し、もう一度向き合った。 「これで、おわりだー。」 ムラサメライガーがブレード展開し、走り出した。ヤクモの頭の中で何かが弾けた。

シュナイダーも、顔のブレードを展開させ走った。 2機が交差しようとしたとき、金属のぶつかり合う高い音が鳴り響き、すごい衝撃波が会場を駆け抜けた。 「ふっ。点で受け止めるとは、やるな。だが、これでおわりだ!」 ムラサメライガーを前へ進めようと操縦桿を動かすが、ピクリとも動かない。 「うごけ!うごけ!」 「ゾイドは、心で動かすんだ!心で!!」 シュナイダーが一歩づつムラサメライガーを押しながら前へ、歩いていく。 「こんなことってあるかよ!くっそー。」 ムラサメライガーはすべてのパイルバンカーを打ち込み、こらえた。 「うおぉぉぉ〜!!!」 シュナイダーはなおも、押しつづけた。地面が抉られながらムラサメライガーが押されていく。 「いっけぇ〜!!」 シュナイダーがムラサメライガーを弾いた。ムラサメライガーは吹っ飛び、壁に激突し動かなくなった。 「お、おまえは、いったい・・・。」 「国家機密機関:ガーディアン・フォース所属:ヤクモ少尉だ!」 「ガ、ガーディアン・・・フォース・・・。えらくなったもんだ・・・。」 「この国もなくなり合衆国となる。そうしたら、ゾイドバトルが開催される。そのときに、『こいよ高みへ・・・。』」 「あぁ、いくさ。」