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１円会社のしくみ
１円会社とは？
これまで、会社を設立するためには、株式会社では１，０００万円以上、有限会社では３００万円以上の資本金が必要でした。これを、最低資本金規制といいます。
ところが、「新事業創出促進法」の一部が改正されて、平成１５年２月１日に、「中小企業挑戦支援法」が施行されたことにより、最低資本金の規制を受けずに、有限会社と株式会社を設立できるようになりました。
そのため、資本金１円から会社を立ち上げることが可能となったのです。
この1円から設立できる会社のことを普通の会社と区別して、確認会社（確認有限会社・確認株式会社）といいます。
こうした背景には、長引く不況により低迷する日本経済を活性化するため、
サラリーマン、主婦、学生など、これまでアイデアやノウハウがあっても、資金の都合で起業を断念していた人々に創業の機会を与え、意欲と能力のある中小企業等の育成と雇用の拡大を積極的に支援しようという政府の意図があります。
■会社の種類による資本金の比較
最低資本金制度 最低資本金制度の特例
会社の種類 有限会社 株式会社 確認有限会社 確認株式会社
最低資本金の額 300万円以上 1000万円以上 1円以上 1円以上
1円から設立できる確認会社は、5年以内に最低資本金に達するまで資本金を増資して、普通の有限会社か株式会社へ組織変更しなければなりません。
もし、５年以内に増資できなければ、合資会社か合名会社へ組織変更するか、解散しなければならないという決まりがあります。
また、確認株式会社については、いくつかの条件を満たせば、有限会社への組織変更はできます。
１円会社設立・小資本起業に関する無料メール相談は、こちら
創業者とは？
１円会社の制度を利用すれば、今までよりも簡単に、小資本で起業できるようになります。
しかし、１円会社を設立するためには、経済産業大臣から、創業者に該当するという確認を受けなければなりません。
ここでいう「創業者」とは、
事業を営んでいない個人であって、２ヶ月以内に新たに会社を設立して、その会社を通じて事業を開始する具体的な計画を有する者
と、法律で定められています。
もし、あなたが、具体的に起業を検討しているのであれば、
まず最初に自分が「創業者」に該当するかどうかをチェックしてみましょう。
どのような人が「創業者」になれるのでしょうか？
創業者になれる人 創業者になれない人
サラリーマン・OL（給与所得者） 個人事業主
専業主婦 法人の代表権のある役員
学生
失業者
年金生活者
法人の代表権のない役員
この制度は、事業を営んでいない人に創業の機会を与えて、経済を活性化させるのが目的です。
そのため、原則として、個人事業主と法人の代表権のある役員は、創業者にはなれません。ただし、個人事業を廃業、または、代表権のある役員を辞任した場合は、事業を営んでいない個人に該当するので、創業者となることができます。
また、国籍については、日本人に限定していないので、外国籍であっても条件を満たせば創業者になることができます。
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１円会社のメリット＆デメリット
■信用力が高まる
法人化するメリットとしては、個人事業と比べて信用力が高まり、大きな取引の可能性が広がります。これは金融機関に対しても同じで、融資を受ける際の信用力が上がるといえるでしょう。また、社会保険に加入できる、従業員を確保しやすくなるなどのメリットもあります。
■事業の継続性
個人事業の場合、事業主が死亡すれば、その時点で事業の継続性はなくなります。しかし、法人の場合は、合併による消滅や破産等による解散が無い限り半永久的に事業を続けることができます。
■有限責任
個人事業の債務責任が無限責任であるのに対して、法人の場合は、出資者（有限会社では社員、株式会社では株主）に対して出資額以上の責任は及びません。ただし、会社の規模が小さいうちは、融資、リース契約、取引先との売買契約の際に、社長個人の連帯保証を求められることがあります。こうなると、実質意的には有限責任ではなくなります。
■節税効果が期待できる
個人事業主に対しては、累進課税が適用されているため、収入が増えれば増えるほど、支払う税金も多くなります。これに対して、法人に対しては、一定税率であるため、節税効果が期待できます。また、法人の方が経費として認められる範囲は広いです。
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１円会社設立によって、こうした法人のメリットを受けることができます。しかし、１円会社には、特例ゆえの義務がいくつかありますので、会社設立の前に押さえておいたほうがよいでしょう。
■解散事由の登記義務
1円会社を設立したからといって、会社の名刺やパンフレットに「○○○確認有限会社」などと、「確認」の文字を入れる必要はありません。普通の会社と同じように、「○○○有限会社」と名乗ることができます。
しかし、普通の会社と区別して、あなたの会社の取引先など、利害関係を持とうとする人を保護するために、「解散事由」を登記しなければならず、この「解散事由」は、登記簿謄本に記載されることになります。
（解散事由の例-有限会社の場合）
「当会社は、資本金の総額を300万円以上とする変更の登記若しくは株式会社、合名会社若しくは合資会社に組織変更した場合にすべき登記をしないで設立の日から5年を経過したとき又は新事業創出促進法の確認を取り消されたときに解散する。」
■増資の義務
�＼瀘�後５年以内に最低資本金以上（株式は、１０００万円以上、有限会社は、３００万円以上）に増資して、普通の株式会社、有限会社へ組織変更をすること。
�∪瀘�後５年以内に最低資本金以上に増資できない時は、合名会社又は合資会社へ組織変更をすること。確認株式会社については、いくつかの条件を満たせば、有限会社（資本金３００万円以上）への組織変更という方法もあります。
設立後、5年以内に最低資本金以上に増資できない場合や、組織変更せずに設立して５年が経過すれば解散しなければならないので注意が必要です。
■経済産業局への会社情報の届出義務
�＿饉卆瀘�の際に、会社情報（商号、本店所在地、資本の額など）を届け出ること。
��会社情報に変更が生じれば、その都度、届け出ること。
��最低資本金規制の特例を終了する（資本金を最低資本金以上に増資、合資・合名会社へ組織変更、または、合併により消滅・破産等により解散する）場合には、届出をすること。
■財務諸表の開示義務
毎年決算が終了するごとに、財務諸表（貸借対照表、損益計算書、利益処分案）を管轄の経済産業局へ提出しなければならない。
取引先などの利害関係者を保護するという観点から、財務諸表のうち、貸借対照表が閲覧希望者に対して、公開されます。
■配当の制限
確認会社は、５年以内に会社の資本金を最低資本金に達するまで増加できるようにするため、会社の純資産が最低資本金を上回るまで配当に制限があります。
■税金
利益が出ていなくても、法人道府県民税均等割として２万円、法人市町村民税均等割として5万円を毎年負担しなければなりません。
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