公共工事の品質確保の促進に関する法律(抜粋)


平成19年度建設工事技術者研修会資料

公共工事の品質確保の促進に関する法律(抜粋) ※本文1-1

公布:平成17年3月31日法律第18号 施行:平成17年4月1日

(目的) 第一条 この法律は、公共工事の品質確保が、良質な社会資本の整備を通じて。豊かな国民生活の実現及びその安全の確保、環境の保全(良質な環境の創出を含む。)、自立的で個性豊かな地域社会の形成等に寄与するものであるとともに、現在及び将来の世代にわたる国民の利益であることにかんがみ、公共工事の品質確保に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、もって国民の福祉の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(基本理念) 第三条 公共工事の品質は、公共工事が現在及び将来における国民生活及び経済活動の基盤となる社会資本を整備するものとして社会経済上重要な意義を有することにかんがみ、国及び地方公共団体並びに公共工事の発注者及び受注者がそれぞれの役割を果たすことにより、現在及び将来の国民のために確保されなければならない

2 公共工事の品質は、建設工事が、目的物が使用されて初めてその品質を確認できること、その品質が受注者の技術的能力に負うところが大きいこと、個別の工事により条件が異なること等の特性を有することにかんがみ、経済性に配慮しつつ価格以外の多様な要素をも考慮し、価格及び品質が総合的に優れた内容の契約がなされることにより、確保されなければならない。

3 公共工事の品質は、これを確保する上で工事の効率性、安全性、環境への配慮等が重要な意義を有することにかんがみ、より適切な技術又は工夫により、確保されなければならない。

4 公共工事の品質確保に当たっては、入札及び契約の過程並びに契約の内容の透明性並びに競争の公正性が確保されること、談合、入札談合等関与行為その他の不正行為の排除が徹底されること並びに適正な施工が確保されることにより、受注者としての適格性を有しない建設業者が排除されること等の入札及び契約の適正化が図られるように配慮されなければならない。

5 公共工事の品質確保に当たっては、民間事業者の能力が適切に評価され、並びに入札及び契約に適切に反映されること、民間事業者の積極的な技術提案(競争に付された公共工事に関する技術又は工夫についての提案をいう。以下同じ。)及び創意工夫が活用されること等により民間事業者の能力が活用されるように配慮されなければならない。

6 公共工事の品質確保に当たっては、公共工事における請負契約の当事者が各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を集結し、信義に従って誠実にこれを履行するように配慮されなければならない。

7 公共工事の品質確保の当たっては、公共工事に関する照査及びけっけいの品質が公共工事の品質確保を図る上で重要な役割を果たすものであることにかんがみ、前各項の趣旨を踏まえ、公共工事に関する調査及び設計の品質が確保されるようにしなければならない。

(発注者の責務) 第六条 公共工事の発注者(以下「発注者」という。)は、基本理念にのっとり、その発注に係る公共工事の品質が確保されるよう、仕様書及び設計書の作成、予定価格の作成、入札及び契約の方法の選択、契約の相手方の決定、工事の監督及び検査並びに工事中及び完成時の施工状況の確認及び評価その他の事務(以下「発注関係事務」という。)を適切に実施しなければならない。

2 発注者は公共工事の施工状況の評価に関する資料その他の資料が将来における自らの発注及び他の発注者による発注に有効に活用されるよう、これらの資料の保存に関し、必要な措置を講じなければならない、

3 発注者は、発注関係事務を適切に実施するために必要な職員の配置その他の体制の整備に努めなければならない。

(受注者の責務) 第七条 公共工事の受注者は、基本理念にのっとり、契約された公共工事を適正に実施するとともに、そのために必要な技術能力の向上に努めなければならない。