clostridium属


各論

9.Clostridium属の中でヒトに対して病原性の強いものを4つ挙げ(学名、和名でもよい)、その病原性について説明せよ 戸田新p612

破傷風菌 Clostridium tetani 破傷風毒による破傷風を起こす。自然感染ではヒトとウマに病原性を示す。運動神経系の活動を亢進させることにより、骨格筋の強直性痙攣を引き起こす。

ボツリヌス菌 Clostridium botulinum ボツリヌス毒素によるボツリヌス中毒は生命に危険のある食中毒である。神経筋接合部に作用し、アセチルコリンの遊離を抑制することによって筋肉の麻痺が表れる。重症では呼吸麻痺で死にいたる。まれではあるが、創傷性ボツリヌス症もある。(生理学テキスト第3版p64)

ウェルシュ菌 Clostridium welchii 菌からの毒素により、健常筋組織壊死巣が広がりガス壊疽がおこる。また、ウェルシュ菌食中毒も起こる。

ディフィシレ菌 Clostridium difficile 抗生物質投与により大腸細菌叢が乱されることにより、大腸粘膜の潰瘍や、偽膜性大腸炎を起こす。