臨床腫瘍学 平成１４年度本試験
Thanks to Ayano, Iseki, Ushijima, Okuma, Oka, Kitajima, Kentaro.N
〔悪性腫瘍の病理〕
１．術中迅速病理組織診断の目的と具体例を列挙し、その限界についても述べよ。
２．免疫組織化学染色による補助診断で以下の正しいものに○、間違っているものに×を付けよ。
（１）（ ）悪性リンパ腫 − ＬＣＡ
（２）（ ）肺腺癌 − Vimetin
（３）（ ）絨毛癌 − Desmin
（４）（ ）中皮腫 − Calretinin
（５）（ ）悪性黒色腫 − S-100 protein
（６）（ ）髄膜腫 − GFAP
（７）（ ）胃未分化腺癌 − Cytokeratin
（８）（ ）平滑筋肉腫 − EMA
（９）（ ）横紋筋肉腫 − α smooth muscle actin
（１０）（ ）血管腫 − ＣＤ３４
【解答】＜１１月１日 小田先生 プリント三枚目と授業ノートを参照＞
１．術前に組織診断が確定しないか、確定できないでいる病変の診断を目的としており、具体例として、腫瘍の良性か悪性かの診断・切除したものが本当に目的とする組織であるか否かの判断・切除範囲の決定のための切除断端の診断や所属リンパ節への転移の有無の診断などが挙げられる。限界としては、染色性や形態の保持が悪いことや作製する標本の大きさや数が制限されることである。
（１）○（２）×（３）×（４）○（５）○（６）×（７）○（８）×（９）×（１０）○
〔呼吸器腫瘍の臨床〕
呼吸器の穴埋め、選択肢は穴埋めごとに4つくらいあった問題｡
メモなので不完全、授業はスライドのみ（吉野先生）
肺がんは（胃癌）を抜き日本一である。十年後に（ ）倍。
肺がんのうち手術で完全に切除できるのは（ ）％、その再発率？は（ ）％
（ ）に至る肺がんのパンコースト型では（�毅癲↓僑瓠↓僑癲坊燭汎韻犬�らいの手術成績？がある
管状肺葉切除は（ ）を形成し、（ ）をつくる。
肺がんの中間生存率について
外科手術の安定化と( Q )の登場以来、この２５年間の治療成績を向上させる方法はまだ開発されていないのが現状である。
一方、近年の肺がん統計を見ると( R )性( S )癌が増加しており他の肺ガン亜型に比べ、喫煙指数も低く予後も良好である。 ２cm以下の末梢型肺癌のうち、胸膜浸潤がなく画像的にリンパ節や遠隔臓器に転移がないもののうち、組織型が( T )であるものは切除にて治癒しうる。 女性も肺癌の可能性はあるが、( U )ではその限りではなく早期肺癌の定義付けのためのさらなる亜型分類が検討されている。 肺癌全体の１５％を占める小細胞癌は早期にリンパ節や遠隔臓器に転移し全病期を通じて( V )療法が治療の中心である。
低悪性度腫瘍としては消化器や胸腺に発生する( W )や唾液腺に発生する粘膜表皮癌や( X )などがあり非小細胞癌に準じた治療がなされる。
転移性肺癌は五年生存率は( Y )％で,( Z )や転移個数が予後因子となっている。
【解答】＜１２月２０日 吉野先生 プリントと概説講義レジュメとステップ４巻参照＞
※前半は問題の復元が完璧ではないため、解答例は割愛します。
Ｑ．抗生剤 Ｒ．女 Ｓ．腺 Ｔ．非小細胞癌（扁平上皮癌） Ｕ．扁平上皮癌？
Ｖ．放射線 Ｗ．カルチノイド Ｘ．腺様嚢胞癌 Ｙ．？ Ｚ．原発巣
ステップｐ３２５〜と概説講義レジュメｐ１０４〜を参考にしました。Ｙに関してはかなり悪い成績であることは間違いないのですが、正確に書いてある資料を見つけることはできませんでした。またＺでは、ステップに転移性肺癌のうち甲状腺癌の肺転移は予後が良好（ｐ３４３）とありましたので、原発巣としました。全体を通して、今年の授業とかぶっていないような内容の問題ですので自信がありません。問題前半も含めて色々とＢＢＳに書き込んでもらえたら幸いです。
肺癌プリントの統計の原本を見つけました。http://www.ncc.go.jp/jp/statistics/index.html
プリントに使われたのは'01の方みたいです。些細なことではありますが、プリントのグラフがきわめて見にくいので一応報告しておきます。
〔脳腫瘍の臨床〕
英語で書いてある病名と腫瘍マーカーの組み合わせが正しい物を５つから２つ選ぶ。
手術のみで治る病気（５択）
写真を２つ見て、病名を当てる（５択）
４．５．６．写真を見て病名、初発症状、治療法を５択から選ぶ（多分、教授の得意な第�漆牲仄鞜隋ΑΑΑ�
７．８．９．写真を見て、病変がどこにあるか？その病気の症状？矢印の指しているものが何かを答える（多分内径動脈かな？）
【解答】＜１２月１６日 佐々木教授＞
問題の復元が完璧ではないので割愛します。
〔小児固形腫瘍〕
1．神経芽腫で有効な尿中の腫瘍マーカーは何か？
２．神経芽腫の分子生物学的予後因子を３つかけ
３．神経芽腫の臨床的予後因子を３つかけ
４．神経芽腫のStage��Sで遠隔転移が見られる臓器を３つかけ
【解答】＜１１月１５日 財前先生 授業プリントとＨ１６年６月３０日の概説講義・生野先生のプリント参照＞
１．ＶＭＡ・ＨＶＡ（カテコールアミン代謝物）
２．Ｎ−ｍｙｃ・１ｐの欠失・ＤＮＡploidy・Ｔｒｋ遺伝子の発現
３．年齢（１歳未満か１歳以上か）・病期（�郡�、�鹸�は不良）・Shimada分類
４．肝臓・皮下・骨髄
※この問題は本年度講義をされた内容と大きくことなるため財前先生が作問されたものではないと考えられます。本年度の６月３０日に概説講義をされた生野先生の授業プリントと一致する内容であるため、上記の問題を解くにあたってはこちらを参考にされたほうがいいと思います。
〔腫瘍の放射線療法〕
長い文章の穴埋め10こ（答えのみですみません・・・）
１．肉眼的 → ＧＴＶ
２．顕微鏡的な進展範囲を含む → CTV
３．CTVと呼吸運動などの体内の動き → ＩＴＶ
４．ＩＴＶと毎回の設定誤差を含めた → ＰＴＶ
５．腫瘍及び正常組織がどの程度照射されているのかを評価できる → DVH(dose - volume histogram)
６．定位的放射線照射（STI）
７．一回照射 → 定位的手術的照射
８．分割照射 → 定位的放射線照射
９．条件、照射中心精度 → 1mm以内
１０．体幹部にも適用されるようになったのは → 肝と肺？
【解答】＜１１月８日 中村先生＞
上記の問題は内容から判断して中村先生が作問したものと考えられます。問題の復元が完璧ではないので、割愛します。
〔婦人科悪性腫瘍〕
途中から不十分ですみません・・・
１）次の文章から正しくないものを選べ
a.子宮頸癌のスクリーニングは浸潤癌の早期発見だけでなく、前癌病変の早期発見をも目的としている
b.子宮頸癌のスクリーニングは性器出血のある女性を対象としている
c.子宮頸癌の発生には性行動が関係する
d.子宮頸癌の発生には喫煙が関係する
e.子宮頸癌の発生にはヒトパピローマウィルスが関係する
２）次の文章から正しくないものを選べ
a.子宮頸部異形成(dysplasia)は子宮頸癌の前癌病変と考えられている
b.子宮頸部異形成とは子宮頸部扁平上皮の一部が種々の程度の異型細胞によって置換される病変である
c.子宮頸部異形成は浸潤癌に・・・
d.子宮頸部異形成は移行帯から発生する
e.細胞診・・・
３）子宮頸癌の転移について正しくないものを選べ
a.骨盤内リンパ節
b.直腸や膀胱への浸潤
c.基靱帯
d.腹膜播種
e.腹壁への浸潤
４）正しいものを選べ（子宮頸癌の手術法）
a.広汎切除術・・・・
b.異形成は全摘を・・・
c.広汎摘出＋放射線
d.膣外照射・・
【解答】＜１２月８日 平川先生 プリントを参照＞
１）ｂ：症状のある人に対する検査をスクリーニングとは言わない
２）？：a.b.dは正しいです
３）ｅ：腹壁まで転移しないのではないでしょうか？ただｄの腹膜播種も調べた限りではなかったのですが、直腸や膀胱へ浸潤するため、腹膜播種もありえると思います。
４）？：これだけから答を出すのは無理だと・・・
〔泌尿器領域の臨床〕
１）腎細胞癌についての文章で正しいものを選ぶ問題。（中途半端です）
a.無症候性血尿
b.肺転移にインターフェロン治療が有効
c.糸球体由来
d.発熱、貧血が見られる
e.・・・・・
２）膀胱癌について。覚えていません・・・・
３）精巣癌について正しいものを選ぶ
a.セミノーマは放射線治療
b.非セミノーマのうち奇形種の予後が悪い
c.針生検で陰嚢水腫との鑑別診断を行う
d.精巣の有痛性腫大が見られ、精巣上皮との鑑別が難しい
e.治療は高位精巣摘除術
４）穴埋め。前立腺癌の腫瘍マーカーは（PSA）。（直腸診）をすると石様硬の前立腺を触れる。抗アンドロゲン剤、エストロゲンなどの（ホルモン）療法も行う。あと、（化学療法）、（前立腺摘除術）
【解答】＜１２月１６日 内藤先生 プリント参照＞
１）ａ．ｂ．ｄ：プリントに転移巣に有効な治療としてＩＦＮ−αがあります。また、腎細胞癌は腎の悪性腫瘍の７０％〜８０％を占める。近位尿細管上皮由来の腺癌である。５０歳〜７０歳に好発し、男女比は２：１である。臨床的には無症候性血尿を初発症状とすることが多い。側腹痛、発熱などをみることもある。転移先の臓器症状（肺、骨など）が先に現れることも稀ではない。（医学書院の病理学 第六版 Ｐ７０１より）とあり、ａ．ｂ．ｅは正しいと思います。ｅに関しては？です。
２）？
３）ａ．○：セミノーマでは放射線感受性が高く、非セミノーマでは低い
ｂ．×：絨毛癌が最悪
ｃ．×：精巣癌を疑った場合、生検は禁忌
ｄ．×：精巣癌は無痛性腫大
ｅ．○：
精巣腫瘍が疑われたら生検を行わずに、高位精巣摘出術を行ってから確定診断をつける。セミノーマとノンセミノーマに大別でき、絨毛癌と胎児性癌は悪性度が高い。症状としては無痛性の腫大であり、転移巣の症状が初発症状であることも稀ではない。陰嚢水腫との鑑別はエコーによって行われる。セミノーマはリンパ行性、絨毛癌は血行性転移をおこします。治療としては、まず最初に述べたとおり高位精巣摘出術が治療もかねている。その後、組織学的診断を下すことからスタートする。セミノーマは放射線感受性が高く、ノンセミノーマは低い。また精巣腫瘍は化学療法に対する感受性が高いので、術後これを開始する（ステップ 泌尿器 ｐ１７２〜参照）
４）復元が完璧ではありません。問題文を参考にしてください
〔骨腫瘍の臨床〕
１．転移性骨腫瘍について正しいものを３つ選べ
a.胃癌の転移は骨融解する
b.癌の長管骨転移には骨膜反応が見られない
c.女性の骨転移の第1位は子宮癌である
d.骨の転移巣を見るのに、骨シンチグラフィーが有用である
e.MMP産生の癌細胞より、破骨細胞の方が破骨に働いている
２．軟骨腫瘍について骨端に生じるものを２つ選べ
a.軟骨粘液線維腫
b.淡明細胞軟骨肉腫
c.
d.軟骨芽細胞腫 →○
e.標準型軟骨肉腫
【解答】＜１２月２日 岩本先生 プリント参照＞
ａ：胃癌は骨形成型→×（医学書院 標準整形外科学ｐ２９５）
ｂ：○（プリント 骨転移の項Ｐ３）
ｃ：乳癌が最多→×
ｄ：○（プリント 骨転移の項Ｐ３）
ｅ：○（プリント 骨転移の項Ｐ２）
２）b・ｄ
〔頭頸部腫瘍の臨床〕
T3N0M0の治療経過における音声保存について述べよ
【解答】作成時点で授業がまだなので・・・時間があれば授業終了後に作成したいと思っています・・
〔骨髄の腫瘍〕
１．急性骨髄性白血病の予後因子として、AML-M3型以外に、染色体異常（Ａ）と（Ｂ）が挙げられる
２．染色体異常（Ｃ）を示すAMLのM３型の治療には、（Ｄ）が有効
３．（Ｅ）陽性のALLは、（Ｆ）が増すほど高頻度で、予後も極めて不良
４．CMLの９０％以上にみられる染色体転座 t(9;22)の結果生じる融合蛋白（Ｇ）は高い（Ｈ）活性を有し、白血病の増殖能に関係している
５．同種骨髄移植の治療法は確立されており、第1寛解期に治療を行うと5年生存率は、AMLでは（Ｉ）％以上、ALLで（Ｊ）％である。
【解答】＜１１月２５日 原田先生 プリント参照＞
Ａ.t(8;21) Ｂ.inv(16) （授業プリントシェーマ２６）
Ｃ.t(15;17) Ｄ.ATRA （授業プリントシェーマ９．１４．１５）
Ｅ.Ph（フィラデルフィア染色体） Ｆ.年齢 （ステップ２巻 P２７０参照）
Ｇ.BCR/ABL Ｈ.チロシンキナーゼ （授業プリントシェーマ １０．１６）
Ｉ.６５ Ｊ.５８ （授業プリントシェーマ ３０）
〔消化器腫瘍の臨床〕
（１）癌とはどのような生物学的な特徴を持つか、知るところを示せ
（２）（ ）内に正しいものには○、誤りには×を付けよ
１．（ ）食道癌の再建方法の１つとして、胸腔内経路がある
２．（ ）食道癌の初発症状として、嚥下困難がある
３．（ ）早期胃癌とは粘膜下層までに限局した癌で、リンパ節転移のないものをいう
４．（ ）胃癌でSchnitzler転移を認めても治癒切除可能である
５．（ ）肝転移のある結腸癌では手術の適応はない
６．（ ）直腸癌より結腸癌の予後は悪い
７．（ ）原発性肝癌ではリンパ行転移をきたすものが多い
８．（ ）肝細胞癌の原因として、HBVが最多である
９．（ ）膵頭部癌では閉塞性黄疸をきたすことは稀である。
１０．（ ）膵癌の手術成績は胆嚢癌より不良である。
【解答】＜１２月１３日 前原先生 プリント参照＞
癌の発生は細胞の遺伝子変異に起因し、１個から数個の変異遺伝子をもつ細胞が年単位の時間を経て肉眼的に確認できる大きさへと増殖していく。（他にいろんなことを書いてもOKだと思いますが、このようなことを授業中に少しだけおっしゃっていました）
１．○：プリントｐ３
２．○：プリントｐ３
３．×：プリントｐ５ リンパ節転移の有無は問わない
４．×：プリントｐ５ Schnitzler転移では治癒は無理でしょう
５．×：概説講義レジュメｐ１４５ 積極的に切除する
６．×：概説講義レジュメｐ１４５、ｐ１４６ 同じか少しいいくらい
７．×：ステップ６巻ｐ２６０ 門脈を介して転移する
８．×：プリントｐ９ ＨＣＶが最多
９．×：プリントｐ１４ ７０％でおこす
１０．○：プリントｐ１３とｐ１５
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