聴嗅味覚器 / ○×


【5-2】次の中から正しいものを選択せよ。
(1)誤嚥とは、嚥下物が声門を越えて下気道に侵入することである。
 ○:2005年卒試【2】(1)と同じ
(2)下気道に吸引された嚥下物や唾液によって生じる肺炎を嚥下性肺炎という。
 ○:2005年卒試【2】(1)と同じ
(3)wallenberg症候群における嚥下障害の多くは呼吸困難を伴う。
 ×:反対側半身の解離性障害を伴う延髄背外側の病変より、一側声帯麻痺を来たす。~よって呼吸困難は伴わない。
(4)偽性球麻痺タイプの嚥下性障害では一般に喉頭下降期型誤嚥を呈する。
 ×:偽性球麻痺タイプは喉頭挙上期型誤嚥を呈する。
(5)気道防御反射や咽頭期嚥下を引き起こすのに重要な感覚神経は上咽頭神経である。
 ○:2005年卒試【2】(5)と同じ

【5-3】次の中から正しいものを選択せよ。
(1)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因として喫煙との関連が大きい。
 ○:声帯ポリープと同じく酷使と喫煙が病因
(2)声帯結節は通常一側性である。
 ×:最も振動の激しい前中1/3境界部に両側性に生じる
(3)声帯ポリープの原因はパピローマウイルスである。
 ×:(1)参照
(4)声帯白斑症は女性に多い。
 ?:男女差はあるのか?(喫煙は男性が多く、声帯振動数は女性が高い)

【1-2】正しい組み合わせを選べ。
(2)内リンパはNaの濃度が高い。 ×低Na高K
(5)外リンパはNaの濃度が高い。 ○髄液と同じ

【1-3】メニエール病について誤っているものはどれか。
(1)聴力型は高温低下型と水平型が多い。
 ○:めまい発作を繰り返し高音低下型→水平型
(2)補充現象は陰性である。
 ×:補充現象陽性
(3)瘻孔現象を生じることがある。
 ×:真珠腫性中耳炎など
(4)めまい発作時に耳鳴・難聴を伴う。
 ○:蝸牛症状や自律神経症状
(5)組織形態学的に蝸牛と前庭の内リンパ水腫である。
 ○:グリセロール試験かフロセミド試験で検査

【1-6】次の語句と関連の深い疾患を下から選べ。
(1)C5-dip  
(2)ジャンブリング現象
(3)グリセロールテスト  
(5)Mondini
<語群>内耳奇形、メニエール病、外リンパ瘻、騒音性難聴、
<解答>
(1)騒音性難聴:C5-dip(4000Hz付近の低下)、感音難聴(内耳性難聴)、治療不可、耳栓などで予防
(2)薬物による内耳障害?:アミノグリコシド系(ストレプトマイシン)、ループ利尿薬、アスピリンなど
(3)Meniere病:内リンパ水腫、グリセロール試験、フロセミド試験
(4)外リンパ瘻?:
(5)内耳奇形:Mondini型(最多)、Sheibe型、Bing-Siebmann型など

【4】頭頚部腫瘍の選択肢問題
1.58歳の男性。

1年前から鼻出血と右耳の滲出性中耳炎を反復していた。2ヶ月前から右頸部に硬い腫瘤が出現し、次第に増大してきた。10日前から複視が出現し来院した。最も考えられるのはどれか。
a.蝶形骨洞癌  b.上咽頭癌  c.中咽頭癌  d.上顎洞癌  e.中耳癌
1.a   2.b   3.c   4.d   5.e
(解答)2
初発症状は頚部腫瘤(リンパ節転移)や耳閉塞感、滲出性中耳炎が最も多いが、鼻出血、外転神経麻痺、三叉神経麻痺など多彩な初期症状を呈しうる。特に本症例のように頚部腫瘤を主訴に来院する例は全体の30%に達する。

2.咽頭癌に関する以下の記述の中で正しい組み合わせはどれか
a.上咽頭癌では手術が第一選択である
b.下咽頭癌は組織学的に腺癌が多い
c.下咽頭癌は頸部リンパ節に転移をきたしやすい
d.中咽頭癌の亜部位で最も多いのは側壁型である
e.上咽頭癌の発症にはEBウイルスが関与していることがある
1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde
(解答)5

a.×放射線照射が第一選択 b.×95%以上を高分化扁平上皮癌が占める。C.○早期から高率に認められる。d.○側壁(口蓋弓)に最もよく見られる。e.○

3.正中頸嚢胞について正しいものはどれか
a.甲状舌管遺残嚢胞である
b.第2鰓弓の発生異常である
c.組織的にはリンパ組成である
d.放射線感受性が高い
e.好発部位は舌骨レベルである
1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de
(解答)2
a.○ b.×第2鰓弓から発生するのは側頚嚢胞 c.× d.× e.○

4.以下の記述のうち正しい組み合わせはどれか
a.耳下腺の腫瘍には悪性腫瘍より良性腫瘍が多い b.甲状腺髄様癌は家族性に発生することがある
c.耳下腺腫瘍の手術では顔面神経に注意する必要がある
d.唾液腺腫瘍の大部分は顎下腺に発生する
e.甲状腺腫瘍の診断には開放生検が第一選択である

1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)1
a.○悪性は20%を占める。b.○多発性内分泌腫瘍(MEN II型) c.○ d.×大部分(85%)は耳下腺に発生 e.×超音波検査や穿刺吸引細胞診を行う。

5.以下の記述のうち誤っているものはどれか
a.声帯ポリープは手術治療が第一選択である
b.ポリープ様声帯は喫煙が発生原因となる
c.喉頭癌の発生部位は声門癌が最も多い
d.喉頭の白斑症は前癌病変である
e.急性喉頭蓋炎では気管切開が必要となることがある

1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
(解答)1
a.×声帯の安静が最も重要 b.○喫煙者に多い c.○60%を占める d.○ e.○

【1】嚥下障害 1.正しいものには○、間違っているものには×を記せ。
(1)嚥下運動は生理学的に、口腔期、咽頭期、食道期の3期に分けられる。:○
(2)嚥下物が声門を越えて下気道に侵入することを誤燕という。:○
(3)一側声帯麻痺では咳嚇効率が低下し、肺炎を生じやすい。:×
(4)Vernet症侯群では患側の咽頭筋麻痺を生じることが多い。:○
 Vernet症候群とは頭部損傷により後頭蓋窩内にある舌咽神経、迷走神経などの麻痺が起こるもの 
(5)嚥下性肺炎は、高齢者の死因の上位を占めている。:○

3.次の記述のうち正しいものを選択せよ。(複数可)

(a)ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因として音声の酷使が最も多い。:○
(b)声帯結節は通常一側性である。:×;両側
(c)声帯ポリープの原因はパピローマウィルスである。:×;声帯の酷使と喫煙
(d)声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。:○
(e)声帯白板症は女性に多い。:×

3-4.メニエール病につき正しいものはどれか
(1)発症は発作性で反復性である:○
(2)発作の激しい時は意識障害を伴う:×
(3)進行すると温度眼振検査で半規管麻痺(CP)を生じる:○
(4)初期は低音域難聴が多い:○
(5)めまいのため、物が二重に見える:×

3-? 純音聴力図を示す。考えられるのはどれか。 a.耳小骨離断
b.耳硬化症
c.突発性難聴
d.加齢性難聴
e.慢性騒音性難聴
(解答)c
a. ×伝音性難聴
b.×アブミ骨底の固着に起因し、伝音性難聴を呈する
c.○突然の片側性難聴を呈する
d.×両側の感音難聴で右下がりのオージオグラムになる
e.×両側の感音難聴で4000Hz付近の聴力低下から始まり、幅が広くなっていく。

3-? 7歳の男児。

学校の健康診断で右耳の難聴を指摘され、精密検査目的で来院した。自覚的に耳痛なく、局所所見で鼓膜の穿孔や耳漏もない。ティンパノメトリーでAd型であった。純音聴力検査(片側性の伝音性難聴)を示す。最も考えられるのはどれか。

a.急性中耳炎
b.慢性中耳炎
c.耳小骨形態異常
d.突発性難聴
e.機能性難聴

(解答)c
耳痛,鼓膜穿孔,耳漏が無く、中耳炎は考えにくい。
オージオグラムは片側性(右)の伝音性難聴を示している。(ABgapを認める)
またティンパノメトリーでAd型(大気圧下でのコンプライアンス異常上昇)であることは耳小骨連鎖離断による鼓膜の可動性の増大を示す。