精神医学 / 2004年度以前


精神医学/○×問題

2004年度以降

1)[○]WHOの統計によれば、疾患をその障害のために個人や社会に与える損失の程度(Disability Adjusted Life Year)によって評価した場合、現在、人類に最も大きな負担をもたらしている精神障害はうつ病である。
2)[×]1970年代以降、日本を含む先進諸国では精神科病床数が著しく減少した。
3)[○]我が国の精神科入院患者のうち、条件が整えば退院可能な者は7万5千人もおり、彼らを地域で受け入れるためには援護寮、福祉ホーム、グループホームなどの社会資源をもっと増やす必要がある。
4)[×]大うつ病の生涯有病率は1%である。
5)[×]うつ病の患者にはできる限り気分転換を勧め、自信を持たせるために叱咤激励する。
6)[○]モルヒネ型依存では身体依存を生じる。
7)[○]アルコール幻覚症では意識は清明である。
8)[×]血中アルコール濃度250mg/dl以下ではふらつきは生じない。
9)[×]急性覚醒剤中毒の離脱期には疲労感が強く、食欲が低下する。
10)[○]Mini Mental State Examination(MMSE)は、痴呆の症状評価によく用いられる。

1)(× 機能的)神経症は心因の関与が大きいと考えられる器質性の精神障害である。
2)(○)現在の国際的な疾患分類においては「○○神経症」という名称は全く用いられていない。
3)(×)精神分析療法)系統的精神療法のうちもっとも長い歴史をもつものは森田療法である。
4)(○)神経症の薬物療法では、従来より用いられている抗不安剤の他抗うつ剤を積極的に用いるようになってきている。
5)(×)神経症では、環境の影響が小さいものほど治療予後が良い。
  症状持続が短く、性格問題が小さく、環境因子が大きいと予後良

4.下記について正しいものには○、誤っているものには×を記せ。
1)(  )ナルコレプシーには睡眠発作はみられない。
2)(  )せん妄状態にみられる意識障害は昏睡状態のような重度のものである。
3)(  )副腎皮質ステロイドには精神症状の副作用はまれである。
4)(  )側頭葉てんかんは部分てんかんに分類される。
5)(  )幻聴は器質性精神障害にはみられない。
6)(  )複雑部分発作にはカルバマゼピンが第1選択である。
7)(  )成人の正常脳波ではγ波はみられない。
8)(  )見当識は人物、場所、時間の順に障害される。
9)(  )自己免疫疾患のうち、最も器質性精神障害の病像を呈しやすいのはSLEである。
10)(  )三相波は肝不全に特徴的な脳波所見である。

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解答 「5/21 睡眠障害・器質的精神障害」、(類)15年度概説大問4
1)× 9枚目。睡眠発作、脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚が四徴です。
2)× 1枚目。JCSで2桁までの比較的軽度の意識障害。
3)× 1枚目。ステロイドは精神症状を起こしやすい薬剤。
4)○ 6、7枚目。   5)× 1枚目。アルコール幻覚症の幻覚は主に幻聴。
6)○ 6、7枚目。部分発作にカルバマゼピン、全般発作にはバルプロ酸。  7)○?
8)× 毎日更新せねばならない時間が真っ先に、続いて場所、人物の順で障害されます。
9)○ 1枚目。  10)○ 4枚目。肝性脳症で特徴的に見られます。

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5.1)アルツハイマー型痴呆、脳血管性痴呆、ピック病に関して以下より特徴的な臨床症状を2つずつ選べ。

1視空間失認  2感情失禁  3脱抑制  4まだら痴呆  5保続  6健忘失語

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解答(類)15年度概説大問5、14年度概説大問7、13年度概説大問6 解説は15年度参照。
アルツハイマー型痴呆(1,5) 脳血管性痴呆(2,4) ピック病(3,6)

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2)アルツハイマー型痴呆、ピック病に関してsingle photon emission computed tomography(SPECT)にて局所血流量低下を示す部位を以下から2カ所ずつ選べ。
 1前頭葉  2側頭葉  3頭頂葉  4後頭葉

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解答 アルツハイマー型痴呆(2,3) ピック病(1,2)

6.下記について正しいものには○、誤っているものには×を記せ。
1)(  )アスペルガー障害は、コミュニケーションの障害があり言語発達が遅れる。
2)(  )精神遅滞の児は、健常児に比較するとうつ病の発症の頻度は少ない。
3)(  )トゥレット障害の薬物療法の第1選択剤はメチルフェニデートである。
4)(  )注意欠陥多動性障害の薬物療法の第1選択剤はハロペリドールである。
5)(  )産後うつ病は、発症頻度は他の時期のうつ病より少ないが、重症例が多い。

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解答 (類)15年度概説大問6、14年度概説大問8、13年度概説大問7
「6/11 小児期・青年期精神障害」
1)× アスペルガー障害では言語発達は遅れません。これは自閉症の説明です。  2)×?
3)× ハロペリドール。メチルフェニデートは症状を悪化させます。
4)× メチルフェニデートです。  5)× 症状は軽いが頻度が高い、とされています。

1.( )うつ病に特徴的な妄想として、貧困妄想、罪業妄想、心気妄想がある*。
2.( )躁病では睡眠障害は少ない*。
3.( )三環系抗うつ薬の副作用として、下痢、吐き気、食欲低下が多い。
4.( )複雑酩酊で認められる行動異常は了解不能である*。
5.( )アルコール幻覚症では意識障害を認めない*。
6.( )覚醒剤精神病は、薬物の使用直後にしか発症することはない。
7.( )ロールシャッハテストは、投影法の人格検査である。

1.○…「6/4、14 気分障害」あわせて微小妄想、と呼ばれる。
2.×…「6/4、14 気分障害」不眠になる。
3.×…「6/3、精神障害の治療−薬物療法」下痢はなく、便秘やめまいがある。
4.×…「6/15、アルコール・薬物関連障害」病的酩酊では了解不能。
5.○…「6/15、アルコール・薬物関連障害」意識は清明であり、しばしば被害妄想を伴う。
6.×…「6/15、アルコール・薬物関連障害」離脱後も長期にわたって現れる。
7.○…「6/16、精神保健・法と精神医学」投影法としては他にP−Fスタディなど。
7.下記について正しいものには○、誤っているものには×を記せ。(10点)
1)( )言葉の遅れを示す子どもは、まず自閉症の診断を考える。
2)( )小学校に入学した6歳児が幻覚妄想の症状を訴えたときはまず精神分裂病を考える。
3)( )チック障害の薬物療法にはメチルフェニデートを使う。
4)( )乳児は8ヵ月になると1つは有意語がみられる。
5)( )注意欠陥多動性障害の治療の第一選択薬はハロペリドールである。
解答 「6/11、少年期・青年期精神障害」
1)×…本当に遅れているのか、をまず考えましょう。
2)×…分裂病、うつ病は年齢が下がるほど頻度が低い。
3)×…ハロペリドールを用いる。
4)×…12〜18ヶ月。
5)×…メチルフェニデートを用いる。