腎・高血圧 / 概説 / 腎臓・病理


腎・高血圧

<腎臓・移植> 【1】30歳男性、慢性糸球体腎炎で通院中であり、今回クレアチニンクリアランス試験を行い次の結果を得た。 1日尿量 2880 ml、尿クレアチニン濃度 45mg/dl、血清クレアチニン濃度1.5mg/dl、体表面積1.80 m2。のクレアチニン-クリアランス(ml/分)を計算せよ。ただし、成人の標準体表面積を1.73 m2で補正せよ。 A. 77.7 B. 67.7 c. 57.7 d. 47.7 e. 37.7 (解答)c)クレアチニン・クリアランス=(尿中クレアチニン×尿量)/(血清クレアチニン) × (標準体表面積)/(体表面積) {45×2880/(24×60)}/1.5×1.73/1.80=57.7 【2】腎のサイズが小さいのが特徴なのは? A. IgA腎症の末期腎不全 B. 38才での初回妊娠 C. 54才の常染色体優性遺伝多発嚢胞腎 D. 確定診断後1年の1型糖尿病 E. 発症後2週間の微小変化型ネフローゼ症候群 (解答)D) 【3】尿中Na+排泄量が低下するものはどれか。 1.Addison病 2.肝硬変 3.腎前性急性腎不全 4.甲状腺機能低下症 5.ADH不適合分泌症候群 a 12 b 15 c 23 d 34 e 45 (解答)c)1.排泄量増加。2.排泄量減少。3.排泄量減少。5.排泄量増加。 【4】ネフローゼの診断基準について誤っているものを選べ。 A. 一日尿蛋白量3.5g以上 B. 血清総蛋白濃度6.0g/dl未満 C. 血清アルブミン濃度3.0g/dl未満 D. 血清総コレステロール濃度250mg/dl以上 E. 血清クレアチニン濃度1.2mg/dl以上 (解答)E) 【6】15歳女性、上気道炎後10日の症例。尿蛋白2+ 潜血2+、扁桃発赤を認める。(その他に検査データが挙げられていましたが、溶連菌感染後AGNに矛盾しない所見です。) このとき検査すべき項目は? 1.ASO 2.IgA 3.抗好中球細胞質抗体 4.抗糸球体基底膜抗体 5.血清補体価 a 12 b 15 c 23 d 34 e 45 (解答)b)急性糸球体腎炎。ASOは菌体に特異的な抗体を評価する。 【7】IgA腎症の予後に関わりが深いものを選べ。 1. 血尿 2. 蛋白尿 3. 高血圧 4. 血清IgA高値 a.(1,3,4) b.(1,2) c.(2,3) d.(4) e.全て (解答)c)血尿と血清IgAは予後に何の関係もない。 【8】IgA腎症について正しいのはどれか。 1. IgAが糸球体メサンギウム領域に沈着する。 2. 無症候性血尿が主要徴候である。 3. 血中IgAは低下する。 4. ネフローゼ症候群をきたすことが多い 5. 血清補体価は正常である。 A. 123 B. 125 C. 145 D. 234 E. 345 (解答)B)3.IgAは半数高値、半数正常値。4.ネフローゼになることはあるが頻度は少ない。

E. 腎・高血圧 E - 29 E - 29 【9】蛋白尿の選択性(selectivity index)を示すクリアランス比として正しいものを選べ。 A)アルブミンとβ2ミクログロブリン B)アルブミンとトランスフェリン C)IgAとIgG D)IgGとIgM E)IgGとトランスフェリン (解答)E) 【10】ネフローゼ症候群を呈するのはどれか。 1.アミロイドーシス 2.HodgKin?病 3.巣状糸球体硬化症 4.全身性エリテマトーデス A.1,3,4のみ B.1,2のみ C.2,3のみ D.4のみ E.1-4すべて (解答)A) 【11】尿細管性アシドーシスを来たすものの組み合わせを選べ。 1 Goodpasture症候群 2 Fanconi症候群 3 Sjogren症候群 4 多発性骨髄腫 5 原発性高アルドステロン症 a 1,2,3 b 1,2,5 c 1,4,5 d 2,3,4 e 3,4,5 (解答)d)2,4は近位尿細管。3は遠位尿細管。 【12】Alport症候群について誤ったものを選べ。 1) 感音性難聴を伴う。 2) 尿異常は蛋白尿で始まる。 3) 女性の方が男性よりも進行性である。 4) IV型コラーゲンの異常がある。 5) 電子顕微鏡で糸球体基底膜の多層状の肥厚を認める。 A)1、2 B)1、5 C)2、3 D)3、4 E)4、5 (解答)C)1.○2.血尿で始まることが多い。3.女性の場合ほとんど進行しない。4.○5.○ 【13】血清補体価が低下するのはどれか。 1.急性糸球体腎炎 2.紫斑病性腎炎 3.IgA腎症 4.膜性腎症 5.ループス腎炎 A)1、2 B)1、5 C)2、3 D)3、4 E)4、5 (解答)B)補体低下で有名なのはAGN(急性糸球体腎炎)、MPGN(膜性増殖性糸球体腎炎)、ループス腎炎の3つ。 【14】糖尿病性腎症について正しいものはどれか。 1. 初期には糸球体濾過量は増加する。 2. 腎不全の進行に伴いインスリン需要量は増加する。 3. アルドステロン分泌は増加している。 4. 尿に赤血球円柱を認める。 5.腎不全の進行は比較的急速である。 A.1,2 B.1,5 C.2,3 D.3,4 E.4,5 (解答)B)1.○2.腎不全の進行に伴うわけではない。3.アルドステロンは低下している。4.×5.進行は早い。 【15】60歳男性。血痰、全身倦怠感、微熱で受診した。尿蛋白(3+)、顕微鏡的血尿、血圧160/96mmHg、血清カルシウム濃度8.6mg/dl、血清リン5.4mg/dl、血清カリウム濃度5.4mg/dl、血清クレアチニン濃度5.2mg/dl、BUN76mg/dl、MPO-ANCA(抗好中球細胞質抗体)100U/l、CRP12.0mg/dl、血液ガス(pH 7.16、pO2 76mmHg、pCO2 35mmHg)、胸部X線検査にて多発性に境界不明瞭な浸潤影がみられた。 設問1.この疾患の腎組織所見で予想されるものはどれか。 A.半月体形成性糸球体腎炎 B.管内増殖性糸球体腎炎 C.膜性増殖性糸球体腎炎 D.悪性高血圧 E.巣状糸球体硬化症 (解答)A)P-ANCA陽性。急速進行性糸球体腎炎に特異的な所見である。全周性の半月体形成により、糸球体は虚脱する。管外性増殖性糸球体腎炎。 E. 腎・高血圧 E - 30 E - 30 設問2.第一選択としてふさわしい薬剤は次のうちどれか。 C. 副腎皮質ステロイド 他は忘れました。 (解答)治療は発症初期にステロイドパルス。それに加え免疫抑制薬、抗凝固薬、抗血小板薬を併用する。 設問3.この疾患について正しいのはどれか。 1)わが国では小児例が半数を占める。 2)腎臨床症候はネフローゼ症候群を呈する。 3)生命予後は、腎生存予後とも不良である。 4)生命予後に影響を与える因子の一つに肺病変の有無があげられる。 5)死を原因として感染症によるものが半数を占める。 A)123 B)125 C)145 D)234 E)345 (解答)E)1.30〜60歳に多い。2.腎臨床症候は急速進行性腎炎症候群を呈する。 【16】血清クレアチニン5.0mg/dlの患者において、急性腎不全と慢性腎不全の鑑別で有用なのは? A.24時間クレアチニンクリアランス B.パラアミノ馬尿酸(PAH)クリアランス C.レノグラフィー D.腎エコー E.尿中Na濃度 (解答)D)急性腎不全と慢性腎不全の鑑別のポイントは既往歴と腎のサイズ 【17】腎前性と腎性の急性腎不全の鑑別に使われるものはなにか? 1.尿浸透圧 2.尿蛋白量 3.24時間尿量 4.尿中K排泄量 5.尿中Na排泄率 A(1,2) B(1,5) C(2,3) D(3,4) E(4,5) (解答)B) 【18】尿毒症の症候として見られるものはどれか。 1)皮膚掻痒 2)心膜炎 3)Kussmaul呼吸 4)口臭 A.134のみ B.12のみ C.23のみ D.4のみ E.1-4のすべて (解答)E) 【19】高カリウム血症の治療として適当なものを選べ。 1陽イオン交換樹脂注腸 2生食投与 3スピロノラクトン 4インスリン、ブドウ糖投与 5 血液透析 A)123 B)125 C)145 D)234 E)345 (解答)C) 【20】慢性腎不全で見られる症状を選べ。 1)高Mg血症 2)高Ca血症 3)高P血症 4)低尿酸 5)アシドーシス 選択肢は忘れてしまいました。 (解答)おそらく135)慢性腎不全では低Ca、高P、代謝性アシドーシスをきたす。末期には高Mgもきたす。 【22】56歳男性。38度の発熱が続いており食欲もなく臥床していた。食事、水分摂取は不良。その後次第に尿量減少、全身倦怠感、下肢の脱力を自覚し来院。母方の兄弟に3人慢性透析患者がいる。身長168cm体重68kg脈拍血圧に異常はなし。眼瞼貧血様、口臭有り(尿臭)、皮膚粘膜に脱水所見有り。腹部に両側長径18cm横径13cmの腫瘤を触れる。 血算 Hb 10 WBC 10800 Plt 120000 生化 Na 148 K 7.6 Cl 108 BUN 140 Cr 6.0 HbA1c 4.5 血ガス pH 7.14 HCO3- 12 PaO2 98 PCO2 16 E. 腎・高血圧 E - 31 E - 31 (1) アニオンギャップを計算し最も近いものを選びなさい。(カリウムは除いて計算すること) A22 B28 C32 D36 E40 (解答)B)anion gap= Na−(Cl+HCO3-) (2) この疾患について間違っているものを一つ選びなさい。 A家族歴がある。 B病変は片側性である。 C肝にも病変が見られる。 D脳動脈瘤を伴うことがある。 E腎性高血圧の原因となる。 (解答)B)多発性嚢胞腎と考えられる。両側性病変のためBは誤り。 (3)この状態を改善するために行う処置はどれか。 1.血液透析 2.スピロノラクトン投与 3.輸血 4.ブドウ糖インスリン療法 5.重曹投与 A)123 B)125 C)145 D)234 E)345 (解答)C)高カリウムを呈しているため145の3つが有効と考えられる。 【23】緊急透析を行う必要があるのは? 1.ベンゾジアゼピン系睡眠薬大量服用による意識障害 2.低ナトリウム血症による意識障害 3.高カリウム血症による心電図異常 4.高窒素血症による意識障害 5.肺水腫による急性呼吸不全 答の組合せは忘れてしまった。 (解答)おそらく345)「緊急透析の適応」・・肺うっ血による低酸素血症、アシドーシス、高K血症、心嚢液貯留。 【24】人工腎臓(血液透析、腹膜還流)によって速やかな改善が期待できる病態として正しい組み合わせはどれか。 1.肺水腫 2.代謝性アシドーシス 3.高カリウム血症 4.腎性貧血 5.尿毒症性末梢神経障害 A.123 B.125 C.145 D.234 E.345 (解答)A)1.○2.○3.○4.腎性貧血はエリスロポエチン産生が行われないことによる病態であるため人工腎臓では改善されない。5.×みたいです。原因は不明。 【25】連続携行式腹膜透析(CAPD)と血液透析を比べたとき、正しいのはどれか。 1. 厳しいカリウム制限が必要である。 2. 社会復帰が困難である。 3. 高脂血症を起こしやすい。 4. 残存機能が保たれる。 5. 血圧の変動が少ない。 選択肢は忘れました。 (解答)1.×腹膜透析の方が持続的で緩徐な透析なので電解質のブレが起こりにくいと考える。2.×腹膜透析の方が社会復帰は楽。3.○透析液中のブドウ糖の影響らしい。4.○?5.○腹膜透析の方が血圧変動は少ない。 【26】副腎皮質ホルモン(PTH)について正しいものを選べ。 1)高リンはPTHの分泌を促進する。 2)高カルシウムはPTHの分泌を促進する。 3)PTHは骨代謝の回転を抑制する。 4)ビタミンD投与により、PTHの分泌を抑制する。 5)透析患者では健常者に比べて骨のPTH感受性が低下している。 A.123 B.125 C.145 D.234 E.345 (解答)1.○2.×高カルシウムはPTH分泌抑制3.PTHは骨代謝回転を促進する。4.○5.○ E. 腎・高血圧 E - 32 E - 32 【27】症例問題。「血尿」、「聴力障害」など、Alport症候群と思われるもの。 設問1.組織所見として正しいもの。 1)間質に泡沫細胞が見られる。 2)基底膜にspikeがある。 3)蛍光抗体法でIgGが線状に染色される。 4)電子顕微鏡で上皮に高電子密度沈着物が認められる。 5)電子顕微鏡で基底膜緻密層の多層化が認められる。 A.(1,2) B.(1,5) C.(2,3) D.(3,4) E.(4,5) (解答)B)1、5.○Alport症候群における所見である。2.スパイクは膜性腎症。3,4.はMPGN(膜性増殖性糸球体腎炎)における所見である。

病理 以下の記述の正誤を解答欄に○×で記入せよ。 1.尿管極に存在する傍系球体装置は、血管平滑筋細胞に由来する顆粒細胞が産生するレニンの生理作用により血中のアンジオテンシン系を介して血中Na濃度、血圧の調節に関与している。 2.腎内に分布する糸球体の全てに病変が存在する場合を彌漫性 diffuse、また個々の糸球体の一部に病変が限局する場合を区域性 segmentalと呼ぶ。 3.増殖性変化を示す糸球体病変では、白血球浸潤、また内皮細胞や上皮細胞の増生が目立つ。 4.半月体crescent形成には、糸球体毛細血管の透過性が破綻して生じるBowman嚢腔内フィブリン沈着と上皮細胞増生が原因となる。 5.腎炎に見られる免疫複合体は、免疫抗体法により係蹄壁に穎粒状に分布することが多いが、Goodpasture症候群では線状分布を示すのが特徴的である。 6.溶連菌感染後糸球体腎炎では、電顕で基底膜内にhumpが出現するのが特徴的である。 7.膜性腎炎の基底膜変化の特徴はスパイクspike形成であり、一方膜性増殖性腎炎では二重膜構造を呈することが鑑別点となる。 8.膜性増殖性腎炎では低補体血症を伴うことが多く、その原因に補体の古典的活性化とともに活性化代替路 alternative pathwayが関与している。 9.膜性糸球体腎炎の多くは特発性であるが、SLE、糖尿病や感染症などに合併することがある。 10.糖尿病に特異的な腎病変は基底膜のびまん性肥厚でありこの変化は本症の臨床経過に良く相関する。 11.DICの微小血栓は腎皮質の間質毛細血管に最も好発する。 12.SLEやWegener肉芽腫症に随伴する腎炎の鑑別には、血中州CA値の上昇とその種別が参考になる。 13.我国に最も多い腎炎型は、IgA腎症である。 14.lgA腎症の糸球体所見としてびまん性のメザンジウム増殖性変化が特徴的である。 15.糸球体硬化症は、特発性は小児に多く、続発性の代表的基礎疾患は糖尿病でネフローゼ症候群の原因となる。 1)○ 2)○3)?4)?5)○ 6)○ 7)○ 8)○ 9)?10)×特異性は低い 11)?12)?13)○ 14)×メサンギウム増殖の部位と程度はさまざま 15)?

病理 以下の記述の正誤を解答欄に○×で記入せよ。 1.血管極に存在する傍糸球体装置は、血管平滑筋細胞に由来する顆粒細胞が産生するレニンの生理作用により血中のアンジオテンシン系を介して血中Na濃度、血圧の調節に関与している。 2.腎内に分布する糸球体の全てに病変が存在する場合をgloval、または個々の糸球体の一部に病変が限局する場合をfocalと呼ぶ。 3.増殖性変化を示す糸球体病変では、白血球浸潤、また内皮細胞や上皮細胞の増生が目立つ。 4.半月体(crescent)形成には、糸球体毛細血管の透過性が破綻して生じるBowman嚢腔内フィブリン沈着が原因となる。 5.腎炎に見られる免疫複合体は、免疫抗体法により係蹄壁に線状に分布することが多いが、Goodpasture症候群では顆粒状分布を示すのが特徴的である。 6.溶連菌感染後糸球体腎炎では、電顕で基底膜内にhumpが出現するのが特徴的である。7.膜性増殖性腎炎の基底膜変化の特徴はスパイク(spike)形成であり、一方膜性腎炎では二重膜構造を呈することが鑑別点となる。 8.膜性増殖性腎炎では低補体血症を伴うことが多く、その原因に補体の古典的(classical)活性化とともに活性化代替路(altaernative pathway)が関与している。 9.膜性糸球体腎炎の多くは突発性であるが、SLE、糖尿病や感染症などに合併することがある。 10.糖尿病に基本的な腎病変の1つは基底膜のびまん性肥厚であり、この変化は本症の臨床経過に良く相関する。 11.DICに微小血栓は腎糸球体に最も好発する。 12.SLEやWegener肉芽腫症に随伴する腎炎の鑑別には、血中ANCA値の上昇とその種別が参考になる。 13.我国に最も多い腎炎型は、IgA腎症である。 14.IgA腎症の糸球体所見としてびまん性のメサンジウム増殖性変化が特徴的である。 15.糸球体硬化症は、特発性は小児に多く、続発性の代表的基礎疾患は糖尿病でネフローゼ症候群の原因となる。 1.A.○ 血管平滑筋細胞が特殊に分化した類上皮細胞を顆粒細胞という。 2. A.× global → diffuse、focal → segmental 3. A. ○だと思いますたぶん。メサンギウム細胞も増生。 4. A.× Bowman嚢腔内上皮細胞の増殖が原因。 5. A.× 腎炎にみられる免疫複合体として線状パターンは少数。Goodpasture症候群では線状分布が特徴。 6. A.× 基底膜「内」→「外」 7. A.× 逆です。 8. A. ○ 9. A. 糖尿病→薬剤使用、ループス腎炎、梅毒。 10. A.おそらく○。 11. A. ○ 12. A. × SLEでANCAの上昇はみられないようです。 13. A. ○ 14A. × このような所見がみられることもあるが、組織的にはかなり多様。特徴的なのはメサンギウム領域中心のIgA沈着。 15. A. ○

腎臓 問1.血液生化学検査で男女差がみられる項目はどれか。 A)総蛋白、 B)クレアチニン、 C)ナトリウム、 D)カリウム、 E)カルシウム <解答>B

E. 腎・高血圧 E - 44 E - 44 問2.次の症候群の特徴を示す選択肢を(A)〜(E)より選べ。 1)Bartter症候群 2)Gitelman症候群 3)Fanconi症候群 4)Liddle症候群 5)Gordon症候群 【選択肢】A)低K血症、代謝性アルカローシス、若年性高血圧 B)低Ca血症、低Mg血症、正常血圧 C)低K血症、高Ca尿症、正常血圧 D)糖尿、アミノ酸尿、発育不全 E)高Cl性アシドーシス、高K血症、高血圧 <解答>1)C、2)B、3)D、4)A、5)E 問3.腎生検で糸球体に以下の所見を認めた。(1)PAS染色で、メサンギウム領域の拡大、管内性・管外性の細胞増殖と分葉傾向、(2)蛍光抗体法で、IgG、IgA、IgM、C3、C1qが陽性、(3)電子顕微鏡で、メサンギウム領域、基底膜内皮下に高度のdense depositを認めた。 この所見で最も考えられる腎病理の組織診断は次のうちどれか。 A)IgA腎症 B)原発性膜性腎症 C)ループス腎炎 D)糖尿病性腎症 E)アミロイド腎 <解答>C 問4.ネフローゼ症候群について記述した文章を示す。最も可能性がある組織学的診断を下の選択肢の中から選び、その記号をカッコ内に示せ。 1)尿蛋白の選択性が高く、蛍光抗体法では全て陰性である。 2)高齢者に頻度が高く、蛍光抗体法ではIgGと補体C3が顆粒状に沈着する。 3)持続的な低補体血症が特徴で、糸球体病変は分葉状を示す。 4)腎生検で得られた糸球体の係蹄の一部に分節性の硬化病変を有す。 5)最も頻度が高い増殖性糸球体腎炎で、蛍光抗体法でIgAが陽性である。 【選択肢】A)膜性増殖性糸球体腎炎、 B)微小変化群、 C)ループス腎炎、 D)糖尿病性腎症、 E)IgA腎症、 F)巣状糸球体硬化症、 G)悪性腎硬化症、 H)膜性腎症、 I)腎アミロイドーシス <解答>1)B、2)H、3)A、4)F、5)E 問5.以下の糸球体腎炎ないしは腎症の中で低補体血症を特徴とするのはどれか。 A)膜性腎症 B)急性糸球体腎炎 C)IgA腎症 D)巣状糸球体硬化症 E)糖尿病性腎症 <解答>B 問6.微小変化群ネフローゼ症候群について正しい記載はどれか。 A)再発しない。 B)尿蛋白の選択性が高い。 C)高血圧を合併する。 D)慢性腎不全に至る。 E)副腎皮質ステロイド薬は無効である。 <解答>B 問7.急性腎不全の病態を表す語句を下の選択肢の中から2つずつ選べ。 1)腎後性急性腎不全 2)腎性急性腎不全 3)腎前性急性腎不全 A)急性尿細管壊死、B)FENa1%未満、C)前立腺癌、D)腎痩術、E)心不全、F)FENa2%以上 <解答>1)C,D、 2)A,F、 3)B,E 問8.高齢者の腎疾患について、頻度が高い疾患はどれか。 1)ANCA関連糸球体腎炎 2)溶連菌感染後急性糸球体腎炎 3)膜性腎症 4)Fanconi症候群 5)ループス腎炎 A(1、2)、B(1、3)、C(1、4)、D(2、3)、E(2、5) <解答>B E. 腎・高血圧 E - 45 E - 45 問9.次の症例についての質問に答えよ。 【症例】75歳、男性.主訴:腰痛、体重減少。検尿:尿蛋白;テステープ法(-)、尿潜血反応(-)、尿糖(±)。血液生化学検査:血清クレアチニン3.8mg/dl、BUN68mg/dl、Ca10.3mg/dl。 疾患としては何が最も考えられるか? 次のうちから選べ。 A)IgA腎症 B)多発性骨髄腫 C)腎後性急性腎不全 D)急性尿細管壊死 E)糖尿病性腎症 <解答>C 問10.人工腎臓(血液透析、腹膜灌流)によって速やかな改善が期待できる病態として正しい組み合わせはどれか。 1)肺水腫 2)代謝性アシドーシス 3)高K血症 4)腎性貧血 5)尿毒症性末梢神経障害 A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、4、5)、D(2、3、4)、E(3、4、5) <解答>A 問11.肝不全の患者で低Na血症(118mEq/L)を有し、輸液治療で、低Na血症の補正を試みた。3日後、血清Na濃度は165mEq/Lと上昇し、意識障害が発現した。意識障害の原因として考えられる臨床診断は次のうちどれか。 A)急性硬膜下血腫 B)脳出血 C)橋中心髄鞘崩壊症 D)クモ膜下出血 E)多発性硬化症 <解答>C 問12.次のような病歴、現症、入院時検査所見を示した例で腎生検をおこなった。予測される組織像どれが最も考えられるか。 【症例】38歳、女性、【主訴】嘔気、食欲不振。既往歴、家族歴、生活歴に特記事項なし。【現病歴】6月中旬、上気道炎(発熱39)罹患。近医で抗生物質と解熱薬を投与され軽快。7月3日、尿蛋白(±)、血清クレアチニン値3.6mg/d1と上昇。 【入院時現症】血圧144/86mmHg,脈拍72/分,皮疹・浮腫・リンパ節腫脹なし。 【入院時検査所見】 検尿;蛋白(±),血尿(±),糖(+),尿沈渣(一部好酸球を認める).検血;赤血球415万/μ1, Hb 12.Og/dl,白血球9300/μl,血小板23.2万/μl 血液生化学的検査;TP 6.8g/dl(Alb 3.5g/dl),BUN 54mg/dl,Creat 4.5mg/dl,Na 139mEq/L,K 4.6mEq/L, Cl 111mEq/L 血清学的検査;CRP 1.2mg/dl,CH50 31,ANF(-),ANCA(-)。 腎径(腎エコー)右13cm、左13.5cm、水腎症なし、 Gaシンチグラフィー:両腎に有意のRI取り込み像を認める。 【選択肢】 A)半月体形成性腎炎、B)急性間質性腎炎、C)膜性増殖性糸球体腎炎、 D)糖尿病性腎症、E)微小変化群 <解答>B 問13.次の症例の第一選択薬はどれか。 【症例】60歳、男性.血痰、全身倦怠感、微熱、蛋白尿(3+)、顕微鏡的血尿、血圧160/96mmHg、 血清カルシウム8.6mg/dl、血清リン5.4mg/dl、血清カリウム5.4mEq/L、血清クレアチニン5.2mg/dl、BUN 72mg/dl、C-ANCA 100EU、血液ガス(pH 7.36、PO2 56mmHg、pCO2 35mmHg)、胸部X線撮影で多発性の境界不明瞭な浸潤影。 A)活性型ビタミンD B)副腎皮質ステロイド C)ループ利尿薬 D)経ロ活性炭吸着薬 E)アンジオテンシンI変換酵素阻害薬 <解答>B Wegener肉芽腫症 E. 腎・高血圧 E - 46 E - 46 問14.以下の病態でアニオンギャップが正常のアシドーシスはどれか。 A)尿細管性アシドーシス B)尿毒症性アシドーシス C)糖尿病性ケトアシドーシス D)乳酸性アシドーシス E)アルコール性ケトアシドーシス <解答>A 問15.次の検査所見でアニオンギャップはいくつか。 末梢血:Hb 11g/dl、Ht34%、WBC 10,800/μ1、血小板 12万/μ1 動脈血ガス;pH 7.14、HCO3- 6mEq/L、PO2 98mmHg、PCO2 17mmHg。 電解質;Na156mEq/L、K 5.OmEq?/L、Cl 118mEq/L。 血液生化学;BUN 140mg/dl、クレアチニン3.2mg/dl、HbAlc? 4.5% <解答>156-(118+6)=32 問16.血液透析期間が25年の患者で特徴的な骨関節合併症は次のうちどれか。 A)骨粗髪症 B)骨軟化症 C)変形性関節症 D)透析アミロイドーシス E)骨硬化症 <解答>D E. 腎・高血圧 E - 47 E - 47 2003年度概説試験(復元) E. 腎・高血圧 E - 50 E - 50 腎臓 1.腎生検で糸球体に以下の所見を認めた。(1)PAS染色で、メサンギウム領域の拡大、管内性.菅外性の細胞増殖と分葉傾向、(2)蛍光抗体法で、IgG、IgA、IgM、C3、C1qが陽性、(3)電子顕微鏡で、メサンギウム領域、基底膜内皮下に高度のdense depositを認めた。 この所見で最も考えられる腎病理の組織診断は次のうちどれか。 (1)IgA腎症 (2)原発性膜性腎症 (3)ループス腎炎 (4)糖尿病性腎症 (5)アミロイド腎 A.(3)?先輩は原発性膜性増殖性糸球体腎炎を選んでいるが選択肢にありません・・・。 2.ネフローゼ症候群について記述した文章を示す。最も可能性がある組織学的診断を下の選択肢の中から各々選べ。 1)尿蛋白の選択性が高く、蛍光抗体法では全て陰性である。 (2) 2)高齢者に頻度が高く、蛍光抗体法ではIgGと補体C3が顆粒状に沈着する。 (8) 3)持続的な低補体血症が特徴で、糸球体病変は分葉状を示す。 (1) 4)腎生検で得られた糸球体の係蹄の一部に分節性の硬化病変を有す。 (6) 5)最も頻度が高い増殖性糸球体腎炎で、蛍光抗体法でIgAが陽性である。 (5) 【選択肢】 (1)膜性増殖性糸球体腎炎、(2)微小変化群、(3)ループス腎炎、(4)糖尿病性腎症、(5)IgA腎症、 (6)巣状糸球体硬化症、(7)悪性腎硬化症、(8)膜性腎症、(9)腎アミロイドーシス 3.以下の糸球体腎炎ないしは腎症の中で低補体血症を特徴とするのはどれか。 (1)膜性腎症 (2)急性糸球体腎炎 (3)IgA腎症 (4)巣状糸球体硬化症 (5)糖尿病性腎症 A.(2) 他にはSLE,膜性増殖性糸球体腎炎 4.急性腎不全の病態を表す語句を下の選択肢の中から2つずつ選べ。 1)腎後性急性腎不全 (3).(4) 2)腎性急性腎不全 (1).(5) 3)腎前性急性腎不全 (2).(6) 【選択肢】(1)急性尿細管壊死、(2)FENa1未満、(3)前立腺癌、(4)腎瘻術、(5)抗生物質、(6)心不全 E. 腎・高血圧 E - 55 E - 55 5.いわゆる高齢者の腎疾患として、頻度が高い疾患はどれか。 (1)ANCA関連糸球体腎炎 (2)溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (3)膜性腎症 (4)Fanconi症候群 (5)ループス腎炎 A(1、2)、B(1、3)、C(1、4)、D(2、3)、E(2、5) A.B 6.次の症例についての質問に答えよ。【症例】75歳、男性。主訴:腰痛、体重減少。 検尿:尿蛋白;テステープ法(.)、ズルホサルチル酸法(+).尿潜血反応(.)、尿糖(±) 血液生化学検査:血清クレアチニン 3.8mg/dL、BUN 68mg/dL、Ca 11.3mg/dL. 【問1】疾患としては何が最も考えられるか?次のうちから選べ. (1)IgA腎症 (2)多発性骨髄腫 (3)腎後性急性腎不全 (4)急性尿細管壊死 (5)糖尿病性腎症 【問2】その診断を選んだ根拠を記述せよ。 A.(2) テステープ法(.).Bence Jones蛋白の偽陰性 ズルホサルチル酸法(+).感度の高い検査 尿潜血反応(.) 血清クレアチニン上昇(正常値0.8から1.3mg/dl) BUN上昇 (正常値8から20mg/dl) Ca上昇(正常値8.6から10.2mg/dl) 7.次のような病歴、現症、入院時検査所見を示した例で腎生検をおこなった。予測される組織像としてどれが最も考えられるか. 【症例】38歳、女性、【主訴】嘔気、食欲不振。既往歴、家族歴、生活歴に特記事項なし。 【現病歴】6月中旬、上気道炎(発熱39)罹患。近医で抗生物質と、解熱薬を投与され軽快。7月3日、尿蛋白(±)、血清クレアチニン値1.6mg/dL.7月5日、血清クレアチニン値3.6mg/dLと上昇し、腎障害の精査.治療を目的に入院。 【入院時現症】血圧144/86mmHg、脈拍72/分、皮疹.浮腫.リンパ節腫脹なし。 【入院時検査所見】検尿;蛋白(±)、血尿(±)、糖(+)、尿沈査(一部好酸球を認める)。検血;赤血球415万/μl、Hb12.0g/dL、白血球9300/μl、血小板23.2万/μl. 血液生化学的検査;TP 6.8g/dL(Alb 3.5g/dL)、BUN 54mg/dL、Creat 4.5mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 111mEq/L 血清学的検査;CRP 1.2mg/dL、CH50 31、ANF(-)、ANCA(-). 腎径(腎エコー)右13cm、左13.5cm、水腎症なし、 Gaシンチグラフィー:両腎に有意のRI取り込み像を認める。 【選択肢】 (1)半月体形成性腎炎、(2)急性間質性腎炎、(3)膜性増殖性糸球体腎炎、(4)糖尿病性腎症、(5)微小変化群 A.(2) 血中好酸球が認められる。βラクタム系抗生物質の投与により、間質に浮腫を生じる急性間質性腎炎を起こしたとかんがえる。 8.人工腎臓(血液透析、腹膜灌流)によって速やかな改善が期待できる病態として正しい組み合わせはどれか。 (1)肺水腫 (2)代謝性アシドーシス (3)高カリウム血症 (4)腎性貧血 (5)尿毒症性末梢神経障害 A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、4、5)、D(2、3、4)、E (3、4、5) A.A E. 腎・高血圧 E - 56 E - 56 9.肝不全の患者で低Na血症(118mEq/L)を有し、輸液治療で、低Na血症の補正を試みた。3日後、血清Na濃度は165mEq/Lと上昇し、意識障害が発現した。適切な臨床診断は次のうちどれか。 (1)急性硬膜下血腫 (2)脳出血 (3)橋中心髄鞘崩壊症 (4)クモ膜下出血 (5)多発性硬化症 A.(3)脳細胞脱水により起こる。 10.次の症例の第一選択薬はどれか。 【症例】60歳、男性。血痰、全身倦怠感、微熱、蛋白尿(3+)、顕微鏡的血尿、血圧160/96mmHg、血清カルシウム8.6mg/dL、血清リン 5.4mg/dL、血清カリウム5.4mEq/L、血清クレアチニン5.2mg/dL、BUN72mg/dL、C-ANCA 100EU、血液ガス(pH 7.36、PO2 56mmHg、PCO2 35mmHg)、胸部X線撮影で多発性の境界不明瞭な浸潤影。 (1)活性型ビタミンD (2)副腎皮質ステロイド (3)ループ利尿薬 (4)経口活性炭吸着薬 (5)アンジオテンシンII変換酵素阻害薬 A.(2) Wegener肉芽腫である。(C.ANCA陽性。) 11.臨床的所見として以下のような特徴を有する糸球体疾患として最も考えられる疾患名を記入せよ。 1)学校検診や職場の健康診断での検尿異常(蛋白尿、血尿)や肉眼的血尿で発見される。 2)咽頭・扁桃炎罹患後に、急激に乏尿、浮腫、高血圧を呈して発症する。 3)若年者で、急激に進行する浮腫で気付く。 4)高齢者で、蛋白尿が陽性の期間が長く、徐々に浮腫が進行することで気付く。 5)高齢者で、呼吸器感染症罹患後から急激に尿毒症状態を発症する。 A.1)無症候性血尿・蛋白尿 2)急性糸球体腎炎(溶連菌感染後) 3)小児ネフローゼ症候群 4)慢性糸球体腎炎 5)尿毒症肺 12.次のような患者が救急車で搬入された。病歴と主な緊急検査所見を提示する。以下の設問に答えよ。 【患者】56歳、男性【家族歴】父が尿毒症で死亡。兄弟3人が慢性透析療法を施行中。 【現病歴】5年前に腎臓が悪いといわれた。この3年間で腹部の腫瘤が増大し、最近、食後の腹部膨満感が高度になってきた。10日前より風邪をひき食欲が低下し、水も飲まず家で寝ていた。この2・3日は尿量も減ってきた。ある日、姉が尋ねていった時、呼びかけにも応じなかったので、すぐに救急車を呼び搬送されてきた。 外来受信時の緊急検査所見:末梢血:Hb11g/dL、Ht 34%、WBC10,800/μl、血小板12万/μl 動脈血ガス;pH 7.14、HCO3 6mEq/L、PO2 98mmHg、PCO2 17mmHg. 電解質;Na 156mEq/L、K 5.0mEq/L、Cl 118mEq/L. 血液生化学;BUN 140mg/dL、クレアチニン3.2mg/dL、HbA1c 4.5% 【問1】 アニオンギャップ (mEq/L) を計算せよ。 A.アニオンギャップ=Na.(Cl+HCO3)=156.(116+6)=32 【問2】本例の体液異常の是正を輸液療法で行う場合、主体となる薬剤(溶液)の組み合わせはどれか。 (1)生理食塩水 (2)重炭酸ナトリウム (3)血液(輸血) (4)5%ブドウ糖 (5)KCl A(1、2)、 B(1、3)、 C(1、4)、 D(2、3)、 E(2、5) A.E 【問3】慢性腎不全の原因疾患としては、どれが最も考えられるか。 (1)本態性高血圧症 (2)IgA腎症 (3)腎アミロイドーシス (4)多発性嚢胞腎 (5)糖尿病性腎症 A.高K血症、尿毒症によるアニオンギャップ上昇、常染色体優性遺伝する、腫瘤に触れる。高血圧。 →(4)