腎・高血圧 / 概説 / 小児


腎・高血圧

<小児> 【1】下記の文章より正しいものを2つ選べ。 A) 胎児期の両腎の無形成や極度の低形成、異形成、嚢胞腎、尿路の閉塞等による羊水過多は胚低形成の原因となり、Potter症候群と呼ばれている。 B) 幼児の血清クレアチニン値1.0mg/dLは正常値である。 C) 年齢が低い程体内総水分量の割合は多いが、細胞外液量は比較的一定である。 D) 学校検尿で反復性尿路感染症を発見した場合には排泄性膀胱造影等を行い、膀胱尿管逆流現象等の先天成人・尿路奇形の発見に努める。 E) 小児は成長期にあるので腎疾患の存在で栄養障害、発育障害をきたしうる。 (解答)B、D、E、?)A.×羊水過多→羊水過少。C.×細胞外液量は年齢とともに減少していく。 【2】小児のネフローゼ症候群について下記の文章より正しいものを2つ選べ。 A) 小児のネフローゼ症候群の約9割が原発性腎疾患で、そのうち微小変化型ネフローゼ症候群が約50%を占める。 B) 微小変化型ネフローゼ症候群の好発年齢は3〜6歳で、男女比は約2:1で男児に多い。 C) 微小変化型ネフローゼ症候群では、電顕所見として上皮細胞下に特徴的なhampが見られる。 D) 重大な合併症である血栓症は腎をはじめとする各部位の深部静脈に多発する。 E) 微小変化型ネフローゼ症候群の9割以上はステロイド剤に反応し完全寛解するが、2割程度は再発する。 (解答)B、D)A.×微小変化群は原発性腎疾患の85%。B.○C.hamp→hump。Humpは急性糸球体腎炎に特徴的。とりあえず×。D.○E.×再発は70%くらい。 【3】Henoch-SchoIein?紫斑病について下記の文章より正しいものを二つ選べ。 A) 三大症状とは、皮膚症状、腹部症状、腎炎症状である。 B) 全身性の血管炎がその病態と考えられ、細静脈を主病変とする。 C) 出血時間、凝固時間の延長とともに、凝固第XIII因子活性の低下がみられることがある。 D) 腎不全が発症するのは8週以降である。 E) 腎炎合併例では糸球体のメサンジウム領域にIgA腎症と同様のIgAの沈着がみられる。 (解答)B、E)A.三大症状は皮膚、関節、腹部の3つ。B.○C.出血時間、凝固時間ともに正常である。D.腎炎が1wで発症し(腎炎の予後自体は比較的良好、数週で軽快)、5%が急速進行性腎炎となり、あっという間に腎不全になる。いずれにしても「8週」というのは誤りだと考えられる。E.○ 【4】急性糸球体腎炎について下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1) あらゆる年齢に発症するが、好発年齢は5〜12歳である。 2) 血尿、蛋白尿、高血圧が三大主徴である。 3) 肉眼的血尿はほぼ必須の所見である。 4) 通常では溶連菌による咽頭感染の1〜2週間後に発症する。 5) C3、CH50などの低補体血症が認められ、遷延化することが多い。 E. 腎・高血圧 E - 33 E - 33 (解答)おそらく34)1.5〜12ではなくて3〜10だと思います。2.蛋白尿は主徴に入ってこない。3.50%に見られる。(必須かどうかは怪しいですが)4.○5.遷延化はしない。全例で2m以内に回復。

小児 問1.腎機能の発達について正しいものを一つ選べ。 A)糸球体は出生後も新生を続ける。 B)GFRは2歳ころまでに成人とほぼ同じレベルに達する。 C)新生児の尿希釈力は成人に比べて低い。 D)尿濃縮力は生後1ヵ月時にほぼ最大に達する。 E)新生児の蛋白尿は正常である。 <解答>B 出生時のGFRは成人の1/5、2週間後には2/5、2ヶ月で1/2、2〜3歳で成人レベル <解説>A× 在体34週までに糸球体の形成は完了 C× 新生児の尿希釈力は成人レベル D× 新生児の尿濃縮力は成人の約1/2、生後約3か月で成人レベル。 E? 問2.小児のネフローゼ症候群について下記の文章より正しいものを二つ選べ。 A)小児のネフローゼ症候群の約9割が原発性腎疾患で、その内微小変化型ネフローゼ症候群が約50%を占める。 B)微小変化型ネフローゼ症候群の好発年齢は3〜6歳で、男女比は約2:1で男児に多い。 C)微小変化型ネフローゼ症候群では電顕所見として上皮細胞下に特徴的なhumpがみられる。 D)重大な合併症である血栓症は腎動脈に多い。 E)微小変化型ネフローゼ症候群の9割以上はステロイド剤に反応し完全寛解するが、その7割は再発し、2〜4割程度がステロイド依存性、頻回再発する。

E. 腎・高血圧 E - 38 E - 38

解答>B、E <解説>A× 微小変化型ネフローゼ症候群が約85%を占める。 C× 電顕で糸球体上皮足突起の癒合がみられる。 D× 合併症:腎静脈血栓症 問3.Henoch-SchoIein?紫斑病について下記の文章より正しいものを二つ選べ。 A)三大症状とは、皮膚症状、腹部症状、腎炎症状である。 B)全身性の血管炎がその病態と考えられ、細静脈を主病変とする。 C)出血時間、凝固時間の延長とともに、凝固第XIII因子活性の低下がみられることがある。 D)腎炎の合併は約10%である。 E)腎炎合併例では糸球体のメサンジウム領域にIgA腎症と同様のIgAの沈着がみられる。 <解答>B、E <解説>A× 3主徴は皮膚症状、関節症状、腹部症状。 C× 出血時間、凝固時間は正常。 D× HSPの40〜80%に尿異常が見られると報告されている。 問4.下記の文章より正しいものを二つ選べ。 A)溶血性尿毒症症候群(HUS)の三徴は、下痢症、溶血性貧血、腎障害である。 B)HUSは腸管出血性大腸菌感染症(VTEC)感染症者の約80%に発症する。 C)ネフリン(nephrin)は糸球体上皮細胞足突起間のスリット膜部に存在する蛋白で、先天性ネフローゼ症候群のフィンランド型(finish type)はこの異常により発症する。 D)先天性腎性尿崩症II型では集合尿細管の管腔側の水チャネル(aquaporin2:AQP2)の遺伝子異常が指摘されており、常染色体劣性遺伝形式をとる。 E)小児慢性腎不全の原因として腎尿路奇形の頻度は低い。 <解答>C、D <解説>A× 3主徴は溶血性貧血、血小板減少、急性腎機能障害。 B× 10%に発症する。 E× 腎尿路奇形が最多である。 問5.次の文を読み、以下の問いに答えよ。 13歳の女児。学校集団検尿で蛋白尿と血尿を指摘され来院した。身体的には異常を認めない。血圧128/70mmHg、尿所見(来院時):蛋白3+、潜血2+、沈渣に赤血球25〜40/1視野、白血球6〜8/1視野、穎粒円柱1/1〜2視野。血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、尿素窒素16.3mg/dl、クレアチニン0.9mg/dl、総コレステロール200mg/dl。CH50 10単位以下。ASO 300単位。 1.診断のためにまず行うのはどれか。 A)尿中β2ミクログロブリン測定 B)血清抗核抗体測定 C)超音波検査 D)係静脈性腎孟造影 E)排泄性膀胱造影 2.考えられる疾患はどれか。 1)IgA腎症 2)膜性腎症 3)ループス腎炎 4)膜性増殖性糸球体腎炎 5)巣状分節状糸球体硬化症 A(1、2)、B(1、5)、C(2、3)、D(3、4)、E(4、5) 1.2.<解答>? <解説>血清総蛋白量よりネフローゼではないので、4、5は除外。

小児 問1. 下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1)胎児期の両腎の無形成や極度の低形成、異形成、嚢胞腎、尿路の閉塞等による羊水過少は肺低形成の原因となり、Potter症候群と呼ばれている。 2)幼児の血清クレアチニン値1.0mg/dLは正常値である。 3)年齢が低い程体内総水分量の割合は大きいが、細胞外液量は比較的一定である。 4)脱水症の初期治療において初期急速輸液にはカリウムを多く含む細胞外型輸液製剤を用いることが一般的である。 5)小児は成長期にあるので腎疾患の存在で栄養障害、発育障害をきたしうる。 解答 1,5 解説 2)× 幼児の血清クレアチニン値は0.3〜0.6 mg/dLが正常。 3)× 比較的一定なのは細胞内液量。細胞外液量は外界の影響を受けやすい。 4)× カリウムを含まない輸液を、循環血液量の回復を目的として行う。

E. 腎・高血圧 E - 48 E - 48 問2. 急性糸球体腎炎について下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1)あらゆる年齢に発症するが、好発年齢は3〜10歳である。 2)蛋白尿、高血圧、浮腫が三大主徴である。 3)肉眼的血尿はほぼ必須の所見である。 4)通常では溶連菌による咽頭感染の1〜2週間後に発症する。 5)C3、CH50などの低補体血症が認められ、遷延化することが多い。 解答 1,4 解説 2)× 蛋白尿→血尿 3)× 顕微鏡的血尿を含めるとほぼ全例に血尿があるが、肉眼的には半数以下。 5)× 低補体血症は認められるが、通常3〜4ヶ月以内に臨床的治癒。95%が完治する。 問3. 小児のネフローゼ症候群について下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1)小児のネフローゼ症候群はまず腎生検を行い、組織型を確認して治療方針を決定する。 2)小児のネフローゼ症候群の約9割が原発性腎疾患で、そのうち微小変化型ネフローゼ症候群が約50%を占める。 3)微小変化型ネフローゼ症候群の好発年齢は3〜6歳で、男女比は約2:1で男児に多い。 4)重大な合併症である血栓症は腎動脈に多い。 5)微小変化型ネフローゼ症候群の9割以上はステロイド剤に反応し完全寛解するが、その7割は再発し、2〜4割程度がステロイド依存性、頻回再発する。 解答 3,5 解説 1)× ステロイドに対する反応性により、病理学的診断を推測。腎生検の適応・治療方針決定。 2)× 50%→85% 4)× 合併症は腎「静脈」血栓症、ショック、急性腎不全 問4. Henoch-Scholein紫斑病について下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1)三大症状とは、皮膚症状、腹部症状、腎炎症状である。 2)全身性の血管炎がその病態と考えられ、細静脈を主病変とする。 3)出血時間、凝固時間の延長と共に、凝固第XIII因子活性の低下がみられることがある。 4)腎炎の合併は約10%である。 5)腎炎合併例では糸球体のメサンギウム領域にIgA腎症と同様のIgAの沈着がみられる。 解答 2,5 解説 1)× 腎炎症状→関節症状 4)× 3分の1 3)× 凝固第XIII因子活性の低下がみられることはあるが、出血時間、凝固時間は正常。 問5. 下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1)溶血性尿毒症症候群(HUS)の三徴は、下痢症、溶血性貧血、腎障害である。 2)HUSは腸管出血性大腸菌感染症(VTEC)感染症者の約80%に発症する。 3)眼脳腎症候群(Lowe症候群)では眼症状、神経症状と共に、近位尿細管性アシドーシスを呈する。 4)先天性腎尿崩症II型では集合尿細管の管腔側の水チャネル(aquaporin 2:AQP2)の遺伝子異常が指摘されており、常染色体劣性遺伝形式をとる。 5)Bartter症候群はヘンレループにおけるナトリウムの再吸収障害により低カリウム血症、代謝性アシドーシスをきたす。 解答 3,4 解説 1)× 下痢症→血小板減少 2)× 約10%。HUSの8割程度はVTECが原因 5)× ヘンレループにおけるNaCl?の再吸収障害→低カリウム血症、代謝性アルカローシス。 E. 腎・高血圧 E - 49 E - 49 問6. 下記の文章より正しいものを2つ選べ。 1)微小変化型ネフローゼ症候群では電顕所見として上皮細胞下に特徴的なhumpが見られる。 2)ネフリン(nephrin)は糸球体上皮細胞足突起間のスリット膜部に存在する蛋白で、先天性ネフローゼ症候群のフィンランド型(Finnish type)はこの異常により発症する。 3)学校検尿で発見された蛋白尿単独陽性例のうち体位性蛋白尿は立位あるいは前弯負荷にて蛋白尿が陰性化する。 4)小児慢性腎不全の原因として腎尿路奇形の頻度は低い。 5)小児の慢性腎不全において維持透析としては腹膜透析(CAPD)が第一選択である。 解答 2,5 解説 1)×humpは急性糸球体腎炎で特徴的に見られる所見。 3)×陰性化→出現 4)×44.4%。