消化管 / 卒試 / 05


消化管

2005年度卒業試験(復元) 平成17年11月1日実施 1人1人に問題等が入った封筒を手渡し、それぞれ学籍番号を振っており、持ち帰りは超困難。全部で75問、そのうち画像問題が20問。傾向は国試に近づく(易化)。画像は典型的なものばかりなので国試問題集で慣れておけばよい。治療(抗癌剤)、遺伝子についてマニアックな問題が数問みられたが、その他は悩むような問題は少なかった。 【1】次のうち正しいものの組み合わせ a.吐血によるものは暗褐色を呈することが多い。 b.喀血による喀血物は強酸性のものが多い。 c.テネスムスは十二指腸潰瘍により起こることが多い。 d.頭痛に伴う嘔吐は腹痛を伴うものが多い。 e.上部消化管出血に伴う下血は黒色が多い。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de 解答 2 a:血液が胃酸によって酸化されコーヒー残渣様になる。 【2】上部消化管造影X線検査について正しいのはどれか? a.消化管の蠕動運動を抑制するため、抗コリン薬を投与する。 b.胃液や残渣の貯留があると、粘膜へのバリウムの付着が不良となる。 c.充満法は、胃角を含む胃の辺縁の評価に有用である。 d.二重造影法は、粘膜の微細構造の評価に適している。 1.a),c),d) 2.a),b) 3.b)c) 4.d) 5.a〜dの全て 解答 5 【3】注腸造影検査について正しいもの a.大腸内の便や残渣を少なくするため下剤を用いた前処置が必要 b.腸の蠕動運動を抑えるため抗コリン薬を用いる c.胃透視よりも低濃度のバリウムを用いる d.バリウムと空気を経肛門的に注入する 1 acd 2 ab 3bc 4 d 5 全て 2004 概説 3と類似 解答 5 【4】次のうち正しい組み合わせはどれか a.クローン病と潰瘍性大腸炎はCTで容易に鑑別できる。 b.虫垂炎の診断にCTは有用である。 c.炎症性腸疾患と大腸癌はCTで鑑別できる。 d.消化管癌の深達度診断にはMRIが極めて有用である。 1)a,c,d 2)a,b 3)b,c 4)d 5)全て <解答> 3 <解説>2004年卒試14.と同じ問題。解説一部修正。 a.これらの鑑別には内視鏡や透視が必要。 b.虫垂壁肥厚や造影剤で濃染される等の所見が有用。 c.大腸癌は腫瘤としての壁肥厚が見られる。炎症性腸疾患はCTではわかりづらい。 d.消化管癌の深達度診断は造影X線透視と内視鏡・超音波内視鏡で行う。 【5】正しい組み合わせはどれか? a. モリソン窩とは肝右葉上部背側の無漿膜野である b. CT上で肝右葉上部背側に液体が認められれば、それは腹水である c. 膵臓は後腹膜臓器であり、頭部から尾部まですべて後腹膜にある d. 癌性腹膜炎のCT診断は、腹水が認められなくても可能なことがある 選択肢不明 解答d a:モリソン窩は肝腎窩 b:胸水の場合もある c:膵尾部は腹腔内 d:massでわかることがある A. 消化管・腹膜 A - 2 A - 2 【6】正しいものを選べ。 (a)イリノテカンの頻度の高い副作用の1つは下痢である。 (b)ドセタキシルは代謝拮抗剤である。 (c)シスプラチンは大腸癌の適応はない。 (d)ジェムシタビンは膵癌に適応がある。 1)a.c.d 2)a.b 3)b.c 4)すべて 解答 1 【7】胃癌に対する化学療法について正しいものを選べ。 a.胃癌の肝臓転移がある症例では化学療法より手術を選択する。 b.根治術後の進行胃癌に対する補助的化学療法は標準治療として認められている。 c.5-FUの主な副作用は末梢神経障害である。 d.塩酸イリノテカン(CPT-11)は胃癌に適応がある。 1.acd 2.ab 3.bc 4.dのみ 5.全部 解答 1?4? b:確実な延命効果を証明したevidenceは乏しい。 【8】モルヒネに対する記述のうち正しいものはどれか a.モルヒネは依存症患者を作りやすい b.モルヒネの長期使用は困難である c.モルヒネの使用は生命予後を悪化させる d.モルヒネには便秘や眠気などの副作用がある 1.a.c.dのみ 2.a.bのみ 3.b.cのみ 4d.のみ 5.a〜dのすべて 解答 4 【9】癌と遺伝子について正しいものはどれか。 a.食道癌においてはp53遺伝子異常ががん化や癌の伸展に関与していると考えられている。 b.N-myc増幅は先天性胆道閉鎖症によく見つかる遺伝子異常である。 c.家族性大腸腺腫症は第5染色体長腕のAPC遺伝子異常に起因する疾患である。 d.人の遺伝子数は約3万個である。 1. a,c,d 2. a,b 3. b,c 4. d 5. a〜dすべて 解答 1 a.○ b.神経芽細胞腫に特徴的 c.○ d.諸説あるが選択肢より○ d.2〜3万弱と判明。 【10】遺伝子に関する記述について正しいものはどれか。 a.RNAの塩基配列に基づいてアミノ酸を繋げる事を転写という。 b.DNAは1本のポリヌクレオチド鎖である。 c.DNAの遺伝子情報に基づきmRNAを作る事を翻訳という。 d.DNAには発現を調節する部分がある。 1.a,c,d 2.a,b 3.b,c 4.dのみ 5.a-dすべて 解答 4 【11】次の組み合わせで関連痛でないものを選べ。 a.胆嚢炎:右肩甲痛 b.膵炎:左肩甲痛 c.心筋梗塞:心窩部痛 d.急性虫垂炎:右下腹部痛 e.過敏性腸症候群:左下腹部痛 1 a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e 解答 5 dは腹膜に波及する体性痛 eは内臓痛 【12】緊急手術の適応疾患を選べ。 a.急性膵炎 b.虚血性腸炎 c.卵巣嚢腫茎捻転 d.絞扼性イレウス e.大腸憩室炎 1.ab 2.bc 3.cd 4.de 5.ae 解答 3 b:急性腸間膜動脈閉塞症とは違う。壊死、穿孔などない限り内科的治療。 A. 消化管・腹膜 A - 3 A - 3 【13】癌性疼痛に使用しない薬はどれか。 a.塩酸モルヒネ b.ナプロキセン(ナイキサン) c.アセトアミノフェン d.リン酸コデイン e.臭化スコポラミン(ブスコパン) <解答> e(過去問頻出) 【14】正しい組み合わせを選べ。 a.唾石は耳下腺に好発する。 b.舌前2/3の味覚は顔面神経の枝である鼓索神経により支配されている。 c.味覚は不安、睡眠不足、うつ傾向にも影響を受ける。 d.がま腫は舌下腺に多い。 e.味蕾は舌と口唇のみに存在する。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde 解答 4 a:顎下腺に好発。e:咽頭、喉頭にも存在する。 【15】扁桃について正しい選択肢を選べ。 a.咽頭扁桃肥大症は滲出性中耳炎の原因となる b.扁桃病巣感染症では扁桃摘出術は禁忌である c.扁桃周囲膿瘍の治療は切開排膿が第一選択である d.IgA腎症は扁桃病巣感染症の一つである 1a.c.d 2a.b 3b.c 4d 5a-dすべて 解答 1 【16】正しいものを選べ。 a)嚥下の第一相(口腔期)は随意運動である。 b)Plummer-Vinson症侯群では舌炎、ビタミンB12欠乏性貧血、嚥下困難がみられる。 c)舌の白板症は前癌病変である。 d)伝染性単核球症は肝機能障害に注意する。 1)a,c,d (2)a,b (3)b,c (4)dのみ (5)すべて正しい 解答:(1) a:○第一相は、食物塊を舌の運動で咽頭にまで送り込む運動(口腔期、随意運動)、第二相は、咽頭壁の収縮によって食物塊を食道に押し込む運動(咽頭期、半不随意運動)、第三相は、食道の蠕動運動によって食物塊を胃にまで送り込む運動(食道期、不随意運動)。 b:×Plummer-Vinson症侯群は鉄欠乏性貧血。 c、d:○ 【17】食道の解剖で誤っているものを選べ。 a.食道粘膜は重層扁平上皮である。 b.頸部食道と胸部食道の境界は胸骨上縁である。 c.食道は後縦隔にあり左主気管支の後ろを通る。 d.食道は3ヶ所の生理的狭窄部位を持つ。 e.食道の最外層は漿膜に覆われている。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 5 【18】食道の運動に関して正しいものはどれか。 a.上部食道括約筋は嚥下時に弛緩する b.一次性蠕動波は食物が下部食道壁を伸展することにより起こる c.二次性蠕動波は嚥下反射に引き続き誘発される。 d.下部食道括約筋は嚥下に引き続き収縮する。 e.ガストリンは下部食道括約筋を収縮させる。 1)a,b 2)a,e 3)b,c 4)c,d 5)d,e 解答 2 bcの一、二次は逆。 A. 消化管・腹膜 A - 4 A - 4 【19】食道癌について正しい記述を選べ。 a.食道癌の壁深達度が粘膜下層までのものを早期癌という。 b.粘膜内癌のうち、粘膜筋板に及んでいないものは、リンパ節転移の頻度が低い。 c.わが国の食道癌は腺癌が多い。 d.食道扁平上皮癌は、肺癌に比べて放射線感受性が低い。 e.食道扁平上皮癌はトルイジンブルー染色にて不染帯となる。 (1)a (2)b (3)c (4)d (5)e 解答 2 a:粘膜層まででリンパ節転移(−)を早期癌 e:ルゴールで不染帯 【20】食道疾患に関して正しいものを選べ。 a.食道アカラシアでは下部食道括約筋(LES)の弛緩不全が見られる。 b.逆流性食道炎の治療薬としてPPIが用いられる。 c.食道アカラシアの治療法として内視鏡的噴門拡張術がある。 d.発赤所見を伴った食道静脈瘤は内視鏡的硬化療法の適応ではない。 e.食道裂孔ヘルニアではLES圧が上昇している。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde 解答 1 2004年概説(51)と同一でした。 【21】食道癌についてまちがっているものをひとつ選べ 1 2異型上皮はルゴールで不染体を呈する 3エコーはリンパ節転移の検出に有用である 4治療方針決定に内圧検査が有用である 5病期決定にはCT・MRIが有効である。 解答 4 【22】食道癌の治療について正しいもの1つを選べ。 a.全周性の病変に対するEMRは狭窄をきたしやすい。 b.sm癌はEMRの絶対適応である。 c.化学療法はシクロホスファミド、メトトレキサート中心である。 d.胃癌に比べ放射線感受性は低い。 e.術後合併症として嗄声は少ない。 解答 a c:シスプラチン、5FU d:放射線療法も重要な治療の選択肢 e:反回神経が近くを通る 【24】次の文章のうち、誤っているものの組み合わせを選べ。 a.肝硬変患者の吐血のほとんどは食道静脈瘤によるものである。 b.腎機能障害は内視鏡的硬化薬注入療法(EIS)の合併症としてみられる。 c.内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)はEISに比べて合併症が少ない。 d.胃静脈瘤にB-RTOは有効である。 e.食道胃静脈瘤から活動性出血を認める時のEVLは無効である。 1.a,b 2.a.e 3.b,c 4.c,d 5.d.e なぜか2004年肝・胆・膵卒業試験51番とまったく同じ問題でした。 過去問の答は2です。 【25】正しいものの組み合わせを選べ。 A.ガストリンは胃酸分泌を促進する B.胃酸は主細胞より分泌される C.ペプシノゲンは高PH下でペプシンに活性化される D.胃酸は2リットル程度分泌される E.セクレチンは胃酸分泌を抑制する 1ABC 2ABE 3ADE 4BCD 5CDE 解答 3 B:壁細胞より分泌 C:低PH下で活性化 A. 消化管・腹膜 A - 5 A - 5 【26】胃腫瘍に関して正しいものはどれか。 a.胃原発の悪性リンパ腫の多くはT細胞性である b.MALTの発生とH.pyroli感染には関連がある c.カルチノイドは胃粘膜下腫瘍の形態をとる d.GISTの治療にはメチル酸イマニチブが用いられる e.胃腺腫は癌化しない 解答 ? BCDは正しいと思います。 【27】次から正しいものを選べ 1.A型胃炎では幽門腺領域に萎縮が見られる 2.A型胃炎では免疫学的機序が関与していると言われている 3.A型胃炎では高ガストリン血症を認める 4.Helicobacter Pyleri感染が関与する胃炎では幽門粘膜は通常よく保たれている 5.固有胃粘膜に萎縮が見られる状態では腸上皮化生がみられることはない 解答 2、3 1、2:A型は体部に萎縮が強く、自己免疫が関与 3:胃酸分泌が低下し、それにともなったガストリン分泌亢進 【28】正しいものをひとつ選べ。 a.Mallory-Weiss症候群は大量出血が多く、手術適応となることが多い。 b.Dieulafoy潰瘍は潰瘍底が浅く、大量出血することは稀である。 c.急性胃粘膜病変は大量出血を来たすことがあり、上腹部痛を来たすことが多い。 d.出血性胃潰瘍の鎮痛剤としてはNSAIDが適切である。 e.薬剤の進歩により出血性胃潰瘍に対する手術は行われなくなった。 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e 解答 3 【29】消化性潰瘍について正しいもの。 a.胃潰瘍は十二指腸潰瘍より穿孔しやすい。 b.十二指腸潰瘍穿孔は前壁に多い。 c.老人の胃潰瘍は高位が多い。 d.オペ適応は穿孔、出血、狭窄である。 e.胃潰瘍は十二指腸潰瘍より高酸であることが多い。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde 解答 4 b:十二指腸球部前壁に多い。 c:高齢者では胃潰瘍>十二指腸潰瘍 【30】胃癌の定型手術(2/3以上の胃切除+D2郭清)について誤っているものを1つ選べ。 a.定型手術は他臓器に浸潤がなく(T3以下)、D2郭清にて、根治度ABが得られるとき施行する。 b.術中に腹膜播種が疑われるときは腹水洗浄細胞診を施行し遊離癌細胞を確認するのが望ましい。 c.切除線と腫瘍縁との距離は肉眼的所見にて設定する。進行癌で、浸潤型または中間型に対しては5cm以上、限局型には3cm以上にするのが望ましい。 d.下部(L)進行胃癌では、脾門部リンパ節(No10)の郭清を行うために脾摘を行うことが多い。 e.噴門部リンパの転移が疑われるときは胃全摘が多い。 解答 e? 【31】胃切除後の合併症について誤っているものを選べ。 a.術前に比べて体重の減少がみられる。 b.噴門側胃切除術後は逆流性食道炎が起こる。 c.食後2、3時間で低血糖が起こる。 d.長年を経過してもビタミンB1欠乏による貧血に注意が必要である。 e.骨粗鬆症、骨硬化症が起こる。 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e A. 消化管・腹膜 A - 6 A - 6 dかeが誤りなのですが、選択肢上一つしか選べません。どちらかが単純なミスプリなのかもしれません。あるいはどちらを選んでも正解なのかも。 【33】正しいものを選びなさい。 a.Virchow転移があると高率に縦隔リンパ節に転移を有する。 b.リンパ節転移は粘膜内癌でもみられる c.胃癌術後再発では肝転移が多い。 d. Schnitzler転移は高分化型胃癌に多い。 e.Krukenberg tumorは閉経前婦人に多い。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde 解答 1 【34】胃癌のstageを決めるのに重要な因子を3つ選ぶ。 a.腫瘍径 b.腫瘍占拠部位 c.進達度 d.リンパ節転移 e.遠隔転移 答え cde 【35】クローン病の治療薬として正しい組み合わせを選びなさい。 a.5-アミノサリチル酸製剤 b.副腎皮質ステロイド c.抗CD20抗体 d.非ステロイド性消炎鎮痛剤 e.抗TNF-α抗体 1.abc 2.abd 3.abe 4.bcd 5.cde 解答 3 【36】次の疾患とX線検査所見の組み合わせのうち、正しいものを選びなさい。 a.クローン病−裂溝 b.腸管ベーチェット−下掘れ潰瘍 c.腸結核−縦走潰瘍 d.クローン病−apple core's sign e.潰瘍性大腸炎−拇指圧痕像 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de 解答 1 b:「下掘れ潰瘍」がどんなものか分かりませんが、多発性のびらんないし 打ち抜き状の潰瘍性病変が特徴。 【37】潰瘍性大腸炎について正しいものを一つ選べ 1、本邦ではクローン病より少ない 2、本邦では圧倒的に女性に多い 3、病変は盲腸から肛門に進展する 4、大腸癌の高危険群である 5、栄養療法が第一選択である 解答 4 【38】大腸癌について正しいものを選べ。 a. 日本における大腸癌の罹患率は、近年増加傾向にある。 b. 重症のイレウスを伴う大腸癌の手術では、一次人工肛門を造設することが多い。(?) c. 右側結腸癌の方が左側結腸癌より頻度が高い。 d. 血中CEA値は、大腸癌の診断に有用である。 (1)acd (2)ab (3)bc (4)d (5)a〜dすべて 解答 2? 【39】消化、吸収に関して正しいものをえらべ a)終末消化は刷子縁膜にて行なわれる。 b)唾液、膵液中のα-アミラーゼにより、タンパク質はオリゴペプチドにまで分解される。 c)ペプシンにより糖質の消化が始まる。 d)ビタミンB1は内因子と結合して、回腸から吸収される。 e)胆汁酸は回腸から再吸収される 1ab 2ae 3bc 4cd 5de A. 消化管・腹膜 A - 7 A - 7 解答 2 bc:αアミラーゼは糖質、ペプシンはタンパク質 d:B12 【40】正しい組み合わせを選べ a.下腹部出血では大腸より小腸疾患が多い b.偽膜性腸炎はクロストリジウムディフィシルのトキシンによる c.虚血性大腸炎は左側が多い d.イチゴゼリー状血便はアメーバ赤痢にみられる e.UCよりクローン病の方が顕血便が多い 1.abc 2.abd 3.abe 4.bcd 5.cde 解答 4 【41】直腸癌の手術において、癌手術の根治度を向上させる目的なのはどれか。 a.自律神経温存手術 b.total mesorectal excision c.側方郭清 d.腹腔鏡補助下手術 (1)acd (2)ab (3)bc (4)d (5)a〜dすべて 解答 3 【42】結腸ストーマの術後早期合併症で正しいものはどれか? a)ストーマ壊死 b)ストーマ周囲皮膚炎 c)狭窄 d)傍ストーマヘルニア 1acd 2ab 3bc 4d 5abcd 解答 5 【45】正しい組み合わせを選べ。 1.エルシニア腸炎は膿瘍を伴う類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。 2.虚血性大腸炎で粘膜の立ち枯れ壊死が特徴的である。 3.腸結核で乾酪壊死を伴う類上皮肉芽腫は特徴的である。 4.アメーバ腸炎で凝固壊死は特徴的である。 5.サイトメガロ腸炎で粘膜内の細胞内封入体が特徴的である。 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde 解答 1?2? 4:融解壊死が特徴 【46】正しい組み合わせを選べ。 a.偽膜性腸炎は、clostridium difficileの毒素による。 b.抗癌剤性腸炎では、奇異な核を有する異型細胞がみられる。 c.腸チフスは、類上皮細胞肉芽腫を認めることがある。 d.O157の腸炎の組織像は、虚血性腸炎のものと類似している。 1 acd 2 bc 3 bc 4 dのみ 5 すべて 解答 5 【47】腸型ベーチェットについて、正しいものはどれか。 a.好発部位は回盲部である。 b.副腎皮質ステロイドが奏効する。 c.完全型ベーチェット病に合併することが多い。 d.浅い輪状潰瘍が特徴である。 e.穿通、穿孔を伴うことは極めてまれである。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de 解答 1 c:消化器病変は副症状。完全型は主症状(口腔粘膜の再発性アフタ潰瘍、皮膚症状、眼症状、外陰部潰瘍が出現したもの) A. 消化管・腹膜 A - 8 A - 8 【49】大腿ヘルニアについて正しい記載はどれか。 1.両側発生することが多い。 2.鼠径靭帯より足側に突出する。 3.大腿動脈の内側に脱出する。 4.嵌頓しやすい。 5.修復はBassini法による。 1.a.b.c 2.a.b.e 3.a.d.e 4.b.c.d 5.c.d.e 解答 4 【50】鼠径ヘルニアについて正しいものを選べ a.男性より女性に多い b.外鼠径ヘルニアより内鼠径ヘルニアの頻度が高い c.内鼠径ヘルニアは嵌頓しやすい d.小児は内鼠径ヘルニアが多い e.mesh-plug法は術後後壁にかかる圧力が小さく、疼痛が少ない 1a 2b 3c 4d 5e 解答 5 a:男に多い。b:外鼠径ヘルニアが鼠径ヘルニアの大部分。c: 内鼠径ヘルニアの嵌頓は稀。 d:小児は外鼠径ヘルニア 【51】胃癌根治手術後に抗癌剤による点滴治療を行っていたところ、指先の皮膚がひどく荒れ、疼痛の訴えがあった。以下のうち正しいものはどれか。 a.症状が強い場合は抗癌剤を中止する。 b.5-FU系薬剤に特徴的な副作用のひとつである。 c.ステロイドが著効する。 d.抗癌剤の内服投与では同様の症状が出現することは少ない。 1.a,c,dのみ 2.a,bのみ 3.b,cのみ 4.dのみ 5.a〜dのすべて 解答 ? 【52】55歳男性。2年前に胃前庭部早期胃がんのために幽門側胃切除をうけた。最近3ヶ月ほど、午後になると全身倦怠感と疲労感が強くなり、会社でも食後2時間ぐらいして横になって休むようになった。時々下痢をする。体重も減少気味である。この病態にたいして正しいのはどれか。 a.食後に高血糖になる。 b.低張性脱水をおこす。 c.運動療法により軽快する。 d.インスリンの反応性過分泌がある。 e.間食をすると症状は軽快する。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde 解答 3 2004卒試40参照 【53】49歳の女性。胃部不快感と体重減少を主訴に来院。上部消化管透視にてスキルス胃癌と診断された。この疾患について正しいのはどれか? a.高年齢層に好発する。 b.内視鏡検査により早期発見しやすい。 c.間質成分の増殖が顕著である。 d.腹膜播種転移を起こしやすい。 e.蛋白漏出を起こしやすい。 1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e 2003概説92番と同じ 解答 4 【54】54歳男性。胃癌で開腹した。遠隔転移を認めず、腹膜播種所見なし。小弯から後壁に及び明らかな漿膜浸潤を認めたが隣接臓器への浸潤がなかった。幽門下リンパ節転移数個疑われる。腫瘍は胃上部にあって、上縁は食道胃接合部から肛門側20mmに離れた。適切な治療は? 1)開胸・開腹による下部食道・上部胃切除 2)胃全摘 3)噴門部胃亜全摘 4)分節胃切除 5)幽門部胃亜全摘 2003概説95番と同じ 解答 2 A. 消化管・腹膜 A - 9 A - 9 【55】65歳女性。ICUに入院中。意識不明で大動脈弁狭窄、閉鎖不全、糖尿病がある。右腹部を硬く触れるため造影CTを施行したところ右結腸(とそのあたりのもう一部分)が濃染。診断は次のうちどれか。 ab(すみません忘れました。両方ともなんとか炎でした) c上腸間膜動脈閉塞症 d腸軸捻転 解答 c cd2つの中からなら心疾患、造影CTからc。 【56】24才、女性、クローン病患者が空腹時の上腹部痛を訴えたため上部消化管内視鏡を施行した。図56に内視鏡写真を示す。描出されている部位はどこか。 1胃噴門部 2胃体部 3幽門前庭部 4十二指腸球部 5十二指腸第二部 答えは恐らく3だと思います (解いた方によると・・図はありません) 【57】大腸内視鏡画像(正常)を選ぶ。正面は行き止まり、左側に隆起(回盲弁) 参照 http://www.dokidoki.ne.jp/home1/idehosp/gif/gif02.html (1)直腸 (2)S状結腸 (3)上行結腸 (4)横行結腸 (5)盲腸 解答 5 【58】67歳男性、2ヶ月前からの右頸部腫瘤と嚥下困難を訴えて来院した。喉頭ファイバーの画像を以下に示す。選択肢で正しいものを選べ。(画像は右の喉頭蓋に腫瘍がある画像でした。) a.診断を確定するために生検を行う。 b.重複癌の恐れがあるため、上腹部の検索を行う。 c.放射線療法が奏功する。 d.早期より嚥下困難を来たす。 1)a.c.d. 2)a.b. 3)b.c. 4)dのみ 5)全て 解答 5 【59】73歳男性、三ヶ月前より固形物が喉につっかえていた。最近になって嚥下困難が増強したため来院。上部消化管造営画像59(a)と胸部CT59(b)を別に示す。この症例の手術に関して誤っているものを一つ選べ。(aは国試97-c画像に類似、bは大動脈肺動脈窓レベルのスライスで、食道から気管後壁への浸潤あり) 1.気管への浸潤に対して、術前放射線化学療法を行う。 2.腹腔内リンパ節への転移に対して、郭清を行う。 3.再発を考慮して、術後の再建は後縦隔経路で行う。 4.術後の呼吸管理をICUで行う。 5.反回神経損傷に対して、気管支鏡検査を行う。 解答 3 3: 後縦隔経路は二期手術が困難になるので「再発を考慮して」と矛盾する。 【60】58歳男性。夕食時飲酒後、血液の混じった食物残渣を嘔吐し、胸痛を訴えていた。翌朝不穏状態となり、救急車で搬送された。来院時血圧80/52、脈拍126、呼吸数32、体温38.4度。皮下気腫と左の呼吸音減弱を認める。白血球1200(12000の誤植かも)、CRP??(高めだったと思う)、動脈血pH7.356、酸素分圧52、二酸化炭素分圧48。CT(よくわからない)と胸写(左肺野が真っ白。一部縦隔気腫っぽい)あり。適切な処置を一つ選べ。←大体こんな内容だったと思う。 a.内視鏡的に止血 b.忘れました。 c.胸腔ドレーンを入れて呼吸状態を改善する。 d.SBチューブで圧迫止血 e.バリウムを使って穿孔の有無を確認する。 (1) a (2) b (3) c (4) d (5) e 解説で… 文章と画像から食道破裂だと思われます。自分の周りは3を選んだ人が多いみたいです。 A. 消化管・腹膜 A - 10 A - 10 【62】32歳女性。生来著患なし。1年半前より腹部重圧感、鈍痛があった。胃十二指腸造影検査で胃体上部の潰瘍瘢痕を指摘された。抗潰瘍薬を服用し、6ヶ月で愁訴はなくなった。今回は3ヶ月前より、体重減少6kg、食欲不振、食後の上腹部の鈍痛が起こるため受診した。腹部は平坦で、抵抗や腫瘤を認めない。胃十二指腸造影写真(図62)を別に示す。最も考えられるのはどれか。 a.胃平滑筋肉腫 b.4型胃癌 c.悪性リンパ腫 d.萎縮性胃炎 e.肥厚性胃炎 胃のX線写真で十分にバリウムが入って、胃の広がった写真が得られていない時にはスキルスを疑う。 解答 b 【63】56歳男性1ヶ月前より上腹部痛出現し近医で上部消化管内視鏡をうけ十二指腸潰瘍と診断された.H.pylori陽性のため5日前より除菌療法をうけていた.前日より1日20回の下痢が出現し血性となったため来院.下行結腸の内視鏡画像(全体に発赤所見のみ)この所見は直腸以外の全大腸に認められた.まず選択すべき治療は何か? a.副腎皮質ステロイドを投与 b.フラジールを投与 c.除菌療法の中止 d.5アミノサリチル酸を投与 e.白血球除去療法を施行 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e 解答 c 抗生物質投与後の急性出血性腸炎か? 【64】70歳男性。既往歴、特になし。 上部消化管内視鏡で胃前庭部に1cmの病変を認めた。(画像:1cmくらいの小さな隆起性病変があった)生検を行ったところ、GroupVの高分化腺癌であった。エコーにて1〜2の低エコー病変を認める。正しい治療方針は? 1.プロトンポンプ阻害薬 2.H.pylori除菌療法 3.内視鏡的粘膜切除(EMR) 4.胃切除術 5.抗癌剤を用いた化学療法 正解は3.ではないかと思います。 【65】56歳女性。突然の上腹部痛で救急外来受診。上腹部内視鏡写真を示す(胃粘膜から出血。潰瘍や隆起性病変はなく、粘膜ひだも正常。おそらくAGMLです)。適切な治療を一つ選べ。 a.抗癌剤 b.内視鏡的粘膜切除 c.PPI d.NSAID e.すいません忘れました。全摘とか、結構ありえん系でした 解答 c 【67】68歳、男性。大腸内視鏡検査のため、下剤を2L内服した直後に腹部膨満感を認めた。CEAは12.0ng/mlであった。次にCTを提示する。bはaよりも尾側の断面である。次のうち正しいものはどれか? ア.拡張しているのは結腸である。 イ.右下腹部で壁の肥厚が認められこの部分が閉塞の原因である。 ウ.腹水は認められない。 1.ア,イ 2.イ,ウ 3.ア,ウ 4.すべて正しい 5.すべて間違い 解答 ? 2004年卒試、71番と同じ。 A. 消化管・腹膜 A - 11 A - 11 【69】69歳男性。一ヵ月前より全身倦怠感があり、近医にて貧血を指摘され(Hb6.9)当院受診。上部、下部内視鏡にて異常を認めなかった。小腸内視鏡を施行したところ、次のような画像所見が見られた。またその組織所見を示す。疾患名を答えよ。 a.クローン病 b.小腸悪性リンパ腫 c.小腸癌 d.小腸結核 e.小腸GIST 上のなかから一つを答えるもので悪性リンパ腫かGISTだと思います。(これも図はなし) 【70】手、足、唇などに色素沈着を伴うポリポーシスの組織写真を示す。正しいものを選べ。 a大腸以外にもポリープの多発を認める b 過誤腫である c 間質に平滑筋細胞が認められないのが特徴である d e 消化器以外の臓器に癌が認められることが多い。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde 解答 2 Peutz-Jeghers症候群 【71】16歳女性。昨夜9時頃に腹痛を自覚、嘔気もあり嘔吐も1回あった。深夜に右下腹部の痛みが増し、本日午前5時に救急外来を受診。生理不順はなく最終月経は2週間前。体温38度、心拍98、血圧124/78、呼吸数18。右下腹部を中心にデファンスあり、マクバニーの圧痛点に圧痛あり、ブルンブルク兆候あり。直腸診で圧痛あり。エコーにおいて右側結腸の浮腫をみとめ、CTにて同部位に腫瘤をみとめる。適切でない処置はどれか(一つだけ選択) a.静脈ルート確保点滴 b.イレウスチューブ挿入 c.鎮痛剤静注または筋注 d.抗生物質静注 e.虫垂切除術 解答 b 典型的な急性虫垂炎の症例と思われますので、b.は必要ないでしょう。まずはルートを確保し、鎮痛鎮静を図りつつ腹膜炎を鎮静化させるべく抗生物質を投与。これだけで治ることもあるが、コントロールできなければ手術。 【72】直腸癌で手術予定の患者の腹部CTを撮ったら図(腹部造影で肝右葉に単発のLDA)のようであった。適切なものを選べ。 a抗癌剤の効果はほとんどない b血管造影でhypervascularである c動注化学療法が第一選択である d他臓器に転移がなければ手術を行うこともある 1acd 2ab 3bc 4d 5全て 解答 4 可能なら切除。転移性肝癌はhypovascularな腫瘍が多い。 【73】54歳男性。新鮮血の下血を認めたため近医受診。大腸造影で73-a、大腸内視鏡で73-bの画像をえた。病変の場所はどこ? a S状結腸 b Rab c Rb d RbP e P 解答 ? (図がありません) A. 消化管・腹膜 A - 12 A - 12 【74】【73】の病変に関して次の記述で正しいものはどれか。 a.側方リンパ節への転移は少ないので側方郭清はいらない b.直腸切断術の適応である c.肝転移があれば手術適応はない d.早期に経口摂取をやめて中心静脈栄養とする 1、acd 2、ab 3、bc 4、d 5、a〜dのすべて 解答 ? (73がわからないので何とも言えません) 【75】胸焼けを訴えて受診した患者さんの、胸部レントゲン(側面像で、胃泡が横隔膜より上に見える)及び内視鏡写真(噴門部を見上げた図で、ECJが食道裂孔より上に見える)を示す。この疾患について正しいのはどれか? a)先天性疾患であり、若年者に多い。 b)自然軽快することは少ない。 c)制酸薬が、症状の改善に有効である。 d)食後の安静臥床が症状改善に有効である。 e)Mesh plug法はこの疾患に対する手術法である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 3 食道裂孔ヘルニア a:乳幼児と高齢者に多く、それぞれ先天性と後天性。 d:食後横にならないこと。