消化管 / 卒試 / 03


消化管

2003年度 卒業試験(復元) メモ:全体としては77問で、そのうち75問がマークシート、残りの2問が耳鼻科からの出題となっていました。 1潰瘍性大腸炎について正しいものはどれか。 a 本邦では女性よりも男性に多い。 b Crohn病よりもり患率が高い。 c 一般人口よりも大腸癌の発生が高い。 d 直腸はり患しないことが多い。 e 栄養療法が治療の第1選択である。 <解答>b.c ×a.そんな報告はない。 ○b.罹患率は、人口10万人に対してCrohn病:15人、潰瘍性大腸炎:53人と多い。 ○c.慢性持続型・若年発症型・全大腸炎型などは、大腸癌の発生リスクが高い。 ×d.直腸から連続性に上行する病変が特徴的。 ×e.栄養療法が主体なのはCrohn病。UCでは薬物が第1選択。解答 b,c 2.次の消化管疾患とX線所見で正しいものを選べ (1)単純性潰瘍−Lead pipe appearans (2)Crohn病−縦走潰瘍 (3)腸結核−偽憩室 (4)腸重積−Coiled spring sign (5)潰瘍性大腸炎−輪状潰瘍 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde <解答>4 ×(1)潰瘍性大腸炎がLead pipe appearansを示す。 ○(2)Crohn病では、回腸末端に好発する縦走潰瘍が特徴的。 ○(3)腸結核、Crohn病などではX線にて偽憩室がみられる。 ○(4)腸重積では、注腸造影にてカニの爪像やcoiled spring signがみられる。 ×(5)輪状潰瘍は腸結核に特徴的。 3.クローン病の治療薬はどれか。 1、副腎皮質ステロイド 2、メサラジン 3、抗TNF−αモノクローナル抗体 4、NSAIDs 5、コルヒチン a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5) <解答>a Crohn病に対しての薬物療法は、重症例にはステロイド、軽症例に対してサラゾピリン(サリチル酸誘導体)やメサラジン(サラゾピリンの改良版)が用いられる。アメリカでは、抗TNF-α抗体が使用されているが、長期的安定性などの評価はまだまだである。5コルヒチンは、痛風の薬。 4.下記の消化管ポリポーシスのうち、遺伝性のものはどれか。 a)Gardner症候群 b)Cowden病 c)化生性ポリープ d)Cronkhite-Canada症候群 e)Peutz-Jeghers症候群 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde 解答 2 2002年卒試 6と同じ問題 ○a)常・優 APC ○b)常・優 PTEN ×c) ×d) ○e)常・優 STK11 5.早期大腸癌の定義はどれか 1 遠隔転移無し 2 内視鏡的切除可能 3 粘膜下層まで 4 粘膜内 5 腺腫 <解答>3 大腸癌の早期癌は、粘膜下層までの病変。転移は問わない。 A. 消化管・腹膜 A - 26 A - 26 6.50歳の男性。昨夜より悪心、嘔吐がおこり、 次第に腹痛が増強してきたため来院した。 腹部単純X線像を下に示す。適切な処置はどれか。 (1) 絶飲食 (2) イレウス管の挿入 (3) 高圧浣腸 (4) 下剤の投与 (5) 栄養輸液 a. (1) (2) (3) b. (1) (2) (5) c. (1) (4) (5) d. (2) (3) (4) e. (3) (4)(5) 解答 b 6.2002年の64番と同じ問題 niveau見られ、小腸イレウス。よってb。高圧浣腸は腸重積の治療。イレウスに下剤はいらない。消化管運動調整剤(ネオスチグミン、プロスタグランジン)が必要。 7.正しいものを選べ a.胃粘液は副細胞、表層上皮細胞より分泌される b.ペプシンは壁細胞より直接分泌される。 c.胃全摘後の患者は悪性貧血をきたすことがある d.胃液の分泌は1日1から2リットルである <解答>a.c.d ○a.そのとおり。 ×b.壁細胞由来の塩酸と主細胞由来のペプシノーゲンから、ペプシンができる ○c.壁細胞由来の内因子欠乏によりVit.B12吸収ができず悪性貧血をきたす ○d.その通り。 8. a.D細胞より分泌されるソマトスタチンは胃酸分泌を抑制する。 b.セクレチンは十二指腸S細胞より分泌される。 c.セクレチンより胃酸分泌が促進される。 d.壁細胞はガストリン刺激後プロテインキナーゼ活性で胃酸を分泌する。 1.abc 2.bcd 3.acd 4.abd 5.全て <解答>4 ○a.ソマトスタチンはガストリンおよび胃酸分泌を抑制する。膵島D細胞からも分泌。 ○b.十二指腸や空腸などのS細胞から分泌。 ×c.抑制される。 ○d.ガストリン刺激により、Caを介してCキナーゼを活性化させる。 9. (1)好酸球性胃腸炎では腹水がみられる (2)蜂巣織胃炎の起炎菌では腸球菌が多い (3)上腸間膜閉塞症では立位腹部単純写真でDouble bubble signがみられる (4)Functional dyspepsiaでは胸やけがみられる (1)ab (2)bc (3)ad (4)ae (5)acd <解答>(5) ○(1)腹水を伴って、著明な粘膜肥厚が特徴的。 ×(2) 溶連菌が多いので× ○(3)上腸間膜動脈性十二指腸閉塞症ではdouble bubble signがみられる。 ×(4) 胸やけの症状などreflux-like dyspepsiaは、GERDに分類。 10.正しいものの組み合わせを選べ。 a迅速ウレアーゼ活性は内視鏡検査を必要としない bPPIはH2ブロッカーより胃酸を強く抑える c十二指腸潰瘍の再発に対してHpの除菌は有効である dHpは糞便中に検出される 1abc 2abd 3acd 4bcd 5全て正解 A. 消化管・腹膜 A - 27 A - 27 <解答>4 ×a.内視鏡を使用し、生検組織のウレアーゼ活性を測る。 ○b.そのとおり。PPIは薬効の持続時間が長い。 ○c.消化性潰瘍を繰り返し、Hp陽性の場合は除菌が必要。 ○d.糞−口感染や口−口感染が感染経路とされている。 11.胃悪性リンパ腫について正しいものを選べ a.潰瘍を形成するものが多い b.開腹手術を行うことは稀である c.大部分は全身リンパ腫の転移である d.Bリンパ球が主体である e.ピロリ菌除菌療法が有効である 1abc 2abe 3bcd 4ade 5cde <解答>4 ○a.潰瘍・びらん・皺襞を形成する。 ×b.治療の第1選択はヘリコバクターの除菌である。 ×c. ヘリコバクターに対する生体の反応が原因であり、MALT(粘膜関連リンパ組織)が形成される。悪性リンパ腫のほとんどはMALTリンパ腫である。 ○d.non HodgkinのB細胞リンパ腫に属する。 ○e.治療の第1選択はヘリコバクターの除菌。 12.正しい組み合わせを選べ a.クローン病と潰瘍性大腸炎においてCTで鑑別は容易である。 b.消化管癌の深達度診断にMRIはきわめて有用である c.炎症性腸炎と大腸癌はCTで鑑別は容易である d.虫垂炎の診断にCTは有用である 1)a 2)a,b 3)c,d 4)d 5)すべて 2004年14と同じ。(上記の通り) 13.正しいもの a肝右葉背側にある無漿膜野のことをモリソン窩という b肝右葉の上部背側にある液体は腹水である c癌性腹膜炎は腹水が認められなくてもCTで診断出来ることがある d膵臓は頭部から尾部まで全て後腹膜内に存在する 1ab 2ac 3c 4bd 5すべて 〈解答〉 4 a) 肝臓右葉と後腹壁との間の腹膜陥凹のうち、右腎臓との間をモリソン窩という。 b) 正しい c) 癌性腹膜炎とは、腹腔内臓器の原発性あるいは転移性癌が腹膜に播種し、さらに腹水が貯留した状態、であるので腹水が認められない場合癌性腹膜炎とは呼べない。 d) 正しい 14.食道の解剖について誤りを一つ選べ 1食道の上皮は重層扁平上皮である 2食道は左気管支の後ろを通る 3筋層は二層の平滑筋からなる 4生理的狭窄部位は3ヶ所ある 5噴門部の構造は逆流防止に重要である 〈解答〉3 1) 正しい 2) 気管分岐部では左気管支の後方を通り、次第に左側に寄り横隔膜は第10胸椎の高さで貫く。 3) 食道の筋層は、上1/3は横紋筋、中1/3は横紋筋と平滑筋の混在、下1/3は平滑筋で構成されている。 4) 食道入口部、気管分岐部、横隔膜貫通部の3つ。 5) 正しい 15.食道の病変について正しい組み合わせを選べ。 a.Zenker憩室は牽引性憩室である。 b.特発性食道破裂は下部食道に起こりやすい。 c.腐食性食道炎は晩期に食道癌を合併することがある。 d.食道アカラシアの原因は神経叢の消失による弛緩不全にある。 e.食道の良性腫瘍で最も頻度の高いのは線維線種である。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde A. 消化管・腹膜 A - 28 A - 28 〈解答〉5 1) Zenker憩室は内圧性である。 2) 正しい 3) 正しい 4) 正しい 5) 食道の良性腫瘍のうち、平滑筋腫が半数を占める。よってそれらは食道の下部に好発する。 16.胸部食道癌の根治手術について正しいものを選べ。 a 左開胸で行う。 b 再建臓器は空腸が第一選択である。 c 再建ルートは後縦隔経路が最短である。 d 胸壁前経路は縫合不全が起こりやすい。 e 反回神経周囲のリンパ節転移の頻度が高い。 1 abc 2 bcd 3 abe 4 ade 5 cde 〈解答〉5 1) 大動脈を避けるため右開胸で行う。 2) 胃、または結腸が第一選択である。 18.絞扼性イレウスについて正しいものを選べ。 a 聴診上腸蠕動音が亢進している。 b 節遮断剤を投与しても腹痛が軽減しない。 c 腹膜刺激症状が認められる。 d 腹部エコーで腹水が認められる。 e 腹部エコーで拡張腸管の腸内容の移動が認められる。 〈解答〉 1) ? 初期では亢進し、進行すると減弱・消失する。 2) 3) 正しい4) 正しい 5) 19.急性出血性直腸潰瘍について a腹痛が先行する b寝たきりの高齢者に多い c?直腸上部の円形単発潰瘍が多い d突然の新鮮血下血で発症する e排便時のいきみが関係する で、選択肢は覚えてませんが三つ正解を選ぶでした 〈解答〉b, d, e 1) 無痛性で急激に発症する 2) 正しい 3) 直腸下部に多発する地図上、あるいは類円形の潰瘍が先行する。 4) 正しい 5) 正しい 20.消化管出血について正しいものを選べ。 a.食道静脈瘤の出血にはエタノール局注が効果的である。 b.胃潰瘍は胃癌より吐血の頻度が少ない。 c.吐血をみたら最初に行うのは緊急内視鏡である。 d.胃潰瘍は動脈性出血を来すことがある。 e.NSAIDsは消化管出血の原因となることがある。 1.ab 2.bc 3.cd 4.de 5.ae 〈解答〉4 1) 硬化剤を注入する。 2) 胃潰瘍のほうが多い。 3) まずはバイタルサインをチェックし、重症度を判定すると同時に必要に応じて、気道確保、血管確保(輸液)、人工呼吸などの救急処置を行なう。次に出血部位を確認するために症状から上部消化管出血が疑われる場合は鼻腔または口腔から、下部消化管出血が疑われる場合には肛門から内視鏡を挿入し、緊急内視鏡検査を行なう。 4) 正しい 5) 正しい 21.AGMLの原因として考えられるものはどれか a絶食 bストレス cNSAID dカルシウム拮抗薬 e抗コリン薬 1ab 2ae 3bc 4cd 5de 〈解答〉3 原因としては暴飲暴食や、ストレス、服薬(特にNSAIDは胃粘膜の防御因子であるプロスタグランジンの合成を阻害するのでAGMLを起こしやすい。)によって起こる。 A. 消化管・腹膜 A - 29 A - 29 24.潰瘍性大腸炎とCrohn病について正しい組合わせを選べ。 a 潰瘍性大腸炎では血管内皮細胞下の泡沫細胞出現が特徴的組織所見といえる。 b 潰瘍性大腸炎では組織学的に杯細胞減少(goblet cell depletion)が特異的所見である。 c 両疾患とも長期(10年以上)経過例ではしばしば癌を合併することがある。 d Crohn病では乾酪性類上皮細胞肉芽腫の出現が特徴的組織所見である。 e Crohn病では全層性炎症や裂溝が特徴的組織所見である。 1 ab 2 ac 3 bd 4 ce 5 de 〈解答〉? (b,e?) 1) 誤り。泡沫細胞はマクロファージが酸化したLDL(低比重リポ蛋白)を貪食し、細胞内に泡沫状の脂肪滴を蓄積し形成され、粥状動脈硬化や黄色腫などに現れる。 2) 正しい 3) Crohn病の大腸癌のリスクは報告によって異なる。いずれにせよ潰瘍性大腸炎に比べてはるかに低い。 4) 非乾酪性肉芽腫。 5) 正しい 25.間違っているものを1つ選べ。('02の33とほぼ同じ) a 口腔、喉頭の悪性腫瘍では高率に消化管、呼吸器に重複癌が認められる。 b う歯、喫煙歴、飲酒歴がある場合には、口腔癌に注意が必要である。 c 口腔癌で最も部位的に多いのは舌癌である。 d 口腔癌の組織型としては腺癌が多い。 e 初期の口腔癌は切除や放射線で治療可能であるが、比較的早期にオトガイ下、 顎下部、頸部に転移をきたす。 1a 2b 3c 4d 5e 〈解答〉4 d) 扁平上皮癌が多い。 26.間違いを1つ選べ。 a 口蓋扁桃に原発する癌は口腔癌に分類される。 b 中咽頭癌の組織は分化度が高い扁平上皮癌が多い。 c 中咽頭癌の原発巣の治療には手術と放射線がある。 d 中咽頭癌の切除に伴う組織欠損は前腕皮弁や大胸筋皮弁によって形成される。 e 頸部リンパ節転移に対しては頸部廓清術が行われる。 <解答>a (2002年概説70参照) 耳鼻科 口腔は前弓までで、それより後ろにある口蓋扁桃は中咽頭に分類されます。 12.間違いをひとつ選べ。 a.下咽頭癌、喉頭癌では声帯が固定していればTNM分類でT2以上である。 b.進行した下咽頭癌症例では化学療法、放射線療法のみでは完全治癒が難しく、咽頭、喉頭、頸部食道合併切除が行われる。 c.下咽頭癌は進行例が多く頸部リンパ節転移の頻度が高い。 d.下咽頭癌の頸部リンパ節転移に対して頸部廓清術が行われる。 e.下咽頭癌の咽頭、頸部食道切除後の再建には遊離空腸を用いることが多い。 答えa. T3以上となる 2001年卒試の12番と同じ 28 右下腹部に腫瘤を触知するのはどれか a回腸悪性リンパ腫 b虫垂炎 c潰瘍性大腸炎 d卵巣嚢腫 1abc 2bcd 3abd 4ad 5すべて 炎症の生じた虫垂を大網が被覆したり虫垂周囲に膿瘍を形成したときには 有痛性の腫瘤を触知する。by Text外科学。 解答 3 A. 消化管・腹膜 A - 30 A - 30 29.虫垂の疾患について正しいものはどれか。 a 虫垂は大腸の中でもカルチノイドの多い部位である。 b 老人の虫垂炎では白血球が上昇しないことがある。 c 虫垂の良性腫瘍でも粘液水腫をきたす。 d 小児の虫垂炎では穿孔は少なく、抗生物質投与による保存的治療が多い。 1 abc 2 bcd 3 abd 4 acd 5 全て <解答>1 (2002年卒試験38参照) 壬生先生 ○a. カルチノイドは良悪性の中間的な性質を有する非上皮性腫瘍ですが、日本では直腸(35%), 胃(30%), 十二指腸(15%)の順に多いとされています。欧米では虫垂(40%), 空回腸(25%), 直腸(15%)ということなので一応○にしました。 ○b . らしいです。痛みの訴えも不明瞭。 ○c. 虫垂良性腫瘍のうち、mucinous cystadenomaがmucoceleをきたすらしいです。 ○d. 小児の虫垂炎は全体の中では頻度が少ないものの穿孔しやすいので注意が必要。 30.クローン病の手術適用で多いのはどれか a癌合併 b狭窄 c瘻孔形成 d腹膜内腫瘍、炎症性腫瘤形成 1ABC 2BCD 3ABD 4ACD 5すべて <解答>1? 壬生先生 ○ a. 若年でも癌発生。Bypass手術した後のloop、また狭窄部位に好発する。 ○ b. 最も多い手術の原因。 ○ c. 膀胱との内瘻、皮膚との外瘻はope。腸管同士の内瘻は狭窄例でope。 ×?d. 腹膜内膿瘍ならばope適応。炎症性の腫瘤(?)ならばまず炎症を鎮めるのでは? 31.直腸癌の手術で、術後のQOLを向上させる目的であるのはどれか。 a.自律神経温存術 b.側方郭清 c.腹腔鏡補助下手術 d.total mesorectal excision (1)ab (2)bc (3)bd (4)ac (5)cd <解答> ? (2002年卒試39参照)壬生 ○ a. 排尿、性機能温存を目的としています。 × b. 側方向リンパ節転移15%ある。郭清による予後改善は不明。 ×? c. Post site recurrenceが問題。QOL高めるのでしょうか。早くから動けるとか? ○ d. 直腸全間膜切除(Total mesorectal excision: TME)は直腸を包む非常に薄い膜を破らずに一つのパッケージとして切除する方法です。骨盤内再発が減少しただけでなく)10〜30%→0〜4%)、J型パウチと機械吻合により、直腸の貯留能を保つことができ、最終的に自然排便を回復することができます。 32.排便の異常を主訴とする疾患はどれか? a直腸癌 b過敏性腸症候群 c子宮内膜症 d直腸粘膜脱症候群 1abc 2bcd 3abd 4acd 5全て <解答> 5 ○ a. 出血(やや粘性のある暗赤色のもの) ○ b. ストレスにより腹痛、下痢(男性に多い)、便秘(女性に多い)、ガス過多など ○ c. 便柱の狭小化、生理に一致した腹痛 ○ d. 出血、排便困難 34.大腸全摘・回腸肛門吻合術の適応となる疾患を選べ。 a 大腸クローン病 b 潰瘍性大腸炎 c 家族性大腸腺腫症 d 慢性便秘症 1 ab 2 bc 3 cd 4 bd 5 ac A. 消化管・腹膜 A - 31 A - 31 <解答>2 壬生先生 × a. skip lesionを形成するし、再発も多いのでopeの場合はできる限り狭い範囲で。 ○ b. 下から順に冒していくので。 ○ c. 癌化する前に予防的大腸切除を。癌死の平均年齢が42歳であることの重みを。 × d. それだけでは。。 36.正しいものの組み合わせを選べ。 a体性痛腹痛はA線維を介して伝達され、鋭い痛みである。 b体性痛腹痛には鎮痛剤が有効である。 c放散痛は内臓性腹痛である。 d内臓性腹痛は限局性・持続性である。 e内臓性腹痛では体動で増悪する。 1abc 2abe 3ade 4bcd 5cde <解答>1 (2002概説4参照) 飯田先生 内臓痛 (C線維) 体性痛(A線維) 発 生 機 序 管腔臓器のspasmや拡張 実質臓器の牽引や腫脹 壁側腹膜、腸間膜、横隔膜の炎症 物理的・化学的刺激 求 心 路 交感神経 脳脊髄神経 性 状 鈍痛、疝痛、周期的、間歇的 突き刺すような痛み、持続的 部 位 腹部の中心線上、対称性、 局在に乏しい 非対称性、限局性 放 散 痛 伴うことあり なし 体動の影響 軽減することが多い 増悪することが多い 自律神経症状 しばしば伴う なし 薬 剤 鎮痙剤が有効 鎮痛剤が有効 手 術 禁忌のことが多い 緊急手術の適応となることが多い 37、正しい組合せを答えよ a、健常人の消化管内の気体量は1000ml程度である。 b、腹膜炎では浸出性腹水が認められる。 c、消化管内の水分の大半は小腸で吸収される。 d、健康人の糞便中水分量は一日100ml程度である。 e、分泌性下痢は絶食により消失する。 1、abc 2、abe 3、ade 4、bcd 5、cde <解答> 4 (2002概説5参照) 飯田先生 × a. 100mlです(嚥下した空気が70%, 血中からの移行が20%、腸内細菌の腐敗発酵が10%)。ただし、排除する系としては90%が血中への移行であることに注意。 ○ b. 炎症により浸出性腹水がでます。 ○ c. in (約9.)のうち、空腸で3-5., 回腸で2-4.と大部分を吸収します。結腸からは1-2.。 ○ d. 糞便中の水分100-200ml/day。 × e. 絶食により消失するのは浸透圧性下痢(ex. 過食、乳頭不耐症などで腸管内浸透圧↑による)。分泌性下痢はホルモン、脂肪酸、エンテロトキシンなどにより腸液分泌過多になったもの。 38.以下のうち、便秘を来たしやすい薬物はどれか(3つ) 1.カルシウム拮抗薬 2.抗コリン薬 3.抗うつ薬 4.麻薬 5.抗生物質 <解答> 2,3,4 三環系抗うつ薬の副作用としてムスカリン受容体遮断(抗コリン作用)が有名です。腸管に分布しているムスカリン受容体に結合して腸管運動を抑制し便秘を引き起こします。よって2,3は正解。麻薬はアヘンでオピオイド受容体(μ受容体)を刺激し、鎮痛、鎮静、呼吸抑制、便秘を引き起こします。 A. 消化管・腹膜 A - 32 A - 32 39.消化管出血に関する次の問に答えよ。 a.吐血による出血は酸性を呈す。 b.喀血による出血は暗赤色を呈す。 c.上部消化管からの出血による下血は鮮紅色を呈す。 d. e.テネスムスは遠位大腸の病変が原因である。 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de <解答>2 ○a.胃酸の影響で酸性となる。また、酸化され暗赤色となる。 ×b.喀血は鮮紅色でアルカリ性。 ×c. 血液が胃酸によって酸化され、さらに腸内細菌叢によって硫化され黒色便ないしタール便となる。 ?d. ○e.テネスムスとは遠位大腸の病変によっておこり、腹痛があって頻繁に便意をもよおすのに、ほとんど便が出なかったり、排便があってもわずかしかない場合をいう。 41.幽門側胃切除で結紮するのは? a 右胃動脈 b 上膵十二指腸動脈 c 胃十二指腸動脈 d 短胃動脈 e 右胃大網動脈 <解答>a,e? 幽門側胃切除では、左右の胃動脈・胃大網動脈を結紮する。(STEP外科2) 残胃には、短胃動脈等により血流が保たれる。 42.胃切除後の障害について、誤っているものを選べ。 a ビタミンB12吸収障害による貧血には、ビタミンB12の内服が有効である。 b 巨赤芽球性貧血は、胃全摘後5〜7年で発生することがある。 c 骨代謝異常による骨粗鬆症の発生をみることがある。 d 輸入脚症候群の手術治療にはBraun吻合がある。 e 吻合部潰瘍の発生頻度は、Billroth II法再建後に多い。 1a 2b 3c 4d 5e <解答>1 ×a.吸収障害のため、筋注すべきである。 ○b.胃切除後、1年で鉄欠乏性貧血、3〜5年でVit12欠乏性貧血を発症する。(yn G-26) ○c.ビタミンD(脂溶性ビタミン)やカルシウムの吸収障害が起こる。 ○d.(yn A-105) △e.Billroth II法に多かったが、現在ではBillrothI法とII法に差はない(yn A-105) 44.胃悪性リンパ腫について正しいものを選べ。 a 潰瘍を形成するものが多い。 b 開腹手術を行うことは稀である。 c 胃癌に比べて予後が悪い。 d 大部分は全身リンパ節の転移である。 e 胃肉腫のなかで最も頻度が高い。 1 ab 2 ae 3 bc 4 cd 5 de <解答>2 ○a.多発潰瘍、びらん、巨大皺壁、辺縁平滑な陰影欠損などを呈する。 ×b.開腹手術が主である。大きさ2〜3cm未満のものにはEMRも。 ×c.予後は進行胃癌よりもよい。 ×d.? ○e.胃肉腫の内訳は、悪性リンパ腫…60% 平滑筋肉腫…30% 46.消化管出血について正しいものを選べ。 (1)胃腫瘍は胃潰瘍より出血をおこす頻度は少ない。 (2)Mallory-Weiss症候群は激しい嘔吐後に発症することが多い。 (3)胃潰瘍は動脈性の出血を来すことがある。 (4)食道静脈瘤の出血は高アンモニア血症の原因とはならない。 (5)消化管出血によりショックをおこすことはない。 a (1)(2)(3) b (1)(2)(5) c (1)(4)(5) d (2)(3)(4) e (3)(4)(5) A. 消化管・腹膜 A - 33 A - 33 <解答> a ○(1) 出血の頻度では胃潰瘍の方が多い。(year note) ○(2) その通り。 ○(3) その通り。 ×(4) 消化管出血といえば、BUN上昇と高アンモニア血症。 ×(5) oozing bleedingとspurting bleedingがあるが、後者は出血性ショックを起こす可能性がある。 47.胃癌の転移について正しいものはどれか。 a 右鎖骨上窩の転移もVirchow転移という。 b リンパ節の転移は粘膜内癌でも認められる。 c 肝転移は高分化腺癌に多い。 d 胃癌手術後再発で最も多いのは腹膜播種性転移である。 e Krukenberg tumorは閉経後婦人に多い。 1 abc 2 abe 3 ade 4 bcd 5 cde <解答>4 ×a.Virchow転移は左鎖骨上窩の転移のこと。 ○b. ○c.高分化型の腺癌では血行性の肝転移が多く、未分化癌では腹膜播種が多い。 ○d.浸潤型胃癌の再発では、癌性腹膜炎を来たすものが多い。(yn A-40) ×e.Krukenberg tumorは閉経後婦人には少ない。(yn A-38) 48.次の中で正しい組み合わせを選びなさい。(2002年概説49.と同一問題) a.固形癌において手術時すでに微小転移が存在している可能性がある。 b.原発巣切除により転移巣が増大することがある。 c.術中操作による腫瘍細胞散布の可能性はない。 d.癌の切除では治癒切除であれば、再発は認められない。 1.a,b 2.a,c,d 4.d 5.全て ※選択肢の数字が明らかに変ですが、特に訂正はありませんでした。 手術中所見と摘出標本所見から見て腫瘍組織の遺残がないと判断されたものを 治癒切除という。その後の再発もある。 解答 1 49.細胞死について正しいものの組み合わせを選びなさい。 (1)細胞死には大きく分けてアポトーシスとネクローシスがある。 (2)抗癌剤は細胞にアポトーシスをおこす。 (3)核の分断化はアポトーシスの特徴である。 (4)アポトーシスは遺伝子発現によって制御された細胞死である。 a. (1)(2)のみ b.(1)(3)(4)のみ c.(4)のみ d.全て正しい <解答> d ○(1) その通り。能動的細胞死と受動的細胞死である。 ○(2) DNAを傷害し、cell cycleのG1、G2期を停止する事でアポトーシスを起こす。 ○(3) クロマチン凝縮の後、核分断化(断片化)が生じて、アポトーシスが起こる。 ○(4) 本文の通りで、核分葉化、染色体DNA断片化、胞体の縮小断片化が特徴的。これらは遺伝子発現によって制御されている。 50.癌化学療法について正しい記述は次の内どれですか。 a.同じ臓器の癌でも、腫瘍により抗癌剤効果性は異なる。 b.抗癌剤の投与量は多ければ多い程有効である。 c.複数の抗癌剤を併用することは効果増強の面のみならず副作用低下の面で有用である。 d.抗癌剤の効果を増強する薬剤を併用することをBiochemical Modulation(BCM)という。 1. ab 2. bc 3. acd 4. dのみ 5. 全て <解答>3 ○a.その通り。 ×b.抗癌剤の毒性も問題となる。 ○c. ○d.*BCM療法・・・抗癌剤(effctor)にある薬剤(modulator)を併用し、抗癌剤の薬理的動態を変化させ、抗癌剤の効果を特異的に増強したり、抗癌剤の毒性を特異的に軽減したりすること。 A. 消化管・腹膜 A - 34 A - 34 54.39歳男性。2週間前より感冒様症状にて近医受診。投薬を受けてから心か部痛出現。薬局でH2ブロッカーを購入して服用することで症状改善したが、気になって検査のために当院を受診。上部消化管内視鏡写真を示す。疾患は次のどれか。(写真は胃の白苔と発赤を伴う治癒期の潰瘍でした) a 薬剤性潰瘍 b AGML c 早期胃癌 d 再発性胃癌 e <解答>a 写真解説と病歴より、NSAIDによる薬剤性潰瘍と思われる。 55.症例は45歳男性。平成15年7月、背部痛出現。徐々に症状増悪し、強い心窩部痛を伴ってきたため来院。外来にて施行した上部消化管内視鏡検査(図55)を示す。 もっとも適切な治療法はどれか。 a.プロトンポンプ阻害剤投与 b.胃管挿入 c.粘膜防御因子増強剤投与 d.プロスタグランジン製剤投与 e.内視鏡的止血術 1.a 2.b 3.c 4.d 5.e <解答>1 画像が不明であるが、慢性の経過であることから胃十二指腸潰瘍と考えて治療を選択した。 H2ブロッカー、PPIが治療の第一選択である。 56.70歳男性。食道内視鏡検査結果(図56-1:通常観察、図56-2:ヨード染色)を示す。内視鏡検査所見より考えられる疾患について正しいものを選べ。 a. 超音波検査が病変の深達度に有用である。 b. ヨード染色で褐色に染まった部分を中心に病変が存在する。 c. 硬化療法の良い適応である。 d. 治療法は手術、放射線、化学療法がある。 e. 喫煙、高濃度のアルコール摂取が発症の危険因子である。 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde *コメント:画像は表在癌0-IIbを思わせる平坦な粘膜面で、病変部と思われる部分はヨードで染まっていませんでした。画像は出題された画像と似ているもの。 <解答>3 ヨードで染まらない軽度の隆起→食道癌と考えて解答した。 ○a.超音波内視鏡にて、深達度を測定する。 ×b.染まらない部分が病変部位である。 ×c.食道静脈瘤ではない。 ○d.その通り。食道では扁平上皮癌が主のため、放射線も著効する。 ○e.その通り。 57.42歳女性。3年前から嚥下困難を自覚していたが,最近症状が増悪してきたため来院した。食道造影写真(図57)を示す。この疾患に関して正しい組み合わせはどれか。 a.24時間pHモニタリングが診断に必要である b.食道内圧測定が診断に有用である c.下部食道括約筋の静止圧が亢進している d.長期罹患例では食道癌の合併がみられる e.内科的な治療としてプロトンポンプ阻害薬が有効である 1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde 注)図57;おそらくS状型のアカラシアです。 <解答>4 アカラシアの食道造影では、紡錘型→フラスコ型→S字型へと移行する。アカラシアと分かれば、食道内圧測定によるLES圧上昇は分かるだろう(b,c)。また、長期罹患例では3-4%に食道癌の合併を見る(d)。胃酸やpHは関係ない。 A. 消化管・腹膜 A - 35 A - 35 58. 67歳の男性。1ヶ月前から嚥下困難を生じ、5kgの体重減少を認めた。来院時の食道造影写真(胸部上部?食道に狭窄像)を示す。正しいものを選べ。 a)飲酒、喫煙が発症のリスク因子となる。 b)治療方針決定のために気管支鏡検査が有用である。 c)頸部リンパ節へ転移しやすい。 d)胸部上部に好発する。 e)扁平上皮由来である。 <解答>a,(c),e 「嚥下困難」「体重減少」は典型的な食道進行癌の初期症状である。 a.○…重要なリスクファクターである。 b.×…気管支鏡は使わない。 c.△…上部食道なら○ d.×…中部に好発。 e.○…95%が扁平上皮由来である。 59.30歳、男性。突然の腹痛を主訴に来院した。立位正面単純X線画像を示す(左横隔膜以下に胃泡とは別のリークあり)。腹部全体のディファンス(+)、RBC456万/ul、WBC11000/ul、血圧110/60、脈拍120 診断は何か (1)肺梗塞、 (2)胃十二指腸潰瘍穿孔、 (3)急性膵炎、 (4)急性虫垂炎穿孔、 (5)急性胆嚢炎 <解答>2 リークとはfree airのことだろう。よって穿孔があると考え2か4となるが、Year noteによれば、「横隔膜下のfree airがあれば胃十二指腸穿孔と確診できる」とある。(陽性率50-80%) 61.59才男性、便鮮血陽性を指摘され、精査を受けた。(図がありました。大腸の二重造影でアップルコアサインがありました) a.大腸の二重造影である b.病変はS状結腸である c.小腸の造影はされていない d.虚血による浮腫がある e.いわゆるapple core signがある 1ab 2ae 3bc 4cd 5de <解答>2 注腸二重造影でアップルコアサイン、とくれば大腸癌である。大腸癌の早期発見のスクリーニングとしては現在、免疫学的便潜血反応が一般化している。 62 写真は66歳女性の胃切除標本の肉眼写真(図62−1)、割面の肉眼写真(62−2)、HE標本の顕微鏡写真(図62−3)である。診断は次の中のどれが適当であるか。 a.II c型早期癌で分化型癌 b.II c型早期癌で未分化型(低分化型)癌 c.2型(潰瘍限局型)進行癌で分化型癌 d.4型(びまん浸潤型)進行癌で分化型癌 e.4型(びまん浸潤型)進行癌で未分化型(低分化型)癌 <解答>? 図がないので何とも言えないが・・・早期癌なら粘膜下層まで、進行癌なら筋層まで浸潤が見られる。またボルマン4型はほとんど未分化(低分化)型であることや、未分化(低分化)型には印環細胞が見られる場合があることも参考になろう。 63. 大腸のある疾患の生検組織図がある。この疾患について正しいのはどれ?(多分、虚血性腸炎の組織かな〜?、解答選択肢的にも、不確かですいません。) a. 類上皮細胞肉芽腫をしばしば認める。 b. 著明な好中球浸潤をしばしば認め、陰窩膿瘍をしばしば認める。 c. 偽膜が特徴的所見で、原因はclostridium difficileの毒素による。 d. (ghost crypts)が特徴的所見である。←すいません、ghost cryptsの日本語忘れました。 e. 担鉄細胞をしばしば認める。 1, a,b 2, a,c 3, b,d 4, c,e 5, d,e A. 消化管・腹膜 A - 36 A - 36 <解答>5? a.×…クローン病で見られる。 b.×…陰窩膿瘍とくれば潰瘍性大腸炎。 c.×…偽膜性腸炎。粘液及び好中球からなる偽膜形成を認める。 d.△…ghost cryptsって何でしょう?スミマセン、知らないです…。ghost cellなら赤血球が溶血して出来るものなので、虚血性腸炎で見られてもいいかもしれません。 e.○…担鉄細胞=ヘモジデリン含有食細胞のこと。虚血性大腸炎で見られる。 64〜65.64歳女性。1ヶ月前より腹部膨満感を認め、便・ガスの排出がすくなくなり、体重が5キロ減少した。図64にこの患者の腹部エックス線単純撮影を示す。 64.図64について正しいのはどれか。 a、 下行結腸から近位側結腸にかけて便の貯留を認める。 b、 S状結腸から直腸にかけては便の貯留は認めない。 c、 ただちに下剤を投与して、便の排出をはかるべきである。 1a 2b 3ab 4bc 5すべて 65.考えられる病名は? 1 慢性便秘症 2 直腸癌 3 潰瘍性大腸炎 4 直腸脱 <解答>64.?(1or2or3) 65.おそらく1 直腸癌や潰瘍性大腸炎なら血便が見られることが多い。体重減少があり悪性腫瘍も否定できないが、ここは便秘で良いと思う。直腸脱とするには情報が少なすぎる。腹部Xpで便の貯留やアップルコアサインの有無を確認したい。 また治療についてだが、器質的便秘疾患であれば原因療法が第一に優先される。機能性便秘の場合は患者に対し排便のメカニズムを理解させ、排便訓練を行なう。さらに生活指導や食事療法を行ない、効果不十分なら薬物療法や心理療法を行なう。(「内科学」朝倉書店)よってcを選ぶのは性急だろう。 66.75歳女性。40歳の時子宮癌の治療を受けている。2日前から発熱と腹痛があり、尿に空気が混じるようになった。逆行性直腸造影を示す。 a S状結腸は狭くなっている。 b 小腸が早期に描出され、直腸と瘻孔を認めている。 c 膀胱との瘻孔ははっきりしない。 1 ab 2 bc 3 ac 4 全て○ 5 全て× <解答>おそらく3 「尿に空気が混じる」ことから膀胱腸瘻か膀胱膣瘻が考えられる。子宮癌の既往歴より膀胱膣瘻であろう。よって直腸と膀胱に瘻は認めないはずで、b×、c○となる。 68.48歳女性。空腹時上腹部痛を主訴として来院。上部消化管X線検査を行った。 その一部を示す。主に描出されている部位はどこか。 a 胃噴門部 b 胃体上部 c 胃体下部 d 胃角部 e 幽門前庭部 1a 2b 3c 4d 5e <解答>?これはさすがに画像がないと分かりません・・・。 69.45歳女性。心窩部痛を主訴に受診し、諸検査の結果、胃癌の診断を受けた。 上部消化管造影、内視鏡写真を示す。正しい組み合わせを選べ。 (造影では胃角が開大していた。これは怪しいが,前庭部が伸展していない印象を受けた。内視鏡では噴門部を見上げたアングルでごつごつとした不整な隆起性?病変を認めた。) a.4型進行胃癌である。 b.病変の中心は大弯側である。 c.幽門側胃切除術の適応がある。 d.手術後の合併症として逆流性食道炎がある。 e.手術後長期間を経ても貧血がおきることがある。 1.ab 2.ad 3.bc 4.cd 5.de <解答>5 内視鏡写真にて病変の場所が「噴門部」であると分かればd、eが選べ、cが消せるのではないか。eは胃全摘による悪性貧血のことだろう。隆起型の所見からa(4型=スキルス)も消せる。 A. 消化管・腹膜 A - 37 A - 37 70.60歳の女性。2ヶ月前から食後の胃部不快感が続くために来院した。発熱や体重減少はない。胃内視鏡写真(図70-1)と胃生検H-E染色標本(図70−2)を示す。診断はどれか。 a、Curling潰瘍 b、Borrmann1型胃癌 c、Borrmann2型胃癌 d、平滑筋肉腫 e、悪性リンパ腫 1、a 2、b 3、c 4、d 5、e 図70−1 約4分の3周の周堤を伴った潰瘍性病変(→一見したところtype2胃癌かと思われたが・・・) 図70−2 視野全体にリンパ球と思われる細胞が極多数見られる(→恐らく悪性リンパ腫だろう・・・) 解答;周提を伴う潰瘍性病変ということ、特に手術の既往がないことよりc or eにしぼることができ生検所見よりリンパ球浸潤が著明であることより悪性リンパ腫であることがわかり解答はeであると思われる。 71.68歳の男性。今朝からめまいが出現し、黒色便に気付き来院した。脈拍128/分,整。血圧 100/52 mmHg,意識清明。(血液所見) 赤血球 220万/μl, Hb 6.0g/dl, Ht 20.0%, 白血球 9000/μl, 血小板 48万/μl. (血液生化学) 総蛋白 6.0g/dl, Alb 3.0g/dl, BUN 80mg/dl, クレアチニン 3.4mg/dl, 総ビリルビン 1.0mg/dl, GOT 30U/L, GPT 28U/L. 胃内視鏡写真を示す。適切な処置はどれか。 (図71: 胃内視鏡写真・・・白苔に覆われ、一部血管の露出している潰瘍が認められる。) a. 輸血 b. 血液透析 c. ウロキナーゼ投与 d. プロトンポンプ阻害薬の点滴静注 e. 内視鏡下エタノール局所注入 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde 解答;黒色便より消化管出血が疑われ、胃内視鏡所見より胃潰瘍であるとわかる。Hb6.0/dl,Ht20.0%,で貧血を疑われ、脈拍128/分と頻脈であり輸血の適応であると考えられる。血液透析は抗凝固薬を使用するのでこの場合適さないと考えられる。またウロキナーゼは消化管出血には禁忌である。よって、解答は3である。 72.国試89D−12と同じです。一応打っときます。 65歳男性。生来健康であったが、定期健康診断の胃造影検査で異常があると言われて来院した。胃内視鏡写真と胃生検H−E染色標本とを別に示す。診断はどれか。 a 過形成性ポリープ b IIa型早期胃癌 c 1型進行癌 d 平滑筋腫 e 腺腫 (確か、内視鏡の写真はもう何個か隆起性病変があった気がする・・・) 解答;この問題は内視鏡と生検像で判断する問題なのでeとしか答えられません。 73.45歳男性、胃癌の診断にて胃亜全摘術を受けた。術後8日目に38.5度の発熱と右上腹部通を訴えた。赤血球340万、Hb 11g/dl、白血球12800、血小板18万、X線造影所見を示す。(造影剤からの漏出)適切な処置を選べ。 (a)絶食 (b)抗生物質の投与 (c)膵酵素阻害薬 (d)輸血 (e)栄養輸液 (1)a b c (2)a b e (3)a d e (4)b c d (5)c d e 解答;術後の縫合不全が疑われる。白血球12800、発熱より感染が疑われるので、抗生物質の投与は必要で胃を安静に保つため絶食、栄養輸液は必要であり解答は2である。 74.66歳男性、胃癌検診で造影にて3cmの腫瘤が見つかったので精査のため来院した。内視鏡を行った。この疾患にあてはまるものを選びなさい。(粘膜下腫瘍っぽい所見が画像上示されている) 1. 早期胃癌IIa 2. Borrmann2型胃癌 3. briding foldを認める 4. 出血や壊死は認めない 5. EMRの適応がある 解答;画像上粘膜下腫瘍であり特徴はbriding foldやdelleがみられること、壊死、潰瘍がみられることがあることである。さらに粘膜下の腫瘍であるのでもちろんEMRの適応はない。よって解答は3である。 A. 消化管・腹膜 A - 38 A - 38 75. (2002年の64番と同じです。)これは大腸の切除組織写真である。これらの記述の中で正しいものの組み合わせを選べ。 a. 大腸の中では直腸に多く見られる。 b. 索状,リボン状構造が特徴的である。 c. 遠隔転移は見られない。 d. 神経内分泌顆粒を有することが多い。 1. a b d 2. a c d 3. a d 4. a 5. すべて >おそらく直腸カルチノイドと思われます。見た目で思いっきり索状でした。 >イヤーノートアトラスにも似たようなのが載っているんでご参照下さい。 >答えは1の人が多かったです。 (答え)1 カルチノイドであれば索状配列、リボン状で、直腸(最多)胃・十二指腸に好発し、遠隔転移もある。内分泌細胞(Kultschitzky細胞)が腫瘍化したもので、顆粒をもっている。 76.中年の男性。喫煙40本/日、ウイスキーボトル半分/日。ファイバーにて梨状陥凹に腫瘤を認める。左声帯固定しているが、軟骨などへの浸潤はなし。両側頸左右1個ずつリンパ節転移あり、大きいほうは径2cm。肺に転移あり。(このような主旨の問題文に、腫瘤の画像がついている)この疾患の診断名とTNM分類を答えよ。 解答;梨状陥凹に腫瘤をみとめることより下咽頭癌と考えられ、喫煙と飲酒がriskとなると考えられている。TMN分類であるが、喉頭固定があり、浸潤がみられることよりT3となり、両側性で6cm以内なのでN2となり、肺への転移が認められるのでM1である。