消化管 / 概説 / 04


消化管

2004年度概説試験 (問題番号不明)胃癌のステージを決めるのに重要な因子はどれか。 a,腫瘍径 b,腫瘍占拠部位 c,進達度 d,リンパ節転移 e,遠隔転移 1,abc 2,bcd 3,cde 4,abe 5,ade (答) 3. (問題番号不明) a.左反回神経は大動脈を回って上行する。 b.食道の上部1/3は横紋筋からなる。 c.食道には2つの生理的狭窄部位がある。 d.奇静脈は下大静脈へ流入する。 e.胸部中部食道には気管支動脈の分枝が分布する。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde (答) 2. c. ×、3つの生理的狭窄部位がある。 d. ×、奇静脈は第3胸椎の高さ付近で上大静脈へ流入する。 (2) 上部消化管造影X線検査について正しいのはどれか。 a,充満法では、胃角を含む胃の辺縁の評価に有用である。 b,圧迫法では、陥凹性病変には、バリウムがたまり、隆起性病変ではバリウムをはじく。 c,二重造影法は、陽性と陰性の造影剤によるコントラストの差を利用した造影法である。 d,二重造影法は、粘膜面の微細構造の評価に適している。 1,abc 2,ab 3,bc 4,d 5,全て (答) 5. (3) 注腸造影検査について正しいのはどれか。 a,大腸内の便や残渣を少なくするための前処置が必要である。 b,バリウムと空気を経肛門的に注入する。 c,胃透視で使用するものよりも高濃度のバリウムを使用する。 d,鎮痙剤は使用しない。 1,abc 2,ab 3,bc 4,d 5abcd (答) 2. c. ×、バリウム濃度は上部消化管検査法より低い。 d. ×、鎮痙剤を静注して腸の動きを止める。 (4) 胃癌の化学療法について正しいものを選べ。 a,化学療法の目的の1つは症状緩和である。 b,術後補助療法は進行性胃癌では必須である。 c,5−FUは胃癌化学療法のkey drug である。 d,延命は化学療法の目的の1つである。 1,ab 2,acd 3,d 4,全て (答) 2. a.d. 抗癌剤治療の目的は延命と、症状緩和を含むQuality of life(QOL)の向上である。 b. ×、確実な延命効果を証明したevidenceは乏しい。 適応の原則:肉眼的には治癒手術であるが、遺残腫瘍の存在が想定される場合。 早期癌およびsT2/N0症例を除く、治癒手術後の症例。 (6) 胃癌の微小転移について a,治療切除後でも見つかることがある。 b,微小転移はリンパや腹水から検出可である。 c,ほとんどの微小転移は画像でも検出できる。 d,微小転移は胃癌で見つかることはない。 1,ab 2,acd 3,d 4,全て (答) (正しいものを選べ、という問題と考えると)1. c. ×、微少転移は目に見えない小さな転移であり、ほとんど画像で検出できるなら遺伝子発現解析など必要ないと思われる。 d. × A. 消化管・腹膜 A - 56 A - 56 (7) 胃の切除術について正しいものを選べ。 a,切除ラインは癌の進行度(早期癌・進行癌)と浸潤様式別に癌の肉眼的辺縁からの距離で決定する。 b,胃幽門側胃切除を行うとき、左胃動脈は切除する。 c,胃の神経支配は副交感神経である腹腔神経節からと交感神経である迷走神経からなる。 d,胃後壁の約半分は後腹膜に固定されていることが多い。 e,幽門部リンパ節(NO1,2)に明らかに転移がみとめられても、胃全摘する必要はない。 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de (答) 1. b.右胃動脈、右胃大網動脈、左胃大網動脈も切離する。 c. ×、腹腔神経節は交感神経も含まれる、迷走神経は副交感神経。 (8) 胃切除後の障害について誤っている記述を選べ。 a,ビタミンB12吸収障害による貧血にはビタミンB12の内服が有効である。 b,巨赤芽性貧血は胃全摘後5〜7年で発生することがある。 c,骨代謝異常による骨軟化症の発生を見ることがある。 d,輸入脚症候群の手術的治療にはBraun吻合がよい。 e,吻合部潰瘍の発生頻度はBillrothII法再建後に多い。 1,ab 2,ae 3,bd 4,cd 5,de (答) 2. a. ×、ビタミンB12の静注を行う。 e. ×、輸入脚症候群はBillrothII法再建後に多い。 (9) 胃・十二指腸潰瘍について正しいものを選べ。 a,胃潰瘍の治療は手術によるものがほとんどである。 b,十二指腸潰瘍は後壁に発生することが多い。 c,潰瘍穿孔を起こした場合、緊急手術となることが多い。 d,潰瘍からのコントロール不良の出血は手術適応となる。 e,潰瘍の手術には腹腔鏡手術を行うことはない。 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de (答) 4. b. ×、後壁→球部前壁 e. × (10) 胃癌に対しての胃全摘術についての正しいものを選べ。 a.BillrothI法による再建が一般的である。 b.開胸操作を行うことはない。 c.胃全摘における脾摘の意義は郭清である。 d.術後合併症に逆流性食道炎がある。 e.術後長時間を経ても貧血に注意する。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde (答) 5. a. ×、BillrothI法→Modified Roux-en-Y法 b. × (11) 胃癌の転移について正しいものを選べ a,右鎖骨上リンパ節への転移をVirchow転移という。 b,リンパ節転移は粘膜内癌でもみられる。 c,肝転移は高分化腺癌に多い。 d,胃癌手術後再発で最も多いのは後腹膜播種性転移である。 e,Krukenberg tumorは閉経後婦人に多い。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde (答) 4. a. ×、左鎖骨上窩リンパ節への遠隔転移をVirchow転移という。 e. ×、閉経後は少ない。 A. 消化管・腹膜 A - 57 A - 57 (12) 65歳の男性。上部消化管透視、および内視鏡にて胃体下部前壁に径5cmの粘膜下腫瘤あり。正しいのはどれか。 a,リンパ節転移をきたしやすい。 b,内視鏡による生検では確診が得られないこともある。 c,c-kit蛋白陽性なら、分子標的治療薬の効果が期待できる。 d,第一選択は外科的切除である。 e,胃全摘の適応である。 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de (答) おそらく4. c. c-kit蛋白陽性→Gastrointestinal stromal tumor(GIST)ではチロシンキナーゼ活性阻害剤を用いた分子標的治療も行われている。 d. 胃粘膜下腫瘍で直径5 cm以上の充実性腫瘍では悪性の可能性が高くなる。 治療:悪性を疑う所見が無く、また出血などの症状をきたさないものは経過観察 粘膜下層に存在する小さなもの;内視鏡的粘膜切除 5 cm以内のもの;腹腔鏡下胃部分切除術 5 cm以上のもの;開腹下胃部分切除術 (14) 36歳男性。1ヶ月前から十二指腸潰瘍の治療中であった。昨夜会合で大量に飲酒したが、夜半急激な上部腹痛が生じ、軽快しないため救急車で来院した。来院時、苦悶様顔貌を呈し、上腹部には左痛と筋性防御が著明であった。体温37.5度、脈拍95/分整、血圧156/90mmHg便潜血は陽性であった。まず行うべき検査はどれか。 1.心電図 2.胸腹部立位X線単純撮影 3.腹部超音波検査 4.上部消化管造影検査 5.上部消化管内視鏡検査 まず立位胸腹部Xp。解答: (16) 末期癌の患者によくみられる症状のうち、誤りはどれか。 a,全身倦怠感 b,痛み c,不穏 d,死前喘鳴 e,食欲増進 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e <解答> 5 (19) 腸瘻について正しい組み合わせはどれか。 a,腸瘻とは消化管内容の全部が排除される場合をいう。 b,小腸が膀胱と瘻孔を形成した場合は外腸瘻である。 c,腸瘻の治療ではまず手術による閉鎖を考える。 d,クローン病、腸結核、放線菌症などの炎症性腸疾患では瘻孔をきたす。 1,abc 2,ac 3,bd 4,d 5,全て a× 全部 → 一部または全部 b× 外腸瘻 → 内腸瘻 c× 手術 → まずは保存的治療 d○ 解答:4 (20) 腸間膜血管閉塞症と短腸症候群について正しいものはどれか。 a,腸管壊死は腸管の血流が再開しても発生する。 b,上腸間膜動脈閉鎖症の閉塞は血栓症より塞栓によることが多い。 c,短腸症候群は小腸の長さが100cm以下で消化吸収障害により代謝障害が発生することがある条件である。 d,経腸栄養剤を経口投与して栄養補給している場合は小腸機能障害の認定が得られる。 1,abc 2,ab 3,bd 4,cd 5,全て <解答> 5 A. 消化管・腹膜 A - 58 A - 58 (22) 虫垂炎に関して正しい組み合わせはどれか。 a,虫垂炎は15歳から24歳に多い。 b,McBurney?の圧痛が軽度で、直腸診断により右側に圧痛点が強い場合には虫垂が盲腸の後方にあることを示す。 c,老人の虫垂炎では腫瘤として触知することもある。 d,腸管は気体を占有しているので、虫垂炎の診断として超音波検査は有効ではない。 組み合わせ不明 <解答> a.○ c.○ d.× (25) 正しい組み合わせを選べ。 a,異所性子宮内膜症は手術が第一選択。 b,Cronkheit-Canada症候群は非遺伝性ポリポーシスで、ステロイドで治す。 c,広基性ポリープが直腸にできると、直腸切断術を行う。 d,絨毛性腫瘍では、分泌性下痢をきたすことがある。 1,ab 2,ac 3,bd 4,d 5,全て <解答> 3 (26) 炎症性腸疾患について正しいものはどれか。 a,腸結核では活動性病変には抗結核療法を行い、狭窄などの合併症が発生したら手術を行う。 b,腸型ベーチェット病では深掘れ潰瘍が形成され、穿孔や保存的治療無効例では、腸管切除術を行う c,虚血性腸炎では、縦走潰瘍が発生するが、一過性が多く、外科治療を行うことは少ない。 d,粘膜脱症候群は脱出する直腸粘膜を切除する。 1,abc 2,ac 3,bd 4,d 5,全て <解説>1か5 a ○ b ○(?) c ○ 内科的治療で数日程度で軽快する。 (27) 大腸癌に対して正しいものはどれか。 a,粘膜下層に浸潤した癌でリンパ節転移のある場合はDukes分類ではDukesAである。 b,遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)ではp53遺伝子に遺伝子異常が多い。 c,側方リンパ節転移陽性はRsに存在する進行癌に見られる。 d,肝転後や腹膜転移がある場合には日本の大腸癌取り扱い規約ではstage IVである。 1,abc 2,ac 3,bd 4,d 5,全て <解答> 4 a× A→C (29) 肛門疾患に関して正しいものはどれか。 a,痔瘻は肛門腺の感染により発生する。 b,肛門癌は腺癌と扁平上皮癌が多い。 c,毛巣洞は後天性疾患であり毛深い男性に発生しやすい。 d,肛門掻.症は肛門を不潔にすることによって発生する皮膚病である。 1,abc 2,ac 3,bd 4,d 5,全て <解答> 5 (30) 食道裂孔ヘルニアについて正しい記載はどれか。 a,傍食道型の頻度が最も高い。 b,滑脱型の食道胃境界部は正常位置にある。 c,Mallory-Weiss症候群を合併しやすい。 d,横隔膜ヘルニアの中で最も頻度が高い。 e,Mcvay法は本疾患に対する手術である。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e <解答> 4 a 滑脱型 b 上方にずれる c 逆流性食道炎 e Nissen法 A. 消化管・腹膜 A - 59 A - 59 (31) 大腿ヘルニアについて正しいのはどれか。 a,中年男性に多い。 b,両側に同時に発生しやすい。 c,大腿動脈の内側に脱出。 d,嵌頓しやすい。 e,修復はBassini法による。 1,ab 2,bc 3,cd 4,de 5,ae <解答> 3 a 中年女性、経産婦 b 片側 d Mcvay法 (35) 上部消化管出血によりショックをきたした症例に対する適切な治療法はどれか。 a,昇圧剤の投与 b,H2ブロッカーの投与 c,輸血 d,消炎鎮痛剤の投与 e,セミファラーの体位 1,abc 2,bcd 3,cde 4,abd 5,ade <解答> 1 (37) 正しいのはどれか。 a,結腸は盲腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸からなる。 b,消化管は、口・食道・胃・回腸・空腸・大腸・直腸とつづく。 c,胃酸は主細胞から分泌される。 d,セクレチンは胃酸分泌を抑制する。 e,ソマトスタチンは胃酸分泌を抑制する。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答:3 a○、b×空腸、回腸の順、c×壁細胞 (38) 外科治療が必要なものはどれか。 a,胃穿孔 b,難治性十二指腸潰瘍出血 c,胃潰瘍 d,食道静脈瘤 e,胃癌 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答:2 c、eは内科的にあるから (40) 誤りはどれか a,明確で正確かつ遅滞なくカルテをつける義務がある。 b,患者からのカルテ提示の要請があった場合には応じなければならない。 c,カルテ記載の修正は、修正液で行える。 d,カルテ傷病名欄には、主病名、副病名などを記載する必要がある。 e,カルテは5年間保存しなければならない。 解答:c (41) 食道の部位区分について正しいものはどれか。 a,食道入口部の高さは甲状軟骨下縁である。 b,頸部食道と胸部食道の境界は胸骨上縁である。 c,胸部上部食道は胸骨上縁よりも気管分岐部下縁までである。 d,胸部下部食道の下端は食道胃接合部である。 e,腹部食道の上端は食道裂孔である a:多分○ d:×食道裂孔 後は○ (42) 食道憩室について正しい組み合わせを選べ。 a,Rokitansky's憩室は圧出性憩室である。 b,咽頭食道接合部にできる憩室は牽引性である。 c,横隔膜上憩室は圧出性憩室である。 d,症状によっては切除を考えるべきである。 e,胸腔鏡による手術は・・・以後不明 解答:? a:×気管分岐部憩室のこと。結核性の炎症などによって、気管分岐部のリンパ節が瘢痕化し、それに食道が牽引されて憩室が生じる牽引性憩室。 b:×Zenker憩室のこと。咽頭と食道の境界に生じる圧出性憩室 c:○噴門部の少し上部で内圧が上昇しやすいらしい d:多分○ A. 消化管・腹膜 A - 60 A - 60 (43) 食道癌の生物学的特性について誤っているものはどれか。 a,食道内多発病変が多い。 b,反回神経周囲リンパ節に転移することが多い。 c,壁内転移を来たすことが多い。 d,他臓器重複癌では胃癌が最も多い。 e,上皮内伸展は予後不良の指標である。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e 解答:4 咽頭癌、喉頭癌に多いらしい (44) 食道癌の非手術的治療に関して正しい組み合わせはどれか。 a,化学放射線療法では表在癌でも根治は望めない。 b,化学放射線療法の副作用として骨髄抑制が重要である。 c,他臓器浸潤を伴う進行癌に対しては全身化学療法が第一選択である。 d,食道癌に対する化学療法の第一選択は5-FU+CDDP療法である。 e,通過障害の改善を目的とした治療として、食道ステントがある。 1,abc 2,abe 3,acd 4,cde 5,bde 解答正直わかりません a:× あり得る b:○? 放射線による穿孔、5−FUだと腎障害、嘔気嘔吐。CDDPだと骨髄抑制、脱毛下痢。 c:○ d:○ FP療法 e:○があまり意味ないらしくバイパス術のほうがよいらしい (45) 表在型食道癌について正しいものを選べ。 a,粘膜筋板に及ぶが、リンパ転移がみられないものは早期癌である。 b,胸部下部食道癌で粘膜下層まで癌が及ぶとき、頸部リンパ節への転移がよく見られる。 c,癌が粘膜下層にまで達しているとき、化学放射線治療は行わない。 d,通常手術は、左開胸で行う。 e,全周性の癌に対しては、EMRは困難である。 1,ab 2,bc 3,cd 4,de 5,ae 解答5 a:○浸潤が粘膜下層にとどまり、リンパ節転移が証明されないもの b:逆と思われる c:× d:× 右開胸が基本 e:○ 大きくても2/3周 (46) 胸部食道癌の手術に関して正しい組み合わせはどれか。 a,胸骨前経路での再建は縫合不全が少なく安心である。 b,再建臓器で胃を用いるときは、右胃大網動脈の血流が最も重要である。 c,再建臓器で胃が用いられるときは胃周囲リンパ節郭清は控えるべきである。 d,再建経路では後縦隔経路が最短である。 e,再建臓器では右側結腸が逆流症状が最も少ない。 1,abc 2,abe 3,acd 4,bde 5,cde 解答? d:○しかわかりません (47) 胃酸分泌が促進するものはどれか。 a,ガストリン b,アセチルコリン c,ヒスタミン d,ソマトスタチン e,セクレチン 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答:1 ソマトスタチン、セクレチンは抑制 a,胃酸は幽門腺の壁細胞より分泌される。 b,ペプシノーゲンは胃底腺の主細胞より分泌される。c,ガストリンは幽門腺のG細胞より分泌される。 d,内因子は胃底腺の壁細胞より分泌される。e,ヒスタミンは幽門腺のD細胞より分泌される。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde A. 消化管・腹膜 A - 61 A - 61 解答4 a:×幽門腺ではなく胃底腺 b:○ c:○ d:○ e:? (49) 消化管運動を亢進するものはどれか。 a,ガストリン b,セロトニン c,セクレチン d,グルカゴン e,アセチルコリン 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答2 (50) 食道癌について正しいものはどれか。 a食道癌は、色素内視鏡検査にてヨード染色で褐色に染まる。 b癌の進達度が粘膜下層までにとどまるものを早期癌と呼ぶ。 c表層上皮にとどまる食道癌はEMRの適応とはならない。 dわが国の食道癌の90%が扁平上皮癌である。 eバレット上皮から発生する食道癌は腺癌である。 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de 解答;5 解説;a,×不染帯として描出される。b,×リンパ節転移のないもの。c,×粘膜癌(m1~m2)で第一選択になることが多い。d,e,○欧米ではバレット上皮癌が多い。 (51) 食道疾患に関して正しいものを選べ。 a,食道アカラシアでは下部食道括約筋(LES)の弛緩不全が見られる。 b,逆流性食道炎の治療薬としてPPIが用いられる。 c,食道アカラシアの治療法として内視鏡的噴門拡張術がある。 d,発赤所見を伴った食道静脈瘤は内視鏡的硬化療法の適応ではない。 e,食道裂孔ヘルニアではLES圧が上昇している。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;1 (52) 食道癌に関して正しいものはどれか。 a,食道扁平上皮癌は放射線療法の適応とはならない。 b,食道癌肉眼型分類において0-I型は表在陥凹型を示す。 c,食道癌肉眼型分類において、2型は潰瘍限局型を示す。 d,喫煙は食道癌の発生要因となる。 e,食道アカラシアには食道癌の発生頻度が高い。 選択肢不明 解説;a,術前照射にも根治術としても行われる。b,×表在隆起型。c,d,○e,○約1%に合併する。 (53) 門脈圧亢進症および食道静脈瘤に関して正しいものはどれか。 a,Budd-Chiari症候群における門脈圧亢進症は肝性性である。 b,発赤所見を伴う静脈瘤は出血の可能性が高い。 c,内視鏡検査上、形態を直線状、連珠状、結節状に分類する。 d,内視鏡検査上、基本色調を白色と赤色に分類する。 e,内視鏡的食道静脈瘤結紮術(EVL)は、出血している食道静脈瘤の治療に用いない。 選択肢不明 解説;a,肝後性である。b,○c,○d,×白と青に分類する。青が出血のリスクが高い。e,×簡便なので応急処置として行われる。 A. 消化管・腹膜 A - 62 A - 62 (54) 胃十二指腸潰瘍について正しい組み合わせを選べ。 a,UI-IIの潰瘍は組織欠損が固有筋層に達する潰瘍である。 b,胃角部小彎は胃潰瘍の好発部位である。 c,H.pylori陽性の胃潰瘍は除菌療法の適応となる。 d,プロトンポンプ阻害剤はH.pyloriの除菌療法時に使われる。 e,十二指腸潰瘍は高齢者に好発する。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;4 解説;a,×UI-IIIのこと。b,○c,○d,○PPI,アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用療法を行う。e,×若年者に多い。胃潰瘍は高齢者。 (55) 胃潰瘍の治療薬として適当なものはどれか。 a,プロトンポンプ阻害薬 b,H2受容体阻害薬 c,NSAID d,副腎皮質ステロイド e,プロスタグランジン製剤 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;2 解説;他2剤は悪化させる。 (56) 胃十二指腸潰瘍について正しいものはどれか。 a,出血性十二指腸潰瘍では新鮮血の血便がみられる。 b,出血性胃潰瘍でみられる吐血はコーヒー残渣物である。 c,穿孔した潰瘍での腹部単純X線検査では遊離ガス像がある。 d,穿孔は十二指腸前壁に多い。 e,NSAIDは胃潰瘍の原因にはならない。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;4 解説;a,×タール便が多い。b,○下血の方が症状としては多い。c,○腹単でもdouble wall sign など見られることがある。d,○球部前壁に多い。e,× (57) 萎縮性胃炎に関して正しいのはどれか。 a,A型胃炎は自己免疫的な機序による。 b,B型胃炎は悪性貧血を伴う。 c,B型胃炎は抗壁細胞抗体陽性である。 d,B型胃炎はH.pyloriに関連する。 e,腸上皮化成は胃癌の発生母地となる。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;3 解説;A型胃炎…自己免疫性機序で生じる。前底部が正常で、胃底腺部に萎縮を見るもの。悪性貧血が見られる。G細胞が増加し、血中ガストリン値は高値で、後壁細胞抗体の陽性率が高い。 B型胃炎…自己免疫とは関係ない。前底部に萎縮が見られ、通常の胃炎のことである。G細胞の減少が見られ、抗体陽性率は低い。 (58) 胃炎に関して正しいものを選べ。 a,腐食性胃炎の晩期合併症には癌がある。 b,胃アニサキス症の原因はイカやさばの生食である。 c,ストレスは急性胃粘膜病変の誘因になりうる。 d,メネトリエ病では高タンパク血症が見られる。 e,好酸球性胃炎は胃内視鏡下の生検で、好酸球の浸潤を認めなければ除外できる。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;1 解説;a,強酸、強アルカリの誤嚥などによるもの。b,○c,○その他、アルコール、薬剤などd,×特にアルブミンの胃粘膜透過性の亢進が見られ、低蛋白血症となる。e,×漿膜下層の病変の場合もある。 A. 消化管・腹膜 A - 63 A - 63 (59) 胃癌に関して正しいのはどれか? a,リンパ節転移のある胃癌は早期癌ではない。 b,浸潤度が粘膜に留まる胃癌は全て内視鏡的粘膜切除術の適応となる。 c,低分化型腺癌は内視鏡的粘膜切除術の適応となる。 d,血行性転移は肝転移が最も高い。 e表在型では隆起型が最も多い。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e 解答;4 解説;a,粘膜、粘膜下層に限局するものが早期癌。 b,リンパ節転移があると適応がない。 c,高分化型の方がなりやすい。 e,IIc型(表在陷凹型)が最も多い。 (60) 腎腫瘍について正しいものはどれか。 a,MALTリンパ腫の治療法にH.pylori除去がある。 b,過形成ポリープは良性ポリープで変化することはない。 c,胃に限局したカルチノイドの多くはカルチノイド症候群を呈する。 d,GISTの治療にメチル酸イマチニブが用いられる。 e,胃腺腫は癌化することはない。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;3? 解説;a,○b,×炎症性変化で生じる。c,×胃に限局している間は症状を示さないことが多く、肝臓に転移するとカルチノイド症候群(顔面、四肢の紅潮、下痢、気管支喘息)を来す。d,○e,○? (61) 胃癌に関して正しいものを選べ。 a,血行性転移は肝転移が最も多い。 b,左鎖骨上窩リンパ節転移はVirchow転移という。 c,卵巣への血行性、播種性転移をSchnizler転移という。 d,良性潰瘍の癌化を悪性サイクルという。 e,リンパ節転移のない胃癌は内視鏡的粘膜切除術の適応になりうる。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 解答;2 解説;c,×Krukenberg転移。Schnizler転移はダグラス転移。d,×早期胃癌病変巣内の潰瘍性変化が、良性潰瘍と同様に、治癒、再燃、再発を繰り返すこと。 (62) 内視鏡的粘膜切除術の適応となる胃癌はどれか。 a,径1cmの0−IIc型、高分化型腺癌、深達度:粘膜内 b,径2cmの0−IIc+III型、高分化型腺癌、深達度:粘膜内 c,径1cmの0−I型、高分化型腺癌、深達度:粘膜下層 d,径2cmの0−IIc型低分化腺癌、深達度:粘膜内 e,径2cmの0−IIa型、高分化型腺癌、深達度:粘膜内 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de <解答>2 <解説>EMRの適応は、有茎性Ia型、大きさ2.0cm以下のIIa型、1.0cm以下のIIb型、UI(-)のIIc型 (63) 胃十二指腸疾患について正しいものを選べ。 a,胃ポリープの肉眼的分類、山田分類においてIV型は有茎性ポリープである。 b,胃原発の悪性リンパ腫はT細胞が多い。 c,胃GISTは良性であり、手術の適応とならない。 d,胃MALTリンパ腫の発生にH.pyloriが関係している。 e,十二指腸悪性腫瘍では、十二指腸乳頭部癌が最も多い。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde A. 消化管・腹膜 A - 64 A - 64 <解答>3 <解説>(a)○:I、IIが無茎性、III、IVが有茎性。 (b)×:ほとんどがMALTリンパ腫で、non HodgkinのB細胞リンパ腫に属する。 (c)×:GISTの20〜30%は悪性。第一選択は外科的切除。(d)○ (e)○:60〜70%が乳頭周囲に発生する。 (64) ワルダイユの咽頭輪を構成するリンパ組織として正しい組み合わせを選べ。 a,耳管扁桃 b,喉頭扁桃 c,咽頭扁桃 d,口蓋扁桃 e,舌根扁桃 1,abcd 2,acde 3,abde 4,bcde 5,全て <解答>2 <解説>咽頭で輪状に存在するリンパ組織の配列。細菌が気道や消化管に侵入するのを防止する免疫作用。 (65) 口腔、咽頭の解剖について正しい組み合わせはどれか。 a,咬筋、側頭筋、内側翼突筋は咀嚼筋である。 b,舌動脈は内頸動脈の枝である。 c,アデノイドは中咽頭に存在する。 d,舌の運動は舌下神経に支配されている。 1,ab 2,ad 3,bc 4,bd 5,cd <解答>2? <解説>(a)○(b)×:外頸動脈から上甲状腺・舌・後頭・顔面動脈がでる。(c)○?(d)○ (66) 口腔癌について正しい組み合わせはどれか。 a,口腔癌で最も部位的に多いのは口腔底癌である。 b,口腔の不衛生、喫煙暦、飲酒は口腔癌のリスクファクターである。 c,口腔癌の組織型としては腺癌が多い。 d,初期の口腔癌は切除や放射線治療で治療可能だが、早期に頸部リンパ節転移をきたすと治療成績が低下する。 1,ab 2,ad 3,bc 4,bd 5,cd <解答>4 <解説>(a)×:舌癌が一番多い。虫歯、入れ歯(特に金属)、尖った歯、悪い歯並びなどによる慢性刺激が原因。 (b)○ (c)×:多いのは扁平上皮癌 (d)○ (67) 耳下腺腫瘍について、正しい組み合わせはどれか。 a,良性腫瘍で最も多いのは多形腺腫である。 b,耳下腺腫瘍は悪性腫瘍が多い。 c,耳下腺腫瘍の手術では顔面神経に注意する必要がある。 d,ワルチン腫瘍は代表的な悪性腫瘍である。 1,ab 2,ac 3,bc 4,bd 5,cd <解答>2 <解説>(a)○ (b)×:多形腺腫など良性が多い (c)○ (d)×:耳下腺に好発する良性腫瘍で、リンパ濾胞が特徴となる (68) 咽頭部の癌について正しいものを選べ。 a,中耳炎が初発症状になることがある。 b,頭部リンパ節への転移は稀である。 c,EBウイルスが関与していると言われている。 d,治療の第一選択は手術である。 1,ab 2,ac 3,bc 4,bd 5,cd <解答>2 <解説>(a)○:上咽頭癌が側方進展すると耳管を閉塞して、滲出性中耳炎を起こすことがある (b)×:比較的早期からリンパ節転移をする。(c)○ (d)放射線療法(FAR療法)を優先。化学療法を症状に応じて追加。病変消失しないなら手術。 A. 消化管・腹膜 A - 65 A - 65 (69) 正しいものの組み合わせを選べ。 a,クローン病と潰瘍性大腸炎はCTで容易に鑑別可能である。 b,消化管癌の深達度にMRIはきわめて有用である。 c,炎症性腸疾患と大腸癌のCTによる鑑別は容易である。 d,虫垂炎の診断にはCTが有用である。 1,a 2,ab 3,cd 4,d 5,全て <解答> <解説>(a)×:内視鏡(注腸造影も?)で十分。(b)(c)(d) (70) 正しいものの組み合わせを選べ。 a,肝鎌状間膜は肝を後上方から支える間膜である。 b,肝十二指腸間膜には、門脈、総肝動脈、リンパ節が存在する。 c,肝十二指腸間膜の腹側にwinslow孔が存在する。 d,網のうと通常の腹膜腔はbare areaを通じて交通している。 e,小網は肝胃間膜と脾腎間膜よりなる。 1,a 2,ac 3,b 4,bd 5,e <解答>3? <解説>2003年度概説31参照。 (71) 正しいものを選べ。 a,胆石イレウスは、空腸の閉塞が多い。 b,腸軸念はS状結腸に多い。 c,急性腸間膜動脈閉塞では、早期より麻痺性イレウスが起こる。 d,単純性イレウスでは腸音が減弱する。 e,絞扼性イレウスは保存的治療で経過観察する。 1,ab 2,bc 3,cd 4,de 5,ae <解答>2 <解説>(a)×:回盲部の閉塞が多い (b)(c)○ (d)×:必死に蠕動するので腸音は亢進する (e)緊急手術の適応 (72) イレウスの初期治療として適切でないものはどれか。1つ選べ。 a.絶飲食 b.胃管挿入 c.下剤投与 d.抗生剤投与 e.輸液 <解答>c? <解説>抗生剤は必要か不要かで意見が対立している、らしい。 (73) 絞扼性イレウスについて正しいものを選べ。 1,保存的に治療を行う。 2,超音波検査は診断に有用。 3,腹単で無ガスイレウス像が見られる。 4,腹水が貯留する。 5,下剤を投与する。 1,abc 2,bcd 3,cde 4,abe 5,ade <解答>2 <解説>2003年度概説42参照。 (74) 急性虫垂炎について正しいものはどれか。 a,診断がつき次第手術を行う。 b,腹膜刺激症状がなければ、保存的に経過をみる。 c,痛みは心窩部に出現し、徐々に右下腹部に限局する。 d,発熱、腹痛、悪心、嘔吐がみられる。 e,腹部超音波検査より腹部X線単純写真が診断に有用である。 1,abc 2,bcd 3,cde 4,abe 5,ade <解答> 2.bcd (75) 胃潰瘍穿孔の際の処置はどれか。 a,絶飲食 b,抗生物質投与 c,H2ブロッカー投与 d,補液 e,胃管挿入 選択肢不明 <解答> abe A. 消化管・腹膜 A - 66 A - 66 (76) 筋性防御を認めるものを選べ。 a,胃潰瘍穿孔 b,急性虫垂炎 c,急性腎盂腎炎 d,過敏性大腸炎 e,急性胆のう炎 1,abc 2,bcd 3,cde 4,abe 5,ade <解答> 4.abe (77) 緊急手術の適応疾患を選べ。 a,急性膵炎 b,虚血性腸炎 c,卵巣のう腫茎捻転 d,絞扼性イレウス e,大腸憩室炎 1,ab 2,bc 3,cd 4,de 5,ae <解答> 3.cd (78)60歳男性。今朝排便時に便に鮮血が付着していたために来院。外来でまずすべきことはどれか。 a,直腸指診 b,便潜血反応 c,便培養 d,注腸造影 e,大腸内視鏡 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e ,.<解答> 1. 高齢者で血便を伴う便通異常を認めたら,大腸癌を疑ってまず直腸指診を行い,異常がなくてもすみやかに注腸造影または内視鏡の検査を行う(今日の診療Vol.11) 内視鏡は直腸診の後。鮮血がついていれば血液があることから、便潜血反応は不要。 (79) タール便の原因になるのはどれか。 a.食道静脈瘤出血 b.マロリーワイス症候群 c.十二指腸潰瘍出血 d.大腸憩室 e.虚血性大腸炎 1,abc 2,bcd 3,cde 4,abe 5,ade <解答> 1.abc (80) 正しいものの組み合わせを選べ。 a,クローン病では縦走潰瘍が特徴的である。 b,潰瘍性大腸炎では裂溝(fissuring ulcer)が特徴的である。 c,腸結核では輪状狭窄を伴う円形潰瘍が特徴的である。 d,感染性腸炎では敷石像が特徴的である。 e,虚血性大腸炎では深い下掘れ潰瘍が特徴的である。 1,ab 2,ac 3,cd 4,de 5,be <解答> 2.ac (81) 潰瘍性大腸炎の特徴で正しいものはどれか。 a..通常直腸は正常に保たれる。 b.喫煙は本症の増悪因子である。 c.典型例では縦走潰瘍を認める。 d.硬化性胆管炎を合併することがある。 e.本邦での有病率はクローン病よりも高い。 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de <解答> 5.de (82) クローン病と潰瘍性大腸炎の両者で用いられる治療法はどれか。 a,5−アミノサリチル酸 b,副腎皮質ステロイド c,白血球除去療法 d,抗TNP−α抗体 e,成分栄養剤 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de <解答> 1.ab A. 消化管・腹膜 A - 67 A - 67 (83) 68歳男性、1ヵ月前より黒色便が出現したため受診した。まず最初に行うべき検査は。 a,上部消化管内視鏡検査 b,末梢血液検査 c,腹部CT検査 d,血管造影 e,大腸内視鏡検査 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de <解答> 1.ab (84) 上部消化管X線検査、内視鏡検査の際、抗コリン剤投与の禁忌でない疾患はどれか。 a. 狭心症 b. 前立腺肥大 c. 甲状腺機能低下症 d. 肺気腫 e. 脳腫瘍 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde <解答> 5. cde 抗コリン剤の禁忌は・・・ 1.緑内障の患者[抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇し,緑内障を悪化させる] 2.前立腺肥大による排尿障害のある患者 抗コリン作用による膀胱平滑筋の弛緩,膀胱括約筋の緊張り排尿困難を悪化させるおそれがある。 3.重篤な心疾患のある患者[抗コリン作用により心拍数が増加し,心臓に過負荷をかけることがあるため,症状を悪化させるおそれがある。] 4.麻痺性イレウスの患者[抗コリン作用により消化管運動を抑制し,症状を悪化させる。] (85) 糞便検査について誤っているものはどれか。 a,閉塞性黄疸では灰白色の便となる。 b,脂肪滴はスダンIII染色でオレンジ色に染まる。 c,寄生虫卵の検出には直接塗末法により集卵法が鋭敏である d,免疫学的潜血反応は胃癌検診に用いられる e,ギョウチュウは肛門周囲にセロテープを貼布して検査する。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e <解答> 4.d 主に大腸がんのスクリーニングに用いられる。 (88) 腸結核のX線内視鏡所見として間違っているものはどれか? 1,瘢痕萎細帯 2,偽憩室 3,輪状潰瘍 4,拇指圧痕像 5,炎症性ポリープ 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e 【解答】 4(これは虚血性大腸炎の特徴的注腸X線所見) 【解説】腸結核:結核菌による腸管感染症 X線所見:活動期…開放性の輪状・帯状潰瘍、不整形の小潰瘍 治癒期…腸管短縮、輪状狭窄、炎症性ポリープ、潰瘍瘢痕(瘢痕萎縮帯、偽憩室、回盲弁の開大) 内視鏡所見:輪状潰瘍 (89) クーロン病の特徴として正しいものはどれか。 a,本病の有病率は欧米よりも高い。 b,男性よりも女性に多い。 c,臨床症状として下血が最も多い。 d,好発年齢は40代である。 e,大腸型より小腸・大腸型が多い。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e 【解答】 5 【解説】 a. × 欧米のほうが多い。日本の有病率は15/10万人 b. × 男:女=2:1 c. × 4主徴は腹痛、下痢、体重減少、発熱。(潰瘍性大腸炎では血便も見られる) d. × 好発年齢は10-20歳代。 e. ○ 小腸型(40%)、小腸大腸型(40%)、大腸型(20%) A. 消化管・腹膜 A - 68 A - 68 (91) 小腸腫瘍について正しいものはどれか。 a,悪性リンパ腫は回腸より空腸に好発する。 b,腺腫は十二指腸に好発しやすい。 c,良性腫瘍は腸重積を契機に見つかることが多い。 d,Brunner腺腫は十二指腸に好発する。 e,癌は空腸より回腸に好発しやすい。 1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde 【解答】 4 【解説】 a. ×空腸<回腸 b. ○ c. ○?成人腸閉塞の7割は小腸良性腫瘍に起因する。が、多くは無症状。 d. ○ e. × 空腸>回腸 (92) 虚血性腸炎の特徴として正しいものを選べ。 a. 左側結腸に好発する b. 診断には血管造影は不要である。 c. 治療期に炎症性ポリープを認める。 d. 小腸に発生することはない。 e. 大部分は開腹術の適応となる。 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de 【解答】 1 【解説】 a. ○ 上・下腸間膜動脈の支配領域の境目のため、左側結腸が最も虚血に陥りやすい。 b. ○ 血管の閉塞所見を描出可能な症例は極めて少ない。診断のfirst choiceは腹部エコー、腹部CT。 c. × 腸結核で認められる。 d. × 大腸に好発するが、小腸でも発生しうる。 e. × 虚血性腸炎は、基本的に自然軽快する疾患であるため、腸管の安静(絶食、輸液)が大事。壊疽型の場合、外科的切除の適応となる。 (93) 偽膜性大腸炎の治療薬はどれか。 a,5−アミノサリチル酸 b,プレドニゾロン c,非ステロイド系抗炎症剤(NSAID) d,バンコマイシン e,メトロニダゾール 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de 【解答】 5 【解説】 偽膜性腸炎の原因菌Clostridium difficileに対する抗生物質がバンコマイシン、メトロニダゾール (94) 大腸癌について a,本邦における死亡率は胃癌よりも高い。 b,20%の患者では、遺伝性が見られる。 c,女性よりも男性に多い。 d,内視鏡的治療の適応は粘膜内癌に限られる。 e,早期癌には転移はない。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e 【解答】 3 【解説】 a. × まだ胃癌のほうが高い b. × 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPPC)は全大腸癌の0.2〜4%といわれている。 c. ○ d. 粘膜内〜sm1までは内視鏡的切除の適応 e. × そんなことはない。 (95) 大腸ポリープに関する以下の記載のうち正しいものはどれか? a,腺腫の30%が癌化する。 b,腺管腺腫は絨毛腺腫よりも癌化率が高い。 c,若年性ポリープは粘膜筋板の増殖を特徴とする。 d,カルチノイドは右側結腸に好発する。 e,過形成ポリ−プ遠位大腸に後発する。 1,a 2,b 3,c 4,d 5,e A. 消化管・腹膜 A - 69 A - 69 【解答】 5 【解説】 a. ? 直腸ポリープの20〜30%が癌化。 b. × 絨毛状腺腫に担癌率が高い。 c. × 過誤腫性ポリープであり、非腫瘍性ポリープである。粘膜筋板の増生はPeutz-Jeghers症候群。 d. × 直腸に好発。 e. ○ 直腸〜S状結腸が好発部位。 (96) 65歳男性。S状結腸の有茎性ポリープに対しポリペクトミーを施行し絶食と輸液で経過観察していた。当日夜10時より腹痛を伴わない新鮮血の下血が見られた。意識清明、血圧は不変で、腹部所見にも異常はなかったが、直腸指診で新鮮血が付着した。行うべき処置はどれか。 a,末梢血液検査 b,大腸内視鏡の再検 c,胸・腹部単純X線撮影 d,上部消化管内視鏡検査 e,開腹術 1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de 【解答】 ? 【解説】 bは○ (97) 次の(大腸良性ポリープの?)うち常染色体優性遺伝のものはどれか。2つ選べ。 a,Familial Adenomatous Polyposis b,Turcot syndrome c,Cronkheit-Canada syndrome d,? e,Peutz-Jegher syndrome 【解答】 a, e 【解説】 他にCowden病も常染色体優性遺伝。 (98) 唾液腺腫瘍で良性腫瘍はどれか。 a,多形成腺腫 b,warthin腫瘍 c,粘表皮がん d,腺様嚢胞がん 1,a 2,b 3,ab 4,abcd 5,全て 【解答】 3 (99) 慢性胃炎の説明として正しいものはどれか。 a,自己免疫性胃炎は幽門腺領域の萎縮を特徴とする。b,自己免疫性胃炎は逆萎縮性胃炎とも呼ばれる。 c,萎縮性胃炎の原因としてH.pylori感染が注目されるようになってきた。 d,腸上皮化生は体部腺領域には見られない。 1,ac 2,ad 3,bc 4,bd 【解答】 3? 【解説】 cは○、bも○?、aは×:自己免疫性胃炎は胃体部の萎縮。 (100) 次のうち胃癌の説明として正しいものはどれか。 a,低(未)分化型胃癌は、血行性に肝臓転移を起こしやすい。 b,低(未)分化型胃癌は、腹膜播種による転移を起こしやすい。 c,若年者に起こる胃癌は高分化型癌であることが多い。 d,高分化型胃癌は腸上皮化成で囲まれていることが多い。 1,ac 2,ad 3,bc 4,bd 【解答】 4 【解説】 a. × 低分化型胃癌はリンパ行性転移をしやすい。分化型腺癌は血行性転移が多い。 b. ○ Schnizler転移という。 c. × 若年者では、女性に多く、低分化型腺癌(スキルス胃癌)が多い。 d. ○ 腸上皮化生や慢性萎縮性胃炎は分化型胃癌の発生母地である。