呼吸器 / 耳鼻咽喉科 / 概説


呼吸器/耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科 【1】( )内に適当な語句を記入せよ。 内喉頭筋の内、(a)筋のみは(b)神経に支配されており、声のピッチ(音程)調節に関与している。他の喉頭筋は全て(c)神経により支配されているが、吸気時などに声門を(d)する作用をもつのは(e)筋のみである。また(b)神経の内枝は喉頭内に進入し、粘膜内に終末を形成し、喉頭粘膜の(f)をつかさどる。この(f)が刺激されると嚥下や(g)などの気道防御反射が誘発される。 A輪状甲状 b上喉頭 c反回(下喉頭) d開大 e後輪状披裂 f知覚 g咳嗽 【2】次の記載のうち正しいのはどれか。 1) 第3基板は中鼻甲介よりなる。 2) 篩骨洞の外側壁は紙様板である。 3) 前篩骨動脈は顎動脈の枝である。 4) 鼻出血の好発部位はフォンタネラ部位である。 5) 鼻腔に分布する主な副交感神経は翼口蓋神経節を経由する。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 I. 呼吸器 I - 30 I - 30 解答)b 1)〇第一基板は鉤状突起、第二基板は篩骨胞 2)〇眼窩内側壁のこと 3)×眼動脈の枝 4)× kiesselbach部位 5)〇 【3】気管切開について正しいのはどれか。 1)上気道閉塞による呼吸困難は気管切開の適応である。 2)一側性反回神経麻痺は気管切開の適応となることがある。 3)気管支異物は気管切開による摘出が一般的である。 4)中気管切開では甲状腺の切離を行う。 5)輪状軟骨を切断するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 解答)c 1)〇 2)×両側反回神経麻痺が適応。3)×気管支鏡を用いて鉗子で除去。4)〇 5)〇甲状軟骨、輪状軟骨、第1気管軟骨は靭帯により結合されており、これを破壊するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。この為、通常、第一気管輪は避けたほうがよい。 【4】一側声帯麻痺に対する声帯内方移動術の目的は次のうちどれか。 1)音声の改善 2)誤嚥の防止 3)構音機能の改善 4)上気道抵抗の低減 5)咳嗽効率の改善 a:1.2.3 b:1.2.5 c:1.4.5 d:2.3.4 e:3.4.5 解答)a? 【5】次の記述のうち正しいものを選択せよ。 1) ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因として喫煙が最も多い。 2) 声帯結節は通常両側性である。 3).声帯ポリープの原因はパピローマウイルスである。 4) 声帯白斑症は女性に多い。 5) 声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。 a:1.5 b:3.4 c:2.3.4 d:1.2.5 e:すべて 解答)d 1)〇声帯が全長にわたって浮腫様に腫脹した状態。誘因や症状については声帯ポリープと同じで声帯の酷使と喫煙習慣である。 2)〇声帯縁に生じた小さな結節様隆起で声帯の酷使が原因となる。声帯の前中1/3境界部に両側に向かい合って生じる。 3)× 4)×声帯に白斑または白色腫瘤状の病変をきたすもので症状としては嗄声が主。病理組織学的には異形成から癌まで多彩である。誘因としては喫煙、音声の酷使、飲酒がいわれている。 5)〇声帯ポリープは前中1/3境界部に好発する。前から2/3は声帯膜様部という。

耳鼻咽喉科 1.穴埋め 内喉頭筋の内、(a)筋のみは(b)神経に支配されており、声のピッチ(音程)調節に関与している。他の喉頭筋は全て(c)神経により支配されているが、吸気時などに声門を(d)する作用をもつのは(e)筋のみである。また(b)神経の内枝は喉頭内に進入し、粘膜内に終末を形成し、喉頭粘膜の(f)をつかさどる。この(f)が刺激されると嚥下や(g)などの気道防御反射が誘発される。 <解答> a.輪状甲状 b.上喉頭 c.下喉頭 d.開大 e.後輪状披裂 f.知覚 g.咳 2.次の記載のうち正しいのはどれか。 1)第3基板は中鼻甲介よりなる。 2)篩骨洞の外側壁は紙様板である。 3)前篩骨動脈は顎動脈の枝である。 4)鼻出血の好発部位はフォンタネラ部位である。 5)鼻腔に分布する主な副交感神経は翼口蓋神経節を経由する。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 <解答> c <解説> 1.○ 篩骨蜂巣の基板(basal lamellae)は5つからなり3番目は中鼻甲介である。 2.× 外側壁は眼窩内側壁である。 3.× 前、後篩骨動脈は内頚動脈の枝である。 4.○ 5.○ 3.気管切開について正しいのはどれか。 1)上気道閉塞による呼吸困難は気管切開の適応である。 2)一側性反回神経麻痺は気管切開の適応となることがある。 3)気管支異物は気管切開による摘出が一般的である。 4)中気管切開では甲状腺の切離を行う。 5)輪状軟骨を切断するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 <解答> c <解説>1)○ 2)× 一側性反回神経麻痺では呼吸困難にならない、両側で適応 3)× 喉頭直達鏡・気管支鏡を用いて除去 4)○ 5)○ 甲状・輪状・第一気管軟骨は靭帯で繋がっているので抜去困難になる。 5.次の記述のうち正しいものを選択せよ。(複数可) a) ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因は声帯の酷使である。 b) 声帯結節は通常一側性である。 c) 声帯ポリープの原因はパピローマウイルスである。 d) 声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。 e) 声帯白板症は女性に多い。 <解答> a).d).e)

(耳鼻咽喉科)3枚 1.声の生成のメカニズムについて声帯の層構造を考慮して説明せよ。 対称な1対の声帯を使って、声の高さ、音色の調節を可能にするのは二つの理由による。一つは喉頭筋の働きによって声帯を性質の異なる振動体に変化させうること、他の一つは声帯がそのような変化を受けやすい構造を有していることである。発声中最も大きく振動するのは声帯膜様部中央の遊離縁付近である。ここは、均質ではなく層構造を有している.最表層の粘膜上皮〈重層扁平上皮〉は、きわめて薄い、硬い膜で、物理的には声帯の形を保持する被膜とみなされる。上皮の下には粘膜固有層浅層がある。Reinkeの空隙とも呼ばれる。疎な結合組織よりなり浮腫をきたしやすい。粘膜固有層の中間層は弾力線維が、深層は膠原線維が密である。この両者の境界は鮮明ではなく、両者を合わせて声帯靭帯と呼ぶ。声帯靭帯の奥に声帯の主体を成す声帯筋がある。以上のように、声帯は層構造を有し、声帯筋から成るボディを、上皮及び粘膜固有層浅層から成るカバーが覆っており、両者の間に声帯靭帯より成る移行部がある。これらの層は喉頭筋の働きによってその物性が変化し、変化の起こり方は層によって異なる。 2.次の記載のうち正しいのはどれか。 1.節骨洞の第3基板は中鼻甲介よりなる。 2.後部筋骨蜂巣は中鼻道に開口する。 3.鼻出血の好発部位はフォンタネラ部位である。 4.後節骨動脈は内径動脈由来の眼動脈の枝である。 5.鼻腔に分布する主な副交感神経は翼口蓋神経節を経由する。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 答 c 2× し骨蜂層後群は上鼻道に開口する。前群は中鼻道に開口する。 3× 鼻出血の好発部位はKiesselbach部位 3.気管切開について誤りはどれか。 1.気管支異物による呼吸困難は緊急気管切開の適応である。 2.気管切開後は気管内圧の変動はほとんどなくなるので誤嚥は減少する。 3.輪状軟骨を切断するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。 4.中気管切開では甲状腺の切離を伴う。 5.唾液の流入や誤嚥を防ぐため、カニューレのカフ圧は常時高くしておく。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 答b 1× 気管支鏡を用いて除去 2× 5× 気管の肉芽、変形、瘢痕のもととなる 問題1 下の図は喉頭を上方から見た図である。両側の後輪状披裂筋(後筋)の走行を書き入れなさい。 省略 問題2 両側の後輪状披裂筋(後筋)が収縮した場合の披裂軟骨の動きを図中に書き入れなさい。 省略 問題3 誤っているのはどれか。 a.食道異物は子供や高齢者に多く、異物は生理的狭窄部にとどまる場合が多い。 b.幼児の気道異物としてはピーナッツが多く、内視鏡下で摘出する。 c.両側の反回神経麻庫で高度の呼吸困難がある場合は気管切開の適応となる。 d.気管内チューブを1週間以上留置する場合は声門下狭窄を起こすことがあるので気管切開が必要。 e.右側の反回神経は左側の反回神経に比べ走行が長く物理的な障害を受けやすい。 答 4 問題4 喉頭癌について誤っているのはどれか。 a.頭頸部の悪性腫瘍の中では最も頻度が高い。 b.早期例には放射線化学療法が行われ、進行例には喉頭摘出術が行われる。 c.声帯が腫瘍により固定し運動が認められない場合はT3と診断される。 d.頸部の両側に転移性のリンパ節を認める場合はN2cと診断される。 e.遠隔転移が肺や脊椎に認められる場合の病期分類はIII期である。 I. 呼吸器 I - 47 I - 47 答 e× IV期