呼吸器 / 呼吸器科 / 04卒


呼吸器/呼吸器科

呼吸器科 1.タバコに関して正しいものを2つ選べ。 a. 肺癌の一番のリスクはタバコである。 b. 喫煙指数(ブリンクマンインデックス)は1日の本数×年数である。 c. 喫煙指数が400を超えると禁煙しても肺癌のリスクは下がらない。 d. 低タール、低ニコチンのタバコは発癌のリスクが低い。 〈解答〉a b 2.肺癌の組織型に関して正しいものを2つ選べ。 a.腺癌が最も多い。 b.小細胞癌は末梢にできることが多い。 c.CEAが上昇していたので大細胞癌が考えられた。 d.扁平上皮癌は空洞を形成しやすい。 〈解答〉a d 〈解説〉b× 肺門部発生が多い c× 腺癌のマーカー 3.癌性疼痛に関して正しいものを2つ選べ。 a.NSAIDから開始する。 b.モルヒネは副作用として呼吸抑制があるのでなるべく使用を控える。 c.モルヒネの極量は200mg/日である。 d.骨転移の痛みに対して放射線を照射した。 〈解答〉a d 4.治療に関して正しいものを2つ選べ。 a. I期、II期の非小細胞肺癌に対して手術を行った。 b. III期の非小細胞肺癌の標準的治療は抗癌剤+放射線の併用療法である。 c. IV期非小細胞肺癌の抗癌剤治療で約1年の予後の延長が見込める。 d. 小細胞肺癌は抗癌剤治療で80%近い治癒が認められる。 〈解答〉a b 5. 肺癌治療の主要な抗癌剤シスプラチンの副作用として一般的でないものを1つ選べ。 a. 嘔吐 b. 関節痛 c. 腎機能障害 d. 第8脳神経障害 e.脱毛 〈解答〉b 6.分化度の高い肺腺癌に特徴的なCT所見としてあてはまらないものを1つ選べ。 a. 胸膜陥入像 b. すりガラス状陰影 c. 血管の巻き込み像 d. 結節内部の気管支拡張像 e. 結節周囲の散布巣 〈解答〉e I. 呼吸器 I - 15 I - 15 7.聴診所見で過った組み合わせを1つ選べ。 a. 細菌性肺炎---coarse crackle b. 間質性肺炎---fine crackle c. 中枢気道狭窄---吸気時のwheeze d. 重症の気管支喘息---低波長のwheeze e. 胸膜炎---friction rub 〈解答〉d 8.肺動脈血栓塞栓症の診断について正しいものはどれか。 1.胸痛を伴わない喀血をきたす。 2.高二酸化炭素血症を伴う低酸素血症を呈する。 3.心電図上、右軸偏位が認められる。 4.肺動脈造影で血管内造影欠損が認められる。 5.肺換気血流スキャンで換気血流のmatched defectが見られる。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 〈解答〉d〈解答〉1× 胸痛を伴う 2× 二酸化炭素も下がる 3 4 5○ 9.閉塞性睡眠時無呼吸症候群で見られるのはどれか。 1. 日中の傾眠傾向 2. 睡眠中の痙攣発作 3. 睡眠中の著明な血圧変動 4. いびき a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 〈解答〉1, 4 10. 気管支喘息について正しいものを2つ選べ。 a.発症はIV型アレルギーによる。 b.ペット動物の毛垢、羽毛はアレルゲンとなる。 c.気管支粘膜に好酸球浸潤を伴う炎症がある。 d.β受容体遮断薬の使用により1秒量は増加する。 e.アレルゲン負荷試験は禁忌である。 〈解答〉b c 11.COPDについて正しいものを2つ選べ。 a. 罹患患者数は現在減少傾向にある。 b. 遺伝性要因は関連しない。 c. 残気量は増加する。 d. 胸腔内圧は低下する。 e. 呼気時間は短くなる。 〈解答〉c d 12.COPDの治療について正しいものを2つ選べ。 a.呼吸リハビリテーションは肺機能を改善し予後が延長する。 b.発症後の禁煙は病気の進行に影響しない。 c.吸入ステロイド薬は禁忌である。 d.吸入抗コリン/β刺激薬/キサンチン誘導体など併用は症状改善に効果がある。 e.適切な在宅酸素療法は予後を改善する。 〈解答〉d e 13.肺機能検査上、閉塞性換気障害を呈する疾患を2つ選べ。 a. 特発性間質性肺炎 b. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症 c. びまん性汎細気管支炎 d. 肺胞微石症 e. 睡眠時無呼吸症候群 〈解答〉b c 14.気管支喘息のステロイド吸入療法について正しいものを1つ選べ。 a.主な副作用は糖尿病である。 b.1日800μg以上長期投与してはならない。 c.スペーサーを用いると薬物の効果は低下する。 d.急性発作の治療には無効である。 e.発作の頻度は減少するが、気道過敏性は改善しない。 I. 呼吸器 I - 16 I - 16 〈解答〉d 15.ARDS(急性呼吸窮迫症候群)に関する正しいものを選べ。 1. 肺のコンプライアンスは小さい。 2. Kerley’s B lineは肺胞性肺水腫の所見である。 3. 肺には直接障害が加わった場合にのみひき起こされる。 4. 死因は肺障害よりも多臓器不全によることが多い。 5. 人工換気が肺障害や炎症を増悪することがあり、換気量を小さめにする傾向にある。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 〈解答〉c 16. 吐血と比較した場合の喀血の特徴で誤りを1つ選べ。 a. 吐血では鮮紅色の出血が特徴的 b. 喀血では泡沫状の出血が特徴的 c. 喀血はpHが高い d. 喀血は咳嗽とともに出る e. 喀血の主要死因は失血死である 〈解答〉a ただし、eは窒息が主な原因では? 17.非定型病原菌による肺炎の特徴はどれか。 1. 好中球優位 2. 高齢者に多い 3. 家族内発生が見られる 4. 理学所見に乏しい 5. 基礎疾患を伴うことが多い。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 〈解答〉d 18.結核の診断について正しいものを選べ。 1.ツ反強陽性なら活動性肺結核と診断する。 2.結核性胸膜炎ではADA(アデノシンデアミネース)が上昇する。 3.病理学的には乾酪性肉芽腫を認める。 4.最も鋭敏な検査法はPCR法である。 5.塗抹検査で抗酸菌陽性なら結核と診断する。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 〈解答〉c 19. 40才の女性が肺炎を生じた。膿性の喀痰を伴っている。喀痰グラム染色をしたところ、青紫色の双球菌の好中球貪食像が認められた。以下の細菌でもっとも原因菌として考えられるものはどれか。 a. Streptococcus pneumoniae b. Legionella pneumophila c. Psuedomonas aeruginosa d. Mycoplasma pneumoniae e. Haemophilus influenzae 〈解答〉a 〈解説〉肺炎双球菌 20.肺結核の初期治療に通常使用されない薬剤はどれか。1つ選べ。 a. イソジアニド(INH) b. リファンピシン(RFP) c. エサンブトール(EB) d. ピラジナマイド(PZA) e. サイクロセリン(CS) 〈解答〉e 21. 免疫抑制状態にある患者が乾性咳、発熱とともに呼吸困難を訴え、胸部X線所見ではびまん性スリガラス陰影を呈した。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。 a. Streptococcus pneumoniae b. Legionella pneumophila c. Pseudomonas aeruginosa d. Pneumocystis carinii e. Aspergillus fumigatus I. 呼吸器 I - 17 I - 17 〈解答〉d 22.空気(飛沫核)感染を生じる呼吸器感染症の原因微生物を1つ選べ。 a. Mycobacterium tuberculosis b. Mycoplasma pneumoniae c. Influenza virus e. Streptococcus pneumoniae e.MRSA 〈解答〉a 23.次のうち間質性肺炎の所見として誤りを1つ選べ。 a.肺機能上拘束性障害を示すことが多い。 b.呼吸音では断続性ラ音を聴取することが多い。 c.乾性咳嗽を主症状とすることが多い。 d.胸部レントゲン写真上気管支透瞭像を認めることが多い。 e.ばち指を認めることがある。 〈解答〉d 24.気管支肺胞洗浄液(BALF)について正しい答えを選べ。 1. 通常のBALFの細胞成分は肺胞マクロファージがほぼ90%を占める。 2. 夏型過敏性肺臓炎はBALF中のリンパ球数が増加する。 3. 夏型過敏性肺臓炎はBALF中のCD4/CD8比が増加する。 4. サルコイドーシスはBALF中のCD4/CD8比が低下する。 5. 粟粒結核の診断にはBALが有用である。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 〈解答〉a 25.次のうちサルコイドーシスの所見として正しいものを1つ選べ。 a.両側肺門リンパ節腫脹のある患者はステロイド剤内服の適応である。 b.眼、肺、皮膚の順に病変の出現頻度が高い。 c.肺胞洗浄液中のリンパ球分画が増加する。 a. d.生検組織では乾酪性肉芽腫を認める。 e.血清ACE値が低下する。 〈解答〉c 26.次のうち薬剤性肺炎について正しいものを1つ選べ。 a.漢方薬は薬剤性肺炎を起こさない。 b.抗癌剤による薬剤性肺炎にはアレルギーの関与はない。 c.原因薬剤のDLST(リンパ球刺激試験)は陽性率80-90%と鋭敏な検査である。 d.乾性咳嗽や発熱を一般的には伴わない。 e.一般細菌性肺炎と鑑別が困難なことがある。 〈解答〉e 27. 症例は75才男性。1週間以上続く頭痛と食欲低下を主訴に近医を受診し、胸部X線写真にて左肺門部の腫瘤影を指摘され、血液検査では血清Ca値の増加が認められた。入院後、気管支鏡検査を行ったところ肺腫瘤部より扁平上皮癌細胞が検出され、原発性肺癌と診断された。全身精査の結果、頭部MRI検査にて計3箇所の脳転移巣が認められ頭痛の責任病巣と考えられた。また腹部CT検査では2カ所の肝転移巣が認められたが肝機能に異常はなく全身状態もPS1と比較的良好であった。 問題1)高Ca血症と関連の深い腫瘍産生物質を以下から1つ選べ。 a. ACTH b. ADH c. PTHrP d. G-CSF e. Pro-GRP 〈解答〉c I. 呼吸器 I - 18 I - 18 問題2)この組織型の肺癌と関連の深い腫瘍マーカーを以下から1つ選べ。 a. CEA b. CYFRA c. PSA d. CA19-9 e. NSE 〈解答〉b 問題3)この症例の治療方針として正しい組み合わせを1つ選べ。 1. 患者が希望しても高齢なので抗癌剤は使用すべきでない。 2. 臓器機能が保たれていれば抗癌剤の全身投与を行ってもよい。 3. 原発巣のみは外科的に切除した方がよい。 4. 脳転移巣に対して放射線治療を行った方がよい。 5. 全ての病巣に放射線療法を行った方がよい。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 〈解答〉c or d?(2と4の組み合わせではないのか?) 28. 症例は67才男性。主訴:咳嗽、発熱、呼吸困難。 既往歴:特記事項なし、職歴:酪農業、生活歴:喫煙10本/日×40年 現病歴:元来健康であったが、飼料となるほし草を使用して以来、上記症状が出現。次第に増強してきたので近医を受診し、気管支拡張剤、抗生物質の投与を受けたが改善せず、当科が以来に紹介受診となった。胸部X線写真及び胸部CTでは、小葉中心性の淡い粒状影を呈したが、入院後自然消退している。 問題1)入院時呼吸機能検査上の所見はどれか。 1. 全肺気量の上昇 2. 肺活量低下 3. 1秒率正常 4. 拡産能低下 5. 気道抵抗の低下 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 〈解答〉d 問題2)次に行うべき検査としてふさわしいものはどれか。 1. リンパ球刺激試験 2. 気管支肺胞洗浄(BAL) 3. 経気管支肺生検(TBLB) 4. 外泊試験 5. 気道過敏性試験 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 〈解答〉d