呼吸器 / 呼吸器科 / 03卒


呼吸器/呼吸器科

(呼吸器科) 1)肺癌について正しいものはどれか。 1.小細胞癌は進行が早く化学療法や放射線療法の効果が期待できない。 2.扁平上皮癌は肺の中枢側に生じることが多く比較的転移しにくい。 3.高分化型腺癌は低分化型に比べて陰影が淡く辺縁の境界も不明瞭である。 4.腺癌は通常肺門部の太い気管支に発生し、喫煙との関係が深い。 5.原発巣が小さいうちはリンパ行性転移や血行性転移はきたさない。 a.1,2. b.1,5. c.2,3. d.3,4. e.4,5 I. 呼吸器 I - 22 I - 22 答)c 1.放射線+化学療法を行う。これらに対する感受性は高い。2.○3.○4.末梢に発生することが多く喫煙との関係は明らかでない。5.特に小細胞癌では早期より遠隔転移を来しやすい。(講義プリント呼吸器科) 2)小細胞肺癌について正しいものを選べ。 1.異所性ホルモン産生の原因となることがある。 2.腫瘍内壊死傾向が強い。 3.肺炎様の拡がりを示し、粘液を多量に分泌することがある。 4.大部分は肺の末梢に発生する。 5.関連の深い腫瘍マーカーはPro-GRPである。 a.1,2. b.1,5. c.2,3. d.3,4. e.4,5 答)b 1.○ACTH、ADH、hCGなどを産生する。2.扁平上皮癌で強く、空洞形成が見られる。3.腺癌の特徴。4.肺門部に好発。5.○他にNSEが重要。(講義プリント呼吸器科) 3)肺癌に伴う癌性胸膜炎について正しいものを選べ。 1.大部分は片側性に発症する。 2.胸水の性状は漏出性であることが多い。 3.胸水細胞診検査でClassIIであれば確定診断としてよい。 4.胸水中のヒアルロン酸値は多くの場合高値を示す。 5.癌性胸膜炎を合併した肺癌は手術適応とならない。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 答)b 1.○2.滲出性。血性であることが多い。3.Classは癌性。4.ヒアルロン酸高値は悪性胸膜中皮腫の特徴。癌性ではLDH、CEA↑5.○原発巣に対する放射線照射などが適応となる。(year note I12-14) 4)縦隔腫瘍について正しいものを選べ。 1.神経原性腫瘍(5%が悪性)は前縦隔に好発する。 2.胸腺腫(基本的に悪性)は細胞診検査によって診断がつくことが多い。 3.重症筋無力症は胸腺腫の合併症の一つである。 4.悪性胚細胞腫瘍は若年男性に多い。 5.縦隔原発悪性リンパ腫は外科的に切除されることが多い。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 ○d.3,4 e.4,5 答)d 1.後縦隔。2.診断は胸写による。3.○約30%に合併する。4.○5.通常化学療法と放射線療法が行われる。(year noteI124-127) 5)高分化型肺腺癌の画像上の特徴はどれか? 1. 血管集中像 2. けば立ち 3. 胸膜陥入(spicula) 4. 分葉化(lobulation) 5. 空洞形成 a. 1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 【解答】a. 【解説】1,3は肺野型・腺癌の所見。5は中枢性・SCCの所見。(cf:2002卒試A群1,yn-I89) 6)喫煙が発症に関係する疾患はどれか? 1.サルコイドーシス 2.慢性閉塞性肺疾患 3.肺癌 4.肺好酸球性肉芽腫症 5.びまん性汎細気管支炎(DPB) a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 【解答】d. 【解説】喫煙が関与するのは肺癌(SCC,SCLC),DIP(剥離型間質性肺炎),好酸球性肉芽腫症 (cf: 2002卒試A群13, yn-I64,106) 7)60才の女性が肺炎を生じた。膿性の喀痰を伴っている。喀痰をグラム染色をしたところ、青紫色の双球菌の好中球貪色像が認められた。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。 a. Streptcoccus pneumoniae b. Legionella pneumophila c. Pseudomonas aeruginosa d. Mycoplasma pneumoniae e. Haemophilus influenzae [解答] a [解説] aはグラム陽性双球菌。b,c,eはグラム陰性桿菌。dは細胞壁なし。(cf:yn-I44) 8)25才の健康成人が肺炎を生じた。βラクタム系抗菌剤を使用したが、効果が認められず、急速に進行し呼吸不全を生じた。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。 a. Legionella pneumophila b. Pseudomonas aeruginosa c. Pneumocystis carinii d. Aspergillus fumigatus e. Klebsiella pneumoniae [解答] a [解説] a; 高齢者,易感染宿主が罹患,曝露量が多いと健康成人も感染、βラクタム系無効。b;院内感染症として重要。c;免疫不全者で感染。d; 日和見感染症,菌交代症。e;院内感染で重要、セフェム系濫用による菌交代現象としての日和見感染。βラクタム系無効・急速な転帰、よりaがmost likelyであると考えた。 (cf:yn-I48,49) 9)若年成人が肺結核を発症した。感受性試験では薬剤耐性を持たないことが示唆された。肺結核の初期治療に通常使用されない薬剤はどれか。 a. イソニアジド(INH) b. リファンピシン(RFP) c. エサンブトール(EB) d. ピラジナマイド(PZA) e. サイクロセリン(CS) 【解答】e. 【解説】ストレプトマイシン(SM)を使用。 10)アスペルギルスにより最も生じにくい呼吸器疾患は以下の内どれか。 a.気管支喘息 b.気管支炎 c.Fungus ball d.膿胸 e.間質性肺炎 【解答】e.【解説】a;アレルギー性気管支肺アスペルギルス症or喘息性肺好酸球増加症による。b;中枢性気管支拡張症による。c;肺アスペルギローマによる。d;慢性壊死性肺アスペルギローマにより起こる可能性あり?e;過敏性肺臓炎の誤り。 (cf:yn-I 62,63) 11)免疫抑制状態にある患者が呼吸困難を訴えた。乾性咳嗽、発熱を伴っている。胸部X線所見では、びまん性すりガラス陰影を呈した。以下の原因菌で最も考慮が必要なものはどれか。 a. Streptcoccus pneumoniae b. Legionella pneumophila c. Pseudomonas aeruginosa d. Pneumocystis carinii e. Aspergillus fumigatus 【解答】d.【解説】aは基礎疾患のない健康者に生じることが多い。cは両下肺野の気管支炎像を呈する。dは主にIPの症状を示し、発熱・頑固な咳(喀痰は少ない)・呼吸困難(チアノーゼ)が目立つ。Xpで両側びまん性すりガラス〜斑状陰影を呈す。eは組織進入型は発熱・咳嗽・血痰・呼吸困難を伴う。(cf:yn-H 54) 12)感染防御機序の破綻で生じる病態として関連があるものはどれか a.神経学的感染防御機構 − 菌交代症 b.生物学的感染防御機構 − 肺化膿症 c.物理的感染防御機構 − immotile ci1ia症候群 d.生化学的感染防御機構 − 薬剤性肺炎 e.免疫学的感染防御機構 − 急性好酸球性肺炎 【解答】c. (cf:H14,3年生呼吸器試験,呼吸器の20番) 13)結核の記載について正しいものを選べ a. 粟粒結核の特徴は大量排菌を伴うことである b. BCG接種者は結核を発病しない c. 結核性胸膜炎は飛沫核感染を容易に起こす d. 排菌患者にはN95マスクを装着させる e. 気管支結核は感染危険度が高い [解答] e [解説] a.×喀痰からは菌は検出できず b.×全身諸臓器への血行性感染を予防 c.? d.×(N95マスクを装着するのは病室へ入る人)、e.○感染危険度指数=喀痰のGaffky号数×患者が咳をしていた月数。(cf:yn-I 60,128他) I. 呼吸器 I - 24 I - 24 14)サルコイドーシスについて正しいのはどれか。 1.肺胞洗浄液中のリンパ球が増加していることが多い。 2.病変部に乾酪性肉芽腫が形成される。 ※非乾酪性 3.胸部X線所見のBHLは病気分類III期を示唆する。 ※I,II期 4.治療はまず副腎皮質ステロイド製剤の吸入より開始する。 5.血清ACEは活動性の指標となる。 a.1,2 b.2,3 c.3,4 d.4,5 e.1,5 【解答】e.【解説】1.○病変部位では活性化されたhelper-Tcellの増生。2.×乾酪性→非乾落性。3.×III期→I、II期。4.×BHLのみの時はステロイドの適応(−)。5.○(cf:yn-I 106) 15)膠原病の肺疾患について正しいのはどれか。 1. 多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う間質性肺炎では抗Jo-1抗体陰性症例に比し、陽性症例のほうが予後は良い。 2. 多発性筋炎/皮膚筋炎に伴う間質性肺炎は特発性間質性肺炎の多くを占めるusual interstitial pneumonia (UIP)より予後は悪い。 3. 強皮症に伴う間質性肺炎は、ステロイド剤による治療によく反応する。 4. 関節リウマチの肺病変には閉塞性細気管支炎(BO)を伴うことがある。 5. 全身性エリテマトーデス(SLE)では強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎に比し胸膜炎合併頻度が高い。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 [解答] c [解説] 1.○ 2.×悪いものもある3.×難知性であり、有効でない4.○ステロイド薬に反応。5.○11項目の診断基準の一つで約半数に合併。(cf:内科学,p232-234) 16)肺分画症について正しいのはどれか。 1. 先天性異常である 2. 手術による摘出は禁忌である。 3. 肺動脈との交通がある。 4. 大動脈造影が診断に有用である。 5. 左下葉に好発する。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1.4.5 d.2.3.4 e.3,4,5 【解答】c.【解説】1.○正しい。2.×肺炎を繰り返す場合などは適応となる。3.×ない。大循環からの血液供給。4.○正しい。大循環からの異常動脈で確定診断。5.○正しい。特にS10に好発(60%)。(cf:yn-I 80, 2002卒試A群12) 17)気管支肺胞洗浄液(BALF)について正しい答えを選べ。 1.正常のBALFの細胞成分は肺胞マクロファージがほぼ90%を占める。 2.夏型過敏性肺臓炎はBALF中のリンパ球数が増加する。 3.夏型過敏性肺臓炎ではBALF中のCD4/CD8比が増加する。 4.サルコイドーシスはBALF中のCD4/CD8比が低下する。 5.粟粒結核の診断にはBALFが有用である。 a.1,2 b.2,3 c.2,4 d.2,5 e.4,5 【解答】a.【解説】1.○ 2.○T リンパ球↑。3.×低下する。4.×増加する。5.×TBLBによる乾酪性肉芽腫を同定。 (cf:yn-I 60,104) 18)ARDS(急性呼吸窮迫症候群)に関する正しいものを選べ。 1.肺のコンプライアンスは小さい。 2.Kerley's B lineは肺胞性肺水腫の所見である。 3.肺に直接障害が加わった場合にのみ引き起こされる。 4.死因は肺障害よりも多臓器不全によることが多い。 5.人工換気が肺障害や炎症を増悪する可能性があり、最近では換気量を小さめにする傾向にある。 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5【解答】c.【解説】1.○ 2.×胸膜腔の液貯留所見。3.× 間接的にも起こりうる。4.○?5. ○ permissive hypercapniaという。(cf:yn-I 114)(H14,呼吸器概説,呼吸器) 19)アスピリン喘息に関し正しいものはどれか 1.解熱薬の注射では発作が誘発されない 2.市販の風邪薬では発作が誘発されない 3.抗ロイコトリエン薬で発作が完全に予防できる 4.ステロイド注射薬の中にも発作を誘発するものがある 5.鼻茸を合併した喘息患者にみられることが多い a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 【解答】e.【解説】1.×NSAIDs一般で誘発される。2.×3.×有効である可能性がある。4.○5.○他に感染性気管支喘息、慢性副鼻腔炎の合併が多い。(cf:yn-I 102) 20)気管支喘息の診断に有用なものはどれか 1.抗喘息薬による症状の改善 2.β刺激剤吸入前後のFEV1.0%の改善 3. 喀疲中好酸球の増多 4.β刺激剤吸入前後のFEV1.0%の改善 5.胸部X線写真 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 【解答】a.【解説】1.○吸入テスト(β2刺激薬)2.○吸入後FEV1.0が15%かつ200ml以上の改善。3.×喘息の診断には役立たない。4. 2.と同じなので正しい(問題作成ミスだと思います)5.× 軽症時には正常。(cf:yn-I 97) 21)COPD患者の生存率を向上させるものはどれか 1. 呼吸リハビリテーション 2. 禁煙 3. 在宅酸素療法 4. 気管支拡張薬 5. 吸入ステロイド薬 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 【解答】c.【解説】予後に影響する因子:喫煙、FEV1.0%、低O2血症、加齢、性差など。1. 運動耐容能の改善3. 生命予後の改善4. QOLの改善5. QOLの改善(cf:yn-I67,68) 22)肺機能検査について正しい組合せはどれか。 1.機能的残気量はスパイロメトリー(肺容量計)を用いて測定する。 2.安静呼気位では肺と胸郭の弾性収縮力が釣り合っている。 3.FEV1.0%はCOPD重症度の判定に利用される。 4.肺気腫では拡散能の上昇が認められる。 5.予測肺活量は性別、年齢、体表面積から算出できる。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 [解答] c [解説] 1.×(測定できない)2.○(肺内圧=肺弾性圧+胸腔内圧)3.○(FEV1.0%は予後決定因子) 4.×上昇→低下 5.×予測肺活量(mL)はBaldwinの予測式より求められる。♂(27.63-0.112×age)×身長(cm)、♀(21.78-0.101×age)×身長(cm)(cf:内科学 p164,221) 23)動脈血ガスについて誤っている組合せはどれか。 1.酸素分圧の化学受容体は延髄に存在する。 2.高炭酸ガス血症は肺内シャントの程度を反映する。 3.換気血流不均等分布の増大によりA-aDO2は開大する。 4.低酸素換気応答は双曲線のパターンを示す。 5.炭酸ガス分圧が上昇すると脳血管は拡張する。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 [解答] a [解説] 1. CO2上昇を感知 2. 反映しない 3.○ 4.○ 5.○(消去法です) I. 呼吸器 I - 26 I - 26 24)気管支喘息について正しい組合せはどれか。 1.成人喘息では非アトピー性喘息が8割をしめる。 2.気道の可逆性がみられなければ喘息を否定できる。 3.アトピー性喘息治療の第1選択は減感作療法である。 4.重症喘息発作では聴診所見として喘鳴が減弱する。 5.喘息重症度判定にはスパイロメトリーが必要である。 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 [解答] e [解説] 1.×(50%)2.× 3.×β刺激薬 4.○ 5.○ 25)聴診所見で、誤った組み合わせはどれか a. 細菌性肺炎−coarse crackle b. 間質性肺炎−fine crackle c. 中枢気道狭窄−吸気時のwheeze d. 重症の気管支喘息−低波長のwheeze e. 胸膜炎−friction rub(胸膜摩擦音) [解答] d [解説] 気管支喘息では高波長のwheezeが聞かれる 26)肺動脈血栓塞栓症の診断について正しいものはどれか。 1.胸痛を伴わない喀血をきたす 2.高二酸化炭素血症を伴う低酸素血症を呈する 3.心電図上、右軸偏位がみられる 4.肺動脈造影で血管内造影欠損がみられる 5.肺換気血流スキャンで換気血流のmatched defectがみられる a.1,2 b.1,5 c.2,3 ○d.3,4 e.4,5 [解答] d [解説] 1. 胸痛は必ず伴う 2. 急性期は伴わない、hyperventilation 3. 左心不全となるため正しい 4. ○ 5. みられない 症例問題1.67歳、男性。主訴:咳嗽、発熱、呼吸困難 既往歴:特記事項無し 職歴:酪農業 生活歴:喫煙10本/日×40年 現病歴:元来健康であったが、飼料となる干し草を使用して以来、上記症状が出現。次第に増強してきたので近医を受診し、気管支拡張剤、抗生物質の投与を受けたが改善せず、当科外来に紹介受診となった。胸部X線写真および胸部CTでは、小葉中心性の淡い粒状影を呈したが、入院後自然消退している。 27)入院時呼吸機能検査上の所見はどれか. 1. 全肺気量の上昇 2. 肺活量低下 3. 一秒率正常 4. 拡散能低下 5. 気道抵抗の低下 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 28)次に行うべき検査としてふさわしいものはどれか。 1. リンパ球刺激試験 2. 気管支肺胞洗浄(BAL) 3. 経気管支肺生検(TBLB) 4. 外泊試験 5. 気道過敏性試験 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 27)[解答] d [解説] 典型的な過敏性肺臓炎である。診断根拠は小葉中心性の粒状影、抗原からの隔離で症状消失、抗生物質や気管支拡張剤に反応しない、があげられる。過敏性肺臓炎の症状には、悪寒、発熱、咳、呼吸困難があり、肺機能検査では拘束性障害を呈する。 28)[解答] d [解説] サルコイドーシス,特発性間質性肺炎,粟粒結核,膠原病肺,びまん性汎細気管支炎と鑑別を行う 2.Tリンパ球数の増加,CD4/CD8比の減少(日本の農夫肺では高い) 3.呼吸細気管支中心の病変 4.抗原からの隔離で症状の消失があるかどうかをみる I. 呼吸器 I - 27 I - 27 症例問題2.25歳の女性。 1ヶ月前より咳嗽、血痰、胸痛、鼻汁、難聴を自覚し、当科受診したところ、胸部X線、CTにて両側性に空洞を伴う結節影と浸潤影を認め、耳鼻科受診したところ、副鼻腔炎と中耳炎を指摘された。喀痰の抗酸菌塗沫染色は陰性。 29)診断上重要な検査はどれか? 1.好中球細胞質抗体測定 2.ツベルクリン反応 3.特異的IgE測定 4.気管支動脈造影 5.尿検査 a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5 30)鼻粘膜と肺生検を行った結果、最も得られる可能性の高い所見はどれか。 a. 平滑筋過誤腫性増殖 b. PAS陽性の脂質に富む蛋白様物質の肺胞内充満 c. 壊死性肉芽腫性血管炎 d. アミロイドの沈着 e. 閉塞性細気管支炎・器質化肺炎 29)[解答] b [解説] 1.Wegener肉芽腫に特異的 5.腎病変の検出(半月体形成性腎炎) 30)[解答] c [解説] 咳嗽、血痰、胸痛、鼻汁、難聴、副鼻腔炎、中耳炎などWegener肉芽腫症の症状を呈している。臨床免疫学的にはC-ANCAを疾患標識抗体とする。鼻生検、肺、腎生検で壊死性肉芽腫炎を確認することで診断。治療はシクロフォスファマイド、グルココルチコイド。