呼吸器 / 外科 / 卒試


呼吸器/外科

外科 【1】下の文の( )に適切な語句を入れよ 原発性自然気胸の患者像は若年、男性、( )、痩躯で、肺尖部に好発する胸膜直下の( )の破裂が主因である。続発性自然気胸の基礎疾患として慢性肺気腫、間質性肺炎、肺癌、Marfan Syndrome、( )などがある。気漏部のcheck valve機構によって一方向性に持続的に気漏が続く場合( )性気胸に陥りやすく、急性呼吸・循環不全となる。ただちに( )を施さなければならない。 胸壁の穿通性外傷だけではなく( )的外傷においても気胸を発生することがある。外傷によって生じる気胸は気漏部が大きく開放性気胸となることがあり、胸壁損傷の場合は( )性気胸、肺・気管支損傷の場合は( )性気胸となり、緊急手術の適応となる。 [解答] 喫煙者、bleb、肺結核、緊張、胸腔ドレナージ、鈍、外開放、内開放 【2】下の文の( )に適切な語句を入れよ 全身状態の良い臨床( )期および一部のIII期非小細胞肺癌患者には標準手術である( )切除+縦隔リンパ節郭清が行なわれる。早期例や心肺機能不良例には( )手術が行なわれている。切除後の5年生存率は概ね( )%であるが、最近、術後補助( )療法の再発抑制効果が注目されている。局所進行肺癌には多臓器合併切除や気管・気管支や大血管の形成手術が行われることもあるが、予後向上のため放射線治療や化学療法を手術前に行なう療法が検討されている。 転移性肺腫瘍に対する肺切除は原則として( )が制御されており、他臓器に転移が無く全身状態が良い場合には適応となるが、すべての組織型の5年生存率は概ね( )%である。 胸膜中皮腫に対する有効な治療法は開発されていないが、I期( )型の場合、根治切除が可能な事もある。 [解答] I・II、肺葉、縮小、50、化学、原発巣、?、上皮 I. 呼吸器 I - 3 I - 3 【3】以下の情報と胸部X線写真より考えられる臨床病名を答えよ(複数回答可)。 64歳男性。高血圧のため五年前より内服治療を受け、毎年1回胸部X線写真を撮影されていたが、異常所見を指摘されたことはなかった。6か月前より、右肩から背部に放散する疼痛を自覚し、近医にて肩関節疾患、頚椎疾患を疑われ理学療法を行っていたが、次第に疼痛が増悪し、右手掌橈側のしびれ、食欲減退、全身倦怠感を伴ってきたため、大学病院を紹介された。咳嗽、喀痰などなし。 既往歴:高血圧 喫煙歴:30本/日×40年 血算:WBC: 12000, Hb: 10.2, Plt: 16万 血液生化学:TP: 6.2, Alb: 3.2, AST: 20U/μl, ALT: 18U/μl, LDH: 427U/μl, ALP: 690U/μl(WBC、Hb、TP、Alb、ALPが異常) 胸部X線像:右第2肋骨起始部の融解像、右胸腔頂の胸膜肥厚 [解答] 多発性骨髄腫 [鑑別診断] その他の胸壁の悪性腫瘍(軟骨肉腫、骨肉腫など)、肺癌の胸壁浸潤、中皮腫、転移性胸壁腫瘍 [解説] (1)呼吸器症状(咳嗽、喀痰)がない、(2)胸部X線で肋骨の融解像がみられる、(3)血清ALPの上昇がみられる、以上の3点より多発性骨髄腫が最も考えられる。

外科 1.広義の外傷性気胸の原因病態について正しいものを3つ選べ。 1. 肋骨骨折 2. 人工呼吸 3. 気管損傷 4. 食道損傷 5. 鎖骨下静脈穿刺 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 [解答] a 2.胸部救急疾患について正しいものを2つ選べ。 1. 縦隔気腫を見たら気胸の存在を疑い、胸腔ドレナージを考慮する。 2. 急性呼吸不全をきたした緊張性気胸はただちに人工呼吸を行う。 3. 肺挫傷には外科的切除が必要である。 4. 隣接する3本以上の肋骨が2カ所で骨折すると、flail segmentを形成する。 5. 高度な気道損傷は人工肺を用いた緊急手術が必要となる。 a. 1,2 b. 1,5 c. 2,3 d. 3,4 e. 4,5 [解答] e [解説] 2は禁忌 I. 呼吸器 I - 12 I - 12 3.過っているものを2つ選べ。 1. 両側転移性肺癌は手術非適応である。 2. 器質化肺炎は画像上、肺扁平上皮癌との鑑別を要することが多い。 3. 非浸潤性胸腺腫に対する外科切除後の10年生存率は約90%である。 4. パンコースト型肺癌ではホルネル症候群をきたす。 5. 肺軟骨性過誤腫は増大傾向を示し、時に肉腫様転化をきたす。 a. 1,2 b. 1,5 c. 2,3 d. 3,4 e. 4,5 [解答] b? [解説] 2002年卒試より 1.× 近年は両側の転移性肺癌に対しても完全切除が期待でき、他の臓器に転移が見られないときは、積極的に手術を行っている。 2.○ 3.○ 4.○ 5.× 4.良性肺疾患について、適切な組み合わせを3つ選べ。 1.肺過誤腫 – Pop corn状腫瘤 2.肺動静脈瘻 – 脳血栓症 3.肺分画症 – Osserman分類 4.肺葉性肺気腫 – 一側肺の1/3以上を占める嚢胞 5.硬化性血管腫 – 血痰、発熱 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 [解答] b [解説] 3.× Pryce分類 4.× 一側性に限局するびまん性の肺気腫 5.胸膜疾患について、過っているものを1つ選べ。 a. 切除不能な悪性胸膜中皮腫平均余命は約6ヶ月と言われている。 b. 胸管損傷は1日に1500-2000mlの乳び漏出をきたす。 c. 時間あたり200ml以上の胸腔内出血が3時間継続したら開胸止血の適応である。 d. 膿胸の治療原則は、無菌化・死腔の消滅・瘻孔の閉鎖である。 e. 癌性胸膜炎は、胸部悪性腫瘍に膿胸を併発した状態である。 〈解答〉e 〈解説〉2002年卒試より 6.縦隔疾患について適切な組み合わせを3つ選べ。 1. 気管支嚢腫 – 気胸 2. 胸腺腫 – 重症貧血 3. 拡大胸腺摘出術 – 重症筋無力症 4. 嚢胞内歯牙・毛髪 – 良性奇形腫 5. 前縦隔腫瘤 – von Reckling Hausen病 a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5 〈解答〉d 〈解説〉2002年卒試より 7.原発性肺癌の治療指針について記せ。 〈解答〉組織形態・Stage・全身状態/合併症で決められる。Stage別治療方針は講義ノートを参考にしてください。

(外科)復元 1.胸膜・胸壁の疾患について、正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。 a.( )悪性胸膜中皮腫の発生と喫煙は関連がある。 b.( )緊張性気胸は緊急手術の適応である。 c.( )原発性胸壁悪性腫瘍で最も多いのは軟骨肉腫である。 d.( )胸部外科手術後の乳び胸は胸管やその主要分枝の損傷が原因である。 e.( )自然気胸の手術後再発率は1〜5%である。 [解答] a.×アスベスト暴露 b.×胸腔ドレナージ c. ○ d. ○ e. ○ 2.良性肺疾患について下記の組み合わせで正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。 a.( )肺葉性肺気腫 − 新生児・乳児 b.( )硬化性血管腫 − 脳血栓症 c.( )肺分画症 − Pryce分類 d.( )巨大気腫性肺嚢胞 − 一側肺1/2以上を占める嚢胞 e.( )肺動静脈瘻−Eaton Lambert syndrome(肺癌の腫瘍随伴症状,近位筋の易疲労性と脱力) [解答] a.○ b.×・・気管支動脈造影でメロンの網目状 c.○ d.×・・1/3である e.×・・Rendu-Osler-Weber(遺伝性出血性毛細管拡張症)を合併することがある 3.肺悪性腫瘍の外科治療について正しいものに○誤っているものに×をつけよ。 a.( )原発性肺癌の標準手術は葉切除または片肺全摘及び縦郭リンパ節郭清である。 b.( )期小細胞癌は切除+化学療法で長期生存が期待できる。 c.( )転移性肺腫瘍の切除後5年生存率は約30%である。 d.( )胸壁浸潤肺癌(T3N0M0)は手術適応がある。 e.( )A期非小細胞肺癌の切除後5年生存率は約80%である。 解答 a.○ b.×予後は悪い c.○ d.○ e.○ 4.非小細胞癌の手術適応について述べよ。 [解答] 臨床病期で高度な進展(M1、高度N2、N3、T4)がみられないこと。心肺機能が温存されていること。全身状態が良く、手術の侵襲に耐えられること。以上を満たしていれば手術適応である。