結核菌


各論

結核菌 Mycobafterium tuberulosis 4. 結核と結核菌について以下の問いに答えよ 戸田新p646

1) 結核菌を培養するために用いられる培地、培養日数、酸素の必要性について 小川培地やLowenstein-Jensen培地がよく用いられる。培養日数は3〜4週間(場合によっては8週間!)で、結核菌は好気性菌であるため酸素が必要である。

2) 感染源と感染経路について 戸田新p652 結核患者の咳などによって飛散する飛沫核に含まれる結核菌を吸い込むことによって感染するが、まれには経皮的に、あるいは消化管から感染することもある。

3) ガフキー号数とは何か "ガフキー"は結核菌発見者ロベルト・コッホの共同研究者の名前である。ガフキー号数は、喀痰の塗抹標本を顕微鏡で見て、標本中の結核菌の多少を表現する数値で、見られない場合を0、見えた場合、少ない方から多い方に1から10までの整数を当てたものある。しかし、喀痰の採取具合、塗抹標本の作成技術、鏡検熟練度などで精度が左右されることや、このように細かく分類することの意義についても疑問視されている。

4) BCGとは何か  パスツール研究所により13年、230代の累代を重ねて確立した病原性を示さない菌株のこと。この株を用いた経口投与、注射によりワクチンとしての有効性が確認された。

5) ツベルクリン反応とは何か ツベルクリンは結核菌の培養ろ過液中に分泌されるタンパクを主成分したものである。ツベルクリン反応とは、精製ツベルクリンを皮内注射することによって生じるIV型(遅延型)アレルギー反応であり、感染防御免疫同様、細胞性免疫によって起こる。問題は、ツベルクリン反応が陽性ということと、結核に対する感染防御免疫ができているということが必ずしも一致しないことである。

5)結核菌
    結核患者の咳などによって飛散する、飛沫核に含まれる結核菌を吸い込むことによって感染が成立する。(まれには経皮的に、あるいは消化管から感染することもある。)ゆえに結核患者に不用意に近づかないことが感染予防に役立つ。