肝胆膵 / 卒試 / 04 / 前半


肝胆膵

2004年度卒業試験(復元) 1.現在(検査時)の肝(実質細胞)の合成能をみるのに最も適切なものはどれか。 a.アルブミン b.コリンエステラーゼ c.ヘパプラスチンテスト d.プロトロンビン時間 e.コレステロール 1 a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e <解答>4 2003卒試と同じ 2.黄疸のある患者が来院した。検尿を施行したところ、尿中ウロビリノーゲン(N)、尿中ビリルビン(+++)であった。この結果より考えられる病態はどれか。 a.完全閉塞性黄疸 b.溶血性黄疸 c.重症肝炎 d.非代償性肝硬変症 e.新生児黄疸 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e <解答>4 a.○ 尿中ウロビリノーゲン陰性 b.× 尿中ウロビリノーゲン高値 尿中ビリルビン陰性 c.× 尿中ウロビリノーゲン高値 尿中ビリルビン陽性 d.× 尿中ウロビリノーゲン高値 肝細胞障害による 尿中ビリルビン陽性 e.× 尿中ウロビリノーゲン高値 尿中ビリルビン陰性 3.トランスアミナーゼ AST,ALTについて正しいもの。(‘03卒試11番と同じ) a.ASTは肝に特異的であるのに対してALTは肝以外で赤血球や筋肉にも存在する b.急性肝炎において(1)AST/ALT=2000/1000と(2)AST/ALT=1000/2000では、(1)のほうがさらに症状(肝炎)が悪化する可能性が強い c.AST,ALTの上昇は肝実質細胞(肝細胞)の破壊を意味している d.C型肝炎の患者でAST60,ALT70であった。これらトランスアミナーゼの値が低いので肝硬変症は考え難い e.ASTの半減期は約40時間で、ALTの16時間に比べて長い 1ab 2ae 3bc 4cd 5de <解答>3 a × ASTは心筋や骨格筋や赤血球にも含まれているため、心筋梗塞や骨格筋疾患、溶血性貧血でも上昇する。 b ○ ASTの半減期は13時間、ALTの半減期は41時間であり、AST優位のほうが極期を迎えておらずこれから症状が悪化する可能性が高い。 c ○ トランスアミナーゼは肝逸脱酵素とも呼ばれ、肝細胞が壊れていることを意味する。 d × 慢性肝炎においてはトランスアミナーゼが100UI以下でほとんど自覚症状がないことが多い。 e × ASTとALTが逆。 4.肝疾患と免疫グロブリンの関係で正しい組み合わせはどれか。 a. IgE高値:急性A型肝炎 b. IgM高値:原発性胆汁性肝硬変症 c. IgG高値:自己免疫性肝炎 d. IgA高値:アルコール性肝硬変症 e. IgG高値:薬剤性肝炎 1) a, b, c 2) b, c, d 3) c, d, e 4) a, b, e 5) a, d, e <解答>2 a × A型肝炎はIgM高値 c ○ 肝硬変でもIgGが上昇する。 e × 薬剤性肝障害はIgE高値(アレルギー)他に寄生虫感染でもIgEが上昇する。 B. 肝胆膵 B - 11 B - 11 5.B型肝炎ウイルスマーカーに関する記述で正しいものはどれか。 a.HBe抗原は感染細胞において産生され、その陽性はウイルス増殖が盛んなことを意味している。 b.HBs抗原はウイルスの存在を意味している。 c.HBe抗体は中和抗体であるので、その陽性者からの感染の危険性はない。 d.HBc抗体は既感染を意味しており、一般にキャリアーでは陰性である。 e.HBs抗原陽性、IgM-HBc抗体強陽性の場合、B型急性肝炎と考えてよい。 1.a,b,c 2.b,c,d 3.c,d,e 4.a,b,e 5.a,d,e <解答>5 a ○ HBV感染細胞から分泌される蛋白であり、陽性はウイルスの増殖が盛んなことを示している。 b ○ HBVのエンベロープを構成する蛋白であり、陽性はHBVが血中に存在することを示している。 c × HBe抗原に対する抗体であり、HBe抗原陰性・HBe抗体陽性はセロコンバージョンを示している。しかし、針刺し事故の場合は感染の危険性がある。 d × キャリアーは200倍希釈で陽性。 e ○ 感染によりHBs抗原が陽性となり、IgM-HBc抗体が出現する。 6.肝細胞癌について正しいものを選べ a. 肝細胞癌の腫瘍マーカーとしてαフェトプロテインとCA19.9が有用である b. 転移性肝癌との鑑別に67Ga citrateによるGaシンチが有用である c. 腹部超音波検査では2cm以下の肝細胞癌の検出率は低い d. ダイナミックCTにおいて,肝細胞癌は肝動脈相で造影され,門脈相では造影されない為に,いわゆるhig-low patternを示す e. 肝細胞癌の多くは肝硬変を発生母地としてもっている 1)a,b 2)a,e, 3) b,c 4) c,d 5) d,e <解答>5 a×肝細胞癌の腫瘍マーカーはAFPとPIVKA-II。CA19-9は膵癌・胆道癌の腫瘍マーカー。 b× c×腹部超音波検査では1cm未満の肝内小結節でも発見できる。断層面を自由に設定できるため、CT以上の情報が得られることも多い。d○肝細胞癌は肝動脈から栄養を受けている。 7.肝性脳症について正しい記述の組み合わせを選べ。 a.肝性脳症II度以上では羽ばたき振戦を認めることが多い。 b.肝性脳症では尿素回路がうまく働かないために血中アンモニアが上昇している。 c.肝性脳症ではFischer比が上昇している。 d.肝性脳症ではアミノ酸の異常バランスを補正するために芳香族アミノ酸の輸液を行う。 e.肝性脳症では合成2糖類(ラクチュロース等)を経口、または注腸で投与する。 1.abc 2.bcd 3.cde 4.abe 5.ade <解答>4 2003年卒試の問題15と同じ 8.64歳の男性。2ヶ月前から始まった倦怠感、食欲不振を主訴として来院した。胸部にクモ状血管腫、手掌紅斑を認めた。肝は触知しなかった。白血球 3000/mm3, 赤血球 350万/mm3,血小板 6万/mm3, 総ビリルビン1.2mg/dl, アルブミン 3.0mg/dl, AST 69U/L, ALT 48U/L, ヘパプラスチンテスト 45%(正常80%以上), αフェトプロテイン 350ng/dl(正常10以下), cA19-9, cEAはともに正常範囲内、HBs抗原陰性、HCV抗体陽性であった。腹部エコーにて肝左内側区域に直径2cmの低エコーを呈するSOL(space occupied lesion)を認めた。以下の記述で正しいものはどれか。 a.エコー上のSOLは肝血管腫である可能性が高い。 b.エコー上のSOLは胆管癌である可能性が高い。 c.エコー上のSOLは肝細胞癌である可能性が高い。 d.SOL以外の肝は肝硬変である。 e.SOL以外の肝は慢性肝炎である(肝硬変ではない)。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de B. 肝胆膵 B - 12 B - 12 <解答>4 2003年の卒業試験18番と同じ問題 9.48歳女性。肝機能異常を指摘され来院。AST,ALT正常。ALP,γ-GTP異常高値。抗ミトコンドリア抗体強陽性。IgM異常高値。肝生検にてcNSDcの所見。診断はどれか。 a.アルコール性肝障害 b.ウイルス性肝炎 c.原発性硬化性胆管炎 d.胆石症 e.原発性胆汁性肝硬変 <解答> e 中年の女性、ALP・γGTPの高値→胆道系酵素の高値、抗ミトコンドリア抗体陽性(原発性胆汁性肝硬変PBCでは抗M2)、CNSDCの所見より胆管が障害される自己免疫疾患である原発性胆汁性肝硬変症。治療にはウルソデオキシコール酸、肝移植、ベザフィブラートなどがあり、ステロイドは効かない 10.検診にて肝機能障害とHCV抗体陽性を指摘された患者が来院した。自覚、他覚症状ともにない。当院での検査結果はAST 80 IU/l、ALT 60 IU/l、ALP 380U/l(正常115-359)、γ-GTP 50、総蛋白 8.0 g/dl、アルブミン 3.6 g/dl、ヘパプラスチンテスト 60%(正常80%以上)、血小板 7万/mm3、AFP 350 ng/mlであった。今後進めていくべき検査を選びなさい。 a.脳波検査 b.腹部エコー検査 c.腹部CT検査 d.上部消化管内視鏡検査 e.心電図検査 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade <解答>2 11.B型慢性肝炎の患者。AFP陰性でPIVKA II異常高値。血管造影にて濃染される腫瘤、造影CTでもenhanceされる。診断はどれか。 1.肝細胞癌 2.肝血管腫 3.転移性肝癌 4.肝嚢胞 <解答>1転移性肝癌ではAFP・PIVKAII共に陰性。肝嚢胞は造影CTでenhanceされない 12.外来治療、経過観察中のC型肝硬変患者に腹部エコーを施行したところ、図に示すような肝内SOLをみとめた。まず考えなければならないものを一つ選べ。 1)大腸癌肝転移 2)胆管癌 3)肝細胞癌 4)胆嚢癌 5)肝血管腫 図はわかりづらかったけど、SOL周囲にhypoechoicなhaloがあったような気が。 <解答>3 13.B型肝炎に関して正しい記載はどれですか。 a.母子感染による垂直感染以外の水平感染は一般に老人で出現する b.急性肝炎の原因としては輸血が多い c.母子感染を予防する手段はない d.アジアは感染率が高い e.HBe抗原が消失しHBe抗体が陽性になっても肝炎が再燃することがある 1)a b 2)a e 3)b c 4)c d 5)d e <解答>5 14.慢性肝炎に関して正しい記載はどれか。 a.4ヶ月以上の肝機能異常とウイルス性感染が持続している病態である。 b.一般的にC型肝炎では感染後10〜20年で肝硬変に進展する。 c.新犬山分類では肝炎はFibrosisとActivityで評価する。 d.門脈域の好中球浸潤と肝小葉の細胞変性・壊死が特異的である。 e.B型に比べC型は慢性肝炎から発症しやすい。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>3 a 6ヶ月以上 d 好中球→リンパ球 B. 肝胆膵 B - 13 B - 13 15.肝細胞癌について正しいものを選べ・ a.アルコールによるものは約20%である b.C型肝炎ウィルスによるものは約70%である c.肝細胞癌のマーカーとしてはAFP、PIVKA IIの他にAFPのレクチン分画がある d.肝細胞癌の診断に際して、エコーは簡便であるがCTよりは劣る e.肝硬変からの死亡は、肝細胞癌によるものは消化管出血についで第2位である 1.a,b 2.a,e 3.b,c 4.c,d 5.d,e <解答>3 a.× アルコールによるものは3〜4% b.○ HCV(+)は約75%、HBV(+)は約15%、HCV・HBV共に(+)が約3% c.○ 他に、というのがよくわかりませんがAFPのL3(レクチン)分画 d.○ エコー:微小肝細胞癌の検出に有効(1cm程度の肝細胞癌の発見も可能) e.× 肝硬変の3大死因は1)原発性肝癌合併 2)消化管出血(食道静脈瘤破裂などによる) 3)肝不全 16.アルコール性肝障害について・・2002卒試類似(以下2002卒試より) a.アルコール肝障害で正しい記載はどれか。 b.アルコール3合5年間の大酒家は肝硬変になる可能性が高い。 c.アルコール性肝障害の特徴はALTがASTより高くなりγGTPが上昇する。 d.アルコール性肝障害にF型の肝硬変の病態がある。 アルコール性肝炎では好中球浸潤や発熱等の炎症所見を伴う。 e.アルコール硝子体はアルコール性脂肪肝の特徴である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 【解答】4)cd 【解説】× 長期飲酒の結果、トランスフェリンをはじめとする糖蛋白の糖鎖形成不全が引き起こされ、血中に糖鎖欠損トランスフェリン(CDT)が出現する。 × AST>ALT c. ○ d. ○ 肝細胞周囲性線維化、中心静脈の肥厚とその周囲への線維化の波及 e. × 17.PBCについて正しくないものをひとつ選べ。 1.IgM高値 2.ほぼ半数が肝硬変へと進行する。 3.トランスアミナーゼ(ALP、γ-GTP)の高値 4.慢性非化膿性破壊性胆管炎 5.無症候性でも皮膚掻痒感が生じることがある。 <解答> 5 症状を有さないものを無症候性、有するものを症候性という。 18.肝硬変をきたさないものはどれか。 a. アミロイドーシス b. ヘモジデローシス c. Wilson病 d. α-1アンチトリプシン欠乏症 e. Non-alcoholic steatohepatitis 1) a,b 2) a,e 3) b,c 4) c,d 5) d,e <解答>1 a × アミロイド蛋白が沈着し、肝腫大を起こす。 b × ヘモシデローシスはKupffel細胞などの網内系に鉄が沈着する。ヘモクロマトーシスは鉄沈着により肝腫大、皮膚の色素沈着、糖尿病(古典的3徴)と心不全(4徴)を起こす。 c ○ 核レンズ核変性症。常染色体劣性遺伝形式を取る銅代謝異常症。銅が肝、脳、核膜などに沈着する。 d ○ α1アンチトリプシンはα1グロブリン分画の大部分を占める糖タンパクであり、セリンプロテアーゼを阻害する。若年性肺気腫と肝硬変を発症する。欧米ではPizzやPiNull?-Nullがあり肝疾患が見られるが、日本ではα1アンチトリプシン欠損症による肝疾患は報告されていない。 e ○ 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)。アルコール性肝炎に類似した組織像を示し、肝線維化や肝硬変への進展が見られる。 B. 肝胆膵 B - 14 B - 14 19.上部消化管内視鏡で得られた写真を示す(図3)。この所見をきたさないものはどれですか? a 肝細胞癌 b 肝硬変 c 門脈血栓症 d Budd-chiari症候群 e Dubin-Johnson症候群 1 a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e 写真は食道静脈瘤でした。 <解答>2 <解説>× 肝細胞癌自体では食道静脈瘤きたさない。ただし、肝細胞癌の約90%に肝硬変を合併しているので? b , c , d. ○ 門脈圧亢進症をきたすので、食道静脈瘤をきたす。 e. × 20.原発性胆汁性肝硬変の生検組織像を示す。正しくない組み合わせはどれか? a、Cronic non-supprative cholangitis b、Fatty infiltrarion c、Onion-skin fibrosis d、Piecemeal necrosis e、Granuloma 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答> 3 b ?? c PSC原発性硬化性胆管炎でみられる 次の文を読んで以下の問に答えよ。 61歳女性、腹痛を主訴に救急部来院。身体所見では上腹部に限局した痛み。高山の圧痛点(+)などの急性膵炎を示唆する所見を認めた。血液検査ではWBC,CRPが上昇して、アミラーゼ値、LDHが高値を示していた。腹部CTでは膵全体に膵実質内部不均一化を生じていた(問題文はかなり不正確な復元です) 21.急性膵炎の診断基準に含まれない項目をひとつ選べ (a)腹痛などの身体所見 (b)アミラーゼの上昇 (c)LDHの上昇 (d)腹部CTでの膵臓の腫大 (e)リパーゼの上昇 22.急性膵炎の重症度の指標とならないものはどれか a.血清アミラーゼ b.BUN c.PaO2 d.LDH e.血清Ca 23.重症度判定の結果、本症例は中等度の急性膵炎と診断された。総胆管にはCT上結石は認められず、胆管の拡張も認めなかった。入院時の治療として不適当なものはどれか。 a 抗生物質 b 輸液 c 蛋白分解酵素阻害薬 d H2ブロッカー e モルヒネによる鎮痛 24.胆石のほかに急性膵炎の原因となりうるものを選べ。 a.アルコール b.高カルシウム血症 c.高脂血症 d.ムンプス e.サイアザイド系利尿剤 1.abc 2.acd 3.ade 4.bcd 5.a〜eの全て 21.<解答>c 急性膵炎臨床診断基準 (厚生省〔当時〕特定疾患難治性膵疾患調査研究班) 1 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある 2 血中、尿中あるいは腹水中に膵酵素の上昇がある 3 画像で膵に急性膵炎に伴う異常がある 上記3項目中2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎とする。ただし、慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。また、手術または剖検で確認したものはその旨を付記する。 注:膵酵素は膵特異性の高いもの(p-amylaseなど)を測定することが望ましい。 22.<解答>a 重症度の判定 (厚生省基準) 臨床症状;ショックの有無、呼吸困難、神経症状、感染症、出血傾向 などこれらのうちひとつでもあれば重症と判定 血液検査所見:Ca濃度7.5mg/dl以下、FBS≧200mg/dl、代謝性アシドーシス 、腎機能障害 、その他(脱水など) 、画像検査所見 23.<解答>e モルヒネは乳頭括約筋の収縮を生じるので避けるべき 24.<解答>5 B. 肝胆膵 B - 15 B - 15 以下の文を読み、25〜27の問題に答えよ。 56歳男性、大酒家であり、10年前より飲酒後の腹痛、背部痛を自覚していた。近医にて膵に異常を指摘され受診。身長175cm、48kg、上腹部圧痛(高山診)。腰背部叩打痛あり。生化学検査ではアミラーゼ5U/l(正常値10〜65U/l)、リパーゼ8U/l(正常値16〜51U/l)、空腹時血糖212mg/dl、HbA1c10.6%であった。CT(図6.1、6.2)を示す。 ※膵に散在する膵石を認めました。 25.本症例のCTについて正しいのはどれか a膵は腫大している。 b膵石を認める。 c主膵管の拡張はない。 d膵全体を占める陰影を認める。 e巨大膵のう胞を認める。 27.本症例で外分泌機能低下により起こった糖尿病に対し、インスリン治療行うことになった。正しいものはどれか? a) 消化酵素阻害薬は血糖を上昇されるため使用しない b) 禁酒が必要 c) カロリーや脂肪量を考慮する必要がある d) 蛋白分解酵素阻害薬を使用する e) 膵石は疼痛の有無にかかわらず外科的治療を行う 選択肢 1)a,b,c 2)b,c,d 3)c,d,e 4)a,d,e 5)すべて 慢性膵炎の画像診断 ・・膵石あるいは膵内石灰化の存在 、膵管の不均等に分布する不均一な分岐 、膵管の不規則な拡張 25.<解答>c 27.<解答>2 29.消化吸収について正しい組み合わせはどれか。 a.十二指腸膵頭切除をした症例では、鉄の主要吸収部位が主に十二指腸のため、 鉄欠乏性貧血を起こしやすい b.脂溶性ビタミンとビタミンB12以外の水溶性ビタミンは主に空腸から吸収される。 c.カルシウムは能動的に上部小腸で吸収されビタミンEはカルシウムの吸収を促進する。 d.胆汁酸の主たる吸収部位は空腸である。 1.a,b 2.b,c 3.c,d 4.d,a 5.全部 解答 1 30.膵癌について正しい記述はどれか。 a.組織型では腺房細胞癌が最も多い b.膵頭部癌では黄疸、膵尾部癌では腹部、体重減少が見られることが多い c.膵癌の化学療法では、現在5-FUやgemcitabineなどが用いられている d.血清エラスターゼ1は、膵癌による膵管の閉塞を反映して高値となる e.一般に血中腫瘍マーカーは膵癌の治療判定に有用でない 1.bc 2.bcd 3.cde 4.bde 5.abe 解答2 a× 腺房細胞は稀。導管系(膵管上皮系)が殆ど。b〇 c? d〇 e× 31.正しいものを選べ a.心不全によるうっ血は門脈周囲に多い b.体質性横断では肝臓は黒褐色を呈することがある c.脂肪性肝炎では肝硬変へ進行することがある d.特発性門脈圧亢進症では中心静脈の線維化が特徴である e.輸血による過剰な鉄は血管内皮細胞が取り込む 1.a,c,e 2.b,c,d 3.a,d 4.b,c 5.すべて 解答4 a×中心静脈に多いd×門脈域の繊維性拡大 B. 肝胆膵 B - 16 B - 16 32.以下から正しいものを選べ a.グリソン鞘には、肝動脈、門脈、胆管がある。 b.肝臓にはリンパ組織がない。 c. d.肝細胞には、胆管細胞に比べてミトコンドリアが多い。 e.肝細胞の異物を貪食するのは伊東細胞である。 選択枝 非典型的でした。 a〇 e× 伊東細胞→クッパー細胞 33.正しいものを選べ a. 日本住血吸虫は、胆管内に虫卵が寄生している b. 免疫抑制状態でサイトメガロウイルスは、肝細胞に感染する c. 結核はびまん性に乾酪類上皮性肉芽腫をつくる d. アメーバ性肝膿瘍は、膿瘍内にアメーバ原虫がいる e. C型肝炎では核内封入体が見られる 1.ace 2.bcd 3.ad 4.bc 5.すべて 解答4 a× 門脈に寄生し、血管内で産卵する。虫卵は腸の血管に詰まり、虫卵を含んだ腸粘膜が脱落する。これによって虫卵は糞便とともに排出される。c〇 d×? 34.57歳男性、飲酒歴あり、腹痛を主訴に来院した。血液検査でリパーゼ・アミラーゼの上昇をみとめ、腹部CTにて膵尾部に嚢胞をみとめた。2ヵ月後、増大傾向が続いていたため、手術がおこなわれた。病理組織を示す。(弱拡大と強拡大の2枚)正しいものをえらべ。 a.上皮で覆われている b.上皮で覆われていない。 c.摘出せずに消化管と吻合が行われることもある。 d. e.自然に消失することはない。 1(a,b) 2(a,e) 3(b,c) 4(c,d) 5(d,e) 解答 3 a×b〇c〇 内部の液体を消化管内に排泄する膵仮性嚢胞は上皮を欠く。 6w以上経過すると自然消失は期待できない。 35.膵管内乳頭粘液性腫瘍について正しい組み合わせを選べ a. 膵管上皮由来の腫瘍である b. 膵管内だけでなく周辺膵実質に浸潤することもある c. 中年女性では膵尾部に多い d. 10歳以下の小児、特に男児に多い e. 一般に腫瘍は主膵管との交通はない 1. ab 2. ae 3. bc 4. cd 5. de 解説 講義プリントによれば、膵管内乳頭腫瘍は60〜70歳の男性に多く、膵頭部に多い、膵管系との交通はある。だから、a.○?b.○?c.×d.×e.×ということになるのかな?(要確認) コメント 粘液性嚢胞腫瘍・膵管内乳頭腫瘍を比較して調べるといいかもしれない。でも、はっきりいって、STEP・YearNote?のLevelではない。余力のある人は、医学雑誌で探してください。 36.胆嚢癌について正しい組み合わせをえらべ。 a胆嚢癌は原発性腺癌が多い。 b胆嚢コレステロールポリープは前癌病変である。 c胆嚢癌の肉眼所見は陥凹型が多いので穿孔しやすい。 d胆嚢癌は胆汁産生するため、下痢をきたしやすい。 e胆道膵管合流異常は胆嚢癌のリスクを増大させる。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de 解答2 B. 肝胆膵 B - 17 B - 17 37.細菌性肝膿瘍について正しいものを選べ a. 起炎菌はグラム陽性菌が多い b. 早期から黄疸を来す c. 感染経路は、経胆道性が多い d. アメーバ性に比し、多発性が多い e. 保存的治療で軽快することが多い 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 4)cd 類題が2003年概説にあります。 38.肝臓の解剖について正しいものを選べ。 a. Cantlie線は門脈と下大静脈を結ぶ線である。 b. 肝前区域とはS5区域とS8区域を含む。 c. 肝円索とは胎生期の肝静脈の名残である。 d. 肝十二指腸間膜内には肝動脈・総胆管・門脈・下大静脈が走行する。 e. 右肝動脈が上腸間膜動脈起始部より分岐する変異が20%の頻度で見られる。 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de 解答3 a×門脈→胆嚢窩 b〇 c〇 d×下大静脈は無い e×そんなに多くなかったような… 39、多胞虫症について正しいものを2つ選べ a.近畿地方に多い。 b.診断には生検が必要である。 c.症状が現れるのは約6ヶ月後である。 d.CTで石灰化が特徴的である。 e.根治するには、肝切除が必要である。 1ab 2ae 3bc 4cd 5de 解答5 a×北海道に多いe〇 40.肝血管腫について正しいものを選べ a.40〜50歳の男性に多い。 b.超音波ではbull's eye signを示す。 c.Kasabach Merritt症候群を呈する場合、手術をすることが多い。 d.血管造影では、綿花様所見を呈する。 e.AFPが高値となる。 1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de 解答4