肝胆膵 / 概説 / 05 / 後半


肝胆膵

【41】通常型膵癌(浸潤性膵管癌)についての記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。 a.比較的太い膵管から発生すると考えられている。 b.間質増生を伴いながら著明な浸潤性発育を示す。 c.神経周囲浸潤を来しやすい。 d.Courvoisier 徴候は胆嚢への直接浸潤により起こる。 e.急速な腫瘍の増大に伴い、急性膵炎を伴うことが多い。 1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)全て <解答>4 <解説>a×末梢からです。b○ c○ d×腫瘤による総胆管の圧迫eに関してはよくわかりませんでした 【42】膵管内乳頭粘液性腫瘍についての記述の中で、正しいものの組み合わせばどれか。 a. 高齢男性の膵頭部に多い。 b. 厚い被膜を持ち、球状の外観を呈する。 c. 主膵管内と比較的小さな末梢膵管のいずれにも発生する。 d. 悪性例の頻度は極めて低い。 e. 急性膵炎を伴うことがある。 1)ace 2)bcd 3)ad 4)bc 5)全て <解答>1 B. 肝胆膵 B - 53 B - 53 <解説>a○b.× 粘液性嚢胞腫瘍のことc.○ 主膵管型と分枝型がある d×悪性化することが多い e○膵炎様症状が出やすいです 以下の設問(問題43〜51)において、4項目(a〜d)のうち1個だけ正しい場合は1、2個だけ正しい場合は2、3個だけ正しい場合は3、全て正しい場合は4、全て間違っている場合は5を選べ。 【43】a. A 型肝炎は慢性化しないが、遷延化することはある。 b. A 型肝炎は劇症化しない。 c. A 型肝炎の潜伏期は 1 週間程度である。 d. A 型肝炎は病気が明らかになってからの方が潜伏期よりも他者に感染させやすい。 <解答>1 <解説>a○b×c×2~6週d×発症前2週間くらいが最も感染力がある 【44】a.A 型肝炎は経口感染する。 b.A 型肝炎の治療としてワクチンを用いる。 c.A 型肝炎の発症には季節性がある。 d.高齢者には A 型肝炎の既感染者が若年者に比べ明らかに多い。 <解答> <解説>a○b?治療というか予防ですが・・・。c?イヤーノートには1月〜6月とありますが、stepには最近では季節性は無いというようなことが書いてありました。d○ 【45】a. IgM タイプの HA 抗体の上昇を確認した場合 A 型肝炎の既往をもっとも強く疑う。 b. HBV キャリアからは劇症肝炎は発生しない。 c. HBe 抗体陽性はセロコンバージョンを意味し HBV 感染の終息を意味する。 d. HBV は成人になってからの性的感染の場合、急性肝炎で終息するよりも慢性化しやすい。 <解答> <解説>a×既往はIgG型ですb×急性肝炎のうち、1〜2%が劇症化します。 【46】a. HBV 感染者は HCV 感染者よりも肝細胞癌の若年発症のリスクが高い。 b. HBV ウイルス陽性のみでは肝障害を起こしているかの判断は困難である。 c. HBV による慢性肝炎の治療にインターフェロンを用いることがある。 d. HCV は感染後ほぼ全例急性肝炎を起こすことなくキャリアとなる。 <解答> <解説>aわかんなかったですb○キャリアってことでしょうかc○d×最近はHCV抗体によって減少傾向にありますが、ほぼ全例はいいすぎだと思います。 【47】a. 慢性 C 型肝炎から肝硬変への移行を考えるデータとして血小板数の減少がある。 b. 慢性 C 型肝炎の治療として近年ペグ化したインターフェロンとリバビリンの併用でほぼ全例の治癒が望めるようになった。 c. HCV 抗体陽性は HCV RNA 陽性を意味する。 d. HCV RNA 高値の場合インターフェロンの効果は薄い。 <解答>2? <解説>a○b×ほぼ全例は無いと思うc×必ずしも同一ではないですd○? 【48】a. 原発性胆汁性肝硬変 (PBC) では、皮膚の痒みが症状としてあることが多い。 b. PBC では黄疸が明らかになると、移植を考慮する必要がある。 c. PBC で肝硬変状態となっても、肝癌の発生はまれである。 d. PBC では他の自己免疫疾患の合併はまれである。<解答>2 <解説>a○b○進行したPBCには良い適応になります。c×d×約20%に合併します 【49】a. 自己免疫性肝炎 (AIH) の診断基準として IgM の高値がある。 b. AIH では抗核抗体に加えて抗ミトコンドリア抗体の出現を認める。 c. AIH では他の自己免疫疾患の合併はまれである。 d. PBC ではステロイドを使用することはまれであるが AIH では頻用する。 <解答>1 <解説>a×IgGですb×抗ミトコンドリア抗体はPBCに特徴的です。c×約半数の例に合併が見られますd○PBCでは骨粗鬆症が進行するために禁忌です。 【50】a. 薬剤性肝障害では IgA の上昇を認めることがある。 b. 一般に経皮薬では薬剤性肝障害を起こさない。 c. 薬剤性肝障害のときに好酸球の上昇を認めることがある。 d. 薬剤性肝障害では AST/ALT の上昇を認めることが多く ALP/γ-GTP の上昇は認めないことが多い。 <解答>1か2 <解説>a×好酸球や白血球が上昇しますb?c○d×ALPもγ―GTPも上昇します 【51】a. 肝細胞癌の治療では癌の stage と肝臓の予備能力を加味して治療方針を立てる。 b. 肝臓原発の悪性腫蕩では肝細胞癌の発生は 3/4 程度である。 c. 転移性肝癌は超音波検査で、典型的にはブルズアイの所見を呈する。 d. 肝細胞癌でも高分化型の場合、造影 CT で high-low pattern にならないことが多い。 <解答>2か3 <解説>a○b×肝細胞癌が95%くらいc○d?中心部壊死や出血で均一に写らないことがありますが、高分化型の場合は良くわかりませんでした 【52】総胆管結石症について正しいのはどれか。 a. 無症状であれば、手術適応はない。 b. 超音波検査での結石の検出率は、約 90 %である。 c. 結石の種類としては、層状構造を示すカルシウムビリルビン結石が最も多い。 d. 急性膵炎の原因となり得る。 e. 治療法としては腹腔鏡下総胆管切開術が標準術式となっている。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答> <解説>a○?胆嚢癌の高危険群以外は治療をしないと書いてありました。 【53】肝内結石症について正しいのはどれか。 a. 膵胆管合流異常を伴うことは少ない。 b. 胆管癌の発生率が高い。 c. 胆道鏡下切石術の完全切石率は約 90% である。 d. 両葉に発生しやすい本疾患は、胆石溶解剤の良い適応である。 e. 再発が多いため、肝切除術の適応とはならない。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答> <解説>a?b×胆嚢癌では高いですが、胆管癌では高くないです。c×ビリルビン系の石ができやすいため、適応ではありません。d限局型では適応になります。 B. 肝胆膵 B - 55 B - 55 【54】正しくない組合せはどれか。 a. 気腫性胆嚢炎:Welch 菌 b. 胆嚢腺筋症:泡沫状細胞 c. 総胆管結石症:Courvoisier 徴候 d.Mirizzi 症候群:急性膜炎 e. 胆道拡張症:胆管癌 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>3 <解説>b×泡沫状細胞はおそらくコレステロールエステルを食した組織球のことで、コレステロールポリープで見られますc×おそらくMurphy徴候 【55】正しいのはどれか。 a. 胆石の 80% は腹部単純 X 線で陽性に描出される。 b. 胆嚢摘出術後の症例では、胆管炎が重症化しないことが多い。 c. 胆管炎の重症例では、中枢神経障害を示す。 d. MRCP は胆石の術前検査として使用される。 e. 胆石イレウスの症例には、胆道消化管瘻を伴う。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答> <解説>a×写るものは10%程度b?c? d○e? 【56】膵臓について正しい組み合わせはどれか。 a. 膵臓は五臓六腑の中で唯一内外分泌能を有する臓器である。 b. 膵臓は頭・体・尾部に分かれており、頭部領域は門脈左縁までである。 c. 膵臓は機能的に外分泌組織と内分泌組織とから成り、 95% 以上は外分泌細胞である。 d. 外分泌細胞は主に膵腺房細胞と膵管上皮細胞からなり、前者は重炭酸塩と水(膵液)分泌を、後者は膵酵素分泌を行う。 1)abcd 2)ab 3)bc 4)cd 5)bcd <解答>4 <解説>a×五臓とは,心臓,肺,肝臓,腎臓,脾臓のことを指し,六腑とは,胃,小腸,大腸,胆嚢,三焦,膀胱のことb×膵臓はSMAの左縁で頭部と体部にわけられます 【57】膵機能に関して正しい組み合わせはどれか。 a.コレシストキニン(CCK)は胆嚢収縮作用およびOddi括約筋を弛緩させる作用を有する。 b.セクレチン(Secretin)は膵臓において主に重炭酸塩と水(膵液)分泌を刺激する。 c.膵外分泌調節機構には脳相、胃相および腸相がある。 d.ランゲルハンス島のα細胞(A 細胞)からはグルカゴンが分泌される。 1)abcd 2)ab 3)bc 4)cd 5)bcd <解答>1 <解説> 【58】大部分のビタミンは十二指腸および空腸で吸収されているが、下記のビタミンのなかの一つだけは回腸で吸収される。正しいのはどれか。 a.ビタミンA b.ビタミンB12 c.ビタミンC d.ビタミンD e.ビタミンE 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e <解答>2 <解説> B. 肝胆膵 B - 56 B - 56 【59】正しい組み合わせはどれか。 a. 鉄の主要吸収部位は十二指腸および上部空腸である。 b. ビタミンAおよびDは脂溶性ビタミンである。 c. カルシウムは胃でも吸収され、イオン化されたカルシウムは能動的に上部小腸で吸収される。 d. 抱合型胆汁酸は十二指腸や空腸では吸収されにくく、胆汁酸の主な吸収部位は大腸である。 1)abcd 2)ab 3)bc 4)cd 5)bcd <解答>2 <解説>a○b○c×胃での吸収は無かったと思いますd×回腸末端 【60】血液検査にて、総アミラーゼ値 580U/l と高値を認めた。アミラーゼアイソザイムの検索では、膵型アミラーゼは正常範囲内で、唾液腺型アミラーゼの高値を認めた。考えられる疾患はどれか。 a.急性膵炎 b.膵癌 c.大分子型アミラーゼ血症(Macroamylasemia) d.肺癌 e.唾液腺炎 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答>5 <解説>a,bどちらも膵型は上昇します 【61】慢性膵炎患者で現在腹痛などの自覚症状はない。膵外分泌機能試験の PFD 試験が 20 %と著明な低下を認めた。病態および治療についての解釈で正しいのはどれか。ただし、本症例の腎機能は正常である。 a. 慢性膵炎の代償期であり、血中アミラーゼ、リパーゼが高値であると想定できる。 b. この症例ではセクレチン試験で膵液の液量低下、重炭酸塩濃度の低下、膵酵素排出量の低下が認められることが想定できる。 c. 大量の消化酵素剤の投与が必要である。 d. 早急にインスリン治療の必要がある。 e. 絶食にして輸液管理をおこなうのが望ましい。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>3 <解説>a×自覚症状なし→非代償期d×グルカゴン分泌量が低下するため、インスリンの必要な量も減ります 【62】慢性膵炎に関して正しいのはどれか。 a. 慢性膵炎の成因で最も多いのはアルコール性である。 b. 慢性膵炎は進行性の非可逆性慢性疾患であり厚生労働省より難病指定されている。 c. 慢性膵炎の代償期では消化不良症候および膵性糖尿病が顕著になる。 d. 慢性膵炎は 2:1 で女性に多い。 e. 慢性膵炎を母体にして膵癌が発症することは稀である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>1 <解説>a○b○c d×4:1で男性に多いですe× 【63】膵性糖尿病に関して誤っているのはどれか。 a. 膵性糖尿病を呈する疾患は慢性膵炎のみでなく膵切除後でも起こり得る。 b. インスリンの分泌は比較的保たれているが、グルカゴン分泌不全が特徴である。 c. 十分な消化酵素剤の投与なしでは血糖コントロールが見かけ上良好の場合があり、注意を要する。 d. 膵性糖尿病の診断にはアルギニン負荷試験が有用である。 e. 膵性糖尿病でのインスリン治療は低血糖の出現に留意する必要がある。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e <解答>4 <解説>a○b○c○d×GH分泌低下のときに用いますe○ B. 肝胆膵 B - 57 B - 57 【64】膵内分泌腫療に関して正しいのはどれか。 a.ガストリノーマでは10%が悪性である。 b.インスリノーマでは、局在診断に選択的動脈内カルシウム注入法を用いる。 c.ガストリノーマでは壊死性遊走性紅斑をみとめることが多い。 d.VIP 産生腫瘍では激しい下痢のため脱水や電解質異常をきたしやすい。 e.膵内分泌腫瘍をみとめた場合MEN1型についての精査が必要である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>5? <解説>a×60%ですb○c?d○e○ 【65】膵癌に関して正しいのはどれか。 a.膵癌の大部分は腺房細胞癌である。 b.血管造影では hypervascular mass として描出される。 c.ERCP は分枝膵管まで描出されるので、小膵癌の診断に有効である。 d.非切除進行膵癌の化学療法ではGemcitabine(ジェムサイタビン)投与が標準的治療である。 e.進行性膵癌に伴う癌性疼痛に対してはモルヒネ製剤の投与は乳頭括約筋を収縮させるので禁忌である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>4 <解説>a×外分泌腫瘍がほとんどです。b×無血管野c○d○e×硬膜外モルヒネなどが使用されます 【66】急性膵炎後の膵仮性嚢胞の合併症として起こる可能性のある病態はどれか。 a. 敗血症 b. 汎発性腹膜炎 c. 出血性ショック d. 肝膿瘍 e. 黄疸 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答>? <解説>bcは○なんですが、後は記述を見つけられませんでした 【67】膵臓の解剖について正しいのはどれか。 a. 膵臓はほぼ第 1〜2 腰椎の高さに位置し、前面のみが腹膜で被われる。 b. 膵頭部と体部の境界は上腸管膜動脈の左側縁である。 c. 門脈は膵臓の前面を走行する。 d. 膵臓は上・下膵十二指腸動脈、牌動脈から動脈を受ける。 e.Wirsung 管は副乳頭に関口する。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答> 1 <解説>c× 後面d× 上腸間膜動脈と脾動脈ですe ×Wirsung→Santorini 【68】膵腎同時移植に関して正しいのはどれか。 a. 膵臓は2つに分け、腎臓と共に別々のレシピエントに移植することが多い。 b. 本邦で生体膵移植が行われたことはない。 c. ステロイド、シクロスポリンは膵炎の起因薬剤ではない。 d. 膵液のドレナージ法には消化管ドレナージ法と膀胱ドレナージ法がある。 e. 急性拒絶反応では主に細胞性免疫が関与する。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>5 <解説>b×日本では,1984年に筑波大学における第1例目の膵腎同時移植以来,15例が行われていますd○e○aとcはよくわかりませんでした。【69】子宮全摘術の術前検査にて、総ビリルビン 2.8mg/dl( 正常値 :0.3-1.2mg/dl) 、 直接ビリルビン 0.9mg/dl( 正常値 :0-0.3mg/dl) 、総蛋白 7.5g/dl( 正常値 :6.7-8.3g/dl) 、 アルブミン 4.8g/dl( 正常値 :4.0-5.0g/dl) 、 AST 12U/L( 正常値 :13-33U/L) 、 ALT 17 ( 正常値 :6-30U/L) 、 γ-GTP 27U/L( 正常値 :10-47U/L) 、 ALP 250U/L( 正常値 :115-359 U/L) 、 LDH 170( 正常値 :119-229U/L) の結果を得た。本症例に関して下記の設問に正しい組み合わせはどれか。 a. 黄疸があり手術は困難と考えられる。 b. 黄疸はあるが手術には問題ないと考えられる。 c. 本症例においては絶食により黄疸が増強される。 d. 診断としては Gilbert 症候群が最も考えられる。 e. 診断としては Dubin-Johnson 症候群が最も考えられる。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答>4 <解説>a×b○安定状態であれば手術可能c○d○間接型優位e× 【70】B 型肝炎に関して正しい記載はどれか。 a. HBs 抗原陽性はウイルスの存在を意味する。 b. HBs 抗体陽性であっても感染するリスクがあるのでワクチン接種が必要である。 c. HBe 抗原陽性はウイルス量(増殖)が少ないことを意味している。 d. HBe 抗体陽性はウイルスが存在しないことを意味する。 e. HBc 抗体陽性(200倍希釈)はキャリアーであることを意味する。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>2 <解説>a○b×既往の感染を示すので必要はないと思いますc×感染性が強いことを示しますd×感染力の低下を示すので、存在はしていると思いますe○ 【71】C型肝炎に関して正しい記載はどれか。 a.HCV 抗体陽性は必ずウイルスが存在することを意味する。 b.ウイルス急性肝炎のほとんどはC型肝炎ウイルスによるものである。 c.慢性肝炎の主たる原因は母子感染である。 d.C型急性肝炎のうち約8割が慢性化(キャリア化)する。 e.C型慢性肝炎に対してはインターフェロン+リバビリン併用療法が有効である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>2か5 <解説>a?現在または過去の感染を示唆しますb×c×HAVが約半数d?イヤーノートには60〜70%とあるのですが、微妙な数字ですe○ 【72】献血の際に HBs 抗原陽性を指摘された 28 歳の独身女性が来院した。検査の結果は、総ビリルビン 0.7mg/dl( 正常値 :0.3-1.2mg/dl)、AST 12 U/L( 正常値 :13-33U/L) 、ALT 17( 正常値 :6-30U/L)、γ-GTP 20U/L( 正常値 :10-47U/L)、ALP 200U/L( 正常値 : 115-359U/L)、LDH 170( 正常値 :119-229U/L) の結果を得た。ウイルス学的検査では、HBs 抗原陽性、HBs 抗体陰性、HBe 抗原陽性、HBe 抗体陰性、 HBc 抗体陽性 (99%)、HBV-DNA(PCR 法 )、7.6 log コピー (10~7.6 コピー )/ml 以上、 HCV 抗体陰性であった。本症例に関して下記の設問に正しい組み合わせはどれか。 a. 性行為により他人に感染させる危険がある。 b. セロコンバージョン前の状態である。 c. セロコンバージョン後の状態である。 d. すぐに抗ウイルス剤(ラミブジン)を投与する必要がある。 e. 将来の出産の場合には HBIG(HBs 抗体)とワクチンにより母子感染はほぼ防げる。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde B. 肝胆膵 B - 59 B - 59 <解答>2 <解説>a○b○c×セロコンバージョンとはHB抗原(s,e)が陰性化し、抗体が陽性化することですd×慢性肝炎の治療に用いますe○ 【73】進行した肝硬変症においてしばしば認められる検血上の所見を選びなさい。 a.白血球数が低下する。 b.血小板数が低下する。 c.MCV が上昇した貧血。 d.MCH が低下した貧血。 e.異型リンパ球の出現。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答>1 <解説>a○b○c○d×e× 【74】肝疾患における免疫グロブリンの変化で正しいものを選びなさい。 a. 肝硬変症になると IgG が低下してくる。 b. 自己免疫性肝炎では IgG が上昇してくる。 c. アルコール性肝炎では IgA が上昇してくる。 d. 原発性胆汁性肝硬変症では IgM が低下してくる。 e. 原発性硬化性胆管炎では IgM が上昇してくる。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>3 <解説>a×上昇しますb○c○d×上昇しますe? 【75】現在(検査時)の肝(実質細胞)の合成能をみるのにもっとも適切なものはどれか2つ選びなさい。 a. アルブミン b. コリンエステラーゼ c. コレステロール d. プロトロンビン時間 e. ヘパプラスチンテスト 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>? <解説>a×アルブミンの半減期が2〜3週間なのでb○d○ 【76】黄疸のある患者が来院した。検尿を施行したところ、尿中ウロビリノーゲン (N)[ 正常 ] 、尿中ビリルピン (+++)[強陽性] で、あった。この結果より考えられる病態を選びなさい。 a. 溶血性貧血 b. 重症肝炎 c. 核黄疸 d. 完全閉塞性黄疸 e. 非代償性肝硬変 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e <解答>4? <解説>尿中ビリルビンが強陽性で尿中ウロビリノーゲンがNなので、閉塞性黄疸が考えられます。 【77】検診の際に HCV抗体陽性を指摘された 58 歳の男性が来院した。自覚症状はない。診察においては、クモ上血管腫と手掌紅斑と軽度の浮腫を認めた。検査の結果は、白血球数2200/μl(正常値:3500-9000/μl)、血小板数6万/μl(正常値:14万-44万/μl)、総ビリルビン1.0mg/dl(正常値:0.3-1.2mg/dl)、総蛋白7.4g/dl(正常値:6.7-8.3g/dl)、アルブミン3.5g/dl(正常値:4.0-5.0g/dl)、AST82U/L(正常値:13-33U/L)、ALT65(正常値:6-30U/L)、γ-GTP40U/L(正常値:10-47U/L)、ALP290 U/L(正常値:115-359 U/L)、αフェトプロテイン320ng/ml(正常値:6ng/ml以下)の結果を得た。本症例に関して下記の設問に正しい組み合わせはどれか。 a. まだ、肝硬変症に至っていないと考えられる。 b. すでに肝硬変症に至っていると考えられる。 c. 腹部エコーや上腹部CTの検査が必要である。 d. 上部消化管内視鏡検査の検査が必要である。 e. インターフェロンによる治療が必要である。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde B. 肝胆膵 B - 60 B - 60 <解答>4 <解説>a×b○クモ上血管腫と手掌紅斑や汎血球減少などにより、肝硬変と考えられるc○d○静脈瘤の検査に必要e× 【78】症例は42歳男性。20代で大動脈閉鎖不全症のために人工弁置換術を受けワーファリンを服用している、またこの手術の際に輸血を受けている。自覚症状なく飲酒は毎日日本酒を3合程度である。総ビリルビン0.7mg/dl(正常値:0.3-1.2mg/dl)、総蛋白7.8g/dl(正常値:6.7-8.3g/dl)、アルブミン 4.7g/dl(正常値:4.0-5.0g/dl)、AST 35U/L(正常値:13-33U/L)、ALT 45(正常値:6-30U/L)、γ-GTP 80U/L(正常値:10-47U/L)、ALP 220U/L(正常値:115-359U/L)、プロトロンビン活性 26%(正常値:70%以上)、プロトロンビンINR2.16 (正常値:0.9-1.1)、αフェトプロテイン3ng/ml(正常値:6ng/ml以下)、PIVKA II 23539mAU/ml(正常値:40mAU/ml以下)、HCV抗体弱陽性、HCV-RNA定性陰性の結果を得た。本症例に関しての解釈で正しい組み合わせはどれか。 a.C型慢性肝炎である可能性が低い。 b.C型慢性肝炎である可能性は高い。 c.PIVKA IIが異常高値であり、肝癌の合併の可能性が高い。 d.プロトロンビン活性が低く、肝硬変症である可能性が高い。 e.肝障害にアルコールが関与している可能性が高い。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de <解答>3? <解説>a×b○HCV抗体陽性のためc○d×ワーファリンの影響と思われますe○? 【79】肝性脳症に関して正しい記載を選びなさい。 a. 尿素回路が障害されるために、血中尿素窒素、アンモニアともに上昇してくる。 b. フィシャー比が上昇する。 c. 分枝鎖アミノ酸製剤の投与が有効である。 d. 合成 2 糖類であるラクチュロース等の経口投与や注腸が有効である。 e. II 度以上の脳症であれば羽ばたき振戦や脳波で 3 相波を認めることが多い。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答>3か5 <解説>a○b×低下しますc○d○e○ 【80】肝細胞癌に関して正しい記載を選びなさい。 a. 腫瘍マーカーとしてαフェトプロテインや PIVKA II が用いられる。 b. 腹部エコーは侵襲性もなく、有効である。 c. 血流に乏しく造影 CT では造影されないことが多い。 d. 転移性肝癌との鑑別には 67Ga-citrate による肝シンチグラフィーが有用である。 e. 多くの場合、肝硬変を素地に発生してくる。 1)abc 2)abe 3)ade 4)bcd 5)cde <解答>2 <解説>a○b○c×血流に富んでいますd×エコー所見でもわかると思いますe○