肝胆膵 / 概説 / 03 / 後半


肝胆膵

解答 5 解説 a○ 胆道系の拡張があった方が吻合に好都合とされるが、日本では解除することが必須。 d× 三管合流部以下の閉塞に。e× 胆汁が出ないのだから経口的にビタミンKを補給しても吸収できず無効。 問題41.次の文章の内誤ったものはどれか。 a.肝不全時には血中アンモニアが増加し、羽ばたき振戦が見られる。 b.肝硬変症では肝右葉の萎縮と左葉の肥大が認められることが多い。 c.原発性胆汁性肝硬変では、ケノデオキシコール酸による治療が有効である。 d.閉塞性黄疸の閉塞部位の診断には経静脈的胆道造影を行う。 e.Mirizzi症候群では、閉塞性黄疸が認められる。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 4 解説 b…○ 門脈の走行が長く、抵抗が大きくなりやすいため。左葉外側区域、尾状葉が代償性肥大。 c…× ウルソデオキシコール酸(肝細胞保護作用を持つ)。ケノデオキシコール酸は肝細胞障害作用がある。 e…○ 胆嚢胆石症、胆嚢癌により総胆管が圧迫されて狭窄を起こすもの。 問題42.胆嚢について間違ったものはどれか。 a.胆嚢胆汁は黄褐色である。 b.胆嚢は粘膜下層を有する。 c.胆嚢は漿膜で覆われる。 d.胆嚢はコレシストキニンで収縮する。 e.胆嚢の機能は胆汁の貯留、濃縮、排出である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 1 解説 b× 粘膜下層、粘膜筋板がないため、癌は浸潤しやすく、予後が悪い。c○ 上皮、固有層、漿膜。 問題43.胆石症について正しいものはどれか。 a.疼痛、発熱、白色便はMurphyの徴候である。 b.Mirizzi症候群は胆嚢頸部結石による十二指腸の圧迫である。 c.胆石症の超音波所見はstrong echo with acoustic shadowである。 d.腹部単純レ線に胆石による石灰化像をみるものを陽性石という。 e.胆嚢全体の石灰化を見るときに絣様胆嚢という。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 3 解説 a×右季肋部を圧迫しながら深呼吸をさせたとき、疼痛で動作を停止する。b× 総胆管の圧迫。胆嚢の腫瘍でも起こりうる。c○胆石が超音波を完全に遮断してしまうため。d× ほとんどはX線透過性の「陰性石」。カルシウムを含むとX線写真に写る「陽性石」。e× 胆嚢粘膜層などにコレステロールなどが沈着したもの。 問題44.胆石随伴疾患として誤っているものはどれか。 a.胆汁性腹膜炎 b.Lemmel症候群 c.Mirizzi症候群 d.胆嚢水腫 e.内胆汁瘻 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 2 解説a.○ 胆汁は刺激が強く、非常に強い炎症反応を起こす。b.× 十二指腸憩室に起きた炎症が波及し、乳頭部の排出障害から胆道、膵疾患を呈すること。c.○ 胆嚢管に嵌頓した胆石による炎症。総胆管内腔が狭窄。d.○ 胆石が胆嚢頸部や胆嚢管に嵌頓することによる。e.○ 胆嚢十二指腸瘻、胆嚢結腸瘻など。 B. 肝胆膵 B - 89 B - 89 問題45.胆石症を合併しやすい疾患はどれか。 a.胃切除 b.溶血性貧血 c.高血圧症 d.痛風 e.糖尿病 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 2? 解説 コレステロール結石は高脂血症、糖尿病、肥満、妊娠などの高エストロゲン状態、加齢、回腸病変などが成因となる。黒色石は溶血性貧血、肝硬変、胃切除後などにみられる。選択肢のうちプリントに記載のあるのは糖尿病だけなので2としてみましたが、1でも悪くないような…。 問題46.肝内結石症について間違ったものはどれか。 a.コレステロール系結石が多い。 b.肝内胆管の狭窄と細菌感染が原因となる。 c.胆管癌の合併を約10%に認める。 d.肝萎縮があれば肝切除の適応となる。 e.欧米に多い。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 2か5? 問題47.急性化膿性胆管炎について正しいのはどれか。 a.胆石や腫瘍による胆道系の通過障害が存在することが多い。 b.無治療で放置すると致死率は高率である。 c.起炎菌としては大腸菌が多い。 d.発熱、腹痛、腫大胆嚢触知をCharcotの3徴という。 e.重篤例では緊急胆嚢摘出術の適応となる。 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade 解答 1 解説 b○ 治療には抗生物質の投与と胆道ドレナージを行う。d× 発熱、腹痛、黄疸。これにエンドトキシンショックと意識障害を加えるとReynoldsの5徴。e× 緊急胆道ドレナージ。 問題48.胆嚢ポリープの間違ったものはどれか。 a.コレステロールポリープがもっとも多い。 b.悪性は10mm以上が多い。 c.多発ポリープは胆嚢癌が多い。 d.悪性ポリープは有茎性が多い。 e.コレステロールポリープは自然脱落することがある。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 4 解説 b○ 10mm以上、単発、無茎性のものが多い。悪性なら開腹下胆嚢摘出。 c× 多発、有茎性のものは良性が多い。良性であれば経過観察。 問題49.膵胆管合流異常症(PBM)について間違ったものはどれか。 a.西洋人、男性に多い。 b.潰瘍性大腸炎を合併しやすい。 c.先天性胆道拡張症を合併しやすい。 d.胆道癌の発生が多い。 e.胆汁中アミラーゼが高値である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 1 解説 a× 東洋人、女性に多い。b× 胆嚢癌、胆管癌の合併が多いので、癌の有無にかかわらず拡張胆管とともに胆嚢摘出。 問題50.胆嚢癌について正しいものはどれか。 a.男性に多い。 b.胆石を約20%に合併している。 c.胆嚢癌の多くは腺癌である。 d.ss胆嚢癌の5年生存率は50%である。 e.早期癌はm内の胆嚢癌である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de B. 肝胆膵 B - 90 B - 90 解答 4 解説 a×男女比1:2。60歳代に多い。 b×胆嚢結石(コレステロール石)を60〜80%に合併。c○90%。うち70%が管状腺癌、20%が乳頭状腺癌。d○mp癌で90%、se癌では10〜20%。e×m癌とmp癌。 問題51.胆嚢癌について間違ったものはどれか。 a.m,mpの胆嚢癌は胆嚢摘出術が適応となる。 b.進行胆嚢癌は肝臓の左葉を中心とした肝切除術が適応となる。 c.胆嚢癌の肝十二指腸靱帯浸潤は予後不良である。 d.壁深達度診断には術中超音波検査が有用である。 e.ss胆嚢癌にはS4a+5の肝切が適応となる。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 2 解説 a…○ 摘出が第1選択。できないと予後が悪くなる。 b…× 左葉ではなく右葉。胆嚢周囲(肝床)のみを切除することも。 問題52.胆管癌について間違ったものはどれか。 a.女性に多い。 b.胆石を約20%に合併する。 c.肝門部の胆管癌をKlatskin腫瘍という。 d.下部胆管ではCourvoisier徴候を認める。 e.多くは腺癌である。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 1 解説 a× 男性に多い。60歳代に好発。 b○ 〜30%とやや少なめ。d○ 無痛性に腫大した胆嚢を触知。 e○ 95%。多くは管状腺癌。 問題53.嚢胞性膵腫瘍について正しいものはどれか。 a.漿液嚢胞腺腫は外科切除の絶対的適応である b.膵管内乳頭粘液性腺癌は粘液嚢胞腺癌より予後不良である c.粘液嚢胞腫瘍は中年、男性に多い d.主膵管型IPMTは手術適応である e.壁在結節のある分枝型IPMTは手術適応である 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 5 解説 a.× 診断が確実なら経過観察でよい。(予後良好)b.×?c.× 女性に多い。d.e.○? IPMT=膵管内乳頭粘液性腫瘍。粘液性のものは切除が原則だそうですが…。 問題54.嚢胞性膵腫瘍について正しいものはどれか。 a.漿液性嚢胞性腫瘍は多くは悪性である。 b.粘液嚢胞腺腫は嚢胞空腸吻合の適応である。 c.Solid pseudopapillary tumorは若年、女性に多い。 d.粘液嚢胞腺癌は通常型膵癌同様、拡大膵切除の適応である。 e.粘液嚢胞性腫瘍は中年、男性に多い。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 4 解説 a× 多くは良性=無症状なら経過観察。b× それは嚢胞性腫瘍ではなく仮性嚢胞。c○ 充実偽乳頭状腫瘍。10〜20%が悪性。e× 女性が99%。中年、膵体尾部に多く、しばしば悪性化する。 B. 肝胆膵 B - 91 B - 91 問題55.膵内分泌腫瘍について誤ったものはどれか。 a.インスリノーマは単発、良性が多い b.ガストリノーマは多発、悪性が多い c.腫瘍遺残の検索には術中超音波検査が有用である d.SASIテストはインスリノーマの診断に有用である e.主膵管より離れているときは核出術の適応となることが多い 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 4 解説 a○ 多発性、悪性がそれぞれ約10%ずつ。 b○ それぞれ約60%ずつ。 c○ d× ガストリノーマの診断に有用。SASI=選択的動脈内セクレチン注入法。e○ 核出術はその部分と周りだけの切除。膵管に近いと管をとって残りをつなぎ合わせねばならす、そう簡単にはいかない。 問題56.膵臓の解剖について正しいものはどれか。 a.膵は後腹膜腔で網嚢の後壁の一部をなす。 b.膵頭部と体部の境界は上腸間膜動脈の左側縁である。 c.門脈は膵臓の前面を走行する。 d.Wirsung管は副乳頭に開口する。 e.前・後下膵十二指腸動脈は上腸間膜動脈から分岐する。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 2 解説b×門脈の左側縁。c×後面。d×それはSantrini管。Wirsung管は主膵管のことで大十二指腸乳頭に開口。 問題57.膵・腎臓移植について正しいものはどれか。 a.血液型が異なると移植できない。 b.1型糖尿病で慢性腎不全を合併している患者に対して行う。 c.移植膵の4年生着率は約80%である。 d.移植をしても二次的合併症(網膜症等)の進行は緩和されない。 e.膵島移植と比較すると生着率は劣る。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 3? 問題58.脳死移植について誤っているものはどれか。 a.脳死とは脳幹を含めて脳全体の機能が失われた状態をいう。 b.法的脳死判定は6時間以上の間隔を置いて2度行われる。 c.家族の承諾がなくても本人の意思表示があれば脳死からの臓器提供ができる。 d.15歳以下でも脳死からの臓器提供の意思表示ができる。 e.心臓停止後の腎臓移植については、本人の意思表示がなくても家族の承諾があれば可能である 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 4 解説 現在のところ本人の生前の意思表示が必須条件。また15歳以上の人のみ。 問題59.肝臓の解剖について誤っているものはどれか。 a.肝内では門脈、肝動脈、胆管はグリソン鞘に包まれ一束となって走行する。 b.左肝静脈は肝右葉と左葉の間を走行する。 c.門脈は肝十二指腸靱帯の最も腹側に位置する。 d.胆嚢窩と下大静脈を結ぶCantlie線で左葉と右葉に分けられる。 e.右肝動脈が上腸間膜動脈から分岐する症例もある。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de B. 肝胆膵 B - 92 B - 92 解答 3 解説 b×中肝静脈。左肝静脈は左葉の内側区域と外側区域の間。c× 腹側から胆管、固有肝動脈、門脈の順。 問題60.次のもので正しい組み合わせはどれか。 a.膵は後腹膜腔に位置し外分泌線と内分泌腺の両方を持つユニークな実質臓器であり、構造的に外分泌線が95−99%を占める。 b.解剖学的に膵は頭部、体部、尾部に分けられるが、頭部と体尾部の境界は門脈の左縁である。 c.膵の栄養血管は主に腹腔動脈および上腸間膜動脈である。 d.副膵管(Santorini管)は総胆管の後面に位置している。 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade 解答 1 解説 a○ 1〜5%の内分泌細胞=ランゲルハンス島。体尾部に多い。b○ 体部と尾部の境界は体尾部の中点。d× 発生学的に総胆管が副膵管の後面に位置する。 問題61.膵酵素について、誤った組み合わせはどれか。 a.蛋白質:トリプシン、キモトリプシン b.脂肪:リパーゼ c.炭水化物:アミラーゼ、エラスターゼ d.リン脂質:ホスホリパーゼA2 e.核酸分解酵素:リボヌクレアーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 3 解説 エラスターゼは、エラスチン線維(蛋白質線維)を分解する酵素である。因みに繊維質を分解するのはセルラーゼ。 問題62.セクレチンの膵における作用として誤っているものを選びなさい。 a.重炭酸塩分泌 b.膵局所血流増加 c.膵液分泌 d.膵酵素分泌刺激 e.インスリン分泌抑制 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 5 問題63.消化吸収について正しいものはどれか。 a.胆汁酸の主たる吸収部位は空腸である。 b.吸収不良症候群ではビタミンDの吸収障害があり低Ca血症をきたしやすい。 c.ビタミンB12以外の水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンは空腸から吸収される。 d.糞便中脂肪の判定にはズダンIII染色が有用である。 e.鉄の主要吸収部位は回腸である。 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade 解答 2 解説 a× 回腸。 b○ ビタミンDがCa吸収を促進するため。 e× 十二指腸と上部空腸。 問題64.次のうちで水溶性ビタミンはどれか。 a.ビタミンA b.ビタミンB c.ビタミンC d.ビタミンD e.ビタミンE 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 3 解説 B12を除く水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンは空腸で吸収される。ビタミンB12は胃で分泌される内因子と結合し回腸で吸収される。 B. 肝胆膵 B - 93 B - 93 問題65.急性膵炎の原因となり得るものはどれか。 a.アルコール b.胆石 c.腹部外傷 d.高脂血症 e.高カルシウム血症 1)acd 2)ab 3)bc 4)dのみ 5)すべて 解答 5 解説 男性ではアルコールが最多(60〜70%)。女性では胆石をはじめとする胆道疾患が50%。上記の他にも感染症や妊娠も原因となりうる。 問題66.重症膵炎診断基準の予後因子にあてはまるものはどれか。 a.高アミラーゼ血症 b.高CRP血症 c.高血糖 d.血小板減少 e.低カルシウム血症 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade 解答 3 解説 アミラーゼなどの膵酵素は重傷度に相関しない。そのほかの予後因子にはショック、呼吸困難、神経症状、重症感染症、出血傾向の有無、LDH上昇、総蛋白低下など。 問題67.急性膵炎について正しいものはどれか。 a.重症急性膵炎では大量の浸出液産生の為、積極的に大量輸液を行う。 b.急性膵炎では診断確定のため、発症早期に内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を施行する。 c.腹部造影CTは、腎機能を悪化させるので禁忌である。 d.感染症は急性膵炎の主な死因の一つである。 e.膵炎晩期(後期)では、消化管出血は主な死因の一つである。 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade 解答 3 解説 a× 輸血ではなく輸液を行う。また同時に電解質補正と高カロリー輸液も。 b× 診断は上腹部痛、膵酵素異常(血中、尿中、腹水中)、CTなどの画像所見による。 c○ 以前は禁忌とされていたが、しないと壊死の程度がわからないので、腎不全がない限り行う。 d○ 感染症、DIC、低酸素血症などが急性膵炎を悪化させ多臓器不全をもたらす。 問題68.自己免疫性膵炎について誤っているものはどれか。 a.逆行性膵管造影で瀰漫性狭細化が特徴である。 b.血中IgGやγ−グロブリンの上昇を伴う。 c.ステロイド治療は禁忌である。 d.耐糖能の異常を伴うことが多い。 e.膵癌との鑑別困難で開腹に至る例が多い。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 3 解説 c× 第一選択。 問題69.慢性膵炎に関して誤っているものはどれか。 a.膵石が存在すれば慢性膵炎の確診例としてよい。 b.慢性膵炎の成因として女性に多いのはアルコール性である。 c.非代償期では腹痛発作を繰り返すことが多い。 d.食事療法は脂肪制限が最も重要である。 e.薬物治療として消化剤および蛋白酵素阻害剤の投与が有効である。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 3 解説 b×男性では多い。女性は特発性、胆石など。c×腹痛発作があるうちは代償期と考えられる。知覚神経が麻痺し、腹痛がなくなると非代償期に移行したサインになる。d○腹痛発作を誘発。禁酒も必要、刺激物はさける。 B. 肝胆膵 B - 94 B - 94 問題70.通常型膵癌の臨床像につき正しいものはどれか。 a.膵癌の大部分は膵管上皮癌であり、膵頭部癌は体尾部癌に比し頻度は少ない。 b.膵体尾部癌ではCourvoisier徴候がしばしばみられる。 c.通常型膵癌では耐糖能異常が約3割−半数程度の頻度でみられる。 d.腫瘤形成性膵炎との鑑別が必要になることがある。 e.血管造影では通常hypervascular massとして描出される。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 4 解説 a× 膵頭部癌が全体の70%をしめる。b× 膵頭部癌が総胆管をせき止めると胆嚢が無痛性に腫大することになる。e× 血管は少ない=hypovascular。 問題71.急性膵炎の合併症について正しいのはどれか。 a.膵性胸水は膵性腹水が貯留し過ぎた場合に出現する。 b.膵膿瘍は抗生剤投与で容易に対処できる。 c.血清アミラーゼ高値の遷延は仮性嚢胞形成を示す。 d.大きい仮性嚢胞は自然消失しない。 e.膵壊死(ネクローシス)はネクロセクトミーの適応である。 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 3 解説a× 消化酵素が炎症性サイトカインを誘導→好中球・補体の活性化→肺胞障害→肺水腫 b× 感染のある場合はすぐに開腹手術。予後不良。 d× 自然消失傾向が強いので6週間までは経過観察。 e× 感染がない限り外科手術はしない。(感染を持ち込むと手に負えないから) 問題72.次の文章の内誤っているものはどれか。 a.慢性膵仮性嚢胞は急性膵炎のあとに形成される。 b.急性膵仮性嚢胞は診断され次第切除の適応。 c.切除困難な膵仮性嚢胞は内視鏡的内瘻術の適応である。 d.内視鏡的内瘻術が困難な膵仮性嚢胞は外科的治療の適応である。 e.膵仮性嚢胞はすべて切除または内瘻術の適応となる。 1)ab 2)abe 3)abc 4)be 5)すべて 解答 2 解説 a× 外傷、慢性膵炎、膵石、膵癌による膵管の閉塞または狭窄によって形成される。 b× 感染がなければ6週間は経過観察。(自然消失傾向) c○ 腹腔鏡を用いて嚢胞を胃とつなげる。 e× 自然消失傾向の見られないもののみ。 問題73.以下の記述の中で、正しいものの組み合わせはどれか。 a.肝アミロイドーシスでは肝細胞索の間にアミロイドの沈着を認める。 b.原発性胆汁性肝硬変では胆管の消失をきたすことがある。 c.肝嚢胞の嚢胞内には胆汁がたまっていることが多い。 d.C型肝炎ウイルスでは核内に封入体を認める。 e.Wilson病では肝細胞に銅の沈着を認める。 1)abc 2)bcd 3)cde 4)abe 5)ade 解答 4 解説 b○ 自己免疫により胆管が破壊される。 問題74.急性膵炎についての記述で、正しいものの組み合わせはどれか。 a.膵腺房は萎縮するがランゲルハンス島は比較的保たれる。 b.膵実質と周囲脂肪組織の壊死が特徴的。 c.何らかの原因により膵酵素が活性化され、膵組織を自己消化する病態。 d.ランゲルハンス島にエオジンに淡染する硝子物が沈着する。 e.膵実質の間質に著明なリンパ球浸潤と線維性結合織の増生が見られる。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de B. 肝胆膵 B - 95 B - 95 解答 3 解説 e× 好中球が浸潤する。 問題75.膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMT)についての記述で、正しいものの組み合わせはどれか。 a.膵管上皮由来の腫瘍である。 b.膵管内にとどまらず周囲膵実質に浸潤することもある。 c.中年女性の膵尾部に好発する。 d.一般的には主膵管との交通はない。 e.多くは10歳以下の小児、特に男児に発生する。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 1 解説 c、e× 高年の男性の膵頭部に多い。 問題76.浸潤性膵管癌(膵癌)についての記述で、正しいものの組み合わせはどれか。 a.一般的に間質は少なく充実性に増殖する。 b.高分化なものはαフェトプロテインを産生するため血中値の測定が診断に有用である。 c.若年女性に好発する球形腫瘍である。 d.神経及び神経周囲に浸潤することがある。 e.膵管の閉塞を来すため慢性膵炎を随伴することが多い。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 5 解説 a× 充実性だが多くは多量の線維性間質を有する。b× 特異的症状やスクリーニングに使用できるマーカーはない。c× 高齢者に多い。d○ 膵周囲組織に浸潤している場合には、ほとんど常に末梢神経周囲あるいは末梢神経内への浸潤が見られる。(ロビンス基礎病理学) 問題77.胆嚢についての記述で、正しいものの組み合わせはどれか。 a.胆嚢癌は原発性腺癌が最も多い。 b.胆嚢コレステロールポリープは前癌病変である。 c.胆嚢癌の肉眼形態は陥凹型が最も多いため穿孔しやすい。 d.胆嚢癌は胆汁を過剰分泌するため下痢症状が発見の契機となる。 e.胆嚢には粘膜筋板が無い。 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 2 解説 a○90%。中でも管状腺癌が多い。c×結節型と平坦型が大部分を占める。(70%以上) d× 初発症状には腹痛が多い。e○ 粘膜下層もない。 問題78.単純CTにて肝実質がびまん性低濃度に認められるのはどれか。 a.ヘモクロマトーシス b.トロトラスト症 c.Wilson病 d.脂肪肝 e.肝硬変 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 4 問題79.肝硬変に特徴的なCT所見について誤っているものはどれか。 a.脾腫 b.肝辺縁の凹凸不整 c.肝左葉の腫大 d.尾状葉の萎縮 e.発達した側副血行路 1)a 2)b 3)c 4)d 5)e 解答 4 解説 a○ 代償性に肥大。c○ 門脈の走行が長い右葉が萎縮し、代償性に肥大。d× 同上。 e○ 門脈血流の低下による。 問題80.肝臓腫瘤性病変のうち、MR−T2強調画像にて著しい高信号を呈するものはどれか。 a.肝細胞癌 b.肝血管腫 c.肝嚢胞 d.限局性結節性過形成 e.石灰化肉芽腫 1)ab 2)ae 3)bc 4)cd 5)de 解答 3